NEWSニュース
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2020年11月7日に東京ヴェルディとヤンセンファーマ株式会社様による協働事業 『ともに未来へ Green Heart Project』(https://www.verdy.co.jp/news/9377)の初回が行われました。
ヴェルディのSDGsに対する想いに共感し、ご協賛いただいたヤンセンファーマ株式会社様からニューロサイエンス事業本部長の大櫛さん、東京ヴェルディ株式会社から話し始めたら何時間でも語れるほど熱い思いを抱く普及部ディレクターの奈良彬と普及部コーチの中村一昭、東京ヴェルディ株式会社(株式会社リトリガー)パートナー営業部プランナー八木原泰斗が、初日を終えての感想や振り返り、これまでの経緯から描いている未来について語り合いました。
(以降敬称略)
八木原 先日のグリーンハートプロジェクト初日ではありがとうございました! 今回は本取り組みへの熱い想い実施に至った背景、今後目指す未来などのお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします!
では、まずサポーターの方へのご紹介という意味も込めて、ヤンセンファーマさんの会社紹介をお願いします。
大櫛 よろしくお願いします! 私たちはジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門の会社です。ジョンソン・エンド・ジョンソンと言いますと、ハンドクリームやバンドエイドがよく知られていますが、私たちは医薬品部門の会社になります。ポール・ヤンセン博士という薬理学者が創立した会社で、元々はベルギーの企業です。
私はそのなかのニューロサイエンス事業本部というところで、主に統合失調症や認知症、ADHD等の疾患の薬剤を扱っています。日本では他にがん、免疫疾患、感染症・ワクチン、肺高血圧症の分野で薬剤をお届けしています。
八木原 ありがとうございます! ではヤンセンファーマさんとして、本日のようなプロジェクトや、SDGsに取り組む意義などをどう考えているかお聞かせください。
大櫛 私たちヤンセンファーマは、というよりはジョンソン・エンド・ジョンソングループとして、3『すべての人に健康と福祉を』、5『ジェンダー平等を実現しよう』、17『パートナーシップで目標を達成しよう』の達成に向けた取り組みを行っています。それをベースとして様々なプロジェクトを行っていまして、今日のイベントもその中のひとつというようなイメージですね。
八木原 この3つはヴェルディが注力していこうと考えている部分と同じですよね、奈良さん。
奈良 そうですね。まずこのグリーンハートプロジェクトや、ホームタウンの行政と連携して実施している障がい者スポーツ体験教室などのスポーツ普及活動は、3番の『すべての人に健康と福祉を』にあてはまると思います。
5番の『ジェンダー平等を実現しよう』に関してですが、私たちは日テレ・東京ヴェルディベレーザという女子チームも運営しております。ちょうど来年プロ化することもあり、女子サッカー界をリードするような取り組みをしていきたいと思っています。
17番の『パートナーシップで目標を達成しよう』に関してはホームタウンやコーポレートパートナーの皆様に支えていただいて、こういった様々な活動ができているので、とても大事にしていきたい部分と考えています。なので、この3つはヴェルディともすごく親和性が高いと思いますね。
大櫛 やっている事業は私たちとヴェルディさんで全く違うんですけれど、考えていることや目指していることがとても似ているなって、イベントを実施してみてあらためて思いました。スポーツは関わっている人を笑顔にしたり、気持ちを前向きにする大変素晴らしいものだと思っています。そういうことがあると、生活の他の面でも積極的で前向きになれると思うんですよね。
私はニューロサイエンス事業部を統括していますが、統合失調症の治療薬を提供するだけではなく、当事者の方々が過ごしやすい社会を実現するお手伝いができないかな、ということは常に考えていました。そんな中でヴェルディさんと出会ってこういう活動ができたのは、本当に嬉しく思います。
奈良 想いの共鳴に関しては中村コーチともよく話をしています。私たちにとって、同じ想いをお持ちのヤンセンファーマさんとの今回のような出会いは、とても幸せなものです。中村コーチは6年前にヴェルディに入る前から障がい者スポーツに長く関わってきたので、こういった活動に対する想いも強いと思いますが、どうですか。
中村 本当にこの出会いはありがたいです!私は15年前から障がいがある方もない方も、同じようにスポーツを気軽にできる環境をつくっていきたいと思っていて、そのためにはどうしたらよいのか、ということを常に考えてきました。
普段ホームタウンで実施している障がい者スポーツ体験教室で保護者の方とお話をした時に、「もし自分が先に死んでしまったら、この子はどうなるんだろう」とおっしゃっていて。私も自分の子どもに対して同じように考えることがありますし、保護者であれば子どもの障がいの有無に関わらず、誰でも感じることだと思うんですよね。
そういった中でみんなが安心して集まってスポーツができる環境だったり、人とつながることのできるコミュニティだったりが、毎月・毎週あるとなったら、すごく大きなことだなと思うんです。なので、今は東京都内の9つのホームタウンで実施している障がい者スポーツ体験教室も、どんどん拡大していきたいと考えています。
私自身、最初は強い想いがあればひとりでもやっていける、と思っていたのですがやっぱり限界がある。だからこそヤンセンファーマさんのような企業だったり、ホームタウンの方々だったりと協力して東京だけでなく、日本全国、そして世界に向けてやっていけるようにしたいなと今日あらためて感じました!
