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悔しさが残る試合。それが2試合続いている。
ヴェルディは前節、浦和と対戦した。この試合も50,000人を超えるファン・サポーター。しかし、今回はアウェイだ。難しい状況となったが、選手たちは勇敢に戦った。21分に、自陣でボールを奪われ最後は松尾佑介にシュートを打たれるが、これはマテウスがしっかりと弾き返す。前半、相手のシュートはこの1本のみ。逆にヴェルディは前半終盤にチャンスを作る。40分から連続してCKを獲得し、その4本目だった。見木友哉のボールはファーに流れたが、これを残して再び深澤大輝がゴール前に入れる。するとゴール前でボールがこぼれる。中央にポジションを取っていた木村勇大が、ゴールに背を向けた状態から反転でボレーを繰り出すと、これがゴールに突き刺さりヴェルディが2試合連続で先制に成功した。
城福浩監督が「後半30分くらいまではわれわれの時間だったと思います」と試合を振り返るように、後半も流れはヴェルディに傾いていたが、終盤には押し込まれる時間が増えていた。87分には相手のシュート性のボールがゴール前に流れ、大畑歩夢にシュートを打たれるがマテウスが足でセーブし難を逃れた、かに思えた。その1分後、相手のクロスを跳ね返しボールをかき出そうとしたところで不運のPKを取られてしまう。これをアレクサンダー ショルツに決められ同点。開幕戦とは違い、ここから逆転ゴールは許さず、勝点を持ち帰ることにはなったが、不運なPK献上など、開幕戦同様に終盤の戦い方に課題が残った。
この試合でもチームの走行距離は125.53kmと前節とほぼ同じ距離を走り、第2節ではJ1リーグ全体の2位の数字を出している。失点の直前まで相手に崩されることはほぼなく、目指すサッカーを展開していたのも前節と同じ。ただ、やはり試合の終わらせ方。指揮官は試合後に「ゲームチェンジャー」、つまり試合の流れを変える選手の出現に期待している。その意味で、ベンチ入りの18人全員が一つになって勝点3を本気で奪いにいけるかということにかかっている。もっと言えば、普段の練習からチーム全員がどれだけ戦えるかだろう。悔しい経験をした選手たちが、それらを糧にどれだけ成長した姿を見せられるかが今節に問われる。
今節の相手であるC大阪は2戦2分の勝点2で、ヴェルディの1つ上の順位につけている。C大阪の前節はアウェイ鹿島戦。前半は新加入のルーカス フェルナンデスがカウンターの起点となり、味方選手を使いながら、自身もそのままゴール前まで駆け上がり最後はシュートを放つ。さらにルーカス フェルナンデスは右サイド深くで仕掛け、下げたところを香川真司がゴール前に放り込む。これをカピシャーバが押し込もうとするも、GKのファインセーブでゴールとはならない。その中でアクシデントが発生する。39分に、攻撃の起点となっていたルーカス フェルナンデスが負傷交代。それでも先制したのはC大阪の方だった。58分、ルーカス フェルナンデスと代わって入った為田大貴が左サイドを抜け出して折り返し。これをゴール中央でフリーになったレオ セアラが1トラップからボレーで叩き込んで1点をリードする。1点ビハインドとなった鹿島はここから攻勢をかけ、試合を支配すると85分だった。ゴール前でFKを獲得した鹿島は、名古新太郎のボールに大外の植田直通が頭で合わせて同点。C大阪は、開幕戦に続いてリードを守り切ることができず、ドローで試合を終えた。
2試合ともリードを奪いながら終盤の失点で勝点を落とすという、ヴェルディと似た状況のC大阪。相手はホームで勝利がほしいことは間違いないだろう。ただ、それはヴェルディも同じだ。どちらが勝利への執着を持てるかの戦いでもある。
練習後の囲み取材。山田楓喜は、記者に「勝ちたいですね」と聞かれると、こう答えた。
「勝ちたいというか、勝ちます」
それがヴェルディのチームとしての総意だ。
(写真 松田杏子)