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ウィンターブレイク明け、最初の試合は最高のスタートを切ったと言って良いだろう。
相手はノジマステラ相模原。ベレーザはこの試合、新加入の神谷千菜、鈴木陽が先発メンバーに入った。また後ろを3枚にするなど、新たなフォーメーションで臨んでいる。
最初に決定機を掴んだのはベレーザ。11分、池上聖七のロングボールに鈴木が裏に抜け出してGKと1対1に。これはGKに阻まれてしまうが、ここで流れをつかみ19分だった。岩﨑心南のクロスを神谷千菜がニアで合わせて先制。ベレーザとしてだけでなく、さらにWEリーグとしてもデビュー戦でゴールをマークした。
後半開始から藤野あおばが出場し、さらに畳み掛ける。46分、その藤野が右サイドからDFとGKの間に絶妙なクロスを放り込むと、これが相手DFの足に当たってクロスバー直撃。中断前よりさらにチームとして追加点を狙う姿勢を明確にすると、その瞬間は訪れた。64分、左サイド深くまで北村菜々美が持ち込んで、高いクロスをゴール前に入れる。「菜々美さんがクロスを上げる際に、練習でも深い位置になったら高いボールを上げてくれていた」とクロスの軌道を把握していた神谷。相手GK、DFがボールを見送る中で、一人ファーに流れ、最後は体を投げ出しながら頭で合わせてゴールに押し込み待望の追加点。守っても、87分には下山莉子の鋭いミドルシュートを野田にながスーパーセーブを見せ、2-0の勝利。
新加入選手がいきなり存在感を見せ、既存選手と上手く融合する。そして、今季3度目のクリーンシートで試合を終わらせた。
試合後、松田岳夫監督は、
「今までなかった中央へのクロスとか、そういうイメージは非常によく出ていましたし、ゴールに近づくためのプレーの種類を増やせたことはチームとして非常にプラスだったかと思います」
と収穫を挙げている。もちろん同時に課題も口にしていたが、リーグでは4試合ぶりの勝利に明るい風が続いている。これを次の試合でも続けていきたい。
一方のアルビレックス新潟レディースは、前節サンフレッチェ広島レジーナと対戦。試合はホームのS広島Rが序盤にサイドを破り絶好のチャンスを作るなどS広島Rペースで試合が進むが、試合が動いたのは後半に入ってから。55分、杉田亜未が素早いプレスで相手からボールを奪い返すと、そのまま左サイドを独走。相手ディフェンスを引き付けたところで横パスを出すと滝川結女が切り返しから強烈なミドルシュート。これがネットを揺らして新潟Lが先制に成功した。71分には、杉田の左CKが直接ゴールに決まり、ラッキーな形でリードを2点に広げる。その4分後には、代わって入ったばかりの古賀花野に1点を返されてしまうが、新潟Lがこのまま逃げ切って勝利。WEリーグカップ決勝と同一カード。その時はPK戦で涙を飲んだ新潟Lがリベンジを果たした形になった。
新潟Lの武器は堅い守備にある。ここまで8試合で5失点は、首位のI神戸の4失点に次いで少ないことになる。副キャプテンのGK平尾知佳も、前節素晴らしいセーブを見せていた。今節その壁を打ち破って勝ち切ることで、チームは前進していると実感できるだろう。そしてそこには、新潟Lと入れ替わり順位を上げることがもれなく付いてくる。
それだけではない。INAC神戸レオネッサと三菱重工浦和レッズレディースの一戦が1-1の引き分けとなったため、第8節終了時点で両チームとの勝点差を2ポイント縮めることに成功。前節は新しいベレーザの姿を見せることができた。そして、その次は――。より高い位置へ順位を上げていく戦いになる。
(写真 近藤篤)