日本瓦斯株式会社
株式会社ミロク情報サービス
株式会社H&K
ATHLETA
ゼビオグループ
2022.05.25

選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.8 杉本竜士 ▶︎ 石浦大雅

緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第8回は杉本竜士選手が石浦大雅選手を紹介!

取材=上岡真里江

カジくんは安心できる存在

正直、あんまりこういうのは得意じゃないのですが、カジくん(梶川諒太)からの紹介ということなら仕方ないですね。カジくんとはサッカーのことも、チームのことも、本当にジャンルを問わずすべての話題を話す感じです。もちろんプライベートの話もしますよ。他の選手がイジっているように、僕もカジくんをイジることがあると言えばありますが、ちゃんと先輩だと思っていますし、尊敬もしています!

カジくんからの質問ですか。オフは何をしているかって? 俺のオフはここでは言えません!(笑)。というのは冗談ですが、まぁ一言で言ったらリラックスしています。サッカーのことは忘れて、息抜きをするという感じですかね。例えば、箱根や千葉など車で行ける範囲で1泊2日の旅行に行ったりします。昔は試合の結果や自分の状態に一喜一憂しちゃって、オフの日まで引きずってしまうこともあったのですが、歳を重ねるにつれて徐々にそれはなくなってきたかなと思います。オフの日まで考え込んでも仕方がないですもんね。なので、オフ前日の練習や練習試合が終わったら、スパッと切り替えて、もう仕事のことは何も考えません。それができるのは、たぶん周りの友だちや家族がそういう環境にしてくれているからというのも大きいんだと思います。

それと「次に車を買うとしたら何を買うの?」という質問ですが、絶対に興味ないでしょ! なに、その質問(笑)。俺、別に車に興味はないので、ぜんぜん買う予定はないです。

なんか「オラオラしてる」と言われてましたよね。自分的にはオラオラしているつもりはないけど、まぁ生まれつきなのでしょうがないです。昔からなんか悪目立ちするのでね(笑)。でも「どう見られたい」とかは思ってなくて、ありのままの自分でいればいいと思っています。「熱い一面もある」と言ってくれてましたが、それも無理して取り繕ってるわけじゃないし、俺はそれを表現するのがサッカーだと思っています。俺は俺のままでプレーしているから、たぶんそれが周りから見たら“オラオラ”とか“熱い”とか、そういうふうに感じるのかなと。

このチームはカジくんを始め、ベテランというか年上の選手が本当にしっかりしているから、バラバラにならず、しっかりとまとまっています。だから、そこに俺がしゃしゃり出る必要はないと思っています。もしかしたら俺も「ヴェルディを変えてやる!」とか、「ヴェルディを愛してます!」とか、口に出して言ったほうがいいのかもしれないけど、俺は一度このクラブから外に出ている人間だし。俺一人じゃ何もできないし。

そういう思いもあるので、「気持ちは内に秘めて」ではないけど、自分がやるべきことをコツコツとやる。俺にはそれぐらいしかできないから。なかには、そういう気持ちをストレートに表に出して、いろいろ発信できる人もいるかもしれないけど、俺はそういうタイプじゃない。じゃあ、どうやってヴェルディをJ1に戻したり、もっと魅力のあるクラブにできるのかといったら、もう自分のことをコツコツやることぐらいしかできない。日々、できることを本気でひたむきにやるしかないのかなと思ってやっています。そして、そんな今はとても充実しています。

俺は2017年に外に出て、そこからいろいろなクラブでプレーしました。その影響はサッカー面もそうですが、それ以上に人間的な部分のほうが大きかったと思います。もちろん、同じクラブにいても、毎年選手は変わるし、監督も代わるし、もっと言えばフロントや社長、スポンサーが変わることもあるので、当然サッカーも変わります。そういう意味では、ずっと一つのクラブでプレーを続けていても、身につくものが変わったり、いろいろなことに気づいたりする機会はあると思います。でも、生まれ育ったこの街を出て、名古屋に行って、徳島という地方に行ってみて、初めての経験をしたり、その土地、その土地でいろいろな人に出会ったりすることで、人間的にすごく成長させてもらいました。それは外に出ないとできなかった経験だと思います。

