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2024-25 SOMPO WEリーグ、第2節のちふれASエルフェン埼玉戦から続いた連勝は、クラブ新記録となる6連勝まで伸ばしていた。そして迎えた前節・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦。
15分だった。土方麻椰が左サイドに展開すると、パスを受けた山本柚月がカットインから右足を振る。ボールはきれいな軌道を描いてゴールへ一直線。相手キーパーの手もすり抜けてゴール右角に向かうが…、決まらなかった。スーパーゴールとなり得た絶妙なシュートは、惜しくも右ポストを弾いた。結果的に、このわずかな差が最後まで響いた。その後もベレーザが主導権に握り続けていたが、73分に小林莉々子にミドルシュートを打たれると、こちらはゴールネットを揺らし、ベレーザとしては重いビハインドを負うことになった。松田岳夫監督が「ワンチャンスで決められてしまった」と振り返るように、ベレーザとしては厳しい現実。
1つ前の試合、WEリーグ クラシエカップ グループステージ 第6節サンフレッチェ広島レジーナ戦では、失点で目が覚め、チームとして格段に動きが良くなり1点を返すことができた。今回はその反省を生かして、試合の序盤から動きは悪くなかった。失点後も動揺することなく、ゴール前に次々に迫ったが、最後のところで人数をかけた相手を崩すことができない。そして試合終了の笛を聞くことになってしまった。
ベレーザは今季のリーグ開幕戦以来となる無得点で試合を終え、連勝記録も6でストップ。ただ悔しんでばかりではいられない。優勝を目標に掲げるチームにとって、次はどうしても勝たなければいけない相手だからだ。現在首位を走るINAC神戸レオネッサ。WEリーグでは、今季ここまで唯一負けがない。そのI神戸に初めて土をつけることが、今節の目標となる。
I神戸は、前節EL埼玉と対戦。ここまで4試合連続ゴール中のスペイン人ストライカー、カルロタ スアレス擁するI神戸は、この試合も序盤から相手ゴールに迫る。16分には、そのカルロタ スアレスがチャンスを迎えるが、シュートは上手く足に当たらずGKの正面。逆に21分、瀬戸口梢のミドルシュートがクロスバーを叩くなど、EL埼玉も一歩も引かない。それでも先制点を取ったのはI神戸。31分にCKのこぼれを井手ひなたが押し込んだ。42分にもカウンターから守屋都弥のシュートがクロスバーに当たり、追加点のチャンスを逃すが、I神戸としては良い流れで終えることになった。ところが後半の開始早々の50分に、佐久間未稀のヘッドで同点に追いつかれると、85分には木許和心に逆転ゴールを許してしまう。EL埼玉が1点リードのまま、試合は後半アディショナルタイムに突入。しかし、これで終わらないのがI神戸の強さなのだろう。90+3分だった。ゴール前の混戦から、ベテランの髙瀬愛実がミドルシュートを突き刺し、劇的展開で引き分けに持ち込んだ。
今季のI神戸は、田中美南、山下杏也加、北川ひかるといったなでしこジャパンでも活躍する選手たちが抜けた一方、外国籍選手を4人、そして先日の韓国女子代表戦でなでしこジャパン初選出となったGK大熊茜といった充実の補強を行い、チームは大幅に入れ替わっている。今は結果を残しているが、連携面を含め、チームとしての完成度はまだまだだろう。その点で、ベレーザのチームワークは一朝一夕で作り上げたものではない。そこで勝負していきたい。
ベレーザは現在、首位I神戸と勝点2差の2位。つまり、勝てば入れ替わりで首位に立つことになる。もちろんサンフレッチェ広島レジーナが1試合、三菱重工浦和レッズレディースが2試合少ないため「暫定」という形にはなるが、それでもこの経験は今後を考えても重要なことは間違いないだろう。今節、ベレーザがいるべき場所へ立つ。それだけはどうしても譲れない。