選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.16 平智広 ▶︎ 高木和徹
緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第16回は平智広選手が高木和徹選手を紹介!
取材=上岡真里江
ナラくんがピッチにいてくれると本当に助かる
平智広です。ナラくん(奈良輪雄太)から「キャプテンとしてしっかり行動していることを、日頃から見ているよ」というメッセージをもらえて、すごくうれしかったです! ナラくんみたいに、自分のやるべきことを毎日しっかりとやっている選手からそんなふうに思ってもらえていることが余計にうれしいです。
ナラくんは今言ったように、とにかく毎日自分のやるべきことをしっかりとやっています。それって当たり前のようだけど、実際にやり続けられる人って、実はなかなかいないと思うんですよね。でも、ナラくんは違う。時々自分に甘えてサボっちゃったり、なんてところは一度も見たことがないし、すごく自分を持っているなと思います。でも、だからといって周りの人がやっていないことに対して決して文句を言ったりしない。普通はサボっている選手がいたら、「もっとちゃんとやれよ」と思うものですが、ナラくんが周りの選手に怒るシーンを見たことがない。だから、ナラくんを悪く言う人は誰もいないと思います。サッカーに取り組む姿勢とか、誰よりも早く来て練習の準備している姿を誰もが見ているから、僕も含めてみんなが尊敬の目で見ています。
チームメイトになって5年目になりますが、サッカー面でいうと、ナラくんがピッチにいてくれると本当に助かりますね。絶対にサボらないし、最後まで走る選手。自分がつらいと思ってからもうひと踏ん張りできるので、チームが苦しい場面で必ず助けになってくれる存在です。ポジション的にも、自分がセンターバックで、ナラくんがサイドバックで横にいることが多いのですが、ナラくんが一人で相手を抑えてくれるシーンもけっこうあります。それに、外から見ている人には意外に感じるかもしれませんが、ピッチの中ではナラ君の声がよく聞こえます。前の選手とか横の選手に対しての声がけをサボることなくやってくれるので、そこも頼もしいですね。サイドバックの選手が喋ってくれないと、自分で首を振らないといけないとか、細かい部分でけっこう影響があるのですが、ナラくんの場合は声を聞くだけで相手がどこにいるかが分かる。そうした見えない部分でもすごく助かっています。
そうそう。ナラくんも言っていたとおり、家族ぐるみで仲良くさせてもらっています。ディズニーランドで偶然会ったのも本当です(笑)。たまたま行った日がかぶって、一緒に回ったんですよ。両家族のみんなで一緒にコーヒーカップに乗った気がします。住んでいるところもけっこう近いので、行きつけのショッピングモールでもたまに会ったりするんですよね。一緒にご飯を食べることもあるので、子育てについてとかいろいろな話を聞いています。ナラくんのところは教育もしっかりしてそうなので参考にしています。ちなみに、僕はナラくんと違って家事はぜんぜんやりません。でも、子供と一緒に遊ぶのは好きなので、おかげさまで子供からは好かれていると思います(笑)
そして、質問ね。「あと何年サッカーをするのか」って? “何年”かぁ。自分がやりたい年齢までかな。チームもあるし、家族もいるので、金銭的な部分も含めて考えなくてはいけないですが、個人的には35歳まではやりたいですね。いま32歳なので、今年を抜くとあと3年か。最低でも、あと3年は頑張りたいと思います。
ナラくんとは、たまにそういう話もしたりするんですよね。お互いに年齢が年齢なので。たしか前にも「サッカーを辞めた後にどうしたいか」という話をしました。サッカー界に残るのか、全く違う世界に飛び込むのか。引退後の方向性について話したことがあった気がします。
「35歳」というのは、区切りとしてなんとなくです。プロになった頃は「30歳までできればいいな」と思っていたんですが、気がついたら30歳を超えていたので、じゃあ次は35歳かなと。ただ、年齢よりも大事なのは、自分の気持ちじゃないですかね。35歳を過ぎても体が動く選手もいれば、30歳を過ぎて体力的にも精神的にも一気に落ちてしまう選手もいると思う。それでも続けていけるかどうかは結局、自分の気持ち次第。なので、「35歳まで頑張る!」という気持ちでやっていれば、実際にできるんじゃないかと思っています。
