MATCH試合情報
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試合を振り返ってください。
ここ数試合を勝てていなかったので、ファン・サポーターにも本当に悔しい思いをさせていました。やはり彼らと一緒に試合の後に喜び合えることは我々にとっていかに大事なことか。それを今日は再確認できました。そんな瞬間でした。ゲームに関しては勇気を持ってボールをつなぐところをトライさせたかったです。取られた後のリカバリーパワーは我々がつなごうとするからこそ発揮されるのであって、怖がって蹴ったところで我々のリカバリーパワーや本来のパワーを出せないので、ここは我々らしくやろうと。その代わりに出し切ってしっかりバトンを渡していこうというところを確認しました。今日の試合に出た選手は本当にバトンを渡す側も、受ける側も全員が戦ってくれたと思います。フィニッシュは、タイミングも含めた精度のところで、スルーパスを通しきれなくて、決定機の前ぐらいのところで阻止されたというところも含めて、そこはポジティブな反省点ではあります。辛抱強く守りながら後半も決定機が作れたので、今日のゲームは本当に我々のバトンの受け渡しと、その内容というところも含めて、トータルでポジティブに反省や振り返りができるのではないかなと思います。
ヴェルディらしい戦いを見せられた試合になりましたが、試合前にどういった形で選手を送り出しましたか?
毎週振り返りのフィードバックをしていますが、今週はずっと我々がどうあるべきか、何を幹として持たないといけないかというのを全員で共有してトレーニングしてきたので、特に今日のロッカーアウトで特別なことを言ったという認識はないです。ただ、選手も期するものがありましたし、セレッソ戦の試合が終わった後にサポーターの思いというのも直接聞いていたので、今日は負けられないという思いをサポーターの思いも含めて全員が持っていたと思います。何よりも勇気を持って我々らしくやるというところをトライしたことが、精度は別としても、フロンターレさん相手にそれをやり切ったところはよかったというふうに思います。
齋藤功佑選手に複雑なタスクを与えていたように思えます。その役割の部分と交代で入った熊取谷一星選手に与えた指示について聞かせてください。
もちろん我々は選手の特長を出させたいですが、誰かから遡ってチームを作っているわけではないので、その選手が我々のシステムのなかで配置された時に、攻守においてチームとしてやるべきこと。それを守ったうえで、その制限のなかでの自由を与えています。齋藤功佑であれば、シャドーが裏へ出る時もあれば引く時もある。その引く時の頻度というのは彼はボランチもやっている選手なので、そのタイミングというのは彼に自由を与えています。特にこうしてくれ、ああしてくれではなくて、我々がどういうふうに幅を取ってシステムのアンマッチをどう使うかと。このやり方はみんなで共有しながら彼のよさを彼が出したということです。ただ、守備において前から行けるチャンスは逃さないというのは、誰が出ても同じなので、そこも含めてよく遂行してくれたと思います。GPSもあるので、彼のスプリント回数や走行距離、疲労度と交代回数。どこに強度をもう一度出したいかというのを相談して代えたので、彼が悪くて交代したわけではないです。
熊取谷に関しても、まずは守備の強度を出してほしいということ。(相手の)サイドバックとセンターバックを両方見ないといけないような状況の時に、そこの駆け引きをすること。もちろんボールを受けたら前を向いて前に運んでほしいこと。ちょっとこれは反省なのですが、彼はキックがあるので、彼はそれが武器なはずで慌てて我々がコーナーキックを得た時に彼を入れたのに、仲間に押されて彼が蹴らなかったというのはダメですね。「俺が蹴る」というふうに言って入っていかないといけないです。プロとしてやっていくという意味では、ここは勝ったからこそ強く言いたいと思います。
ヴェルディらしいハードワークが結実しての勝利という部分で、選手たちへの評価を聞かせてください。
チームが苦しくなった時に、もちろん我々の攻撃のところの工夫は日進月歩で歩んでいかないといけないので、それをやっています。ただ苦しい時ほど立ち返るべきは我々のベースです。それを選手はよく理解してくれていて、ミスをしないようにプレーするのではなくて、我々のベースを全面的に押し出していくと。そのベースのひとつにバトンの受け渡しがあるので、そこをチームとして悔いの残らないようにやってほしいということは今週のチーム作りのなかで、あるいはメンバーをセレクトしていくなかで、選手たちも最後のメンバーセレクトがひとつのメッセージなので、そういう思いも受け取ってくれたと思います。そして繰り返しになりますが、サポーターがどれだけ悔しい思いをしながら応援してくれているかというのは選手は感じていたので、彼らの思いも含めて背中を押してくれたのかなというふうに思います。
