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MATCH試合情報

2020 明治安田生命J2リーグ 第8節 - 東京ヴェルディ vs アルビレックス新潟

マッチレポート

【試合展開】

中3日で3試合を戦う過密日程に突入し、ヴェルディはホーム連戦を戦った。モンテディオ山形を迎えた前節は決定機を決め切れずにスコアレスドローに終わり、アルビレックス新潟との試合は必勝を期す一戦。中3日での試合ながら、ヴェルディはメンバーを代えずに山形戦と同じメンバー構成で臨んだ。

 

立ち上がりはメンバーもシステムを変えてきた相手に戸惑い、ヴェルディ側にミスが続いて押し込まれる時間が続く。コンパクトな陣形でプレスをかけてくる相手に対して、落ち着いてきたのは10分を過ぎた頃から。最終ラインで相手のプレスをいなし、ワイドにピッチを使って徐々に新潟を自陣に押し込んでいく。最初のチャンスは12分、右サイドの若狭大志からアーリークロスがゴール前に入ると、反応しようとした端戸仁はオフサイドポジションでボールに関与せず、その裏側から井上潮音が走り込んでボールをコントロールし、DFをはがしてシュートをゴールに流し込んだが、これは端戸のオフサイドをとられてノーゴール。前線からのプレスでボールを奪い返すと、16分にも決定的なシーン。右サイドに開いた藤本寛也が裏のスペースへボールを送ると、端戸がフリーで抜け出す。ルックアップしてゆっくりとボールを運んだ端戸は狙いを定めてクロスボールを入れる。これに若狭がフリーで飛び込み、滑り込みながらワンタッチで合わせたがシュートはわずかにゴール左に逸れた。前半終了間際には井出遥也がDFを引き付けて横パス。受けた端戸が反転しながら右足でシュートを打ったが、相手GKの懐に収まった。

 

後半に入ると、試合の主導権を握ったのはヴェルディだった。前半はワンタッチでつなごうとしてミスから逆襲を食らう場面が目立ったが、丁寧につないでマイボールを大事に保持しながら、ここぞという場面でくさびのパスでスイッチを入れてバイタルエリアへと入っていく。崩し切るのに一手必要と判断し、後半の早い段階でスピードのある小池純輝と山下諒也を投入する。両ワイドストライカーをフル活用し、新潟を自陣に貼りつかせるヴェルディ。ところが、63分にはボールロストからカウンターを食らい、ゴール前で決定的なピンチを迎える。ここは間合いを詰めたマテウスが豪快なシュートを身体でブロックし、さらに詰められたシュートも鋭い反応でゴールからかき出した。78分には途中出場の福村貴幸が相手の最終ラインを破るスルーパスを入れると、山下が絶妙なタイミングで抜け出してゴール前へクロス。これは惜しくも合わなかったが、相手が辛うじてクリアしてコーナーキックを手に入れる。右からのコーナーのキッカーは佐藤優平。ニアに鋭く落ちるボールに飛び込んだのは高橋祥平だった。薄く頭ですらしたシュートはコースが変わってファーサイドのゴールネットへと吸い込まれ、ヴェルディが今季初めてコーナーキックから得点を挙げた。

 

終盤の得点後、試合をどう閉めるのか。クロージングの仕方が問われる中、チームの方向性を体現したのが得点の直前に投入された森田晃樹と山本理仁、そして佐藤の3人だった。前がかりに反撃に出る新潟の勢いを逆手にとって、プレッシャーをいなして高い位置までボールを運び、相手を間延びさせてじっくりとボールを動かして時間を使う。チャンスと見るや、スピードアップしてスペースを使い、追加点で仕留め切ろうとする姿勢も見せた。そのままアディショナルタイムに突入した90+3分、ロングスローを選択した相手に対して、マテウスが飛び出したもののボールを処理できず、ゴール前にこぼれたボールを渡邉に押し込まれ、土壇場で同点を許し、直後にタイムアップを迎えた。

 

ヴェルディ復帰後初ゴールを決めた高橋祥平をヒーローにしたかった試合だったが、最後の最後に守備網に穴を作ってしまった。クロージングの方向性は間違っていなかっただけに、たとえスローインとはいえ自陣でセットプレーのチャンスを作らせることは避けたかった。ホーム連戦で連勝を延ばすことは叶わず、2分けで勝ち点4を失った感覚がある。これでヘッドダウンするのではなく、次節、未だ負けなしのV・ファーレン長崎に土を付けるモチベーションへと変えたい。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
率直に、大変悔しいゲームです。ゲーム前の予想通りというか、お互いにボールを保持して攻撃するというスタイルのゲームだったので、やり合いの部分はすごく楽しみでしたが、そのままのゲームになりました。我々も非常に良い形がありましたが、新潟さんも非常に良い形で攻撃してきた中で、こういうサッカーを志向する中ではやはり付き物になりますが、最後の崩し、仕留めるところの精度を引き続き上げていかなければならないと感じています。


