MATCH試合情報
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試合を振り返ってください。
これは決してインタビュアーの方が悪いわけではないですが、試合前『この試合をどう位置付けますか?』と聞いてくださいました。極論を言えば、この試合の意味を見い出すのが難しいのでは?という、そういう意味合いが込められていたのかなと思います。そうした立ち位置になってしまったことは、ひとえに自分の問題だと思っています。少なくとも最終節までに何かの可能性を残したかったという意味では、選手にもファン・サポーターにも申し訳ないと思っています。ただ、そういう状況だからこそ我々がどこまで今回のプレーオフ圏内に近づいたのか、どういう距離感があって、どういう悔しさを味わうのか、それが今日の試合のテーマでした。一つひとつのトレーニングの成果はおそらくスタジアムのピッチで表れたと思いますが、この悔しさこそが選手個人やチームの成長につながると信じていましたし、そういうふうに話して送り出しました。
選手たちは本当にモチベーション高くやってくれたと思いますし、結果としてクリーンシートで勝てたこと。6連勝でシーズンを終えられたこと。それをファン・サポーターのみんなと分かち合えたことは本当に良かったと思います。ただ、繰り返しになりますが、最終節まで何かを懸けて戦いたかったというのが、まぎれもない率直な気持ちで、それは僕だけでなく選手たちも心の中で悔しさしか残らなかったと思います。勝ってこれだけ悔しい思いをする。それこそがリーグ戦の現実で、42試合で勝ち点を積み上げていくことが、どれだけ大事なのか、1試合がどれだけ大事なのか、この思いをチームとしてつないでいかないといけないと思っています。
ホーム最終戦セレモニーの際に話していたラインダンスの出来はいかがでしたか?
相変わらず選手たちが教えてくれなかったです。(笑い) 一生懸命聞いていましたが、ほとんど反応してくれなかったです。手拍子もいまいち正解が分かっていない中で、僕の周りがたまたまジュニアユースの子たちでしたが、彼らも戸惑っていました(笑)。
久々に前半にリードを得る展開でしたが、ハーフタイムにどんな声掛けをされましたか?
守備と攻撃の問題点をみんなで整理したことと、もうひとつは自分たちがやってきたことを残り45分で見せること。僕が言わなくても、おそらくみんながそういう思いで後半に入ったと思います。ただし、後半の入りは良くなかったと反省していますし、こういうところが課題というか、来年に持ち越すという言い方がいいかは分かりませんが、このチームとしては問題意識を持ち続けるべきだというふうに思っています。
東京ヴェルディというクラブが昇格のために必要だということをプレー面で伝えられたかどうか、その辺りの感触はいかがでしょうか?
僕の今の立場だと言い方はすごく難しいですが、勝ち点3差で6位に入れなかった中で得られたものというと、そうは言っても苦しい時期がありました。連戦や人がいなくなったとかエクスキューズがありましたが、それはどこのチームにもあることです。そういう中で少し歯止めがかからないという言い方が適当かは分かりませんが、連続して勝てない時期があって、我々は人の配置などに少し苦労しながらベースのところのアプローチは継続していました。勝てるはずの試合や勝たなければいけない試合で勝てないことがちょっと続いたときに、自分たちもブレずに6月に私と小倉(勉ヘッドコーチ)が来てからずっと言い続けてきたことを、さらに強化しました。システムを変えるとか、人がいなくなったからやり方を変えるとか、そういう選択肢もあった中で、ずっと言い続けてきたことをやり続けるということを確認しました。クラブハウスでのあるミーティングで、それをかなり強く言った日がありました。そこがターニングポイントだったかなと思います。何があっても変えない、これはいろんなたとえ話もしましたが、やはり何かを生み出すには生みの苦しみがあるもので、だから負けていいわけではないですが、そこから脱したときの景色を我々は追い求める。だから変えないということをもう一度みんなで確認をして検証したという日がありました。そこからは誰かのせいにするのではなく、ひとつに向かってやり続ける姿勢が出たと思います。おそらくそこからは一度も負けていないと思います。
過去にご自身が指導され、21日に逝去された工藤壮人さんに対する想いを聞かせてください。
僕はU-17の代表のときに彼はその世代で何度もトレーニングキャンプに呼びましたし、そういう中、広島で再び出会って1年目は自分の至らなさで優勝できませんでしたが、2位になり、彼は大きく貢献してくれました。本当に与えられた時間にすべて出し切る選手でしたし、おそらく自分が思い描いたプレー時間を与えられない試合もあったと思いますが、そういう中で彼が何をやったかと言えば、グラウンドで自分に矢印を向けて練習をしていました。これでもかというぐらい練習をしていて、その姿勢というのは多くの選手に影響を与えたと思いますし、彼のサッカー人生は決してラクではなく平坦なものではなかったと思いますが、いろんな場所でチャレンジして彼なりにやり切ったと思ってくれていればいいなと思います。突然の終わりでしたが、それでも彼はやり切ったなと自分に対して言っているのではないかと思っています。
DF 3ンドカ ボニフェイス
試合を振り返ってください。
自分たちはどちらかというと、相手がどうこうというよりかは自分たちのやること。良い流れの中で背後にボールを送ったり、相手を見ながらやっていくことを意識しました。それに加えて、ボールを奪われた際にはすぐに奪い返すなど、自分たちのやるべきことを意識して臨んだ試合でした。それができて勝ち点を取れたと思います。
試合の入りは少しバタつきましたが、やりにくさを感じる部分がありましたか?