八木原 ヤンセンファーマさんとご一緒できて世界という言葉が現実味を帯びてきたというか、夢物語ではないんだと思えた気がしますね! 大櫛さんは本日のプログラムの様子をご覧になって、何か感じられたことなどはありますか?
大櫛 活動の最初は皆さんなんとなくぎこちない雰囲気もあって、おとなしめな感じかな?と思ったんですが、徐々に盛り上がってきて、どんどんコミュニケーションを取られ、最後はすごく楽しそうに生き生きとされていたので、とてもよい光景だなと感じました。
八木原 中村コーチ、そこには実はちゃんと仕掛けがあるんですよね?
中村 はい、プログラムも徐々に盛り上がっていくように、最初は1対1でお互いの距離を縮める、次はダンスのプログラムで全体の一体感をつくり出す、最後は対戦要素を盛り込むことでチームの一体感をつくり出す。そんな流れをつくることで、アイスブレイクが自然と促され、コミュニケーションがより強いものになることを目指して構成しています。
大櫛 当事者の方とお会いするといつもそうなんですけど、「自分自身が偏見を持っていたかもしれないな」って実感するんですよね。今日も就労体験で活躍されている方々を見て、当事者の方々を知れば知るほど、障がいのある方、こころの病のある方と、健常者の方という切り分けは全く必要ないんだと思うようになりました。こころの病って歴史的に偏見がずっとあって、なんとなく隠さなきゃいけないことのようなイメージになっていると思うんです。
ですが、統合失調症は約100人に1人がなる病気なんですよ。今コロナ禍でうつ病の患者さんも増えてきて、精神科の受診率は上がってしまっている。そんな環境だからこそ、ちょっとした偏見がなくなればもっとよい社会に向かっていけるのかなと思いますね。
今回のプロジェクトは最後の方になるにつれて、誰が当事者で、誰が付き添いで、誰がコーチなのか分からなくなるくらい一体となっていて、実現したい世界がそこにあったような気がしました。
八木原 うれしいお言葉をありがとうございます!確かに就労体験の際も他のスタッフと同じように積極的に動かれていました。このような活動をスポーツクラブがやる価値についてはどうお考えですか。
大櫛 そうですね。例えばしっかりとしたプロのコーチに教えてもらうと上達のスピードが早くなるように、参加される方の自覚もより芽生えやすいのではないかと思います。だからこそ、ヴェルディさんのようなスポーツクラブが取り組んでいることは、とても価値あることだなと思います。
奈良 みんなが一緒になって楽しむというのは、ラモスさんや松木さんや都並さんたちが現役の頃から続く、このクラブのスタイルでもあるんです。
大人も子どもも関係なく一緒にボールを蹴って、本気で楽しむ。上手な子も初心者の子も、コーチが一人ひとりと向き合う。そうしてプレーや言葉で大切なことを伝えてきた伝統がヴェルディにはあるので、これからもそれを活かして、あらゆる人にスポーツや他者と関わることの楽しさを伝えていきたいと思います。
八木原 ヴェルディの強みはまさにそのアイデンティティにありますよね! さて、今後に向けて色々なことをやっていける可能性を感じられたのですが、ヤンセンファーマさんは今後ヴェルディとどんな活動をやっていきたいとお考えですか?
