MATCH試合情報
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試合を振り返ってください。
味スタでなかなか勝てず、今日来てくださったファン・サポーターにストレスを溜まらせるような試合にしてしまったなと思います。我々ももちろん、彼らとともに試合終了後に同じように悔しい思いをしました。
今日の試合は水曜日の天皇杯でターンオーバーをしましたが、水曜日の試合に出た選手も今日の試合に絡みました。ほぼ猛暑という状況での5連戦では中2日が3回ありました。選手の受けている疲労感を少し拭い去れなかったと感じています。心身の両方の疲労感を見極めていかなければならなかったですが、今日はロッカールームで発破をかけましたが、ああいう雰囲気の中で2試合を戦った後に、もちろん中2日での連戦という部分で難しいシチュエーションは覚悟していました。だからこそ、この試合で勝ち点3をもぎ取るしぶとさを見せたいということを、ロッカーアウトのときに厳しめに言いました。
まったりという表現を使うのは選手たちに申し訳ないですが、少しいろんな意味でのキレが不足した試合だったと思います。特に、後半のスタートから30分ぐらいまでの自分たちの時間帯に、もっとシュートまで持ち込まないといけないですし、相手陣でボールを持っていながら少しシュートが少なかったです。飛び込んでいく勢いもアグレッシブという単語が少し当てはまらないような攻撃の終わり方だったので、そこも含めて難しい試合でした。ただ、こういう試合で勝ち点3を取れるようなチームになっていかないといけないと、あらためて感じました。
ハーフタイムでの修正を聞かせてください。
前半がすごく悪かったわけではないですが、我々のシステムから考えると、やはりサイドでボールが収まって、そこから攻撃をスピードアップしていくというところ、もうひとつは失ったときに相手陣で回収する迫力というか、そこをもう一度確認しました。前半も裏抜けでビッグチャンスが2回ありましたが、おそらくは徳島さんもそのイメージがあったのか、後半ちょっと下がり気味にスタートしたところもあって、我々が相手陣でプレーする時間が長かったと思います。
約2カ月ぶりの出場となった林選手の投入の狙いを聞かせてください。
林についてはかなり長い離脱になったので時間は限定的でしたが、相手が引いていたところで森田晃樹がアンカーにいなくてもボールが回ると考え、林のゲーム感覚を養いたかったところと、相手陣でハンティングさせたかったという狙いがありました。平も前の天皇杯から時間限定で本当に久しぶりに復帰し、今回はフルでやれたこと、林が試合に出られたことは大きな成果だと思います。
齋藤選手を右サイドに置いた狙いを聞かせてください。
天皇杯もあって5連戦の中2日が3回あったので、起用できない選手が何人かいました。水曜日に120分間出し切った選手もいましたし、齋藤功佑が本来は中の選手であり、中で収めてゲームを作っていくことは承知していました。ただ、今の自分たちで頭から起用できる選手の中でどういうふうにゲームを作っていくか考えたとき、自分が判断して彼を右サイドでスタートさせました。彼の最大値を出せたかと言えば、それはまた別の話になりますが、その中でも彼のよさをああいう形で出させることは狙っていました。山田剛綺の裏抜けと染野の足元、あるいは裏抜けのところをサイドからボールを供給することで活かすという意味で、齋藤功佑は縦にドリブルしていくタイプではないですが、あそこからボールを配球していくという意味では2シーンぐらいよい場面があったと思います。後半のように中でプレーしたほうがやりやすいというのは十分承知していました。
相手の低い位置での保持、ビルドアップに対して、どういった守備面でのアプローチを意識されましたか。
我々はどのチームにもハイライン・ハイプレスでボールを回収して相手陣でサッカーをやるというのは、ブレさせたくなかった部分です。ただ、徳島さんは奥深くまで行けば行くほど、疑似カウンターの形を狙ってくることも承知していました。なぜ疑似カウンターになるのかを我々なりに分析して、その際にどこで(人を)余らせるか。自分たちが怖がって後ろを余らせてしまうと疑似カウンターの形を作られてしまいます。どこで自分たちがオーバーナンバーを作るのか、そこを強く意識しながらプレッシャーをかけました。もちろんリスクはありますが、後ろで余ることは、逆にその前でボールを回されるリスクもあります。自分たちは常にオーバーナンバーの場所を後ろではなく、いつも通りに遂行しただけでした。そういった意味で普段とやり方は同じです。ただ、オーバーナンバーの作り方を間違えれば疑似カウンターを受けるので、そこは意識しました。プレッシャーのかけ方やリスクの負い方は変わらずにやりました。
アクチュアル・プレーイングタイムを常に意識されていますが、この真夏の猛暑の中で過密な連戦が続いている現状に対する考えを聞かせてください。
