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MATCH試合情報

2023 J1昇格プレーオフ 準決勝 - 東京ヴェルディ vs ジェフユナイテッド千葉

マッチレポート

監督コメント

城福 浩 監督

試合を振り返ってください。
もちろん試合の入りというべきか、もっと広い25分ぐらいまでは千葉さんの圧力に押された時間で、我々も想定していましたが、やはり判断のところがまだまだこのチームは学ぶべき点が多い若いチームなので、相手の力を利用したサッカーができないということだと思います。その反省点はありつつも、マテウスのビッグセーブもありましたが、そこをしっかりと凌いで自分たちのペースになったときに2点取れたことは我々にとってすごくアドバンテージになったと思います。昨日の(清水と山形の)試合も我々は観ていましたが、アドバンテージがあるとされるチームの戦う難しさを感じながらやっていて、実際にやってみてもこういうプレーオフを勝ち抜くのが簡単ではないということを選手たちが経験できて非常に力のある千葉の壁を乗り越えられたことは、我々にとって大きなことだったと思います。今日は多くのファン・サポーターに来ていただいて、選手には言いましたが、この春から我々側から見たスタジアムの風景が一変してきている。我々が望んだような舞台でやれている。そのなかで自分たちが積み上げてきたものを見せるという部分では、今日は満点というわけにはいかなかったですが、この舞台を自分たちで作れたこと。そのなかでしっかりと次に勝ち進めたことは選手にとってもチームにとっても非常にポジティブです。またひとつ選手の成長につながる試合であればと思います。

前半の苦しい展開のなかで潮目が変わったところはどのあたりにありましたか。
このチームはつなぐチームで、つなぐことが正しいという言い方がいいのか、善であるというか、言い方を恐れずに言えば、“蹴る”ことが悪であるというような感覚があり、そこから僕は1年半前にスタートしました。“蹴る”ではなく相手の力を利用するというところの判断は、技術ではなく判断なので、こういう大きなゲームのなかで相手の力を利用しながら自分たちがやりたいつなぐサッカーに持ち込むというところでは、まだ学んでいる途中だと考えています。その状況でこの舞台に来られたことは彼らの頑張りによるものですが、僕はその部分を謙虚に受け止めています。もちろん千葉さんの圧力はおそらくJ2でトップクラスだと思いますが、それに対してどういうようなサッカーで入るかというところで今日は本当によい学びになったと思います。その圧力を利用したシーンが実はあって、それが丁寧につなぐような形のフィードではなかったと認識していますが、そこから押し込んでコーナーを取りました。そのコーナーで点を取ったり、ビッグチャンスになったわけではなかったですが、それ以降に相手陣でサッカーができるようになった印象があります。それはそのプレーがきっかけという言い方もそうですが、時間とともにあれぐらいのハイプレスが続くものではないので、多少我々がつなぎたいというところが可能になったと考えています。

ゴールにつながった流れをどのように評価されていますか。
自分たちはレギュラーシーズンを終えたときにチーム内の最高得点者が6点でした。おそらく他のチームでは、誰かにボールを預けたら点を取ってくれるとか、絶対的なストライカーがいますが、我々はそうではなく、フィールドの全員が点を取っています。よく言えば、全員で点を取る。悪く言えば、絶対的なストライカーがいるわけではないなかで自分たちが大事にしているのは、ボールを運んだなかでゴール前に人数をかけること。1点目も斜めのくさびに対して3人ぐらいが絡んだと思います。うまく全部パスでつながったかは別としても、フリックしてコンビネーションを試みたところにこぼれたところに人がいるので、最後は中原輝のところにボールがこぼれたというか、最後はパスだったと思いますが、うまく転がっていきました。2点目も齋藤功佑のクロスに3人が飛び込んだと思います。その一人が森田晃樹でした。我々はボールを丁寧に運んだ後にペナの中に人数をかける。それが今シーズンの我々のチームが点を取るうえで一番違いを生める方法だと思っていたので、この2点目はいずれも人数をかけられていたという部分で我々らしかったと思います。

前半の苦しい展開のなかで守備の安定感を窺わせる部分も見受けられました。
そういうふうに見ていただいたのはすごくうれしいですし、あの苦しい時間帯を凌げたことに関してマテウスのビッグセーブはありましたが、誰かが何かの壁になったわけではなく全員の1メーター、50センチにこだわる寄せや絞りとかで、試合前にこうやろうと話して実現できるものではなく、僕らは去年の半年を含めて1年半を通じて靴一足分にどれだけこだわるか、1秒早く判断して絞るのにどれだけこだわるか、そこをずっとやってきました。今回も特別に何かを用意してきたわけではなく、自分たちが相手陣でボールを取れなかったときにどういうふうに押し返すのかという部分では、やはりボールホルダーなんですよね。ボールホルダーに対していかに靴一足分寄せられるか、それをポジションに関係なく1年間やってきたことが、ポジティブに言えば今日も凌げた要因だと捉えています。ただ、あの試合運びは我々が望んだものではなかったです。

