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2024.07.14 トップ

Match Preview #23

Match Preview

「あの日を忘れてはいない」

誰もあの日のことを忘れてはいないだろう。5月19日、アウェイの町田戦。リーグ戦11試合負けなしのヴェルディが、町田GIONスタジアムに乗り込んだ。しかし、待ち受けていたのは厳しい現実だった。11分にオウンゴールで失点すると、29分に藤尾翔太のゴールで突き放される。60分にPKで3点目を奪われると、柴戸海の豪快ボレー、終了間際のエリキのゴールなど、大量5失点。「歴然とした差を見せつけられた試合だった」と城福浩監督は、あの時を振り返る。

しかしながら、あの試合を境にチームは大きく変化した。システムが3バックに変わった。練習の雰囲気が変わった。そして当時は「チーム内競争というところが、J1を戦っていくなかで絶対に必要なものだと改めて感じました」と指揮官は話していたが、今はどうだろう。ポジションごとの競争はいたるところで起こっており、先発メンバーは試合ごとに変わっている。途中から出てくる選手も役割を理解し、各々の特長を発揮している。チームは大きく成長していると言って良いだろう。

もちろん、成長の矢印が一直線に伸びているかといえばそうではない。指揮官も「3歩進んで2歩下がる状況」と言うように、良いゲームを見せたかと思えば、そうでないゲームもある。

その意味では、週中に行われた天皇杯は良くなかったと言えるかもしれない。豪雨の中で行われた前半。自分たちのサッカーをなかなか見せることができない中、ゴールに迫る場面を作るも、得点を奪うことができない。そして後半、雨は弱くなってきたが66分だった。鈴木章斗にミドルシュートを決められてしまう。その後、試合終了の笛が鳴るまで反撃の姿勢を見せるも、この日はどうしてもネットを揺らすことができなかった。単純なシュート数の比較では、ヴェルディが13本に対して湘南が5本と相手の2倍以上のチャンスを作りながら、突きつけられたのは決定力の差。さらに失点シーンにしても、直前にオフサイドながらネットを揺らされており、より集中したい場面だった。

ただ、この敗戦を引きずっていられない。齋藤功佑が「間違いなく自分たちは前とは違う」という、その成長した姿を見せなければいけない大事な試合になる。

相手は言うまでもなく現在J1の首位を走るチーム。前節は名古屋と対戦している。30分に、ペナルティエリア内で平河悠からのボールを受けた下田北斗が鮮やかな切り返しから右足を振り抜いてネットを揺らし、町田が先制。さらに下田は80分にもゴールを決めるが、VARの介入で得点は取り消し。それでも、リードを守り抜いた町田が2連勝。この試合を最後にブリストルシティFCに期限付き移籍をする平河を勝利で送り出した。

その町田と対戦する。フィクションの世界のように過去の事実を変えることはできない。しかし、意味を変えることはできる。ただの「完敗だった」で終わらせるのか、それとも…。むしろあの試合があったからこそ今のヴェルディがある。そう思えるようにするために、この試合で町田にリベンジする。

(写真 近藤篤)

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