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リーグで今、勢いが出てきているもの同士の対戦と言って良いだろう。
ヴェルディは前節、アウェイで柏と対戦している。試合の序盤、何度も危ない場面を迎え2分のピンチはマテウスのスーパーセーブでしのいだものの、8分には細谷真大のシュートがマテウスの手を弾いてゴールに転がり、早々に失点を喫することになった。ただ、ここから待望の一振りが生まれる。15分、山見大登の縦パスを受けた木村勇大は、背負っていたディフェンスを弾き飛ばしながら反転。右足で豪快にゴールに叩き込んで同点に追いついた。11試合ぶりの得点で、自身初の二桁ゴールに到達となった。30分には齋藤功佑のディフェンスからショートカウンターを発動し、最後は山見がディフェンスを落ち着いてかわしてゴールに流し込み追加点。ところが、前半終了間際にマテウス サヴィオのCKから戸嶋祥郎にダイレクトボレーを決められ再び追いつかれてしまう。
45分で両チーム併せて4ゴールが飛び交う打ち合いの試合。後半に入ってもその激しさは続いた。55分、森田晃樹のクロスをGKが弾くと、こぼれ球を拾った翁長聖がゴール右角、ここしかないというコースに冷静に決めて突き放した。ところが易々と勝たせてくれないのがJ1だ。交代策でギアを上げてきた柏に対して、終盤は押し込まれる時間が続いた。それでもマテウスを中心にギリギリで踏ん張りを見せ、これ以上の失点を許すことなく逃げ切り。激戦を制した。これで2連勝。今季最高位となる7位に浮上した。
そこから2週間ぶりの試合となる今節。城福浩監督は、この中断期間について「ルヴァンカップや天皇杯を、ちょっとうらやましいなと思いながら見ていました」と言う。ヴェルディはその2つの大会をすでに終えている。城福監督の言う「うらやましい」舞台に立っていたチームの1つが、今節対戦する札幌だ。
ルヴァンカップ準々決勝に進出した札幌は、横浜FMに対してアウェイでは荒野拓馬の退場で1-6と大敗したものの、先週行われたホームでの一戦では素晴らしい戦いを見せた。前半14分にヤン マテウスに先制ゴールを決められてしまうが、後半開始直後に菅大輝のゴールで追いつき、さらに77分には青木亮太のクロスに角度のないところから菅が押し込んで逆転。さらに後半アディショナルタイムに新戦力のジョルディ サンチェスのゴールも決まり3-1で勝利。2戦合計の結果で、次のステージには進めなかったが、爪痕を残したと言えるだろう。
その札幌は、苦戦が続いているリーグでも光が見えている。今夏の大型補強でチームを立て直し、前節は川崎Fに対しても強さを見せた。両チームのGKがビッグセーブを連発するという緊張感のある試合。前半は0-0、試合終盤に差し掛かった71分、ようやく試合は動いた。髙尾瑠からのパスを受けた菅がゴールに流し込んで先制。さらに80分には鈴木武蔵の豪快なヘディングで突き放した。札幌はこの勝利で第17節以来“定位置”となっていた最下位を脱出。18位の磐田までは勝点3差、17位湘南との勝点差は7となっている。
今夏の大型補強で、チームは激変している。そして、それをすぐに結果に結びつけているのは、結果がでない中でもミハイロ ペトロヴィッチ監督が一貫してスタイルを変えなかったからとも言える。チームとしても上向いているなか、ヴェルディは札幌に乗り込む形になる。そうした相手の勢いに対し、受けに回らないようにしたい。
またヴェルディは現在2連勝中で、3連勝に手がかかるのは今季3度目。これまでどうしても手が届かなかった。そして、今季の目標を残留と設定している中で、そのライバルのうちの1つである札幌を倒すということ。この試合の勝利は、ヴェルディにとって大きな1勝になるだろう。今節こそ“3度目の正直”を達成したい。
(写真 松田杏子)