言い方をかなり気を付ける必要がありますが、間違いなくひとつ言えることは、15年、20年前の気候とは今は違っているということです。我々がプレーしているころは、30度というのは驚きの気温でした。ただ、今では30度という気温はそれほどではないと思います。世界の気候変動で気温を含めて変わってきているという事実は捉えないといけないです。もうひとつはナイター施設があっていろいろな工夫をすれば、練習の時間に関して工夫できる可能性はありますが、日々の練習の強度や日々の練習のクオリティが、このスタジアムでのプレーに反映されると思っています。その時間が30度を超えたり、日照りの中でクオリティを上げられるのか、インテンシティを上げられるのか。そこは選手の成長に直結する問題だと考えています。それ以上のことは言えませんが、試合の中での疲弊だけでなく日々のトレーニングの充実。ここも気候変動とともに考えていくべきことだと常々考えています。
育成型期限付き移籍で加入した甲田選手、染野選手の2人に期待しているところを聞かせてください。
まずはフェアな競争をしてほしいと思っています。もちろん特殊な能力を持っているために彼らはJ1のチームに所属しているわけで、それを我々は試合の中で引き出していかないといけないです。その前には自分たちが志向するハイラインを可能にする前線からの圧力や連続したプレーであるとか、それを遂行して初めてピッチに立てます。そこから自分の特長を出していくところをしっかりとやってくれるのであれば、信頼してピッチに送り込みます。今日のところで言えば、彼らは真ん中と外とポジションは違いましたが、彼らがボールに触るポジションは何メートルか後ろすぎたと思います。もっと前で最初にボールを触らせてあげないと、相手の脅威になりません。それは彼らの問題というよりも、我々のアプローチの問題だと思うので、しっかりと修正したいと思います。
DF 2深澤 大輝
試合を振り返ってください。
町田、FC東京との2試合を経験し、今日の試合に向けたモチベーションは高かったです。5連戦の最後を勝って終わろうという気持ちも強かったんですが、なかなか点を取れない堅い試合にしてしまいました。たらればにはなってしまいますが、前半の(山田)剛綺が横パスした場面がありましたが、あそこで先制点を取ることができていれば、相手がもう少し前に出てきて、より点を取りやすい状況になったのではないかと思います。
前半は少し守備の部分で後手を踏む形になりました。
試合前の分析で左のウイングである(加藤)蓮が相手の右のセンターバック(森昂大選手)に行って、自分がウイングバック(西野太陽選手)のところに出ていくと話し合っていましたが、ウイングバックが低い位置を取ってきたことで、なかなか出ることができなかったです。そこをハーフタイムに勇気を持って出ようという話をしました。前半は蓮も引き込まれて自分たちが5バック気味になることもありましたし、そこをハーフタイムに改善できたことはよかったと思います。ただ、前半の試合中に対応できれば、よりよかったと思います。相手の坪井選手が内側を取ってワイドの選手が高い位置を取った際にはなかなか難しい対応になりましたが、最終的に無失点で抑えられたことはよかったです。
前半は裏抜け以外の部分でチャンスを作れなかった印象です。
5バックの3枚のセンターバックの背後が空くということは分かっていました。剛綺が(齋藤)功佑くんからのパスで抜け出したように、自分のサイドからも背後にボールを出せればと考えていましたが、なかなかタイミングも難しくて、蓮のところに1本スルーパスを出したぐらいで、左サイドから崩すシーンは少なかったと思います。ただ、後半に入ってヒデ(甲田)や(北島)祐二が左に入ったときはそれぞれの特徴を考えながら、自分が上がれるタイミングでは上がることもできていました。逆サイドからのクロスに入っていく準備もしていました。そこはもっと精度を上げていく必要はありますが、クロスは得点源になるのでしっかりと合わせていきたいです。
非常に濃密な5連戦という中で今日の試合で勝てれば大きな流れを掴めるという部分もありました。
町田とFC東京相手に戦い、特に個人的にはFC東京との対戦で、あらためて自分たちはJ2にいてはいけないという気持ちを感じました。J1に上がって今度はFC東京に勝たないといけないと、より本気で思いました。そのための1試合という意味で、今日は5連戦の最後だったので、仲間にああいう試合(FC東京戦)を見せられたので、絶対に勝たなければいけない試合でした。難しい状況になってしまいましたが、勝ち点1を積み上げられたことをポジティブに捉えるしかないですし、ネガティブになっても同じように試合は続いていくので、下との差が詰まっている状況でこれからが正念場だと思います。そこにチーム一丸となって、ここからの一試合ひと試合をしっかりと戦っていかないと、どんどん順位を落としてしまうので、必ず昇格するという強い気持ちで戦っていきたいです。
次節は堀孝史監督が率いるベガルタ仙台とのアウェイゲームになります。
僕らは本当に相手の監督が変わってすぐに対戦することが多いですね。堀さんというところで、僕は堀さんがスカウトのときからお世話になっていましたし、途中から監督になられたときにも試合に使ってもらえるようになりました。去年はああいう形でチームを去ることになってしまいましたが、ここで前回対戦したときも「仙台でまた会おう」と話してくれました。本当に優しい方という印象しかないです。相手は監督交代から2試合目という形で自分たちと対戦することになりますが、仙台の選手も気持ちを入れ替えてフレッシュな状態で臨んでくると思います。ただ、そこで勝てないとJ1昇格に近づけないと思うので、何が何でもどんな内容であろうと、勝ち点3を持ち帰りたいです。
