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ヴェルディにとって振り返るのがつらいリーグ前節となった。今季の15試合目は、町田とアウェイでの対戦。11分だった。相手に押し込まれる時間が続く中で、守備が後手後手に回る状況になり仙頭啓矢のスルーパスから藤尾翔太の折り返し、ここからオウンゴールになってしまい町田に先制点を与えてしまう。さらに29分にはスローインの流れから鈴木準弥のクロスに藤尾のダイビングヘッドで追加点を許してしまった。試合は後半に入り、そこから巻き返したいところだったが、次の得点も町田に入った。60分に藤尾のPKで失点。80分にはロングスローのクリアボールを柴戸海にボレーで決められ、そして後半アディショナルタイムにはエリキに決められて0-5。ヴェルディにとって12試合ぶりの敗戦となった。
「今シーズンはこの歴然とした差をどう埋めていくかというところが、我々のやるべきことだなと思います」
と城福浩監督が話すように、この試合でJ1というリーグの現状を痛いほど理解することになった。その上で、ヴェルディにとってこれからの課題として挙げたのは「競争の部分」と言う。
「今日は普段競争がないと思われるポジションの選手がよくなかった。これは我々が抱える問題で、チーム内競争というところが、J1を戦っていくなかで絶対に必要なものだと改めて感じました」
そして、その機会はすぐにやってくる。この試合から中2日で行われるのはJリーグYBCルヴァンカップの3回戦。回復期間が短いこと、また2回戦の状況などから、この試合ではリーグ前節のメンバーから大幅な変更が予想される。そこで出た選手の活躍が、チームの課題克服の第一歩となる。完敗を喫したあとの試合、ここはより大事にしていきたい。
その相手は広島。リーグ前節はヴェルディと対照的な試合をしている。4連敗の京都に対して9分、カウンターからピエロス ソティリウの折り返しをファーから川村拓夢が詰めて先制。その3分後、ピエロス ソティリウがゴールライン際のボールを残してマイナスのクロス。これを新井直人がゴールに叩き込んで追加点。さらに、25分には志知孝明のCKを新井がニアで合わせ3点リードで前半を終えた。後半も55分にスローインから松本泰志が押し込んで4点目、69分には新井が直接FKを鮮やかに決めてハットトリックを達成。7試合ぶりの勝利を大勝で飾った。
その広島は、ルヴァンカップ2回戦は奈良クラブと対戦している。前半終了間際の43分に柏好文がゴールを挙げて先制。前半はこの1点に終わったが、後半から一気に爆発。48分の大橋祐紀のゴールを皮切りに、満田誠、東俊希、ピエロス ソティリウ、マルコス ジュニオールがゴールを挙げて6-0で3回戦に進出している。
J1チーム同士の戦いも始まるここから、ルヴァンカップもより厳しさも増した戦いになってくる。負けたら終わりの大会は、精神的にも肉体的にも消耗も激しくなるだろう。それでも、ヴェルディはあの試合からどのように立ち上がるのかを見られている。ファン・サポーターに力強いファイティングポーズを見せたい。
(写真 松田杏子)