あとは、やはり家族が一番のモチベーションですね。子供がもう少し大きくなるまでサッカーを続けていたいという気持ちは強くあります。息子がいま4歳と2歳なのですが、最近は特に下の子がスタジアムで試合を観るのをすごく楽しみにしているらしいんです。キラキラした目で試合を観ているそうなので、彼に喜んでもらって、もっとサッカーを好きになってもらえるように、もう少し長くプレーしているところを見せられたらなと思います。そのためにも、ナラくんの自分の体との向き合い方などは、これからも参考にさせてもらいます。
トールちゃんは僕と似ているところがある
さて。僕が紹介するのは高木和徹ちゃんです。最近「トールちゃん」って呼んでいます。意外にも、僕より5歳下なんですが、そんな感じしないですよね?(笑)。少し歳は下ですけど仲がいいんですよ。きっかけは、仲介人が一緒だったことかな。最初、「高木和っていうGKがヴェルディにくるからよろしくな」という連絡がきて、そこから話すようになって、一緒にご飯に行くようになったという感じですかね。
まだ出会って1年も経ってないですが、ここまで一緒にいてまず感じるのは、すごく真面目にサッカーに取り組んでいるなぁということです。あとは、オンとオフがしっかりしてる。遊ぶ時は遊ぶだろうし、サッカーをやるときはしっかり向き合うというメリハリが利いているなと感じます。GKの人って、けっこう自分のやるべきことが決まっていて、筋トレとかをよくやっているイメージなのですが、トールちゃんもやるべきことをしっかりやっている姿をいつも見ています。
性格は人に対しての好き嫌いがはっきりしていますね。特に自分が「いいな」と思った人にはグイグイと懐に入っていく感じ。自分と気が合う人とは親密になりやすいタイプなんじゃないかな。逆にどんな人が嫌いなのか、ぜひ次回聞いてみてください! 僕も、最初はそんなに喋ってなかったのですが、気づいたら話す回数が多くなったという感じでした。なので、もしかしたらどこかのタイミングで好きになってくれたのかもしれませんね(笑)
トールちゃんについて一つ気になっているのが、絶対に面白いキャラというか、はっちゃけるタイプなのに、まだ本領を発揮していないなぁということ。たぶん、新しいチームに来たばかりで、まだ様子を見ているなという感じがします。ヴェルディは若い子が多いから、「僕も年なんで〜」とか言ってるけど、本当はもっとはっちゃけたいんだろうなという感じが見えますね。そういうノリ的なものは、僕と似ているかもしれません。もしかしたら似ているから仲良くなったのかな? もちろん、ノリの部分だけでなく、さっき言ったサッカーをやる時はサッカーをやって、それ以外の時はサッカーを忘れて遊んだり、リフレッシュしたりというところも、僕たちは似ているのかなと思います。
サッカーに関する話もよくしますよ。トールちゃんは最初は試合に出ていたのに、チームの結果が出ないタイミングで入れ替えられて今は試合に出てないという難しいシーズンを過ごしています。一方の僕もケガの影響で試合に絡めていないので、そういうお互いの立場や心境も含め、いろいろと話をしています。それから、トールが出ている試合をスタンド見て、「GKにはもっとこうしてほしい」とか「DFにはこういうふうに伝えたほうがいい」とか、具体的な話もしていますね。GKとセンターバックというポジション的な関係でも、人間としても、トールちゃんとは一緒にいてすごく楽しいです。
サッカー面ではトールちゃんの足元、キックの上手さにぜひ注目してほしいですね。もちろんセービングも優れていますが、僕の中では中距離、長距離ともに正確なキックを持っているなという印象があります。あとはゴールキックがめちゃめちゃ飛ぶなっていう(笑)。パントキックも含め、ぜひ注目してみてください。キャラはさっきも言ったとおり、まだおとなしぶっている感じがするので、これから僕が頑張って本性を引き出せたらと思っています。皆さん、ご期待ください!
では、最後に僕からトールちゃんに恒例の質問とメッセージを。サッカーに関しては、「GKから見て理想のセンターバック像というか、『こういう選手がいたらいいな』と思うのはどんな選手?」というのを聞いてみたい。プライベートでは質問というかメッセージになるけど、「今度食事に行けたらいいよね?」かな。コロナもあってなかなか行けないので、機会があればぜひ一緒に行きたいという気持ちを伝えておいてください。
たぶん、トールと一緒に試合に出て、まだ勝ったことがないんですよね。だから、一緒に試合に出て勝ちたいです。お互い頑張ろう! 次、トールちゃんの面白いキャラが伝わってくるような内容になることを期待して託します。よろしくね!
■vol.17 高木和徹▶︎山越康平 はこちらから