セットプレーから(高橋)祥平が決めてくれて、非常に勝ちが近づきましたが、その後の時間の使い方を我々は学ばなければいけないと言いますか。若い選手は特に、時間の使い方、ゲームの終わらせ方を学ばなければいけないという試合になりました。ただ、90分を通して連戦で大変な中、選手は本当によくやってくれたと思います。ホームゲームでサポーターの方の心ある拍手が非常に選手の背中を押してくれました。あと一歩というところで、非常に悔しいゲームでしたが、また次に繋がるゲームになったと思っています。準備期間は短いですが、また次の長崎戦に向けて、気持ちと頭を切り替えて次の準備を始めたいと思います。

課題に挙げた先制後の試合運びに関してどのような進め方が理想的だったとお考えですか?
やはり、あの時間帯でもう一度しっかりと自分たちでボールを持つことから始めて、当然2点目を奪いに行くことが、最大の防御という部分でもあるので、そこのところはシーズン立ち上げからずっと取り組んでいるゲームデザインに関して、試合の入り、終盤、1点リードした展開、0-0、0-1と色んな90分の状況を自分たちできちんとデザインすることが必要だと感じています。今日に関しても1点取った後にきちんとボールを持つ、相手コートでプレーしていくことが非常に大事だったのかなと思います。

先制して追いつかれた試合は今季3試合目ですが、今後に向けた改善点を聞かせてください。
もちろん、身体の疲労はあると思いますが、ボールを保持するための立ち位置やサポートの距離が一番重要だと思います。そこで一人ひとりが一歩、二歩、あるいは1メートル、2メートルのところが生命線になりますが、そこがだんだんとルーズになってしまい、渡したボールに寄るところ、入ったボールに寄るところ、緊急サポートの立ち位置だったり、我々の基本のところが疎かになってしまっているところが問題だと感じています。身体の疲労は十分に理解していますが、それは相手も同じことです。あの時間帯にリードした後に、もう一度自分たちがきちんとボールを保持して相手を動かす作業をすることが、このサッカーをやる上で生命線だと捉えています。今日に関してはそこができなかったところが反省点です。

4戦無敗という部分はどう捉えていますか。
選手は本当によくやってくれていると思います。悔しい試合が続いていますが、前向きに捉えるならば、負けていないということはチーム、選手のひとつの成長だと捉えています。

ラストプレーのセットプレーの守備では盛んに指示を出していましたが。
セカンドボールを含め集中を切らさないこと。セカンドボールの予測、頭の中のスイッチが切れないように常にステップを踏み続けるようにと伝えていました。

ボールの握り合いとなった中で試合を通した改善点や対戦相手の新潟に対して感じた部分を聞かせてください。
新潟の監督さんとも短い時間でしたが、お話をさせていただいた中、こういうゲームが理想的だという話を聞きました。色んなスタイルがあっていいと思いますが、ボールを持って攻撃するというスタイルは自分たちの中でとても重要な部分ですし、そういう中で非常に良いゲームだったと言ってもらえたことは素直に嬉しいです。ゲームプランの部分に関しては非常に後ろを5枚で来るのか、4枚で来るのか。あるいはローテーションをしているチームなので想定は難しかったです。今日のように後ろを4枚で来てくれた中では、もう少し相手を意図的にスライドさせて空いた逆のレーンを使いながら攻めるという部分が、前半にもっとやれれば良かったと思っています。どうしてもスクエア・ゾーン、ボールを保持して崩していくことに目が行きがちですが、前半は相手のラインの背後にある、我々が利用していくべきスペースをあまり使えなかったことが悔しい反省材料です。そのへんを相手と相談しながらもう少し上手くやれたと思います。それでも、選手たちはよくやってくれたと思います。

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選手コメント

DF6高橋 祥平

ゴールシーンを振り返ってください。
キッカーが良いので。(佐藤)優平君のボールが良かったので触るだけでした。

ご自身としては近年で久々のリーグ戦のゴールになりましたが。
確かに自分の中でも点が取れていないという自覚はありました。行くチーム、行くチームでやり方は変わりますが、それによって点が取れないというわけではないです。ただ、ヴェルディに関しては、言いづらいですが、あまり身長が大きい選手がいないので、自分は割と高い方なのでセットプレーでは攻撃参加できるチャンスがあります。こういう厳しい試合展開の中で自分が点を取ることでフォワード陣を助けることにも繋がるので、あそこで1点を取れて良かったです。今日に関しては本当に優平君のボールがピンポイントだったので、本当に自分が触った感覚も薄く、点を取ったのも久しぶり過ぎてあまりよく覚えていないです。