これまで奮闘してきた深澤大輝選手がチームに勝利をもたらす活躍を見せた意味について聞かせてください。
自分たちがなぜいま苦しくなっているのかというのは、選手の経験値とか選手層を取り上げたら、もう僕がいないほうがいいんです。ヴェルディがJ1からいなくなったほうがいいのかもしれません。ただそうではないところで、我々がなにゆえにいま苦しんでいるのかというのを、強く共有しました。それで最後ロッカーアウトする時も、我々の去年の戦い方を参考にしているというふうに言ってくれた他のチームがいて、そのチームがほとばしるような勝利への執念を見せて、昨日勝っている。それをみんなに言いました。我々が模範とされた去年があって、いまの我々はどうなんだと。胸を張って模範とされるようなベースを示しているのかというところは、今週用意してきましたが、昨日のJリーグのゲームのなかでも刺激を受けましたし、選手にそれを伝えました。もうひとつは点を取った深澤大輝は、つい1、2ヶ月前まではエクストラでものすごく悔しい思いをして、それでも一番ひざまずきながら(全体)練習の後のエクストラのメンバーのなかでも一番やっていた選手だと思います。そういう選手が点を取ったこと。もうひとつ染野は本来であればもっと得点を取るためにエネルギーをさきたいというふうに思っていると思いますが、今日の彼の30分間の守備はエクセレントです。だからこそ2回の決定機が彼のところに来た。これが大事なことで、我々が愚直に何をやり続ければ、結果であったり自分のところにボールが転がってきたりということになるというのを選手がしっかり感じてくれればいいなと。そう思うようなゲームでした。
3バックの中央で起用した綱島悠斗選手の評価を聞かせてください。
もちろんその選手の得手不得手というのを我々は考慮しながらやりますが、選手の移籍や怪我とかを含めての配置になるのですが、彼に関しては目の前の対人の強さとフィード力は、誰が見ても非常に大きな可能性を秘めた選手です。真ん中になれば今度は見るものが多くなる。それがラインの統率なのか、自分が目の前の選手に付くのか、誰かに受け渡すのか。クロスの対応も見るものが格段に多くなるので、そこに関してはセレッソ戦で非常に痛い思いをして、彼とも監督室で話をしました。何をいつ見るんだというところと、彼がそこに対しての吸収力の高さというか、いつも自分としたらすごく敬意を払っていますし、彼のその姿勢が前節の反省から今日の試合につながっていると思います。見るものが増えて、もちろん彼のストロングはそのまま継続していきながら、彼が成長していくことは大事なことだと思いますし、両サイドの谷口栄斗と宮原和也の存在や経験値というのも大きかったと思います。
谷口栄斗選手のロングボールがゴールラインを割る形となった前半のキックオフについて聞かせてください。
あれは技術ミスなのですが、ロッカールームで選手が本来の我々のキックオフとは違うやり方をしたいと言ってきたので、それを尊重しました。でも、単純なる技術ミスです。ただ、いつもの我々のキックオフとは違うやり方をしたいというのは、ちゃんと選手が言ってきたので、それはうれしかったです。
DF 2深澤 大輝
ゴールシーンを振り返ってください。
ボールが入る前にニアに蹴るというのを決めて、(谷口)栄斗が一番前で僕が4番目というのは場所を決めていたので、栄斗からも「そらすから」というのは言われていたので、本当に狙いどおりというか、シュートは難しかったですけど狙いどおりにできたぶん、決められました。
J1初ゴールに関する率直な思いを聞かせてください。
昨年と今年の前半と苦しい時間もありつつ、昨年は出ていた時期もありましたが、なかなか自分のプレーというのができないなかで、難しい時間が多かったです。こうやってピッチに立ってチームの勝利に貢献できるということが、最高だなというふうに思いました。それは、ヴェルディは育ててもらったクラブなので、恩返しという部分でもあります。ここからもっともっとよくなると思いますし、まだ星を五分に戻せていないので、ここから名古屋戦も勝点が近いですし落とせない試合が続くので、もう一回練習から全員でやっていきたいなというふうに思います。
ユースの後輩2人が絡んだ形でのゴールとなりました。
長い時間ともに過ごしているというところでわかり合える部分が多いので、本当に決めるだけだったので感謝したいです。
柏レイソル戦やセレッソ大阪戦も含めて、ボックス内でフィニッシュに絡む場面が増えてきたなか、今日は感覚が研ぎ澄まされてきた感じもありましたか?
