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MATCH試合情報

2013 Jリーグ ディビジョン2 第25節 - 横浜FC vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、7試合ぶりに勝利したヴェルディは、今節で敵地に乗り込んで横浜FCと対戦した。いまだアウェーでは1勝しかできていないが、今シーズン初の連勝で上位へと登りつめるきっかけを手にしたいところ。前節からのスターティングメンバーの入れ替えはセンターバックのみ。福井諒司に代わって刀根亮輔が中央に入った。

序盤からお互いにゴールに突き進む展開に。横浜FCは前線のターゲット大久保哲哉を生かして攻め込み、ヴェルディは素早く縦につないでチャンスを作り出す。14分には、右サイドでパスを受けた森勇介がマーカー2人を振り切ってクロスを供給。これを石神がファーサイドで合わせて枠にシュートを飛ばすが、相手GKのファインセーブに阻まれる。しかし、これで得たコーナーキックを井林が頭で合わせ、畳み掛ける形で先制に成功する。ここからは横浜FCに押し込まれる展開が続いた。パスミスからポスト直撃のシュートを打たれるなど、きわどいところで耐え忍ぶ形で前半を折り返す。

追加点の重要性を確認し合って臨んだ後半だが、立ち上がりの48分に同点弾を許すと、ここから流れを引き戻すことができずに押し込まれて59分にはついに逆転された。今シーズン、失点するとそこからズルズルとリズムを失う傾向にあるが、ヴェルディはここから粘り腰を見せる。逆転して一安心した相手を押し込み始め、サイド攻撃からチャンスを見出す。65分には右サイドの森の鋭いクロスを小池純輝が頭で合わせて失点から6分後に同点に追いつく。なおも相手のギャップに顔を出す高原直泰、飯尾一慶を経由してワイドに相手を揺さぶってゴールへと向かっていく。逆襲を食らって数的不利になっても、刀根を中心に送らせて中盤のプレスバックと合わせて反撃の芽を摘む。そして迎えた43分、端山が右サイドでタメを作ってボールを落とし、サポートに入った森がチェックに入った相手よりも一歩早くゴール方向に向かう。これを相手が遅れ気味に足を出して森を倒す形になり、ヴェルディがPKを獲得した。高原がこれをきっちり決めて逆転に成功した。ここからは落ち着いて試合を進め、焦る相手のファウルを誘って4分のロスタイムを凌ぎ、今シーズン初の連勝を果たした。

 

 

【試合後選手コメント:MF 16 飯尾一慶選手】

――試合を振り返ってください。

「今日はきつかったですね。攻め込まれる時間も長かったですし。だけど、諦めずに頑張った結果、こうやって勝ち点3を取れたのは良いことだと思います。それに落ち込む時間帯があんまりなくなった印象です。せっかく1点を取って前半をリードで終えて、でも後半立ち上がりに追いつかれて、さらにもう1点取られて2-1にされてしまいましたが、もう一回同点に追いついて、最終的に逆転まで持っていくことができました。それに慌てなくなったし、これを今のまま確実に続けて行こうという感じで2点とも取れましたし、素晴らしいと思います。ただ、きつい部分、ディフェンスを含めてたくさんあったので、もうちょっと良い受け渡しができれば、もっと攻撃に時間とパワーも持っていけると思います。それでも、気持ちの部分では負けていなかったし、今日の一戦に懸けるみんなの想いは強かったと思っています。やっぱり、引き分けじゃなく勝てたというのは本当に大きいです」

――6試合勝てない中で前節の札幌戦を勝ちました。その勝利がメンタルの部分で今日の試合に活きましたか?

「意識は変わったと思います。この前の試合時点で15位という順位にいて、自分たちの中で15位というのがどういう位置にあるのかということも考えたと思うので、何もなくなったら面白くないと思いますし、目標がなくなったら頑張れないと思うので、そこを目指そうよという一人ひとりの意識がこういう結果に繋がったのではないかと思います」

――今日は森選手が右サイドで積極的に攻撃に絡んでいましたね。

「やっぱり、元々センタリングの質だったり、上がるタイミングというのは昔から良いものを持っていたので、今日の試合ではそれが2本表れたのかなという感じですね。これからも毎試合出してもらいたいです。もちろん今も警戒されていますが、これからより警戒されてくると思うので、そのときはもっと人数を掛けて違う形で崩していきたいです。とにかく、今日は本当に素晴らしいパフォーマンスだったと思います」

――先制点を決めた井林選手も良い出来だったのではないでしょうか?

「素晴らしかったですね。コーナーから巧かったです。もっと早い期間に決めてもおかしくないほど、ヘディングも強いですし。だから、セットプレーでも上手く合わせることもできています。キッカーもとても良いボールでした。ちゃんと、練習の成果が出たと思うし、これを続けていきたいですね」

――今後もこの勢いを継続していきたいですね?

