MATCH試合情報
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【試合展開】
今月2度目の連戦も締め括り。前節、ジェフユナイテッド千葉を相手に3-0で快勝したヴェルディ。ホーム連戦となる今節は、京都サンガF.C.を迎えた。アランを警告累積の出場停止で欠くヴェルディは、右FWに梶川諒太を起用。右サイドMFには高木大輔を置いた。
序盤からボールを支配したのはヴェルディ。相手のプレスが単発なのを最終ラインのパスワークではがし、常に先手をとって高い位置へとボールを運んでいく。自陣に閉じこもり、スペースを消してくる相手に対して、左右に揺さぶりながら隙を窺う。なかなかスペースを見出せない中で、カウンターからチャンスメイク。自陣でのインターセプトから高木大がドリブルで仕掛けてバイタエルエリアまで侵入し、ゴール前で左足のシュートを放つが、これは相手GKにセーブされた。その後、ボールを保持しながらフィニッシュに持ち込むことができずにいると、前半の終盤に思わぬ形でチャンスが訪れる。40分、平智広が長い距離のクロスボールを相手ゴール前に入れると、処理しようとジャンプした相手DFが目測を誤って後ろに逸らす。そこに構えていたドウグラスがトラップして左足を強振。相手GKの股間を抜けて、シュートはゴール右隅へと突き刺さった。
前半同様、相手のプレスをいなしながら、ボールを保持して試合を進めていきたいヴェルディだが、反撃に出たい京都が圧力を強めてきたことで受け身に回る。前半はこれでもかというほど保持したボールがまったくつながらず、マイボールを得て高い位置まで運ぶ場面があっても単発に終わる。逆に相手のパワープレー気味の攻撃に対して、じわじわと押し込まれていく。そして67分、もっとも警戒していたセットプレーから失点。80分にはカウンター気味に攻め込まれると、豪快なミドルシュートをゴール左隅に叩き込まれて逆転を許した。今季味スタ無敗の勢いを失いたくないヴェルディは、同点にされた直後にドウグラスに代えて安西幸輝を投入し、立て続けに梶川諒太に代えて二川孝広を投入し、反撃体制を整える。81分には高木大に代えて中野雅臣を投入するなど攻撃的なカードを次々に切る。しかし、割り切ってゴール前を固める相手の牙城は高く堅牢だった。後半もバイタエルエリアに何度も侵入してゴールには迫ったものの、前半のようなリズムと迫力は出ないままタイムアップ。今シーズン、味スタでは初めての黒星となった。
今シーズンのここまでの戦いを見れば、この連戦機会に連勝のサイクルを取り戻せなかったことが非常に悔やまれる。しかし、立ち止まるわけにはいかない。連戦は終わったが、2週続けてアウェイへの遠征を控えている。このショックをしっかりと払しょくして、長崎の地でひとつでも多くの勝ち点を手にして戻ってくること。それこそが、今日のようなショッキングな敗戦を喫したヴェルディが、再起して勝利を得るための絶対条件だ。
【試合後選手コメント:MF 33 渡辺皓太選手】
――試合を振り返ってください。
「試合を重ねる毎に良くなっている感覚は自分でもありますが、まだ課題もいっぱいあるので、これから修正していきたいです」
――守備の局面を中心に今日は多くの仕事をこなしましたね。
「押し込める時間が多く、相手のカウンターを潰せれば、こちらがずっと攻撃できるので、そういう意味で相手にカウンターをさせないように、ファーストディフェンスを速くすることを意識していました」
――ご自身の課題について具体的に教えてください。
「もっとロングボールを使えるようになりたいのと、あとは自分でシュートを打てる場面もあったので、そういうところで決め切るという2つが課題です」
――高い位置でボールを受けた際に、少し味方の選手と意図が合わない場面も見受けられましたが。
「少し、相手にコースを切られていたので、安全な方に行ってしまう場面もあったので、そこをスパッと一回入れられたので、そういうプレーを増やしていきたいです」
――連戦の中でコンディションはいかがでしたか?
「最近、少しずつ試合に出始めて、試合の体力がついてきていると思います。これからも試合に絡めるように練習からやっていきたいです」
――相手のセットプレーへの対応に関して聞かせてください。
「どこでもファウルをしないようにと言われていて、自分も余計なファウルを何度かしてしまったので、そこは反省です。ファウルなしで奪い切れれば、あの失点もなかったと思います」
【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】
――試合を振り返ってください。
「セットプレーを警戒し、ファウルを与えてはいけないと言われていましたが、ファウルを与えてしまい、警戒していた形からやられてしまい、悔しいです」
――後半は追加点を奪うという部分で苦戦しましたね。
「後半もありますが、前半にもカウンターから2点目を仕留めるチャンスがありました。そこで仕留められていれば、こっちの展開に持ち込めたと思いますが、そこで1点どまりでいると、ああやって相手に流れを渡してしまうという展開になってしまいます」
――相手の大味な展開に若干付き合ってしまった部分もありますか?