J2時代にサイドバックをやっていてファーで合わせる形は結構多かったです。久々にこの間のセレッソ戦でウイングバックをやって、(宮原)和也くんからのクロスをボレーで合わせたシーンがあったのですが、やっぱり入っていくところまではできていますけど最後の質のところは少ししっくりこなかった感じがありました。ただ、今週の練習では4バックの相手に自分たちが5枚いると、「大外が空く」と言っていたぶん、セットプレーの時もそこが活きましたし、そこのフィーリングというのはよくなっているかなと思います。
前半はいい試合の入りができました。
入りは全員の意識というか、ロングボール一辺倒にならないように、つなぎつつ押し込めている時間が長かったです。だからこそセットプレーが多かったと思いますし、そこで1点取りたいなというふうに思っていました。前半のあの時間帯で点を取れたというのはすごく大きかったなというふうに思います。
マッチアップした伊藤達哉選手への対応はいかがでしたか?
伊藤選手はレイソルのジュニアユースに在籍していて自分の1歳上だったと思いますが、ユースの時から知っている選手でした。対峙してみると、歩幅が短いところでドリブルのタッチが細かいですし、スピードもあるというすごく嫌な選手だなと思いました。そこの対応というのは映像を見て振り返らないといけないです。試合を通したら点を取れましたが、なかなか個人としてもチームとしても難しい時間帯もあったので、そこはもっともっとよくしていかないといけないかなというふうに思います。
出られない期間はどのような気持ちでいましたか?
メンバー外になるというのはサッカー選手として一番悔しいことですし、ピッチに立てないということは、すごく自分にも腹が立ちますし、練習に身が入らない選手もいると思います。ただ置かれた環境でどれだけ成長できるかというのは、自分自身にずっと問いかけていた部分でもあります。本当に試合に出たら絶対にやってやるというふうに思っていたなかで、横浜FC戦からああいうふうにチャンスが回ってきて、本当にピッチに立った一試合一試合で自分のすべてをぶつける。一試合に懸ける思いは今年特に強くなっているので、そこらへんはメンバー外の時の練習から活きているなというふうに思います。
複数のポジションでプレーすることで学んだ部分もありますか?
自分は後ろの5枚のポジションであれば、どこでもできるようになりたいというふうに思っていたなかで、ああやってセンターバックの真ん中でのチャンスが回ってきました。センターバックだとすごく全体が見えるなかで、ウイングバックにやってほしいプレーだったりも見えるので、そこの経験というのはすごく役に立っていますし、左右のセンターバックもできるようにしないといけないです。ウイングバックの守備のところに関して、今日は前半はすごく手を焼くシーンが多かったので、そこはもう一回映像を見て、ポジションごとの守り方とかもありますし、もっともっと突き詰めていきたいなというふうに思います。
MF 8齋藤 功佑
試合を振り返ってください。
本当に気持ちも入りましたし、結果が出ていない数試合をしっかりと課題に向き合いながら少しずつ変化してこれたなかでの勝利でした。すごく意味のある勝ちになったかなと思います。
ここ数試合で取り組んできた相手陣内でボールを持つということがいい結果につながった印象です。
決定力不足のように言われているとは思うのですが、試合に勝つことが目的のなかで、相手陣地でボールを回すことが結果につながるというのは、今日すごく見せられたのではないかなというふうに思います。相手陣地で回すことによって、アクションでボールを持ちながら、切り替えの守備のリアクションで、もう一回即時奪回して二次攻撃、三次攻撃することで、相手の疲弊を生むというか、それによって優位に試合を進められるみたいなことが、今日は体現できたと思います。これをベースにして、そこからまた今度は崩し切るとか、決定機を作っていくというところの数を増やせるようにトレーニングしていければいいかなというふうに思います。
