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MATCH試合情報

2019 明治安田生命J2リーグ 第8節 - モンテディオ山形 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

中3日で3試合を戦う連戦の締めくくりは、敵地で6試合負けなしのモンテディオ山形との対戦となった。いずれも上位勢との対戦だったこの連戦で、ヴェルディは1勝1分けで勝ち点を積み上げ。アウェーゲームとはいえ、勝ち越して上昇へのきっかけをつかみたい一戦となった。3試合ぶりにスタメンに変化を加えたヴェルディ。疲れが見えていた端戸仁を休ませ、渡辺皓太を今シーズン初のスタメンで起用した。

 

立ち上がりこそ、ヴェルディが相手の前からのプレスを剥がして相手陣内に入っていったが、徐々にパスワークではがすのではなくロングボールでプレスを回避するようになり、セカンドボールを回収されてしまう。結果として最終ラインを押し上げる前にボールを失い、また中盤の連携で安易なミスでもボールを失う場面が続き、山形に押し込まれる展開に。守勢に回る時間帯は、決して危険な場面を作られたわけではないが、バイタルエリアで奪ったボールをすぐに奪い返されて、攻撃に転じるリズムが生まれない。お互いに決め手を欠く展開で前半を終えようとした44分、思わぬ形で均衡が崩れる。右サイドのスローインを若狭大志がポストに入った林陵平に預けると、林はスペースへ走りこむ小池純輝にスルーパス。小池のコントロールは若干乱れたが、逆に挟み込もうとした相手DFの裏を突き、ペナルティエリアの中に侵入する。DFより先に小池がボールをコントロールすると、左足を振り抜いて低く速いシュートをゴール左隅に流し込んでヴェルディが先制に成功した。

 

思うようにいかない展開の中で先制に成功したヴェルディは、後半に入ると、リードを広げるために自分たちの目指すスタイルを追求する。立ち上がりの50分に背後を突かれてピンチを招くが、これは上福元直人がファインセーブで凌ぐ。立ち上がりから相手のプレスをいなしてボールを動かすと、徐々に自分たちのテンポが生まれてくる。相手をいなしながらボールサイドに寄せ、サイドを変えて縦にスピードアップしていく。しかし、ビルドアップのミスを拾われ、60分にカウンターから坂元にゴール前に抜け出されると、追いすがる近藤直也と前に出た上福元のプレッシャーの出端でシュートを打たれて同点弾を許す。せっかく生まれ始めたテンポを失う前に、ホワイト監督は交代カードを切って攻撃姿勢を強める。森田晃樹、藤本寛也を続けて投入し、パスワークで相手をいなしながら攻め手を生み出そうと試みた。実際に、交代直後の展開はヴェルディのペースだった。ロングボールで逃げることなく、中盤のアカデミー出身4選手が近い距離でボールを動かして山形を走らせる。ただし、機を見て縦にスピードアップするが、ゴールに向かうプレーでミスが起きると、山形のカウンターにさらされる。山形側が間延びして中盤にスペースを作ると、ヴェルディ側も攻め急いで縦に早い展開へと傾いていき、徐々にテンポは失われていった。終盤に向かうにつれて色濃くなるカウンターの応酬。オープンな展開の中で明暗が分かれたのは、わずかな差だった。90分、カウンターに出ようとコイッチが頭でボールをコントロールしたところ、ファールに見えるタックルで止められ、そのまま前に出ようとした陣形の背後を突かれる。自陣左サイドの深いところまで侵入を許すと、クロスをゴールニアで合わされて失点。最後の最後で試合をひっくり返されてしまった。アディショナルタイム4分という限られた時間の中で同点を目指すヴェルディ。90+1分にはパワープレーの流れの中、左サイドの藤本が入れたクロスボールがファーサイドまで流れ、飛び込んだ小池が折り返す。ゴール目前でポストプレーで落としたボールに近藤が走りこんで合わせたが、シュートは相手GKの懐に収まった。最後の最後に迎えた決定機を逸して万事休す。悔いを残して連戦を締めくくった。

 

柏レイソルに勝利したことでチームには勢いが生まれたように見えた。課題だった守備が安定し、水戸ホーリーホック戦では攻め切れなかったものの2試合続けて無失点で凌いだ。守備を安定させたその先、自分たちで試合をコントロールし、相手を仕留める――。そのアプローチが実を結んだ時間帯もあったが、オープンな展開の中で相手に合わせ、勝利に向けた機運は手からこぼれた。逆転負けを喫したことへの言い訳はできない。支えてくれるすべての人たちに、結果で、そしてパフォーマンスで応えるために、約1週間後に迎えるホームゲームに向けて、わずかながら見えたポジティブな要素を磨き上げていく。