「そうですね。次はガンバ大阪という凄く良いチームですし。やっぱり、誰が見てもJ2の中で良いチームなので、そういうチームに対してどれだけできるか試したいです。アウェイでは0-0だったので、ホームでは何とか得点し勝てるように、チームとしてしっかりやっていきたいです」

 

【試合後選手コメント:FW 44 高原直泰選手】

――試合を振り返ってください。

「なんとか勝ちを重ねられて、少し上に食らいつけることができてよかったです。それを続けていければいいです」

――逆転されて逆転し返したことについて。

「僕からしたら逆転されることがだめだと思いますが、みんなが最後まで諦めないで戦えたなと思います。最後のPKは横浜にとっては厳しい判定だったとも言えますが、自分たちがそのチャンスを活かして勝てたというのはよかったと思います。サッカーはそういうことが起こりうるし、自分たちもこれまでに判定で苦い思いをしたこともあります。相手のことを思うと厳しい判定かなと思いますけど、自分たちにとっては大きい勝ちになりました。次のガンバ大阪戦に向けてまたチームが一つになって戦えたらいいなと思います」

――次のガンバ大阪戦へのイメージを教えてください。

「それは次に考えます。まだこの試合が終わったばっかりですし、いいゲームをしたわけではないので、今日の試合をしっかり反省することが大切です。ガンバ大阪は強いチームですし、自分たちのホームでやるので、しっかりと準備をしてやっていきたいと思います」

――森選手の活躍について。

「みんなが頑張っていますし、そうして一人一人がしっかり頑張ってやらないと勝てないということも分かっています。それに、自分たちが本当の意味で強いと思えるチームではないことも分かっているだろうし、全員が全力でやらないと良い結果は得られないと思いますし、全力を出し切ったからといって勝てるわけでもないので、全員で戦っていくことが大事です」

 

【試合後選手コメント:MF 15 小池純輝選手】

――劇的な試合でしたね?

「勝てて本当に良かったです」

――前半中盤まで非常に良い流れでプレーしてリードでハーフタイムを迎えられました。その後、後半立ち上がりに失速した理由をどんなふうに考えていますか?

「みんな後半の立ち上がりに集中していなかったわけではなかったのですが、結果的にああいうふうに2点を取られて逆転を許してしまいました。そこは反省しなければいけないですし、修正すべき点だと思います。でも、その後に逆転できたのはこれまでなかったことなので、そういう意味では良かったと思います」

――両ウイングバックの攻め上がりから2点目を奪いました。これはチームとしてやりたい形の崩しだったのではないでしょうか?

「ゴールはできなかったんですが、前節も同じような形からヘディングできそうな場面があったので、同じイメージで森さんが上げてくれると思っていました。そしたら本当に良いボールが来たので頭を振って上手く流し込むことができました」

――どちらが勝ってもおかしくない展開で見事に勝利しました。前節の札幌戦で勝利した自信が繋がった感じでしょうか?

「そうですね。今はとにかく泥臭くても勝利がほしいとみんなが思っているので、諦めないというのは最低限のことですが、それが形になったのは凄く良かったと思います。でも、修正しなければならない部分もたくさんありますし、できなかった部分をもう少しできるようにすれば、逆転されずにそのまま勝つこともできたと思っています。そうなるようにきっちり練習したいです」

――次節のガンバ大阪戦ではどんな戦いをしたいですか?

「やっぱり、ホームでの戦いですし今は連勝していますが、それまではなかなか勝つことができませんでした。それでも、サポーターは変わらず応援をしてくれていたので、何とかホームでガンバ大阪を倒したいと思います」

 

【試合後選手コメント:MF 36 端山豪選手】

――試合を振り返ってください。

「点を取って取られてという難しい展開の試合でしたが、選手が最後まで諦めずにやっていて、最後にああいう形で逆転できて良かったです。後半戦を迎えている現状では勝ち切ることが大事なので、しっかり前節に続いて勝ち点3を取れたことは本当に良かったと思っています」

――前節に続いて積極的にプレーしていましたね?

「途中出場の役割として、やっぱり他の選手に比べてフレッシュなので自分がやらなければいけないという気持ちでやっています。でも、やってはいけないミスもあったので、そういう部分を減らして、攻撃の部分ではもっと積極的に自分のプレーを出していきたいです」

――低い位置で思い切ったサイドチェンジを見せたり、恐がらずにボールを回していた印象です。やはりボランチでの経験が活きているという感じでしょうか?

「そうですね。シャドーでのプレーでしたが、守備の場面ではアンカーの横に下がってボランチの役割もやるので、そういう部分ではボランチの経験が活きていると思います。でも、今日はサイドチェンジでミスがありました。ああいう時間帯で不用意なミスは絶対やってはいけないので、そういう技術的な部分と判断の部分を含めてミスを減らしていきたいです」

――プロの世界に入って厳しい試合が続いています。ここまでの手応えと課題はいかがでしょうか?

