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「守備は改善されている手応えもあるし、ずっと出ていた選手がアクシデントで代わっても、ディフェンスの堅さは崩れることなく、むしろゼロで抑えられていることはポジティブだと思います」
と指揮官が話すように、ルヴァンカップを含めて公式戦3試合連続無失点を続けていることは大きな自信になっている。
ヴェルディは、前節ホームで福岡と対戦した。前半14分にミスからボールを奪われシャハブ ザヘディにシュートを打たれるが、これを持ちこたえると、逆に21分だった。右サイド翁長聖のクロスに、ファーで深澤大輝が落として中央から木村勇大がダイビングヘッドで狙う。完璧に崩したと思われたこのシュートは、GK村上昌謙のスーパーセーブにより阻まれてしまう。43分にも、やはり細かなミスからカウンターを受けてザヘディにシュートを打たれてしまうが、これにも失点することはなかった。後半の立ち上がりは「僕から見て戦えてなかった」と城福浩監督が指摘するように、停滞する時間帯もあったが、交代出場で右サイドに入った山見大登、同じく左サイドに入ったチアゴ アウベスが攻撃を活性化。後半アディショナルタイムにはカウンターからチアゴ アウベスがGKと1対1の場面を迎えるが、無情にもシュートはGKに引っ掛かり試合終了。最後に訪れた最大のチャンスをものにすることができなかった。
開幕からリーグ8試合連続でゴールを奪ってきたが、ここ2試合はゴールから遠ざかっている。特に前節、ゴールを奪えなかった原因の1つとして「トップスピードで駆け上がって行っている選手を使わない選択をしたことが多かった」と城福監督は感じている。
「トップスピードで相手のペナルティーエリアのラインをまたぐような迫力をチームとしてもっと見せていきたい」
と、今節に向けて攻撃面を修正して臨む。
一方鳥栖は、前節柏と対戦した。先制したのは鳥栖。14分に、河原創のFKからマルセロ ヒアンが頭で合わせると、ふわりとしたボールがゴールに吸い込まれた。そこからしばらくは鳥栖のペースになったものの、徐々に柏に押し返される展開となり40分だった。マテウス サヴィオの折り返しを島村拓弥が合わせる。朴一圭が何とか防いだが、こぼれを再び島村に押し込まれて同点に追いつかれてしまう。後半はより迫力を増した柏の攻撃陣に防戦一方の展開になったが、何とか守り抜いて勝点1を分け合う形になった。
鳥栖は現在18位と苦しむが、その中で気を吐いているのは前節ゴールを決めたマルセロ ヒアンだ。ここ2試合で3得点を挙げるストライカーは、昨季横浜FCでプレー。城福監督も「日本のサッカーにアジャストしたら非常に怖い選手だなと思っていた」と話しており、最近の様子を「何もないところからでも得点を生み出す身体能力がありますし、高さとかスピードも含めて、その機動力のあるサッカーにアジャストしてきている印象があります」と言う。J1にはこうしたストライカーが各チームにいる。それを毎試合のように抑えていかなければいけないことになる。
ヴェルディは10試合を消化し、引き分けが7。土壇場に追いつかれた引き分け、逆に土壇場で追いついた引き分け、そしてこの2試合はスコアレスドローと、同じ引き分けでも状況はそれぞれ違うが、ただ引き分けでOKかというと、そういうわけではないだろう。
引き分けの多さに対して、負けはわずかに2試合しかない。それ自体は評価されるべき数字だと思われるが、鳥栖はリーグ最多の6敗しているにもかかわらず、その鳥栖との勝点差はわずか2しかない。それは、勝利数が鳥栖の方が1つ多いからだ。それほど勝利の価値は大きい。今節こそ勝点3を奪って、ホームに戻ってくる。
(写真 松田杏子)