NEWSニュース
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8月21日(日)に開催したヴァンフォーレ甲府戦で、障がいのある方がご家族で試合観戦を楽しめる『Green Heart Room』を運用に合わせて、初めてホーム・アウェイ両クラブのサポーターを招待し、部屋からの試合観戦に加え、選手入場時のセレモニーにもご参加いただく企画を実施しました。
東京ヴェルディでは、2021シーズンより味の素スタジアムでのホームゲームにて、障がいのある方がご家族で試合観戦を楽しめる『Green Heart Room』を運用しています。
『Green Heart Room』は障がいの種類に合わせて仕様をカスタマイズする部屋で、コンセプトはご自宅のリビングルームのようにリラックスしてJリーグを観戦していただくことです。
センサリールームの主な対象となる自閉症の感覚過敏の方だけではなく、可能な限りあらゆる種類の障がいのある方をお迎えすることを目指しています。
設置にあたっては事前に東京都立多摩桜の丘学園(特別支援学校)の先生方にアドバイスをいただき、部屋の仕様を検討しました。
またコーポレートパートナーである株式会社エムールからのご協賛、ホームスタジアムである味の素スタジアムからのご協力もとに、年間5試合ほどの運営を継続しています。
試合開始前、選手のロッカーアウトを待つピッチ入場口前に、少し緊張した面持ちの若きサポーターの姿がありました。
ヴェルディのグリーンのシャツを着た2人は、藤好伸明さんと藤好正明さん。
ヴァンフォーレのブルーのシャツを着ているのは、この日が初めてのアウェイゲーム現地観戦となる石田一さんです。
3人とも、ヴェルディとヴァンフォーレがそれぞれ普及活動で訪問している、ホームタウンの特別支援学校の生徒です。
インクルーシブなスポーツ観戦環境普及のメッセージや、ヴェルディ・ヴァンフォーレがともに力を入れているSDGs推進活動のロゴの入ったボードを手にして、入場を待ちます。
入場前のヴェルディの選手が、入場セレモニーに参加する3人に対して、声をかけたり、笑顔になったり、コミュニケーションを姿も見ることができました。
17時58分、スタジアムにアンセムが流れ、選手入場です。
審判団に続いて伸明さんと一さんが歩き、正明さんはヴェルディのキャプテン梶川諒太選手が車いすを押してピッチに入っていきます。
ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド選手が車いすの女の子と一緒にピッチに入場していたのを知り、東京ヴェルディのホームゲームでも実現したいと考えていました。
(リーグでは前例が見つからなかったため、J リーグ初の取り組みとなります。※担当者調べ)
この日、実際に車いすで天然芝に入っていくために、ピッチコンディションの検討やスロープ状の傾斜準備など、味の素スタジアムの皆さまに多大なるご協力をいただきました。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
ピッチへの入場後、整列、選手写真の撮影まで、全てのセレモニーにご参加いただきました。
写真撮影の列に加わるとき、マテウス選手が優しく手を伸ばし、伸明さんと正明さんを迎え入れていました。
緊張と興奮の入場セレモニーご参加後は、『Green Heart Room』で試合観戦を楽しんでいただきます。
ご自宅のリビングルームのようにリラックスして過ごしていただくため、部屋のなかはご家族だけで、スタッフは何かあれば対応できるようにドアの外に待機しています。
これまで、ご利用されたご家族も、全員でサッカー観戦を楽しまれたり、お母様はクッションに座って雑誌を読んでひとり時間を過ごされたり、それぞれに思い思いの方法で『Green Heart Room』をご利用いただいていました。
試合はヴェルディ、ヴァンフォーレともに決定的なチャンスをつくり出しますが、好守やシュートがクロスバーにはじかれるなどで得点には至らず、0-0で勝ち点を分け合う結果となりました。
試合終了後、『Green Heart Room』ご利用の皆様を、この日は特別に選手取材エリアまでご案内しました。
そこにサプライズで現れたのは、試合を終えたばかり梶川選手と佐藤凌我選手。
この日の記念写真のプレゼントと、シャツなどにその場でサインをして、ふれあいの時間を楽しんでいただきました。
またヴァンフォーレ甲府も選手が登場し、記念撮影などを行いました。
その後、ご来場いただいたご家族をお見送りして、『Green Heart Room』の活動は終了しました。
試合観戦やセレモニー参加、ピッチ入場リハーサル時のコーチたちによるアトラクションなど各種イベントを「最高の夏休みになりました!」と笑顔で振り返っていただき、コーチ・スタッフ一同大変うれしく思いました。
他にも様々なご感想をいただきましたが、伸明さんと正明さんからは「また試合を観に行きたい!選手がかっこよかった!サッカーがしたくなった」という声を、ご両親からは「(来場に備えて事前にネットで情報を調べると)味スタはバリアフリーが整っていると書いてあり、来てみたら実際にそうでした。障がいのある人にもっと来て欲しいと感じました」という実感のこもった言葉をいただきました。
これらのご感想のように、その日の試合を楽しんでいただくだけではなく、新しいきっかけが生まれる事業として『Green Heart Room』を継続していきたいと考えています。
藤好さま、甲府からお越しくださった石田さま、ご来場誠にありがとうございました。
今回初めてホーム・アウェイ両クラブのサポーターをお招きしましたが、ご一緒させていただいたヴァンフォーレ甲府の皆さまにも厚く御礼申し上げます。
普段から地域貢献活動や障がい者スポーツ普及に熱心に取り組まれているヴァンフォーレ甲府との対戦だったからこそ、この初めての試みを実現できたと思います。
そして特別観覧室の使用や、利用者の方へのお土産のご提供、そしてこの試合ではピッチへの車いすでの入場に関する調整など、本当に大きなご協力をいただいた味の素スタジアムの皆様へ、最後にもう一度感謝を申し上げます。
東京ヴェルディは皆さまとともに手を携えながら、誰もがスポーツを楽しめる社会を目指して、今後も活動を続けていきます。