「自分の得意とする形でボールを受けた時など攻撃の部分ではある程度やれるという手応えは感じています。逆に、デビュー戦よりも今日の方が緊張してしまい、固くなっていた部分もあったので、その辺は早く慣れてどんな試合でも自分のプレーをできるようにしたいです」

――ご自身の加入以来、チームは2連勝していますが?

「本当に偶然なんですが、加入してからチームが勝てるようになったので、それは素直にうれしいです。勝っているチームの中でもっと試合に出て、もっとチームに貢献したいという思いもあります」

――次節、首位のガンバ大阪との対戦ですが、どんなプレーをしていきたいですか?

「相手がどこかということはあまり気にせず、自分のプレーを出してチームに貢献したいと思っています。なので、本当に自分のプレーを出せるようにしっかり準備していきたいです」

 

【試合後選手コメント:DF 26 井林章選手】

――初得点について感想を教えてください。

「嬉しいです。良いボールがきたので、ゴールできてよかったです」

――ゆりかごパフォーマンスは?

「福井さんに子供が生まれたので、ゴールが決まったらテレビの前でやってあげようとみんなで話していました。自分のゴールで気持ちが伝えられてよかったです(笑)」

――逆転されて逆転し返したことについて。

「2点目は防ぎづらい失点だったので、そこからはみんなが割り切って立て直そうという意思統一がありました。今までは失点して崩れることがあったのですが、今日は諦めることもなくて、逆転するという気持ちが出た試合だったと思います。チーム全体でやることがはっきりしていましたし、時間もあったので、落ち着いて自分たちのゲームができたし、2点、3点を取ることができたのだと思います。そこは今までと違って良かったなと思います」

――もっと早く初得点を決めたかったですか?

「前節もチャンスはあったんですけど、決められなくて、ちょっと遅くなってしまったかなと思います。セットプレーに入っている以上は、貢献しなくてはいけないと思うので、これからも決められるよう意識して点を取っていければいいなと思います」

――ガンバ大阪戦に向けて

「大学の先輩(阿部選手)もいるので、特別な試合になります。食らいついて頑張っていきたいです」

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「この三ツ沢という、非常に雰囲気のあるアウェイに乗り込んで、お互いがこういう状況で試合がどうなっていくのかなかなか読みづらいものがある中で、先制点が取れたのは非常に大きかったと思います。ただ、今のリズムや展開の中で、追加点を取れないというところで、後半は普通に流れていくとは思わなかったのですが、うまくリズムを取られてしまって逆転された。戦術的や意図的にというよりも、お互いが良いリズムと難しいリズムの取り合いになっていく中で、悪い時間を上手く辛抱して、良い時間帯でどうゴールを割れるかという中で、自分たちの方が今日の試合に限っては1点多く相手より取れたのかなと思っています。そういう中で 、連日こういう暑い中でトレーニングもして、この試合に臨んでいく中で、選手は非常に集中してハードワークをしてくれたと思いますし、二つの失点を考えると修正しなければいけない部分はあると思うが、2失点したら3ゴール取るという、ちょっとした勝ちへのこだわりであったりメンタルであったりは、このあとも、夏場に非常に大事になるのではないかと痛感しています」

――6試合勝てない状況があって、前節勝利したことでチームに精神的な強さが戻ってきた印象ですが?

「ここからだと思います。もちろん現状で選手たちが満足するわけではないですし、一歩一歩自分たちが努力したことが実って報われていく、それがシーズンだと思いますので、その点ではこの1勝を自信にして、この雰囲気と今日起きたことを自分たちのものにして、次の試合もしっかりと準備をして臨みたいと思います」

――2得点に絡み勝利に貢献した森選手への評価を聞かせてください。

「こういう大事な試合の中で結果を残すのは非常に大事な部分。ただ、結果だけで次に進んではいけないし、やはり修正すべき点があります。そういうものを一歩一歩選手と積み重ねていく、構築していくことが大事だと思うので、勇介の今日のパフォーマンスはプラスもあったし、修正すべき点もあったのではないかと思います」

――今日の試合展開では少しラッキーな面もあったのではないでしょうか?

「今までも、おっしゃったようなツキや運が自分たちにことごとくなかったということを考えると、今日そういうふうになったというのは、我々がやってきたことを信じられるし、これから少しずつ上を向いていくことができるのではないかと思っています。変な例えかもしれないですが、どこかの学校に入る受験ではないので、しっかり勉強をして準備をして試験を臨む人が絶対に合格するはずである、というのではなく、サッカーは不特定多数のアクシデントが起こりますし、思ってもみなかったことが起きるから、サッカーは世界中で人々を熱狂させているのだと思います。そういうことが起きて勝敗が左右するものだと思っているので、今日は我々にツキや運が来たと思っています。ただ、それもしっかり準備をして、しっかり努力をして、選手とともに勝利を信じて一日一日を過ごしていかないと、なかなか来るものではないのではないかなと思っています」

 

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