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前節は、マイナビ仙台レディース戦。「前半は特に単純なミスも多く、なかなかリズムをつかむことができなかった」と試合後に松田岳夫監督が振り返るように、前半は思うようなサッカーを展開できなかったが、42分だった。ハーフライン付近でボールを受けた木下桃香が長い距離を持ち運び、そのままシュート。これが右隅に決まってベレーザが先制に成功。「終わり良ければ全て良し」ではないが、良い形で前半を締めくくることができた。
すると後半は、より試合の主導権を握る。60分には鈴木陽が浮き球のボールを引いて受けると、ワントラップで前を向いて右足を振り抜く。これが左ポストに当たってネットを揺らす。鈴木の2試合連続ゴールで追加点となった。さらに、その8分後にはゴール前で鈴木が体を張って落としたボールを岩﨑心南が左足で決めて3点目。その岩﨑は、84分にスピードを生かしてディフェンスの裏に抜け出し、GKと1対1になったところでループシュート。これは惜しくもバーに弾かれてしまう。その後もゴールを脅かし続けたベレーザが、3-0の快勝となった。
チームは結果を残しつつある。それでも、松田監督は「いろんなバリエーションを増やしていきたい。今は3バックでやっていますが、4バックもありですし、やはり選手の個性を生かすという意味では、様々なオプションを使い分けていきたいです」と試合後に話していたように、さらなる進化に向けて変化を示唆している。なぜなら、今節は大事な試合を迎えるからだ。
WEリーグは中断に入り、今節は2週間ぶりの試合になる。その相手は、INAC神戸レオネッサ。前節セレッソ大阪ヤンマーレディースと対戦した。ここまでI神戸は4連勝中。勢いを持ってヨドコウ桜スタジアムに乗り込むと、先手を取るまでに時間はそれほどかからなかった。7分ロングボールを受けた田中美南がディフェンスに積極的に仕掛け折り返し。これを後ろから走り込んできた成宮唯が押し込んでI神戸が先制に成功。それでも、38分には田中智子にバックヘッドを決められて追いつかれてしまう。だが、自力に勝るI神戸は後半開始から愛川陽菜を投入すると、その愛川が田中美南のクロスに頭で合わせて、これが決勝点。I神戸はこれで5連勝となった。
I神戸はここまで13節を終えて未だ無敗。総得点はベレーザと同じ24得点でリーグ2位タイだが、失点はわずか5失点しかない。そのゴールを守るのは、パリオリンピック2024 女子サッカーアジア最終予選 朝鮮民主主義人民共和国女子代表戦で前半終了間際に「山下の1ミリ」として有名になったビッグセーブを見せた山下杏也加がいる。その一方で、攻撃陣には1トップの田中美南が存在感を見せている。順位こそ2位に甘んじているが、WEリーグで最も難敵と言って良いだろう。
前回対戦では、ベレーザがボールを握る展開だったが、5バックのI神戸の守備陣を打ち崩すことができず、逆に90分に守屋都弥にゴールを決められて今季初黒星となった。試合後、指揮官は「偶然負けたわけではなく、やはり力負けというのが正直なところです。我々がまだまだチャレンジャーとして積み上げなければいけないものがたくさんある、そう感じたゲームになったと思います」と振り返った。その試合から中断を挟み、試行錯誤を続けてきた。そして、進化はまだまだこれからも続いていくだろう。あれからどれだけ成長しているのか、それを測る絶好の機会になる。
(写真 松田杏子)