清水エスパルスとの決勝に向けた思いを聞かせてください。
レギュラーシーズンは我々が2敗しています。もちろん内容的にもアウェイのときは完敗でしたし、ホームのときは自分たちがボールを握っていたとはいえ、同じチームにダブルを食らっているので、同じチームに3連敗するわけにはいかないです。エスパルスは世の中の人が見たときにこのメンバーでJ2にいてはいけないと感じるクラブでそういうメンバーを揃えています。だからこそ我々はチャレンジしがいがありますし、我々が1年間やってきたサッカーで彼らにチャレンジしたいです。

リーグ上位のアドバンテージを持ったなかでの今日のゲームプランについて聞かせてください。
我々はずっと相手陣でサッカーをすること、ヴェルディといえばどういうチームかと問われたときに、そういうふうに言われたいと考えて、昨年の半年を含め年間通じてやってきました。ペナの中で固まって守備をするというのは、最後のアディショナルタイムは別の話ですが、基本的な90分は相手陣でサッカーをするという志向は変えない。相手陣でハンティングできれば一番いいですが、奪ったときに相手陣でボールを回して奪われた瞬間に即時奪回する。自分たちはそういうチームでありたいですし、日本のクラブでそうしたサッカーをするのがどこか、と聞かれたら、必ず名前が挙がるようになることを目指しています。もちろん、ああいうふうに人数が足りなくなるリスクは織り込み済みというか、最後に我々がチームの旗印というかリカバリーパワーという単語を使っていますが、そうなったときにどこに戻るのか、誰が戻るか、逆サイドが何十メートル走って戻れるかという部分に取り組んできたので、相手陣でサッカーをやるという部分でその志向がなくなったときは我々らしくないということになると思います。

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選手コメント

GK 1マテウス

前半序盤にチームを救う見事な一対一でのビッグセーブがありました。
いろんな例があると思いますが、何かを成し遂げるチームは絶対的にキーパーの力を必要とする場面が必ず来るものです。そういうゲームのなかで今日の試合でもああいうプレーで雰囲気が変わりますし、ひとつのシーンですべてが変わると思っているので、そういった準備は常にできています。コリンチャンスのときもそうでしたし、先日のワールドカップを含めて大きな試合ではキーパーが絶対的に必要となる場面が来ますし、その準備はできています。

試合の入りは押し込まれる苦しい展開でした。
もちろんチャンスの数だけ見ても、前半の入りは相手が上回っていたと思います。そのなかでも今週を通して、自分たちが持つアドバンテージによって相手が立ち上がりからアグレッシブに来るという部分での準備はできていました。それが今日のピッチで表れたと思います。

その展開のなかで前半のうちに2点を取れたことは大きかったと思います。
今週の取材を通じても話してきましたが、アドバンテージを考えながらゲームを進めることは危ないことで、選手全員がそれを踏まえての入りだったと思います。1点目を取った後にすぐに2点目を取れたことが、今回の試合をスムーズに進められた大きな要因だったと思います。

ビルドアップの場面では冷静なつなぎが光りました。
1週間練習してきたなかでジェフさんが間違いなく前から来るということは分かっていました。そのなかで後ろのスペースが空いてくることは分かっていましたし、そこは狙っていました。そこで1点目のところではそのスペースをしっかりと使えたところで1点目が生まれたのかなと思います。

後半は自分たちのカウンターでフィニッシュで終われず、相手陣内でやり直すという形もなかなか出せなかった印象です。
後半の流れは想定内だったと思います。準決勝で負ければ終わりというところでジェフさんも素晴らしい選手がいますし、相手が勝たないといけないという部分でゲーム展開のなかではなかなか自分たちの攻撃で時間を使えないという部分は覚悟していた部分もあります。もちろん改善点はありますが、ある程度想定したなかでのゲーム展開でした。

相手も前回対戦でのヴェルディの大逆転劇の再現を狙っていたなか、1失点後に冷静に戦えたところがチームとしての強さを表したという見方もできます。
それがチームの力だと思います。誰が入ってもやることは変わらず、しっかりと球際や浮き球のボールへの対応を含めて自分たちがしっかりと戦えていたというところで、1点取られた後もチームが崩れることなく最後まで持ちこたえられた要因だと思います。

試合前に「プロキャリアで最も重要な試合」と位置付けた試合を終え、次はより重要な清水エスパルスとの決勝戦に臨みます。
今日の入りと同じ気持ちを持って試合に入ることが大事です。小さいころからサッカー選手になりたいと願い、実際になることができてこういう瞬間を待ちに待った気持ちでプレーできているので、とにかく楽しむことが大事です。次は決勝戦でその次のことを考えることなくその試合に集中できるので、今日と同じように楽しむことができれば、結果は自ずと付いてくると思います。