ゴール後にサポーターから拍手が聞こえていることをアピールしていたように見えましたが。
僕たちにとってサポーターは重要な存在ですし、サポーターがいるからこそ、みんな身体がきつくても動ける部分もあるので、本当に感謝をしつつ、こういうご時世ですが観に来てくれている人たちへの感謝を示したかったです。

試合を振り返ってください。
もっと後ろからのビルドアップに関して良いボールを供給できたのではないかと思っています。そういうところから後ろがもっとどんと構えていなければいけないなと思います。今日は全体的に上手くいっていない感覚があり、新潟が相当に研究してきたのかは分かりませんが、嵌め方も上手かったですし、パスを出せるところが少なく感じました。もっと自信を持って後ろの選手がポゼッションに加わっていく必要を感じています。

今日は良い形の配球が目立っていたと思いますが。
そこは自分だけでなく平君もワカ君(若狭)、ハム君(奈良輪)も良いボールを出せるので、どこからでも良いボールを出せると思っていましたが、今日に関してはなかなか上手くいかなかったです。

前線に対して動き出しを求める声が目立っていましたが。
相手も研究してきている中でパスコースがなく、アクションも少なかったので、裏に抜けるか、足下で受けるのかを要求しました。配置的に難しい部分があり、自分たちで動かないと崩せない感覚でした。相手の嵌め方も上手かったので、声を出していました。

最終的に同点に追いつかれた点をどのように捉えていますか。
ディフェンスとしては絶対にやってはいけない形の失点でした。あの時間帯では勝点が2も変わってしまうので、最後までもっと集中すべきでした。

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MF36藤田 譲瑠チマ

試合を振り返ってください。
いつもに比べて自分たちのサッカーをする時間が短かったぶん、きつさもあって最後にああいう形で終わってしまったのかなと思います。

対新潟という部分で意識したところがあれば聞かせてください。
相手のフォワードが強力ということは分かっていたので、潰し切りたいと思っていましたが、前半から相手の24番(ロメロ・フランク)にやられてしまう場面が何度かありました。自分の狙いという意味ではあまり上手くいかなかったです。

相手の背後のスペースが狙いどころのひとつだった中、前線と後ろの意思疎通があまり上手くいかずに出せなかったという印象ですか。
出し手も見えていない部分があったり、受けても裏へ抜け出すタイミングが分かっていないとか、走れなかったとか、そういうことが重なって裏に出せるシーンで出せずに、自分たちで苦しんだ部分もあると思います。

流れの中では奮闘していましたが、最後に一発の恐さを感じる展開になりました。
千葉戦もロングスローで点を取られていたので、全員で集中して対応する思いはありましたが、一番はああいう場所でセットプレーをやらせないこと自体が大事です。最後まで自分たちがボールを支配し続ければ、ああいうことも起きないので、次からは自分たちがしっかりと最後までボールを持って相手を支配して試合を終わらせられるようにしていきたいです。

昨年のデビュー戦の相手に対してフル出場しての手応えを聞かせてください。
個人的にはシルビーニョ選手との対戦が印象的だったというか、身体をぶつけられてボールを奪われて、カウンターから失点しかけていたので、それをやり返そうという気持ちでした。ただ、あまり上手くいくシーンもなかったです。ただ、去年と比べて、自分のできることは確実に増えていると思います。成長した姿を見せられたかは分からないですが、自分の中では成長している実感があって、良かったと思います。

最後の締め方に関して体力面の問題以外で感じた問題点はありますか?
ゲームプランを考える上でなるべく前にクリアすることが必要だったと思います。低い位置でのクリアではああいう展開になってしまいますし、もう少しボール自体を前に運べていれば、ああいう形での失点もなかったと思います。

ご自身のチーム内での現在の立ち位置をどのように捉えていますか。
自分の同じポジションでは同年代に(山本)理仁がいますが、巧い選手がたくさんいる中で怪我をしている選手が多かったこともあり、自分にもチャンスが回ってきました。そのチャンスを掴めているというのが現状です。このチャンスを継続していきたいと思います。

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DF5平 智広

試合を振り返ってください。
最後の失点はもったいなかったので、そこは今後改善していきたいです。内容に関しても自分たちのサッカーができたわけではないので、そこも次に向けて反省したいです。

少し相手の並びに変化がありましたが、相手の戦い方はある程度想定内でしたか。
相手も後ろから組み立てるサッカーをしてくることは分かっていたので、自分たちの守備は前からプレッシャーをかけて少しでも高い位置でボールを獲りたいという意識で90分間プレーしていました。

