MATCH試合情報
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【試合展開】
およそ3週間の中断が明けて、前節からJリーグが再開した。アウェイ8連戦の真っ只中にいるヴェルディは、4戦目に水戸ホーリーホックと対戦し、強風の中で終盤に追いつかれてドロー。3試合続けて引き分ける形でアウェイ連戦を折り返した。残る4試合は上位陣との対戦も多く、今節では昇格圏にいるジュビロ磐田との一戦。前半戦で試合の主導権を握りながら少ないチャンスを確実にモノにされて敗れており、雪辱を期す一戦となった。
ヴェルディは前節からふたりを入れ替えた。GKにはマテウスが戻り、ワイドストライカーの位置にはパライバに代わって山下諒也を配置。サブには新加入の浜崎拓磨と戸島章がメンバ―入りし、杉本竜士を含めて中断期間中に加入した3選手が控える形となった。
序盤はお互いにボールを保持して相手陣内の深いところまでボールを運んでいく。6分にはコーナーキックからニアで合わされてヒヤリとしたが枠の左へ。7分には逆に山本理仁のスルーパスに小池純輝が抜け出してGKとの1対1を迎える。しかし、これは相手GKの身体を張ったブロックに阻まれる。お互いにゴール前までボールを運ぶ展開の中、14分に試合が動く。カウンターを仕掛けて山下がボールを運び、ペナルティエリア手前中央に入ってきた佐藤優平にパス。佐藤優はスライディングしながらワンタッチで右のスペースへスルーパス。そこに森田晃樹が走り込んでゴール右前でニアを抜くシュートを放つ。これが右ポストに当たってゴールに流れ込み、ヴェルディが先制に成功した。その後もお互いにボールを保持し合う展開の中、21分に自陣ペナルティエリア中央手前でファウルをしてしまう。このフリーキックを遠藤に直接決められ、同点に追いつかれた。逆に41分には山下が高い位置でパスカットしてショートカウンターを仕掛けると、ドリブルをペナルティエリア手前で止められてフリーキックを得る。ゴールから左に寄った位置のフリーキックを佐藤優が直接狙ったが、ボールはわずかにゴール上へと逸れた。
後半に入っても一進一退の攻防を続けると、最初にチャンスを掴んだのは磐田。48分、右から大津がカットインしながらミドルシュートを放つ。ゴール左隅に飛んだボールはマテウスが反応して好セーブで防いだ。すると51分、右からのコーナーキックを与えると、遠藤が入れたボールを山田にニアで合わされ、逆転ゴールを許す。反撃に出たいヴェルディだが、失点直後も畳み掛けようとする相手の勢いに押されてしまう。流れを変えたいヴェルディは加藤弘堅に代えて梶川諒太を投入。すると、梶川がボールを引き出してハブになり、高い位置で相手を押し込んでボールを保持する時間が増える。ボールを持つだけでなく、相手の守備ブロックの狭い合間を突いてペナルティエリア内に侵入する場面も作った。79分には加入後初出場となる戸島、杉本、パライバを一気に投入して打開を図る。終盤には佐藤凌我も入れて攻撃の人数を増やしたが、割り切って自陣に人数をかける磐田の守備ブロックの前に決定的なチャンスを作り出すことはできず。1点の差を追いつけずにタイムアップを迎えた。
アウェイ8連戦の初戦依頼となる黒星からしっかりと切り替え、次節の栃木SC戦に向けて準備を迎える。
試合を振り返ってください。
ジュビロさんという本当に素晴らしいチームと、スタジアムで戦える。そして、我々が目指している場所にたどり着くために上位陣を食っていかなければならないという中でゲームに臨みました。前半は非常に良い形で先制点も取れましたし、ハーフラインを越えていくビルドアップのやり方、そして使いたいスペースをまずまず使えていたと思います。まずまず自分たちのサッカーができたのかなと思っています。もちろん、結果的にみると、セットプレー2発は非常に痛いところではありましたが、不用意にセットプレーを与えないこと、相手にセットプレーをやらせないぐらい自分たちでしっかりとボールを持つこと、ゲームを支配すること、がまだまだできていない課題だと感じています。
