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JリーグYBCルヴァンカップが始まる。ヴェルディは1992年の第1回大会に優勝してから、1994年まで3連覇。1996年に準優勝という成績を残している。今回から大会方式が変わり、J1、J2、J3のチームが参加し、一発勝負のノックアウト方式になった。すでに1回戦は終了しており、千葉を1-0で下した鹿児島ユナイテッドFCとの対戦となる。ヴェルディはリーグここ2試合勝ち切れない試合が続いている。週中に行われるリーグとは別の大会であり、遠く離れたアウェイで行われる試合を上手く使って、流れを変えていきたいところだ。
ヴェルディのリーグ前節はFC東京と対戦だった。味スタに31,746人を集めるなど注目を集めた試合は26分、タイミング良くゴール前に飛び出してきた見木友哉がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。これを自らが落ち着いて決めてヴェルディが先制に成功した。さらに33分、右サイドでボールを奪い返した宮原和也が、ゴール前にクロスを入れる。このボールを染野唯月が目の覚めるようなボレーで叩き込んで追加点。そして43分だった。安斎颯馬が2枚目のイエローで退場。これで数的優位となり、試合は完全にヴェルディに追い風が吹いたかに思われた。
ただ一方で、難しい展開であることは確かだった。サッカーで2-0というスコアは危険だというのは有名な話だ。それは68分だった。ヴェルディのビルドアップからボールを白井康介に奪われショートカウンターを受ける。そのまま持ち運ばれ、折り返しを交代直後の遠藤渓太に押し込まれて1点差。スタジアムが異様な雰囲気になり、その空気のまま後半アディショナルタイムに突入。波多野豪のロングボールをつながれて、遠藤が左足を振り抜くと、無情にもヴェルディのネットが揺れる。最後の最後で、勝点2がこぼれ落ちることになった。
それでも指揮官は「終わったことを引きずるよりは、何を学ぶか、何を積み上げていくか」と言う。今季初めて2点のリードを奪った。そこをどう安定して試合を終わらせるか、この痛い経験を糧にしなければいけない。それは、勝利でしか先に進むことができないこの試合においても、必ず必要になることだろう。
一方、鹿児島は昨季J3で2位となり、今季からJ2で戦っている。今季はヴェルディでキャプテンを務めた井林章や、山形から田中渉、徳島から外山凌などが加入した。ルヴァンカップ1回戦では、上述の通り千葉と対戦している。カテゴリーが上の相手に対しても臆することなく攻撃を続け、チャンスの数では千葉を上回る出来。その攻撃が実ったのは71分。中原秀人がボックス内で倒されてPKを獲得する。これを鈴木翔大が落ち着いて決めて鹿児島が先制点を奪う。その後もチャンスを作り続けた鹿児島がこのまま逃げ切って勝利を挙げた。
またリーグ戦では現在16位。直近の試合は第10節愛媛戦だった。それまで5試合勝利なしと苦しんでいた鹿児島は試合を優勢に進めながら25分に先制を許し、さらに前半アディショナルタイムには中原が一発レッドで退場。さらに49分には2点目を許し絶体絶命の状況となった。ところが60分に圓道将良のゴールで息を吹き返すと、後半アディショナルタイムの90+7分に野嶽寛也のゴールにより土壇場で追いついた。
まさに、前節のFC東京のような戦いを見せた鹿児島。中2日、しかもホームで戦う鹿児島にとって、この試合に勢いよく入ってくることは間違いないだろう。それでも主導権を握りながら、どう勝利を手繰り寄せるのか。指揮官はこれまでリーグ戦で機会を得られていない選手たちの起用を明言しており、その彼らが意地を見せる場になるだろう。勝利はもちろんだが、ここからリーグ戦にも絡んでくる選手たちの台頭にも期待したい。
(写真 近藤篤)