NEWSニュース
NEWSニュース
リーグは最終盤に突入している。泣いても笑っても残りは4試合。前節終了時点で首位の三菱重工浦和レッズレディースとの勝点差が14となったため、ベレーザの優勝の可能性は潰えてしまった。そうした中で、残りの試合をどのように戦うのか。
ホーム西が丘4連勝で迎えた前節の相手は、順位が1つ上のアルビレックス新潟レディース。ベレーザ最初のチャンスは17分だった。山本柚月のクロスのクリアボールを拾った土方麻椰がシュートするも、これは日本女子代表の平尾知佳にセーブされてしまう。その後も新潟Lの堅いブロックを崩すことはできなかったが、45+2分。藤野あおばの縦パスを受けた鈴木陽が粘って右に展開。そこから土方のスルーパスに走り込んできたのは、3バックの右を務める坂部だった。試合後「何度(映像を)見てもそこに何で走ったのかは覚えていません」と話すように、無我夢中でゴールに向かい、滑り込みながらゴールに押し込んで先制に成功。前半を最高の形で終えた。
後半も土方がポスト直撃のシュートを放つなど、ベレーザが試合の主導権を握っていたが80分に上尾野辺めぐみのFKをニアで山谷瑠香がコースを変え中央で三浦紗津紀が合わせて同点に追いつかれる。悪い流れになりかけたところを救ったのは、第12節 サンフレッチェ広島レジーナ戦で左鎖骨骨折というケガを負い、この試合が復帰戦となった宮川麻都だった。87分に、宮川は藤野とワンツーでボックスに侵入。ボールを受けたところで倒されPKを獲得。これを藤野が「麻都さんが獲得してくれたPKを譲ってもらったので、絶対に入れなきゃいけない」と確実に決めて勝ち越し。ホーム5連勝となった。
試合ごとにヒロインが生まれ、エースも決める。この良い循環が続いている。現在9試合負けなし。次はアウェイとなるが、この勢いは止めたくない。
その相手はAC長野パルセイロ・レディース。今季の開幕戦で対戦した相手だ。その試合は10分にCKから村松智子のヘディングが決まって先制すると、69分には山本柚月のスルーパスに抜け出した北村菜々美が追加点。1点を返されるも、84分に木下桃香のゴールでダメ押しの3点目。プレッシャーのかかる開幕戦だったが、最高のスタートを切れたと言って良いだろう。
AC長野は前節サンフレッチェ広島レジーナと対戦した。AC長野は試合開始早々に難しい立場になった。7分、自陣ゴール前でバックパスを奪われると、そのまま上野真実にゴールを決められてしまう。その後も、GKとの1対1の場面を作られるなど、ピンチは続いた。だが33分には前線での守備がはまり鈴木日奈子がシュートに持ち込むも、わずかにバーの上。同点のチャンスを逃してしまう。後半に入ってお互いが決定機を作る中で、76分にS広島R中嶋淑乃のクロスに中央から上野が合わせると、GKに当たりながらゴールの隅に決まって追加点。このままAC長野はネットを揺らすことなく0-2の敗戦。これで10試合勝利から遠ざかっている。
3連戦の3試合目。両チームとも最後の力を振り絞る死闘になるだろう。ベレーザは中3日、AC長野は中2日となるが、AC長野はホームで試合ができる。どちらの条件が有利なのかは分からない。だが、いずれにせよ肉体的な疲労は残っているだろう。ただ、そんな時に、勢いや自信といったものが勝利に向けてプラスに働くことは間違いない。今ベレーザができることは、目の前の相手に勝って1つでも上の順位を狙うこと。残り4試合、最後まであがいていきたい。
(写真 松田杏子)