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2022.08.06

選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.14 井出遥也 ▶︎ 端戸仁

緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第14回は井出遥也選手が端戸仁選手を紹介!

取材=上岡真里江

オムのいいところを5つ? マジで5つもない(笑)

オム(山口竜弥)とは、確かあいつがプロ1年目の時からかな。ガンバ大阪の時から一緒にやっているし、ヴェルディに来てからも、ポジションが左サイドバックと左のインサイドで組むことが多かったので、よくサッカーの話をしています。遠征の移動とか練習とかで一緒にいることも多いので、サッカー以外の話もよくしますよ。今はコロナ禍でなかなかご飯に行ったりということができてないですが、以前はオムも俺もけっこうケガが長かったので、ホームの試合前に2人でご飯に行ったりすることもありました。ただ、オフに会ったり一緒に出かけたりというのはないです(笑)

あいつ、イジると面白いんですよ。その面白さをぜひ伝えたいところなんですが、あいつはファン・サポーターの前とか、こういう記事とかで自分を悪く言われたくないタイプだからなぁ…。なので、本当はめっちゃ言いたいことがあるのですが、ここでは言わないでおきます。だけど、皆さんが思っているよりも、隠している部分がありますからね。ヤバい意味で(笑)。SNSとかでも、みんなの心をつかむ系のことを書いてるじゃないですか。もちろん、それが本心であることは間違いないのですが、あいつの性格とか私生活とかは、注意したいところが多々あるので(笑)。まぁ、でも今回はあいつのために秘密にしておくことにします。

前回の俺の紹介の時に、「“クールキャラで”イメージ戦略を固めてる」とか言っていたけど、それはオムのほうでしょ!? って感じです。ホント、オムはみんなの前と、そうじゃない時との差がめちゃくちゃありますから。

オムからの質問が、「俺のいいところをピッチ内外で最低5つ挙げてください」と。いや〜、マジで5つもないですよ! ない! でも、仕方がないから絞り出してみます。サッカー面は『アグレッシブ』と『縦への突破』。あともう一つ、『俺が指示したことを絶対やる(犬みたいに)』かな。俺は選手としてオムのことをすごく評価していますし、違いを作れる選手だとも思っています。ただ、去年からケガが多くて、復帰してからもなかなか難しい時間を過ごしてきたと思います。それでもいつも前を向いている。自分もオムを励ましてきましたし、オムが相談してきたりというのも見てきたので、あいつの「チームに貢献したい」という思いの強さは知っています。それを試合で出せるように、いま努力していると思いますし、実際に試合に出た時にああやってチームの力になれる力を持っているので、そこは期待しています。

あと2つ…。ピッチ外かー。いやマジでねー、私生活はねー、いいところがないんだよなー。逆に5つ注意したいぐらい(笑)。どうしようかなぁ、じゃあ1つは『カッコつけ』。いい意味でね。あ、いや、悪い意味だけど、一応いいところに入れておきます(笑)。それと『自分をイケメンだと思っている』。これももういいところに入れちゃいます! マジで鏡を見たら毎回“キメ顔”みたいなのをしてるんですよ。例えば、練習前とかにみんなでジムで準備するじゃないですか。オムだけ一人鏡を見てキメ顔みたいなのをしてる。これはもう、チームのみんなが知ってるし、みんな突っ込んでるからね。俺は「イタイな〜」と思いながら見ていますけど、でもまぁ、いい意味でメンタルが強いというかね。あいつのいいところですよ(笑)

でも、あいつがメッセージとしてくれたとおり、「一緒にピッチに立ちたい」というのは俺も同じ気持ちです。2人とも去年からケガで離脱する時間が長かったですし、そういう話をずっと2人でしてきましたから。2人で試合に出て、チームを助けたい。一緒にピッチに立って、チームに貢献できるように頑張りたいと思います。

仁くんと組む試合が、一番安心感がある

 今回、僕が紹介するのは端戸仁選手です。自分がヴェルディに来てからけっこう選手が入れ替わりましたけど、来た当初からチームにいて、一緒に組む試合が多かったのはたぶん仁くんかなと思います。それと、オムもそうですが、試合の移動とかの時に一緒に行動したり、ゲームをしたりするメンバーの一人でもあります。去年まではここにワカくん(若狭大志選手/現ベガルタ仙台)もいました。仁くんもオムと一緒で、オフも一緒にいるとか、ご飯に行ったりとかは全くないですけど、本当にちょっとおかしいのでね(笑)。見た目もそうだし、性格もすごくぶっ飛んでる! それをいつも俺と若くんでイジったりしていました。

