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最後にリーグ戦が行われたのが7月20日の福岡戦。リーグ戦は2週間半にわたり中断した。その間、ヴェルディは成長への歩みを進み続けている。
7月21日、鹿島から松村優太が期限付き移籍で加入。今季は途中出場が中心で得点こそないものの、これまでJ1リーグ74試合に出場し5得点を挙げている。発表から3日後の24日、多摩市立陸上競技場にて行われた公開練習でチームに初合流。「覚悟を持ってきたので、しっかりとヴェルディの力になる」と強い意気込みを語っていた。
またチームとしても28日にはブライトン&ホーヴ・アルビオンと国際親善試合を行っている。試合は12分にCKから先制を許してしまうが、その3分後だった。カウンターから齋藤功佑の視野の広さが生んだスペースへの縦パス、山見大登の針の糸を通すような繊細なスルーパスがつながり、木村勇大が冷静に押し込んで同点。前半終了間際と後半開始に失点を重ねて難しい試合になるも、54分にFKを獲得。山見のボールに、大外から林尚輝が豪快なヘッドを叩き込んで1点を返す。そこからあと1点がほしい状況だったが、逆に77分に再びゴールを決められ、結果は2-4の敗戦。それでも城福浩監督が、
「中断期間においてこのようなレベルの高いチームと試合をやって、我々らしくある程度試合がやれたということは、多少自信を持ってもいいのかなと思います」
というように収穫の多い試合になったと言えるだろう。
その試合、松村も途中出場でヴェルディのユニフォームを着て初めてピッチに立った。最後に公式戦に出場したのは6月1日、そこから約2ヶ月ぶりの実戦だった。それ以降も日々のトレーニングやトレーニングマッチでコンディションが上がってきていることを実感しているという。鹿島との練習の違いとして「フルピッチで紅白戦をやること」を挙げており、試合に出るために日々ピッチ内でライバルとの戦いに挑んでいる。それらを含めた“日本一のトレーニング”を掲げるヴェルディの日常に「練習での疲労は大きい。鹿島のときと比べると、練習後にはすぐに眠くなるし、食べる量も増えている。自分にとってはプラスになっていると思う」と充実感を持って話した松村。今節、ヴェルディとしてリーグ初出場を目指すことになる。
一方の広島は7月21日の第24節鳥栖戦後、チームは連休を取りリフレッシュの期間としたようだ。そして今月1日にはVfBシュトゥットガルトと試合を行っている。
その試合、序盤から昨季ブンデスリーガ2位の実力を見せつけられ広島が守勢に回る。19分にはゴール前の混戦からアンジェロ シュティラーに先制点を奪われてしまう。その後も攻め込まれる時間が続くが、何とか耐えて前半は1点のビハインドで終える。ハーフタイムに広島が10人、シュトゥットガルトが5人と、大幅にメンバーが変わり、後半は展開が一変。55分に中島洋太朗が1点を返すも、63分、68分に失点し再び勝ち越される。それでもマルコス ジュニオールの技あり直接FKで再び反撃の態勢を作ったが、79分、そして後半アディショナルタイムにもゴールを許し終わってみれば2-5と後半だけで両チーム合わせて6得点が入る試合になった。
ここで注目すべきなのは、まずマルコス ジュニオールのコンディションの良さだろう。というのも、中断前の鳥栖戦、先制点を奪ったのが彼だった。21分にゴールキックからドウグラス ヴィエイラが頭ですらし、GKと1対1になったマルコス ジュニオールがゴールに押し込んでいる。5試合ぶりの先発で、実に11試合ぶりの得点だった。広島は22試合で11得点を挙げていた大橋祐紀がブラックバーン・ローヴァーズFCに移籍。J1リーグ4位、チームでも最も得点を稼いでいたエースを欠くということ。ただ、マルコス ジュニオールがゴールを挙げ、さらにシュトゥットガルト戦とゴールが続いている。また、ドイツ、トルコ、イタリア、そしてオーストラリアの各リーグで活躍してきたトルガイ アルスランが加入。アシスト力に長けるという中盤の万能型選手が出場すると、また厄介な存在になり得るかもしれない。そうしたところから、攻撃力は依然として高いレベルを保っていると言えるだろう。
広島には今季、リーグ、カップ戦で対戦し2戦2敗。特にリーグ戦では1-4の完敗だった。試合後、城福浩監督は広島との一番の差を聞かれると、「一番を上げるのが難しいくらい多くの差を感じました」と答えている。そこから約2ヶ月、「前回よりは、確実に良い戦いを見せられる」と指揮官も手応えを掴んでいるように、同じ轍はもう踏まない。
(写真 松田杏子)