大櫛 私たちがヴェルディさんから学ぶことは本当に多くて、今後もこういった活動はぜひやらせていただきたいです。お薬を提供するだけでなく、医療とコミュニティをつなぐことで、統合失調症の当事者の方々が社会で活躍する未来を私たちは目指しているのですが、やっぱりケアテイカーの方々に理解していただき、医療と連携していくことが大切だと思っています。
ヴェルディさんがそういったコミュニティを一気につくられていくのを間近で見て、私たちももっと頑張っていかないといけないなと強く思いました。
奈良 Jリーグ全体として社会と連携する(シャレン!)ということは強く意識していますし、もちろんヴェルディとしてもそれは同じなので、そう言っていただけるとうれしいです。ホームタウンや企業の方にJリーグクラブを良い意味で“つかって”いただいて、社会課題の解決をお手伝いしていきたいと思っています。
だから私たちは東京のJクラブとして、こういった活動を実施して社会に発信していく責務があると思っています。
去年渋谷区で障がい者スポーツ教室をスタートした時も、メディアと上手く連携して活動を発信することができたのですが、今回のヤンセンファーマさんとのグリーンハートプロジェクトでも、お互いの強みを活かして社会にメッセージを発信していけたらうれしいです。
世界的に知名度があって影響力をお持ちのヤンセンファーマさんとこういったかたちで出会えましたので、これからはより強く世界を意識してプロジェクトに取り組んでいきたいですね。
八木原 ヤンセンファーマさんとヴェルディは過去にはお付き合いがありませんでしたが、最初にヴェルディと一緒に取り組むという話になった時、正直どう感じられましたか?
大櫛 きっかけは、2020年はオリンピックイヤーということで、スポーツを通じて何か当事者の方々に貢献できることはないかと考えたことです。そんな中、ヴェルディさんの素晴らしい取り組みを知り、何かコラボレーションさせていただきたいとずっと思っておりましたので、思いが形になり本当に嬉しかったです。
私たちってずっと当事者やそのご家族の方々のためにという想いでやってきたんですが、活動として目に見えるかたちでというのは、なかなか実現できていない状況だったので、実施できると決まった時は、チームで大盛り上がりでした。
せっかくやるからには社員にもしっかり告知しようということで、全社的に大きく告知させていただいたんですが、社内にJリーグファンがたくさんいて、とても反応がよかったです。『ヴェルディと何かやるの!?』みたいな。こういった活動に社員が参加することで自己効力感が高まり、会社へのエンゲージメントも高められると思っています。
関係企業やドクターからも声をかけてもらって、新しいつながりもできましたし、やっぱり誰もが知っているヴェルディさんってすごいんだとあらためて思いましたね。
人々の健康を支えることを使命とするヤンセンが医薬品の提供を越えてさらに社会に貢献する場を作っていく意義は大きいと思うのです。ヤンセンファーマという会社が持っている想いを、今回ヴェルディさんとご一緒できたことで少しでも伝えられたと思うので、今後も継続して想いを届ける活動をしていきたいです。
八木原 ありがとうございます。伝えたいメッセージをヴェルディとの活動を通じて発信できたことは本当に良かったと思います!また、こういった活動は社員の方の誇りにもつながりますし、社会貢献したいけどどうすればよいか分からない、といったところへのヒントにもなりますね。 さて、熱い想いをいただいたところで、最後に今後協業でつくっていきたい未来について教えてください。
大櫛 『ともに未来へ Green Heart Project』のキーワードは「ノーマライゼーション」だと思うのですが、実は私たちの2021年のコミットメントも『こころの病と向き合う方のノーマライゼーションを目指す ~リカバリーのその先へ。こころの病と向き合う方が活躍できる社会を。~』でして、あらためて業界を超えて同じゴールを持てる喜びを実感しております。今後もこういったイベントを続けて、みんなで真の意味でのノーマライゼーションを達成していきたいなと思っています。今日はありがとうございました!
奈良 私たちはスポーツクラブなので、まずは世界中のどんな場所でもどんな人でも、等しくスポーツを楽しめて、それが身体とこころの健康につながること。そして自分たちの活動を通して、世界のスポーツ以外の課題解決にも近づいていきたいと思っています。
中村 私が目指しているのは、障がいのある方もない方も気軽にスポーツができる環境を整えていくことです。これはヴェルディだけではできないことなので、ホームタウンや企業の皆様など、協力してくださる方々とともに熱量を高く持ってやっていきたいと思います。
ヴェルディは現場の熱量がJリーグで一番だと思っているのですが、障がいのある方へのスポーツ教室に関してもJリーグで一番だと思ってますので! 皆さんの想いをグラウンドで表現して、100年後も続いていくような活動にしたいですね。最終的には『障がい』という言葉自体がなくなる世界を実現したいです。
八木原 熱量が高くて最高ですね!今お話しいただいた未来をひとつひとつかたちにしていきましょう! 皆さん本日はありがとうございました!
大櫛 ありがとうございました!
奈良 ありがとうございました!
中村 ありがとうございました!
ライター:渡邊志門
東京ヴェルディは今後もホームタウンや様々な企業の皆様とともに、SDGsの活動に力を入れて取り組んでいきます。
SDGs領域で協業をお考えの方はお気軽にお問い合わせください。