前半10分過ぎからボールを支配していく展開になりました。
相手もすごく自分たちのサッカーを分析してきている印象があり、自分たちが理想とする形のボールの回し方がなかなかできなかったです。その状況が続く形で試合が進んでしまったので、そういった時に自分たちの立ち位置や個人のアイデアも必要だったと思っています。

ボール回しに関してやりにくさを感じた部分を聞かせてください。
自分たちが後ろから組み立てていく中でセンターバックがフリーになっていくところで、自分のところへのプレッシャーが思ったよりも早く、サイドの味方を使いたかったですが、そこを切られながらプレッシャーをかけられていました。自分たちはそういうスペースを有効的に使っていくサッカーなので、相手にだいぶ分析されている感じがありました。特に前半はやり辛さを感じました。

端戸選手へのクサビのパスも今日はかなり制限されていました。
そこはどのチームも危険だと思って相手のセンターバックが徹底的に潰しにきています。そういう試合が増えてきているので、それ以外の選手が空いたスペースに飛び込んで行く形など、裏のスペースももっと有効的に使っていかないと、相手も嫌がらないと思います。そこは次の試合に生かしたいです。

前半に関しては中央を締めた相手に対して、相手サイドバックの裏のスペースを突く形が有効的に見えましたが。
相手のスライドが速かったので、逆にボールがないサイドが空いていくということは分かっていました。そこをもっと使っていきたかったです。

先制した後はボールを握って追加点を狙いつつ、試合を締めにかかるというプランでしたか。
点を取った後は残り時間を考えて守り切るという意識で統一されていました。ただ、残念ながらああいう形で失点してしまったので、もう少し別の戦い方もあったのかなと思います。

ロングスローからの失点は今季2度目になりましたが。
ロングスローでの2失点は今後、弱みになってしまう可能性もありますが、そこはちょっとしたところで改善できると思うので、細かい部分を一人ひとりがもっと責任感を持ったり、声を掛け合っていく必要があります。

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MF21山本 理仁

試合を振り返ってください。
勝ち切らなければいけないゲームでしたし、後半から入った僕からすれば、失点の場面は自分のところで競り勝てなかったところもあるので、そういう意味で悔やまれる引き分けです。

失点場面では遅れて味方をカバーに行くような形になっていましたが。
混戦になるところだったので、自分としてはまずボールにアタックしにいくべきでした。マークを捨てて競りに行きましたが、僕とフクさん(福村)のところで競り勝てなかったです。もう少し、あそこで身体を当ててボールの軌道を変えられれば、また違った形になったと思っています。

投入時は左のサイドアタッカー、途中から右のフロントボランチでのプレーになりましたが。
サイドアタッカーに入った時は5トップ+6人目という部分で自分は6人目の役割をやれという指示は受けていました。フロントボランチではあそこはゴールやアシストというゴールに直結する動きが求められるので、そういう部分を意識していました。

先制点の直前のプレーでは山下選手からの折り返しを呼び込む場面もありましたが。
あそこは僕から見れば、山下からのパスコースが見えていたので、自分的にはボールが欲しかったですが、ああいう攻めの形からコーナーキックを取って、結果的に点に繋がったので、そこはチームとして良かったです。

守り切る意思統一はできていたと思いますが、先制後のプランに関して改善点はありますか?
守り切ることはやらなければいけないことですが、ウチのチームのストロングを考えた時に、ボールを持って支配し続けて勝つのが最も効率的だと思いますし、それができるチームだと考えています。その点に関してゲームを落ち着けられなかったことは悔しいです。

2連勝から2連続ドローという状況に関してどのように捉えていますか?
もちろん、相手が対策を取っていることはありますが、それ以上に決め切るところや身体を張るところなど、もっとボールに対して貪欲に行くところは高めていかないとダメですね。

少しシュート数が下降気味な点に関してはどのように考えていますか。
そこは目標が20本という設定がある中で、もっとシュートへの意識を高めていきたいです。もちろん、ただシュートを打てばいいというわけではないですが、シュートやクロスで攻撃を終える意識はゴールにも繋がっていくと思うので、そこは大事にしていきたいです。

個人としてはリーグ再開後、最も長い出場時間になりましたが、コンディション、試合勘はいかがですか?
試合展開もありますが、心肺の部分できつく感じたところもあるので、コンディション面をもっと上げていく必要を感じています。そして、ヴェルディの勝利に少しでも貢献していきたいです。

3戦ぶりの白星を目指す次節は無敗で首位のV・ファーレン長崎との対戦になりますが。
相手の順位とかは関係なく、あくまでボールを支配するのは自分たちですし、自分たちのサッカーをして勝つことに変わりはないです。準備期間は3日しかないですが、良い準備をして臨みたいです。

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