「相手の特長は高さで、そこで負けてしまう場面もありましたが、そこでカバーし合うことを意識していました。うまくできていたとは思いますが、勝負所で相手の方が良かったのかなと思います」
――試合終盤に前線の高さがない中でどんな攻撃のイメージを持っていましたか?
「カウンターのところで、速い展開に持ち込み、そのままゴールを決めたりとか、そういうチャンスもいくつかあったと思います。もっと圧力をかけられれば良かったと思いますし、2点目を奪えれば、最高でした」
――相手の最終ラインと中盤の2ラインがコンパクトで間で受けるのが、難しい印象でしたが。
「もうちょっと、後半空くと思っていましたが、そこまでスペースがないというか、相手がうまく埋めていました。かなりコンパクトなイメージはありました」
――ヴェルディユース時代の同期である吉野恭平選手と初対決でしたが。
「それほどマッチアップしていたわけでもなく、一選手として見ていました。バチバチ当たることもなかったので」
――2失点目は相手のカウンターからでしたが。
「ただ、スーパーゴールでもあったので、とにかく良い場所から良いシュートでした。ある程度しょうがない部分もありましたが、カウンターの場面で相手にカウンターをさせないようにシュートでやり切ることは大事でした。カウンターを受けた場面も一度は獲りかけた中、変な形で入れ替わって、不運な面もありました」
【試合後選手コメント:MF 32 二川孝広選手】
――今季初出場でしたが、試合を振り返ってください。
「勝てなかったので残念です」
――交代の際に監督からどんな指示がありましたか?
「ボールを受けて、ゲームを落ち着かせてほしいというようなことを言われました」
――試合に入った際に相手の勢いを感じた部分はありましたか?
「京都は結構、シンプルに前線に蹴ってセカンドボールを拾うという形だったので、そこで蹴り合いにならず、もう少し落ち着けてゲームを進められればと思っていました」
――今季初出場した中でプレーの感覚はいかがでしたか?
「もうちょっと自分で行かないといけない場面もあったと思います。もちろん、ゴールも狙っていましたし、ゴールに絡むプレーも意識していました。これまでそこまでプレッシャーを受けてプレーする機会が少なかったですが、多少は余裕を感じる部分もありました。もうちょっと、プレッシャーを受ける状況でしっかりとできるかは、今日の段階では分からなかったので、しっかりと練習からやっていきたいです」
――前線のターゲット不在で難しさもありましたか?
「なかなかコンビネーションで崩すという形は難しかったので、もう少し自分で仕掛けるべきだとも思ったので、難しさはありました。スペースはあったので、一瞬のスペースやサイドであれば、クロスという選択肢もあったので、そこに飛び込んでいく形はありました。高さがないときは、スペースを突いたり、あとは個人の仕掛けを見せていかないとダメですね」
――コンディション作りという部分ではいかがですか?
「チャンスがあるときにしっかりと結果を残していかなければならないので、練習からやっていきたいです」
【試合後監督コメント: ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督】
――試合を振り返ってください。
「前半は自分たちの試合だったと思います。私たちがボールを持って、彼らはハーフラインを越えることさえも難しかったと思います。後半は相手がプレスを強くかけてきて、その状態で良いプレーをすることができなかったです。カウンターでチャンスも作れていましたが、前半ほど良いプレーができませんでした。危険だと分かっていた相手のフリーキックでゴールを許しました。2点目は相手のスーパーゴールが決まりました。ただ、最低でも引き分けにしないといけない試合でした」
――同点の状況で二川選手を今季初めてプレーさせましたが、交代の意図と期待した仕事に関して聞かせてください。
「カジが疲れていたことと、フタがトレーニングで良いプレーを見せていたので起用しました。求めたプレーに関しては、カジと同じ仕事を求めました」
――今季全試合で起用している内田選手の重要性やプレーに関して聞かせてください。
「すごく良いプレーをしていて良いシーズンを送っていると思います。今日は少し疲れが見えましたが、いつもの試合と同じようにプレーしてくれました。シオンだったり、中後だったりは同様に重要な選手なので、彼らが戻ってくれば、ウッチーを休ませることもできると思います」