最初に仁くんを知ったのは、仁くんがギラヴァンツ北九州でプレーしていた時です。当時は仁くんも20代前半で若かったし、その上めちゃくちゃ活躍していて。そのプレーをフクアリで見て、「めっちゃうま!」と思ったのが最初でした。もちろん今も上手いですが、あの時の印象がすごく強いですね。衝撃でした。

そんな仁くんと2020年からチームメイトになって、実際に一緒にやってみると、めちゃくちゃやりやすいんです。FWにはいろいろなタイプがいると思いますが、その中で仁くんはすごくボールが収まる選手だと思います。仁くんが前にいると、周りの選手がものすごく楽にプレーできる。ゴールなどの直接的な結果だけではなく、それ以外の部分での貢献度がめちゃくちゃ高い選手です。とにかく、仁くんにボールが入った時は安心感が違う。自分とはちょっとタイプが違いますが、「時間を作れる」という意味では共通点もあるので、相手の外し方だったり、トラップだったりはすごく勉強になります。個人的には仁くんと組む試合が、一番安心感があります。

プライベートについても、皆さんに紹介したいことがめちゃくちゃあるのですが、オムと一緒で言えないことが多いんだよなー(笑)。まぁ、でも一つだけ、一緒にリバビリをやっていた時の話をしますね。室内で筋トレなどをやるのに、普通はみんな自分で「1、2、3……」と回数を数えるじゃないですか。でも、たぶん仁くんは2つの事を同時にできないんでしょうね。だから、回数を数えるために、何か専用のマシンみたいなのを手に持って筋トレをしてるんですよ。きっと筋トレの最中に話しかけられると、数を忘れちゃうからだと思います(笑)。本当に、見ているだけでいろいろ面白すぎてヤバいですよ!

ただ、ちょっと残念なのが、この面白さというか、仁くんのキャラを、今年の新加入組がまだあまり分かってないんですよね。まだ気づかれていないのか。去年まではワカくんがイジりまくって、チーム全体にそういうキャラが浸透していたのですが……。そういう意味では、ワカくんの存在はデカかったですね。それを引き継いで、俺も仁くんに対してそういう扱いをしているのですが、今年はリハビリでしか一緒にいなかったから、なかなかチームのみんなの前で見せられていなくて。もどかしいですね。

仁くんのキャラが炸裂することを期待して、こういう質問をしてみます。「仁くんはお子さんが2人いますが、子育てのポイントを教えてください」。自分も結婚したので、今後子どもが産まれた時の参考にしたいです。仁くんの子どもたちは、仁くんと違ってめちゃくちゃカワイイので、どういう育て方をしているのか、どんなポイントがあるのか、ぜひ先輩パパとして教えてほしいです。

そして、仁くんへメッセージです。自分も去年大ケガをして、今年も毎日毎日、1日も気が休まる日がないぐらい、違和感と戦いながらやっています。復帰はできましたが、今のところまだ100パーセントでプレーできたという実感がなくて、すごく苦しい日々を過ごしています。だけど、仁くんはそれ以上に大きなケガを何回もして、今もリハビリに長い時間を費やしていると思うので、その努力が報われるためにも、一緒に試合に出て、一緒に勝って、一緒に喜びたいなと、心の底から思っています。

僕自身も、7月31日でケガをしてからちょうど1年が経ちました。これまでケガについて詳しく話をする機会がなかったのですが、僕が負ったのは長内転筋の断裂という症例が少ないケガでした。ケガをしてから最初の5カ月間はジョギングぐらいしかできなくて、今年の1月に入ってやっと本格的にリハビリをスタートしました。そして、4月17日のアウェイ山口戦で復帰したのですが、正直その時も7〜8割でしか動けない状態でした。そこからまた少し離脱して、また復帰して、という形になっていくのですが、どうしても自分の中で違和感がすごくて、日によっても感覚が変わる。これは誰かが言っていたんですが、「あみだくじみたいだ」という表現がすごく分かるなぁと。ただ、そんな中でも、自分のやれることを毎日全力でやっていますし、試合に出た時には自分ができる100パーセントの力を出そうと思ってプレーしています。

チームに貢献したいけど、それがなかなかできていないことについて、とても悔しいし葛藤もあるのですが、いま話した仁くんもそうですし、最近では日本代表の宮市亮選手(横浜F・マリノス)のように、何度も大きなケガをしている選手もいる。それに比べたら自分の苦悩はまだ小さいと思いますし、今はまだ8〜9割ぐらいでも、サッカーができているだけ幸せなのかなとも思います。

残り3カ月、自分の100パーセントの姿をもう一度ピッチで出せるように努力したいと思っています。僕のプレーを待ってくれている人たちのために、自分が輝いている姿を見せられるように頑張ります!

じゃあ、続きは仁くん、よろしくです。

■vol.15 奈良輪雄太 ▶︎ 平智広 はこちらから