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MATCH試合情報

2014 Jリーグ ディビジョン2 第25節 - ファジアーノ岡山 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

後半戦のスタートで、ジュビロ磐田、松本山雅FC、京都サンガF.C.というリーグ上位の相手に2勝1分けという幸先の良い出だしを見せたヴェルディ。勢いに乗って勝ち点を重ねたい今節は、16試合負けなしとコンスタントに結果を出しているファジアーノ岡山と敵地で対戦した。ヴェルディのスタートのラインナップはここ3試合と同じで、3試合で2得点と好調の杉本竜士を常盤聡と組ませた。

序盤は両チームともにスリッピーなピッチコンディションに慣れるのに時間が掛かり、ややオープンな展開になった。6分にはセットプレーの流れからミドルシュートを決められたかに見えたが、ゴール前に詰めた選手がオフサイドをとられて救われた。直後の7分には、カウンター気味に常盤が左サイドから抜け出し、角度のないところからきわどいシュートを放ち、反撃の姿勢を見せた。その後、高い技術を生かして自分たちのリズムでボールをつないでいくヴェルディが流れをつかむ。選手間の距離も近く、ボールサイドに人数をかけて攻撃に転じ、何度となくバイタルエリアに侵入した。ただし、ゴール前での判断がセイフティな選択になり、なかなかシュートまで持ち込めないまま時間が過ぎていく。攻めあぐねて岡山に流れが傾きかけた42分に試合が動いた。南秀仁が左サイドからドリブルでペナルティエリアに侵入し、アプローチしたDFが挟み込んでクリアをするも、これがゴール前に走り込んでパスを受けようとしていた杉本の足元にこぼれ、冷静に相手DFのスライディングをかわして右足を振り抜いた強烈なシュートが岡山ゴールに突き刺さった。

リードを広げて試合を決めたいヴェルディだが、後半は序盤から岡山の勢いに気圧される。開始早々の47分にはコーナーキックの流れからゴール前にラッシュをかけられ、ゴールエリアに人を固めてブロックした。その後も押し返せず、カウンターから反撃の機会を窺う展開が続く。前半とは違う流れになったのは、奪ったボールを前線に送ってもポゼッションに持ち込めない場面が増えた点だ。やや下がった陣形からのスタートで攻撃にかける人数が減って、時間も掛かるようになった。その流れを変えようとした矢先、マイボールを中盤で奪われてカウンターを受けて、63分にフリーで持たせた石原崇兆にコースを突いたミドルシュートを決められて同点に追いつかれる。ホームの大歓声に後押しされた岡山が勢いを増すのに対して、ヴェルディも冷静に反撃に出たかったが、65分に逆転を許す。左サイドにセンターバックが引き出されると、そのギャップに走られ、またフリーの状態でシュートを許してしまった。冷静に試合を締めにかかる相手に対して、反撃に出たいヴェルディ。ただ、焦りからかボールを持つ時間は増えたものの、フィニッシュに至る前にミスからボールロストする悪循環から抜け出せない。ようやくチャンスをつかんだのはアディショナルタイムに突入してから。90+1分には杉本が高い位置で相手センターバックのパスを読んでカット。2対1の状態で仕掛けたが、相手を剥がす前に打ったシュートは枠を捉えられなかった。この日最大のチャンスはその約1分後。左サイドから安在和樹がライナー性のクロスを供給。ゴール前中央部分を越えたボールは、ファーサイドに走り込んでいた田村直也のもとへ。ワントラップして放った田村のシュートは、GKのファインセーブに阻まれて万事休す。後半戦初の黒星となった。

 

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「我々の今の状況を考えれば、今日は勝ち点3を持って帰らなければいけない試合でした。先制点を取りながら、後半若さが出たなと。そんなに焦らなくていいところで焦って攻めてみたり、そういう中での失点をしてしまいました。それも1失点目から2失点目が非常に早かった。このあたりも経験不足の部分が出たのだろうと思いますし。ただ、そういう中でも最後まであきらめないで、自分たちのサッカーを信じて、お互いが信頼し合って、ゴールに向かうことは出来たんじゃないかなと思います。アグレッシブな、コレクティブなサッカーを目指している中で、後半少し前にかかり気味で、岡山の良さというか、食いついたところにワンタッチで裏に出させるという局面を作られはしましたが、最終的には1-2で負けはしましたけど、限りなく得点に近い所にボールを運べていました。その分、今日は運というものもなかったな、と。あまりネガティブに考えすぎず、後半戦は自分たちで違う数字を残すということが目標の1つで、これで終わったわけじゃないので、次の準備をしっかりして、次もアウェイですけど、大分でしっかりとした試合をやりたいなと思います。今4位というしっかりした位置にいる岡山と、こういうスタジアムでいい歓声で雨の試合、ここまでしっかり降った試合は今シーズンは初めてだろうし、そういう意味でどれだけ走れて、どれだけハードワークして、どれだけボールを動かすことが出来るか、狙いとするサッカーを確認することが出来ましたので、次のステップを踏める、そういう試合になったんじゃないかなと思っております」

――磐田、松本、京都、岡山との連戦の感想をお願いします。

「非常に強気にサッカーを追求した結果、2勝1分という後半スタートからの3戦を終えて、強気にサッカーをやることができました。この3連戦の最後で自分たちの掴んだものは大きいと思っています。本来であれば勝ち癖であったり、ポイントを落とさない、今、岡山がやっているように、展開として自分たちが不利となっても最低でも勝ち点1、自分たちの内容が悪くても勝ち点1を、しっかりとしたサッカーの時には勝ち点3をと積み上げていく癖みたいなものを、または勝利する癖みたいなものをつけたいと思いながらこの岡山に乗り込みはした。それは実現できなかったものの、彼らが強気な姿勢でサッカーをやれたことはひとつ収穫だと思いますし、それは後半戦3連戦も同じであり、今日の立ち上がりは、雨、湿気、少し動きという点では、後半戦スタートの時より少し鈍かったのかなと。その中でも耐えて耐えて先に点を取ることが出来たり、リードされても追加点を取りに行く、ファイティングポーズを取りながら相手のゴールに向かっていけていたと思いますので、3連戦の彼らのハードワークを認めたいですし、これからも我々らしさをしっかり出していく必要があるのではないかなと、この後半戦始まっての4試合で感じています」

 

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