後半に入ってすぐの失点は痛かったですが、我々の攻撃的なサッカーをフルに出せれば、まだまだ時間もありましたし、十分に逆転できると考えていました。選手交代の部分でも点を取るためのカードを切りました。反省点としては点を取るためのイメージの共有、共通認識のところは、さらに今後合わせていければゴールというものが近づいていくと思いますし、配置や人を変えていく中でも同じ絵をゴールのために描けるか、それを実行に移していけるかが非常に大事だと考えています。その辺りをさらに次に向けて改善できるように努力していきたいと思います。
選手たちは途中から入った選手を含めて、最後の最後まで顔を下げることなく逆転目指して戦ってくれたことは素晴らしかったと思います。だからこそ勝ち点3というものがほしかったところでしたが、下を向いている暇はないので、次の栃木戦に向けて準備していきたいと思います。
そして、こうして素晴らしいスタジアム、素晴らしいジュビロさんのサポーターを見ていると、我々の素晴らしいファン・サポーターがこの場所に来たくても来ることができないという部分を、我々はもう一度強く心に入れて現地に来られない方々のために勝利というものを、映像などを通して共有できるように、また努力していきたいと思います。
ジュビロ磐田相手になかなか勝利できない要因に関してどのように捉えていますか?
もちろん、誰が見ても素晴らしいチームですし、素晴らしい選手がたくさんいます。そこに対して最大限のリスペクトを持っていますが、内容だけ見ると十分に選手たちはやってくれていましたし、結果的にはセットプレー2発による2失点というところで、大変悔しいところです。ただ、前向きに考えれば、選手たちが我々の全員でやるサッカーをよく理解し、良いポジションに立って数的優位を取ってゴールを目指していく、全員で攻める、全員で守るというものをよくやってくれたと思います。どうしてもかなわない相手だとは考えていません。
後半に相手のセットプレーの数はかなり多かったと思いますが、そこでも地力の差が出たようにも感じられましたが?
やはり我々がボールを持つ時間を増やさない限り、ジュビロさんのサッカーが長くなってしまう。サイドを攻略されて1対1で運ばれてしまうと、当然のことながらコーナーキックの数は違ってきます。やはり、ジュビロさんの良さを出させないためにも自分たちがボールを持つ。そして、相手コートでサッカーをやっていくことが大事だったと思っています。
MF7森田 晃樹
今季初ゴールを振り返ってください。
あんまり覚えていませんが、ヤマ君(山下)にボールが入った時にこのまま走っていけばボールが来そうな予感がありました。そのまま走ったら(佐藤)優平さんからパスが来て、正直なところ、シュートを打った瞬間は入った感覚はなかったですが、入ってくれて良かったです。
その流れのランニングでは山下選手をサポートするため相手を引っ張る意図も感じられましたが?
あそこはあまり何も考えずに走っていました。
試合を振り返ってください。
失点場面は2点ともセットプレーでしたし、崩されての失点というわけではなかったので、守備面では落ち込むというか、ネガティブに考える必要はないと思っています。逆に、自分たちが攻撃の面で押し込んだ時間帯が多かったですが、そこでなかなか点を取ることができずに終わってしまったので、そこは悔しいと思っています。
時間の経過と共に相手との地力の差が見えてきた印象でしたが?
あまりしんどくはなかったです。ただ、難しい試合だとは思っていました。
MF6山本 理仁
試合を振り返ってください。
ゲーム運びというところは真ん中に立った自分がゲームコントロールできず、逆に相手の遠藤選手だったりは間違いなくゲームコントロールができていました。自分の立ち位置であれば、もっとゴールに直結する動きができなければいけなかったと感じています。
試合を通して良い形のスルーパスを何度か通していましたが?
結果的に自分のところからゴールは生まれなかったので、満足していないです。
時間の経過と共に相手との地力の差が見えてきた印象でしたが?
後半の最後の方は特になかなかスペースがなくてペナ前に侵入できなかったというのは、プレーしながらも感じていたところでした。そこをどういうふうに攻略していくのか、3人目の動きなどで攻略していくことを、もっと全員が考えていかなければならないと思います。それプラス、それを表現できる質もなければいけないと思います。