選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.4 谷口栄斗▶︎深澤大輝
緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第4回は谷口栄斗選手が深澤大輝選手を紹介!
取材=上岡真里江
晃樹は小さい頃から天才だった
森田晃樹からバトンを受け取った谷口栄斗です。晃樹とはヴェルディジュニアに入ったタイミングが一緒で、晃樹が小3、僕が小4の時に『同期』という形で出会って以来、ずっと仲が良いですね。もう14年の付き合いになります。
晃樹は小さい頃から天才でした。体は小さくてもひょろひょろっと相手を抜いて、すごく難しいことをさらっとやってしまうんですよね。自分からしたら、もううらやましい限りでした。それに当時は“くるくるパーマ”だったんですよ。だから、小さくて、細くて、髪の毛がくるくるでカワイイというのが第一印象でしたね。
前の回で晃樹も言っていましたが、晃樹とはアカデミーの頃からけっこう一緒にいましたし、自分が大学に行ってからもご飯に行ったり、晃樹がトップに上がってからは試合前や試合後などにLINEで連絡を入れたりしていました。
久しぶりに同じチームでやれることになりましたが、ちょっとたくましくなったなと思います。それにユース時代よりもさらに「上手さ」が増していますね。「たぶん一生関わっていくと思うので、これからも一緒にサッカーを楽しんでいきましょう!」というメッセージをもらいましたが、僕もそう思っています。できれば一生関わっていきたいですね。というか、たぶん関わります(笑)。
晃樹から「プレゼントをもらうとしたら、何が一番うれしい?」という質問がありました。なんだろう? コスメというか、化粧水やボディクリーム、香水とかはプレゼントされたらうれしいかなぁ。化粧水は『無印良品』のものを使っています。ボディクリームは柑橘系の香りが好きなので、そういう系だとうれしいですね。香水は…実は僕、匂いに酔っちゃうので今は使ってないのですが、自分では買わないからこそ、プレゼントでもらえたら使うかなぁと思います。
そういえば、晃樹が僕のビルドアップを褒めてくれていましたね。僕自身、フリーだったら前に運ぶとか、空いているところにボールをつけて前進していくということを普段から意識しているので、褒められるのはうれしいです。ただ、ビルドアップだけをしていればいいというわけではないし、大学での4年間は1対1とか対人プレーにフォーカスしてやってきたので、そこもしっかり出していかなければいけないなという思いはあります。
第2節からスタメンで試合に出させてもらっていますが、今のヴェルディのサッカーはユースの頃にやっていたものとあまりベースは変わっていません。周りにはユース時代から一緒にやっていた選手もいますし、梶くん(梶川諒太)とか(杉本)竜士くんとか、ヴェルディのサッカーをよく知っている選手もいるので、そういう選手たちに助けられながら自分の良さを出せているんじゃないかと思います。チームとしては、やっている自分たちも、見ている人たちも楽しいサッカーというのを大事にして取り組んでいます。それプラス、今は「走る」ということもできているので、チーム状態もすごくいいと感じています。
小学校の頃から憧れの存在、追い越したい存在
そんなヴェルディの中で、僕にとって大きな存在なのが深澤大輝選手です。今回は彼にバトンを渡したいと思います。年齢は一つ上ですけど、ジュニアから一緒ですごく仲がいいですし、僕にとっては晃樹と似た存在ですね。ずっと「大輝くん」と呼んでいたのですが、後輩の(山本)理仁や(石浦)大雅が普通に「大輝」と呼び捨てにしていたので、最近は僕も「大輝」と呼ぶことが多いですね(笑)。
小学校の頃から憧れの存在でした。最初はプレーヤーとしての憧れが大きかったのですが、年齢を重ねるにつれて、優しくてみんなに愛される、親しまれる人間性の部分もめちゃくちゃ尊敬するようになりました。ユース時代はキャプテンでしたが、そういう立場も関係なく、本当にみんなから親しまれていましたね。それはプロの世界に来ても変わってないなぁと実感しています。
大輝くんとはキャンプで同部屋だったんですが、その時にかけてもらった言葉も大きかったですね。チームが始動してからちょっとしたケガが続いて、「厳しい立場にいるな」と思っていたんです。でも去年似たような経験をしていた大輝くんが、メンタル面でアドバイスをくれて。「チャンスはふとした時にやって来るから」と言ってもらったことで、より高い意識を持って取り組むことができました。第2節という早い段階でチャンスが来たのは予想外でしたが、そこで慌てることなく自分のプレーができたのも、大輝くんの言葉のおかげだったと思います。デビュー戦ではみんなで円陣を組んだ後に、「お前がつかんだチャンスなんだから、思い切りやれや!」と言われました。ちょっとカッコつけた感じの言い方でしたけど(笑)、めっちゃうれしかったです。
もちろん、サッカーの面でも学ぶべきところは多いです。以前、一緒にやっていた頃はセンターバックの選手でしたが、大学4年の最後のほうにサイドバックもやって、ヴェルディに入ってからはサイドバックでも遜色なくプレーしています。そこに大輝くんの良さが詰まっていると思いますね。彼は賢くて、予測も優れているので、サイドバックをやることでその特長がより生かされているように思います。ゴールも決めるし、いろいろなところに顔を出す運動量もあって、頼もしさが増しています。もうすっかりサイドバックの選手という感じですね。
ただ、大輝くんは僕にとって小学校の頃から追い越したい存在でしたし、ずっとセンターバックとして一緒にやってきたので、できればプロでもセンターバックでコンビを組みたかったなという寂しさもあります。上背はないけど、大きな相手にもガツガツ行くし、予測の早さを生かしたインターセプトという強みもあって、センターバックとしても本当に素晴らしい選手です。今はサイドバックとして隣にいてくれるので、僕も昔と変わらず安心してプレーできています。運動量、カバーリング、攻撃でも守備でも最後の最後にいてほしいところにいてくれるポジショニングの良さ、サポーターの皆さんにはぜひ大輝くんのそういうプレーに注目してほしいです。
最後に大輝くんへメッセージを送ります。晃樹と同じで、たぶんこの先もずっと関わり続けると思うので、「サッカーでもプライベートでもお世話になります!」ですね。それともう一つ。「もっと笑いのセンスを磨いてください!」(笑)。たぶん、本人は面白いと思って言っているんですけど、全然面白くないんです。もっと面白くなってほしいですね(笑)。
質問は「私服選びは誰を参考にしていますか?」かな。大輝くんとは服の趣味がすごく合うので、ぜひ聞いてみたいです。
■vol.5 深澤大輝 ▶︎ 佐藤凌我 はこちらから