そして、それはサッカーにもつながっている。歳を重ねて周りが見えるようになって、ちょっと余裕が出てきたというのもありますが、サッカー観も変わったと思います。チームが勝つことは昔からうれしかったけど、じゃあどうやって勝つのかと言ったら、今は「点を決めて、ゴールを守る」というシンプルな考えになりました。まわりまわって、結局はそこに行き着きました。その間、複雑な考え方をしてみたり、またシンプルに考えてみたりの繰り返しでしたが、その繰り返しの中で、考え方の厚みが増してきたと思います。シンプルだけど、そのシンプルに行き着くまでにいろいろな経験をしてきたし、18歳の頃の俺が「サッカーって点を取って、ゴールを守ることだよね」って言ってるのと、今の俺が「点を取って、ゴールを守ることだよね」って言ってるのは、やっぱりその厚みが違うと思います。

カジくんの話に戻りますが、こういう性格、こういう考え方の俺にとって、カジくんは本当に安心できる存在です。誰からも慕われる人だし、頑張る人だし、人間性も本当に素晴らしいと思います。“熱い”の種類が違うから、どっちが熱いかというのは何とも言えないですが、お互いに熱い想いを秘めてやっていると思うので、これからもそれぞれの形でやっていければと思います。

大雅は人懐っこくて、素直で、熱い

今回俺が紹介する選手ですが、たぶん暇だと思うので石浦大雅にします(笑)。大雅は一言で言ったら“不思議ちゃん”。その理由は、次回登場した時のトークからぜひ皆さんにも感じてもらえたらと思います。

選手としての大雅は、左利きで本当に才能溢れるというか、一瞬の閃きだったり、タイミングだったり、見えているものが人と違う。一緒にプレーしていても、すごく独特の感覚を持っているなと感じます。サポーターの皆さんにも、ぜひ大雅のそういうプレー、感性を楽しんでほしいですね。

性格的には、まだ“赤ちゃん”みたいな感じ(笑)。でも、人懐っこくて、素直で、サッカーに対してはすごく真面目で、めちゃくちゃ熱い。まだ20歳と若いから、すごくスケールの大きい野望や夢を本気で持っていて、本気でそれに立ち向かっている。練習が終わった後の時間もサッカーのために費やしたりしているのは正直、すごく意外でしたが、ああ見えてやるところはしっかりとやっているし、熱いものを秘めている。選手としても、人としても素晴らしいなと思いますし、これからがすごく楽しみです。

大雅とはサッカーの話はよくしますが、例えば個人でのトレーニング方法などについて何かを相談されたり、アドバイスをしたりということはあまりないですね。というのも、そういうものは自分でやって気づくしかないから。もちろん、聞かれたらいくらでも教えるし、話もしますが、俺は俺の体だし、あいつはあいつの体なので、俺の経験談を話したところで……ということです。あいつにとっても、話を聞く分にはいいだろうけど、俺が言ったことを真似してうまくいくかどうか、そもそも参考になるかどうかは分からないですからね。

まぁ、トレーニングに限らずですが、とにかくすべてのことは、自分で試して、自分で失敗して、自分で納得することでしか、本当の意味で身にはならないと思うんですよね。それは俺自身がそうだったから。俺もいろいろ人の意見を聞いてきたし、今でも聞きますが、じゃあそれを聞いて、何かを言われたとして、それに気がつくのってその時じゃない。しばらく経って、自分が実際に経験して初めて、「あー、あの人が言ってた言葉って、こういうことなんだ」と気づくことがほとんどだから。話を聞いた時は理解できたつもりでも、結局それは“つもり”であって、本当の意味で身につくのは、自分が実際にそれをやった時なんですよね。だから俺はアドバイスしない。自分の行動でしか自分は変えられない。大雅にはどんどん自分で行動して、自分と向き合って、自分のスタイルを確立してほしいなと思います。

「これからも熱い部分をなくさず、たくさん良いプレーを見せてください」。これが俺から大雅へのメッセージかな。あ、あと、最近なんかイジってくるので、「次イジったらぶっ飛ばす!」というのもつけ加えておきます(笑)

最後に質問か〜……。大雅のことなんて全然興味ないからな〜。じゃあサポーターの皆さんのために、「好きな女性のタイプは?」にしておきます。俺は「明るい人」がタイプだけど、なんかあいつは「おしゃれな人が好き」とか言いそう(笑)。さて、どうだろう?

じゃあ大雅、あとはよろしく!