DF 13林 尚輝
ここから重要な戦いが続く中での戦列復帰となりました。
思っていたよりも時間がかかってしまいましたが、J1昇格のために自分自身の力を発揮していきたいと思いますし、自分が攻守の両面で特に守備の部分で力を発揮できれば、それがヴェルディのためになると思いますし、もうひとつ自分のレベルを上げていくという気持ちで取り組んでいきたいです。
2カ月ぶりの実戦復帰となりましたが、試合勘やコンディションはいかがですか。
正直なところ、試合勘という部分は少し薄れているように感じますし、自分が出ていた時期とのタスクが少し変わってきていて、そこを考え直す必要があると思います。ただ、試合に出て自分にできることがあると感じたので、ゲーム勘的にもコンディション的にもまだまだですが、ここから上げていければチームの戦力になれると感じています。
中盤でのプレーとなりましたが、試合前の段階ではセンターバックと中盤の両方で準備していた感じでしたか。
どっちかというとセンターバックでのプレーをイメージしていました。ゲーム形式ではやっていませんが、ミニゲームとかではセンターバックをやっていたので、センターバックで出る形をイメージしていました。ただ、両方準備していました。
先日に鹿島のチームメイトである染野選手が再加入となりました。どういったやり取りがありましたか。
自分からはこっちでしっかりと結果を残そうと話していますし、自分たちの力で絶対にヴェルディをJ1に上げようという話は染野ともしています。染野自身も来てすぐの国立での試合で2点決めたので、それは自分自身にとってすごくよい刺激になっています。彼がチームを救ってくれる存在だと思っているので、自分たちが引っ張る気持ちでやっていきたいです。
重要な今回の5連戦は望んだ形とはなりませんでしたが、あらためて今後の戦いに向けた思いを聞かせてください。
試合結果としてはよいものではなかったですが、チームの雰囲気や士気が上がった部分はありますし、自分たちが戦うべき場所のレベルがどういうものかというのは、この間のダービーでも町田戦でも感じたので、自分たちが目指すべき場所というのを改めて感じられた1週間でした。
MF 25稲見 哲行
試合を振り返ってください。
最後のクオリティの部分であったり、得点を決め切るという部分をもっと追求していく必要があります。大事な試合で勝ち点1しか取れなかったことは、チームとして反省すべきだと悔しさが残る試合です。
前半は少し守備の部分で後手を踏む形になりました。
カウンターというか疑似カウンターの形を狙っていて、こちらが行けると思って前がかりになったところを狙ってくる。そこはあらかじめ情報として入っていました。ただ、前にクオリティの高い選手がいて、そこに収まってしまったところで自分たちのプレスバックをもっと速くできれば、よかったのかなと思います。
前半はビルドアップの工夫を含めて少し苦戦した印象です。
自分たちのセンターバックが持てる時間はあったので、その時間帯に前が停滞してしまったところがありました。裏抜けは背後に抜けたときにチャンスになっていたので、そこのスペースに関して右サイドはうまく使えていましたが、左サイドはもっとうまくやれればよかったと感じています。自分が抜けるのか、他の選手が抜けるのか、そこをもっと流動的にやれればチャンスも増えたと思いますし、相手を下げてポゼッションすることもできたのかなと思います。
ハーフタイムの修正もあって後半はよい入りができたと思います。
よい奪い方もできていましたし、クロスを上げる回数もあったので、あとは中と合わせるところやクロスの質が甘かったというところが浮き彫りになったと感じています。
過密日程の影響はもちろんあったと思いますが、最後の連係や精度を欠く形の試合になりました。
そういうところで決め切るチームがJ1に行くチームだと思うので、勝ち点3と勝ち点1の差は後々に響いてくると思うので、次に生かして得点力をもっと上げていきたいです。勝ち点1を勝ち点3にできるようなチームになりたいと、あらためて思った試合になりました。
個人としては前節の町田戦で悔しい経験をし、天皇杯でのチームメイトの奮闘もあってより強い気持ちで臨んだ試合だったと思いますが?
町田戦もあの観衆の中で個人的に悔しいプレーもありましたし、FC東京戦はピッチの外から見ていましたが、とても悔しい気持ちをチームとともに抱いていました。個人として取り返すプレーももちろんですが、ミスがあったから消極的になるのではなく、もっとよい準備をして今日の試合でよいプレーを出していこうと思って臨みました。
重要な今回の5連戦は望んだ形とはなりませんでしたが、あらためて今後の戦いに向けた思いを聞かせてください。
とても濃い5連戦だったと思います。個人個人が感じたと思いますし、J1に本気で上がりたいと感じた5連戦でした。その中で何が足りないのかが分かった試合だと思うので、それをこれからの練習や試合で活かしていきたいです。