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監督コメント

ギャリー ジョン ホワイト 監督

試合を振り返ってください。
90分間を通して良い試合だったと思います。両チームとも戦っていました。ともに勝ち点を狙いに行っていました。戦術、技術、エネルギーのところで良いレベルだったと思います。審判団の判断がもう少し良ければと感じました。

後半始まってから失点するまでの時間、相手のプレスをいなすパス回しやテンポが良いように思ったのですが、あのアベレージを上げるのは難しいですか?
選手たちはそれまでよく戦ってくれたと思いますし、そこまで難しいことではないと思います。パスにせよ構成にせよ良くやってくれたと思いますし、相手がやってくることに対して、僕たちはよくいなせたと思います。僕たちは自信があったので、交代メンバーを見てもらえれば分かる通り、攻撃的なメンバーを途中から入れました。

交代を攻撃的な意図で行ったと思いますが、シュートは1本でした。どのような攻撃をイメージしていたのでしょうか?
とにかく勝つために選手を入れました。全部が全部上手くいくわけではないので、ただチャンスを増やすという意味で交代しました。

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選手コメント

DF 17李 栄直

後半の早い時間に交代したのは、怪我の影響ですか?
いや、自分は自分のパフォーマンスのせいだと思っています。水戸戦から続いているイージーミスが前半からあって、どうしても頭の中で考え込んでいるのがプレーにも出ていたし、そういうところかなと思います。

試合を振り返っていかがですか?
なかなか難しいというか、前半は守備のところはしっかりとゼロでいけているし、もう少し攻めたいという気持ちもあるけどまずは守備からというところで、ビルドアップのところでもう少しできるかなと潮音と話していたのですが、そこが上手くいきませんでした。攻撃は皆がちょっとやりにくさを持ってやっているかなと。ただ、皓太が入ってくれた分、飛び出したり、飛び出した後の収め方があったので、前半はいつもの試合よりやりやすかったなと思います。

後半のパス回しのテンポは、パススピードを上げて、今シーズンで一番良かったのでは?
そこはもともといる選手の能力だし、栃木戦も上手くできていたので、上手くいく時間帯があったのですが、今日のレフェリーがディフェンスのチャレンジを認めてしまう人でした。失点の場面で、僕はファウルだと思っていたんですが、あの場面では優平と陵平さんが見えていて、一発でサイドを変えようと思ったんですけど、そこは自分の弱さを認めるというか、距離の短いパスを選んだ自分のメンタルが出ました。そこで裏とられてやられてしまったので…。

テンポを上げるには、中盤のメンツを生かすことが大事?
間違いなく、ヴェルディといえばそこだと思うし、その中で自分のイージーなミスのようなあまりなかったミスをしているので、そういうところを早く頭をクリアにして戻ってこないといけないですし、かといって自分がそれに特化しているプレーヤーではないのも分かっているので、守備の強度を上げるために今のポジションに入っているので、そういうところは自分が抜けた後も使われていると思ったので、より自分の特徴をクリアにして、次の試合に臨みたいなと思います。

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MF 19小池 純輝

惜しかったですね。
連戦の最後になったので、少し重い前半になってしまったのですが、なかなかチャンスも作れない中で一発は狙っていたので。スローインからインサイドをとれて、そこからゴールを決められたことは良かったです。

林選手からのパスが相手DFに引っかかって、間にこぼれたボールをいち早く反応しました。
最初は自分でトラップして縦に行こうとしたんですが、トラップミスをして逆にフェイントのようになって抜け出せました。

シュートシーンは?
落ち着いてシュートを打てました。試合の入りはミスも多かったですし、ほぼ押し込まれていて守備をしている時間が長かったですし、ゴール前まで行ける時間も短かったです。

最初は割り切ってロングボール?
今日は風も強かったので、そこで長いボールが増えたことはあると思います。

渡辺選手が裏に飛び出してチャンスもありました。
皓太も意識して近くにポジションをとっていたと思います。

だんだん前にボールが入らなくなっていった?
2失点とも自分たちがボールを持っていて、球際というかショートカウンターで2点ともやられてしまったので、相手の狙い通りだったと思います。

藤本選手から良いボールが入ってきましたね。
折り返しまではイメージ通りだったので、入ればベストでしたね。

点を獲りに行ったところで逆転されました。
もちろん勝つためにやっているので、今日もたくさんサポーターの方が足を運んでくれたので、皆勝利が見たいでしょうし、僕らもそれに向けてプレーをしているので。そういう意味では申し訳ない気持ちもあります。ただ、勝ちたいのは一緒ですし、どうするのかをもう一回考えていきたいです。問題は問題として受け止めて、先に進めないといけない。良い方向に行く時というのは、皆が前向きに取り組んでいる時だと思うので、苦しい時間が長いですけど、そういう時こそ選手もスタッフもサポーターも苦しい時間を共有するというのは難しいかもしれないですけど、なんとか抜け出したいですね。

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