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2024.08.25 トップ

Match Preview #28

Match Preview

「今まさに底力を見せるとき」

もどかしい日々が続いている。リーグ戦で最後に勝利したのが、7月20日の第24節福岡戦。そこから1ヶ月以上が経過した。

前節は味スタで、アウェイチームとして戦ったFC東京戦。その前の対戦では2-2とスコアが動く展開となったが、今回は緊張感の続く試合になった。前半立ち上がりはややFC東京がペースを握った展開となるも、後半はヴェルディが完全に主導権を握っていた。

68分は右サイドをコンビネーションで崩して染野唯月のふわりと浮かしたボールを山見大登がヘッドで狙うが、野澤大志ブランドンのセーブで得点とはならない。さらに75分には右CKから染野が中央から頭で狙うが、これもGKにセーブされてしまった。終盤にかけて怒涛の攻撃を見せるが、やはり野澤のビッグセーブなどに阻まれてしまいネットを揺らせないまま試合は終了。

これでヴェルディは3試合勝利がない。もっとも、この3試合ゴールから遠ざかっているというのが現状だ。チャンスがないわけではない。城福浩監督が試合後に、「今日の出来であれば、もう10回決定機を作らないといけない。10回作ったのであれば、20回作る。いま我々がやれることをやるという意味では、決定機を増やすことしかない」と言うように、特にこのような状況では、1点を取るために労を惜しまないことが求められている。

この8試合を見ると得点は4点、そのうち1点はオウンゴールで、残り3得点はすべて山見のゴールだ。本人も「『自分が点を取らなきゃ』とは思ってはいないですけど、やっぱり前の選手が点を取らないと勝てないっていうのはここ何試合か見てもわかると思います。やっぱり前の選手がもっと意識して突き詰めていく必要がある」とゴールを見据えている。1度止まってしまった流れを、もう一度動かす。その役割は彼ら攻撃陣に託されている。

今節の相手は現在3位の鹿島。前節は浦和と対戦している。試合は16分にカウンターから、最後はスルーパスに抜け出した関根貴大がシュートを放つが早川友基が足を伸ばして防ぐ。34分にもカウンターから渡邊凌磨にシュートを打たれるが、こちらはクロスバーに助けられた。さらに前半終了間際にも三度カウンターから危ない場面を迎えるが、これもなんとか凌いで前半を無失点で終える。53分にはブライアン リンセンにネットを揺らされるが、オフサイドでノーゴール。これまで劣勢だった鹿島だが、60分にスルーパスに抜け出した鈴木優磨がGKと1対1の場面を迎えるが、シュートはGKの正面。その後は両チームとも決定機を迎えるも、スコアは動かずスコアレスで終了。勝点1を分け合っている。

鹿島は、これまでの2位から順位を1つ下げることになったが、今週水曜日に行われた天皇杯ラウンド16で甲府を2-1で破り準々決勝に進出するなど、きっちりとその分を取り返しているとも言える。

ヴェルディと鹿島、前回対戦では壮絶な試合だった。5分に鈴木優磨、8分には名古新太郎にゴールを決められ、さらに後半の序盤50分に植田直通にゴールを割られ0-3。そこにいた誰もが勝敗は決したと思っただろう。だが、そこから69分に交代出場の齋藤功佑が1点を返すと、81分に木村勇大が決めて1点差。さらに、後半アディショナルタイムに見木友哉が執念でゴールを決めてついに同点。ヴェルディの底力を見せた試合になった。

今節、契約の関係で染野唯月、松村優太、林尚輝の3選手が出場できない。

「もちろん3人を欠くというのは簡単な状況ではないが、だからこそ日頃準備してきている選手が、ここで結果を出したいという思いが強いでしょうし、むしろ試合に出ていない選手の方が日々厳しいトレーニングやっている自負がある。そこを見せるチャンスだと思うし、彼らもそういう思いを持って試合に臨んでくれると思います」

と、指揮官は代わって出ることになる選手たちに期待を寄せる。そして、その候補となる選手の1人、山田剛綺も、

「誰が出ても戦えるチーム作りを今年1年やってきているので、その見せ場でもありますし、『頼ってないぞ』というところをチーム全員で見せていきたい」

と目をギラつかせる。また、その劇的同点劇に貢献したチアゴ アウベスも、最近は出場機会がなかったが、

「自分は攻撃の部分で特別なものを持っていると思います。トレーニングもしっかりできていて良い状態であるのは間違いなので、自分が出る機会があったときはしっかりチームに貢献できるようにプレーをするだけだと思います」

と意気込んでいる。

昨季のプレーオフ決勝を例に出すまでもなく、これまでチームは追い込まれたときに力を発揮してきた。現在ヴェルディより順位が下のチームも迫ってきており、ここが正念場になってきている。今まさにチームの底力を見せるとき。夏休み最後のホームゲーム。モヤモヤとした気持ちを吹き飛ばす歓喜の瞬間をファン・サポーターに見せる。

(写真 近藤篤)

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