攻守が機能したことで、前半はいい距離感でのダイレクトパスというシーンも目立ちました。
数試合前からやっぱり中を覗く、積極的にパスをつけるみたいなところをトライしながらでしたけど、それもよくなってきました。それによって早い判断だったり、テンポ出しもよくなってきているので、そういったいいシーンが増えているのではないかなと思います。
前半半ばの失点が続いていたなかで今日はそこを乗り越えられました。
攻守は表裏一体だと思っていますし、攻撃で自分たちの時間を作ることができれば、守備でしっかりとハードワークできる。この循環は攻撃がよくなったからこそ守備もよくなっているというのがあると思うので、両方の面でしっかりともっと成長できるようにやっていければいいかなと思います。
翁長聖選手や福田湧矢選手のハードワークを交代選手が引き継ぐという部分でバトンの受け渡しも素晴らしい試合でした。
途中から出た選手もクマ(熊取谷一星)だったり、ソメ(染野唯月)や(松橋)優安だったり、すごくチームのために戦っていましたし、ずっと出ている選手もあの押し込まれている時にしっかりボールに寄せるということを意識してやれていました。地味なプレーですけど、それが相手にとっては嫌ですし、自分たちが必要以上にラインを下げなくて済む理由にもなっていたので、そういった地道な作業はこれをベースにしてやっていきたいなと思います。
MF 14福田 湧矢
試合を振り返ってください。
柏戦とセレッソ戦は、自分たちが前からプレスに行きすぎると、裏返されるというのがわかっていたので、前からプレスに行かないようにしていました。逆に、今日のフロンターレ戦はチームとして前から行こうというふうになっていたので、そういう部分が(走行距離やスプリント回数という)数字として出たのではないかなと思います。
ここ数試合で取り組んできた相手陣内でボールを持つということがいい結果につながった印象です。
すごくそれがいい形で出たと思います。自分たちはこういうサッカーができるので、これを続けていきたいなと思います。でも、ボール保持だけでなく背後も忘れちゃいけないですし、シュートを打つことも大事です。今日はそれをうまくやれた試合だったかなと思います。
攻守が機能したことで、前半はいい距離感でのダイレクトパスというシーンも目立ちました。
そういうつなぎもそうですし、やっぱりいい攻撃があっていい守備がある。いい守備がいい攻撃につながる。これは表裏一体だと思うので、そこが本当にすごくうまく出た試合ではないかなと思います。本当にやられる気もしなかったですし、今シーズンのベストゲームだったかなと思います。
個人としては一度足が攣った後、交代直前にもパワーを出し切る素晴らしいプレッシングがありました。
すごくいい形でバトンを渡せたかなと思いますし、あれをスタンダードでやっていきたいなと思います。
複数失点が続いていたなかでクリーンシートを達成しました。
そこの手応えはすごくありますし、本当にやられる雰囲気もなかったです。これを続けていくことと、もっと点を決められるシーンもあったと思いますし、そういうのも含めてさらに上を目指していきたいなと思います。
谷口栄斗選手のロングボールがゴールラインを割る形となった前半のキックオフについて聞かせてください。
あれは(谷口)栄斗のキックミスだったのでイジってあげてください(笑)コーナーフラッグ付近を目がけて蹴って相手のスローインにして嵌めていこうという作戦でした。栄斗は「俺が蹴る」とか言っていたなかでのあのミスでした(笑)
新井悠太選手が最前線に入る形で2試合続けて戦いました。どういった意識でプレーされていますか?
新井(悠太選手)に要求されていることは守備面がメインだと思いますが、一振りもありますし、そういうところだと思います。
厳しい流れのなかでの後半戦初白星となりました。
自分たちがいまやりたいサッカーができたうえで勝てたことは本当に大きいですし、これを続けていきたいです。あとはボールを持つことがすべてではないですし、クロスを上げられるタイミングでは上げるし、シュート打つところのバランスも考えながらやっていきたいなと思います。