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「自分たちのサッカーに向き合う姿勢というものが、特に前半見せられなかったことは本当に恥ずかしい限り。私の準備、私の人選、もろもろ自分の力が足りなかったと痛感しています」
城福浩監督は険しい表情で試合を振り返った。ヴェルディは4連勝を含む6戦負け無しで前節、味スタに湘南を迎えた。ただ、試合が始まってすぐ、これまでのヴェルディとは違った印象を与えることになる。どことなく躍動感がなく、またあれだけ強さを見せた球際も迫力を見せられなかった。すると32分、小野瀬康介が裏で受けディフェンスを下げさせられてラストパス。これを鈴木雄斗が押し込んで湘南に先制点を許してしまう。
気を引き締め直した後半は、前半とは見違えるような内容。ただ、51分にはカウンターから最後は鈴木章斗に追加点を決められ、さらに厳しい試合になった。だとしても、このままでは終われないヴェルディは、ここから怒涛の攻撃を見せる。69分にはクロスを翁長聖が落として齋藤功佑のミドルシュート。相手陣で試合を進め、意識は常にゴールに向かっている。そんな時間帯が終盤にかけて続き、89分にはペナルティエリア内で間接FKを得る。見木友哉が柔らかいボールを出すと染野唯月がボレーで折り返し、山田剛綺がヘディングで狙うもこれはGKにかきだされてしまう。最後まで攻め続けたがこの試合は1点が遠く、2点ビハインドのまま試合終了。実に7試合ぶりとなる悔しい黒星となった。
「我々が忘れかけていたことを湘南に思い出させてもらった」と話す指揮官。メンバー選考について悩んできていたというこの2週間は、チーム全体としてサバイバルとなった。季節外れの暑さの中で行われたシンガポール代表とのトレーニングマッチなどを経て、どのように変わってきたか。それを今節にぶつけることになる。
一方の浦和は、前節C大阪と対戦した。試合は17分、ルーカス フェルナンデスのCKから為田大貴がボレーを決めてC大阪が先制。また22分にはGK西川周作のパスを奪われてピンチ。レオ セアラに2本のシュートを立て続けに奪われたが、自らリカバーする。その後もセットプレーからゴールを脅かされることもあったが、これ以上の失点を許さなかった。後半に入っても危ない場面はあったが、終盤に怒涛の攻撃を見せる。82分に渡邊凌磨の鋭いミドルシュートはGKのファインセーブ、85分にはクロスに小泉佳穂が合わせるが、ディフェンスのブロックにあってゴールとはならなかった。浦和はマチェイ スコルジャ監督の初陣となった第30節G大阪戦に勝利したあとから苦しい3連敗。
今はまだチームを立て直している状態だろう。よって、ヴェルディの前回対戦時とは、全く違ったチームになっている。両チームとも敗戦後の試合、勝利に飢えていることは間違いない。熱い試合になることは必至だが、ホームで迎えるヴェルディにとっては、前節のような試合をもうファン・サポーターに見せることはあってはならない。この試合を含めて残り5試合。松橋優安は「残り5試合で結果を残すのは自分たち次第。ここで原点に戻るということを意識してやってきました」ともう一度気持ちを引き締めて臨む。このままズルズルと落ちていくのか、それとも最後にもうひと伸びするのか。終盤に向けた方向性を、チーム内外に示していく試合にしていきたい。
(写真 近藤篤)