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7月26日、城福浩監督がブライトン&ホーヴ・アルビオン戦に向けて取材に応じました。
―ブライトン戦のテーマを教えてください。
せっかくの中断期間なので、新たなことをチャレンジするというのもありだと思いますが、自分はやってきたことをやり切れているかどうかを精査して、それを思いっきり(ブライトン戦に)ぶつけてみたいと思っています。そこでブライトンに何が通用して、何が通用しなかったかというのを確かめる週にしたいと思ったので、新たなトライはしていないです。ただ課題として出ているようなことは選手にフィードバックしています。それは新たなものというよりは、今まで取り組んでいるものの中で、課題と成果の共有をしました。ある意味、負けても良いという言い方はおかしいですけど、負けが許される試合なので、やってきたことを思い切って出して、それが際どい勝利になれば、選手自身も最高の経験ができる90分になるのではないかなと思います。
―ブライトンは独特なチームだと思いますが、自分たちのやってきたことを出すことが中心になりますか?
もちろん、(ジェイムズ)ミルナーをどう抑えるかといったこともあります。でもそれは、例えば新潟だったり、フロンターレだったり、スタイルとして似ているようなチームはあるので、こういうときにはどう前からプレッシャーをかけて、どう中盤で頑張ってというようなところは、Jリーグに通じると思っています。おそらくスキルやスピードは桁違いだと思いますが、それを体感するためだけではなく、自分たちの何が必要かというところを確かめる試合にしたいと思います。
―相手の監督は31歳と若いですが、サッカー人としてそういうチームとの対戦で興味深いところはありますか?
本当は練習を見たいのですが、映像を送ってもらって見たりはしています。何にこだわって、それをゲームに生かしていって、そこでサバイバルがあって、振り落とされていくわけですよね。このままブライトンでやれるのか、レンタルに出されるのか。ユーロに出た選手は抜けているので、ギリギリの戦いの中で、そこを体感できることがすごく楽しみです。やっぱりさすがだなとか、記念になったなとか、そんなのはもう全然興味がないです。彼らを本気にさせる、彼らにヤバいぞと思われる。そういう試合をやることが我々の成長になるし、得難い経験になると思います。
31歳の監督というのも興味深いですが、とにかく相手の本気を引き出すというのが、うちの選手にとっていちばん良い経験になると思うので、そこにフォーカスしていきたいです。
―ブライトン戦に向けてどのように準備を進めてきましたか?
まず、僕らのグラウンドが今ギリギリの状態だったので、多摩陸(多摩市立陸上競技場)やAGF(フィールド)をお借りしながらグラウンド整備をしています。明日もフルピッチを使えるかというと、使うつもりもないです。ペナルティエリアも入らないようにします。再開後には、やっぱり(質の良い)芝生の上で練習をやりたいので、今の時期でないと養生はできないので、そういう意味では今日は、前日にやるべきようなことも全部やって、明日は体を動かすだけにします。芝生をとにかく傷めない。明後日に向けて我々がやれる場所と環境と時間を含めて、思い通りのことができていると思います。
―ブライトンには三笘薫選手が在籍していますが、どう見ていますか?
まずは、あのプレミアの中で普通に試合に出てプレーしていることは驚くべきことです。世界中のプレイヤーがプレミアリーグでやることを目指しているわけじゃないですか。そこで所属するだけではなくて、ピッチに立ってプレーをするのが普通になっている。それは本当にすごいことだと思います。彼も年々たくましくなって、体つきもそうですけど、パワーやスピードにも慣れてきた中で、彼らしく剥がしていくという意味では、日本人選手が到底届かない舞台ではないんだと思わせてくれる存在なので、夢を現実のものとして思わせてくれる存在だと思います。
―色々な選手に経験させたいという思いもあると思いますが、どのようなプランでいますか?
どうなるかわかりませんが、まずは45分出し切るようにしたいと思います。出し切った後どうするのかというのはハーフタイムに考えたいと思います。もちろんプランはありますけど、全員がそのつもりでまずやるというところからスタートしていきたいです。今ピッチに立つべき選手を立たせて、そういう選手がまず出し切る、表現するというところからスタートしたいと思います。
―松村優太選手の移籍加入の過程について教えてください。
僕らが補強したいポイントは、誰でもいいから補強するというわけではなくて、辛抱強く探していた状況でした。名前は挙がっては消え、挙がっては消えという状況でもありました。今の我々のメンバーの中で、そこに割って入る素養のある、力のある選手でないと意味がないと思っています。あくまでも我々は補充ではなく、補強をしたい。とにかく質を上げていく、競争力を上げていくというところがポイントになります。(ご質問されたような、他クラブへ)移籍した人数だけ入れるといった感覚は全くなかったです。ただ、我々にとって必要な選手がいるのであればその選手を獲得しに行こうということで、彼の名前が上がりました。他のチームより動きが何日か遅れましたが、その返事を待たせて、後発で我々が行って話をして決めてくれたという感じです。我々のチームの足りないところがどこでどういうことを期待するかということと、ソメ(染野唯月)と林(尚輝)の存在も大きかったのではないかなと思います。
―彼の突破力は大きな武器になりますか?
そうですね。いくつかのポジションの可能性はあるのですが、我々が今サイドで人の力を借りずに個人で突破できる、そういうタイプの選手が少ないんですね。そこは我々としては欲していたところですし、彼のスピードとドリブル、左右でクロスが上げられる。そこも含めて両サイドの対象になりますし、我々が求める守備をやってくれさえすれば、彼の攻撃力は生きるのではないかなと思っています。
―他に獲得に動いている選手はいるのでしょうか。またはストップでしょうか。
ストップはしていないです。誰がいるかが重要です。我々にとっては、どこかのポジションが足りないから、とりあえずここを取っておこうというのは意味がないと思います。18人に少なくとも入ってこられる可能性が高い選手という意味では、常に我々の今戦っている選手たちとの比較になるので、そんなに簡単ではないです。我々が持っているバジェット(予算)と、自分たちの11人、18人を脅かす存在というのは簡単には見つからないというのと、簡単に妥協はしたくないです。アンテナを張って、もちろん話をしてる選手もいますけど、それがどこまで我々のバランスを崩してまでも、そこがいけるのかどうか。色々なことをクラブ、強化と相談していきたいたいと思っています。
(写真 近藤篤)