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DF 3谷口 栄斗

試合の入りは押し込まれる苦しい展開でした。
千葉が勢いをもって入ってくるということは頭に入っていましたが、無駄なファウルをしてしまってオフサイドではありましたが、ピンチも招いて勢いよくやられてしまった印象はあります。(最後の局面でのソリッドな守備)そこは1年積み上げてきた部分ですし、慌てることなくしっかりと身体を張って最後に身体を投げ出すなどそこはやれていました。ただ、後半は守備に回る時間帯が長かったですし、2-0という大きなアドバンテージがあったなかでああいう展開にしてしまったことは反省すべき点です。

後半は自分たちのカウンターでフィニッシュで終われず、相手陣内でやり直すという形もなかなか出せなかった印象です。
やり切ることが大事でしたし、やり直す選択肢も持っていてもよかったと思います。失った瞬間の切り替えやリスク管理のところをもう少し徹底できればよかったです。後半はなかなかよい形でポジションを取ることができていなかったのでそこは修正点です。相手が前から来るという部分でもっと背後を取ってもよかったですし、相手を引き付けて剥がしていく選択肢も持ちたかったです。

相手のストロングであるセットプレーへの対応は安定していた印象です。
今年はシーズンを通してもセットプレーで失点することは多くなかったと思いますし、それがうまく出せたかなと思います。

今回の準決勝も清水エスパルスとの決勝も上位アドバンテージをもっての試合となります。
そこを考えると難しくなると思っていたので、引き分けは考えずにしっかりと勝ちに行こうという話を全員でしていました。決勝はせっかくの機会なので、しっかりと勝って昇格を決めたいです。清水はJ2の中でタレントも揃っていますし、一番強いと言ってもいいようなチームです。そういうチームに勝たないとJ1はないので、しっかりと勝って上がりたいです。今はこの状況を楽しんでいますし、そこまでプレッシャーを感じていないです。

清水という強力な個の力を持ったチームとの対戦となります。
まずは個人のところで負けないことが大事ですが、チーム力で勝ちたいと思います。

決勝は味の素スタジアムではなく国立競技場での開催となります。
歴史もあるスタジアムでヴェルディとしてもいろんな歴史が国立で刻まれています。そういった場所でまた新しい歴史を刻めるような一日にしたいです。

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MF 7森田 晃樹

ゴールシーンを振り返ってください。
自分の得点に関しては齋藤選手と練習からずっとああいう形のボールを練習してきていたので、質の高いボールが上がってくると思ってあそこに入っていくことができました。

ヘディングでのゴールは珍しいと思いますが?
自分でもあれ入ったかなという感じでした。去年とかはわりとヘディングシュートはありましたが、今年はなかなかそこまで入っていくことができていなかったので…。

1点目は意図的なアシストでしたか。
自分で打ちにいく意識を持っていてこぼれたところに(中原)輝くんがいてしっかりと決めてくれました。

前半は相手に押し込まれる展開となりました。
少し自分たちに硬さがありましたし、アドバンテージを持つ自分たちに対して千葉さんは前からハイプレスをかけてきたところで、主導権を奪われる形になりました。マテウスのファインセーブに感謝という場面もありましたし、前半だけでなく後半の最後の方も何本もシュートを打たれてしまったので、そこは反省点かなと思います。

よい時間帯に続けて2点を奪うことができました。
前半の最初に難しい時間帯があって、あそこでよくゼロで抑えた。そこがまず大きかったです。得点シーンもそうですが、時間帯がすごくよかったと思います。

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MF 8齋藤 功佑

アシストシーンを振り返ってください。
あそこは味方がファーに流れる動きが見えていてファーに放り込んだところで、手前に(森田)晃樹が入ってきていい形で合わせてくれました。当初はファー狙いでしたが、意図したところに蹴ることができました。

前半は相手に押し込まれる展開となりました。
相手があれぐらい来ることは分かっていましたし、チームとしても予測はしていました。そこは変にネガティブに感じることなく、立ち上がりはああいう展開になるなと思っていました。そのあとに先制点を取ることができて、続けて追加点を取ることができたのでラクになった感覚はありました。

2点リードで臨んだ後半への入りはどういった意識でしたか。
もう一回ノーリスクというか、背後を意識しながら守備は堅く入ろうという形でした。それ以上にマイボールの時間が少なすぎて、ボールを取った後もすぐに相手に取られてしまって押し込まれて守備をするという展開がずっと続いてしまいました。選手としてかなり疲弊してしまいましたが、よく守り切ったと思います。

2-1となった後のプランはどのような感じでしたか。
ちょっと焦って後手を踏んでいるのに前からプレッシャーをかけにいくことで、うまく相手に攻められている感覚はありました。ただ、そこまで崩れることなく守備に意識を置きながら、その後はうまくやれていたのかなと思います。

清水エスパルスとの決勝も上位アドバンテージをもっての試合となります。
やることは変わらず、アドバンテージがあるという部分でよりいつも通りにやれるというか、先制点を取れれば守備のところで連動してハードワークして堅く戦っていくという部分で自信を持っていますし、入りさえ間違えなければ先制点を奪って勝つことができると思っているので集中してやっていきたいです。

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