もう少しチームとしては相手の背後に持っていって相手コートでサッカーをすることをやりたかったですが、相手が後ろに枚数が多いという部分でシンプルに送るというよりかは、後ろで回すというピッチ上の選手の判断でした。もしかしたらもう少し相手コートにボールを送っていく戦い方でも良かったのかなと思います。
先制点の場面ではご自身の果敢な中央での持ち出しが起点となりました。
ちょっとあの瞬間は運べる感覚があって、運んでパスを出そうと思ったときに相手が背中で消してきたので、相手のフォワードにも寄せられていましたが、もう一個リスクを冒して運んだ結果、ああいうパスコースが出てきたので、ああいう運ぶプレーは大事だと思います。最初は意図的に運びましたが、3つ目のタッチぐらいは狙った形ではなかったですが、ああいうのをもっと意図的に出していければいいのかなと思います。ただ、ああいう運ぼうとする姿勢がゴールにつながったのかなと思います。
相手の攻撃に関してはセットした状態の守備ではほぼ決定機を作らせませんでした。
相手はわりとシンプルに個人の能力で攻めてくる感じでしたが、自分たちはそういうところでのチャレンジ&カバーをここ何試合かの間で信頼関係がしっかりとできてきているので、シンプルな攻撃にはしっかりと対応できたと思います。
ユニフォームが破れるなど、ミッチェルデューク選手と激しいマッチアップでした。
あの選手はかなり強いですし、点を取る選手だと思うので、走る際にわざと身体をぶつけるなどの対応をしていました。その中で相手も少しナーバスになっているように見えました。そこでの駆け引きでは負けられないので、ああいうマッチアップは普通のことだと思います。競り合い自体は少なかったですが、ああいうところで自分が身体をぶつけても相手もぶつけ返してきていましたし、そういうメンタリティを持った相手に自分も引かずに戦えたと思います。そこは良い経験だと思います。
勝ち点3差で昇格プレーオフを逃したことについて、あらためて思いを聞かせてください。
こればかりは自分たちがここまで戦ってきた結果ですし、しょうがないことです。ただ、悪い中でも最後に6連勝で盛り返せたことは選手もそうですし、ファン・サポーターもモチベーションを下げるのではなく、来季に向けて高いモチベーションで終われたことは良かったと思います。
5試合連続クリーンシートという部分で試合を経るごとに終わらせ方の成熟が感じられました。
勝つことでそういう終わらせ方だったり、割り切る部分では、割り切ってやっていくことで勝ちにつながるということを理解したことで、そういうプレーに対してイライラしないとか、落ち着いて守ることもできてきたと思います。やっぱり、勝つことでそういうメンタリティができてきたのかなと思います。ただ、今日に関してはその形に入るのが早すぎて、残り20分ぐらいからそういう展開になってしまいました。そこは昇格を争うようなチームとしては反省点です。今日の岡山はこの試合で特に何も懸かっていなかったので、最後にそこまでパワーを出してこなかったですが、あれがもし昇格が懸かっていれば、もっとパワーを出してきていたと思います。今日の最後の20分の戦い方はかなり厳しかったですし、これはチームとしてかなり大きな課題だと思いますし、これで良しとしてしまえば、昇格はできないと思うので、大きな課題と捉えています。
DF 23谷口 栄斗
6連勝に5試合連続クリーンシートでのシーズンフィニッシュとなりました。
6連勝と5試合連続無失点と最後に良い結果を出せたことは良かったですが、シーズンを通してはチームとして浮き沈みが多かったので、そこは悔いが残ります。
個人としてはチーム内での序列が低いところからスタートし、最終的には主力としてシーズンを終えました。ルーキーイヤーを振り返ってください。
キャンプの時期は怪我が重なり、あまり序列は高くなかったですが、自分のことを信じて運に恵まれた部分もありましたが、いつチャンスが来てもいいように良い準備ができていました。それがシーズンを通して多くの試合に出ることができた要因だと考えています。
個人としてはチーム同様にさまざまな状況を経験する1年となりました。
最初は自分の特長を出しながら良いスタートを切れたと思いましたが、やっぱり後ろの選手が安定しないとチームの結果は付いてこないですし、多くの試合に出させてもらったシーズンでしたが、自分のミスが多い時期もありました。それがチームの結果につながってしまったこともありましたし、試合に出させてもらっている身としてはこの順位で終わったことに対して、申し訳なさというか、責任を感じています。
今シーズンは本職のセンターバックだけでなく左右のサイドバックでのプレーも経験しました。
サイドバックは大学でもやったことがなかったですが、どのポジションでも求められるものは一緒だと思っています。役割は変わりますが、やること自体に大きな違いはないので、うまく対応できたと思います。試合中にセンターバックやサイドバックの選手とコミュニケーションを取りながらやっていますし、どういうポジショニングを取ってほしいか理解するという部分では良い経験ができていると思っています。
1年間を終えてコンディション面の感覚はいかがでしょうか?
今シーズンは異例というか、連戦が非常に多い中でコンディション管理は難しいところもありましたが、怪我なくシーズンを過ごせたことは良かったと思います。やっぱり、大事なのはメンタルの部分だというところがあって、センターバックでのプレーを通じて自分は少しプレーに出てしまったところもあったので、そこは反省する部分ですが、シーズンを通しては成長や手ごたえを感じられる1年だったと思います。
来シーズンに向けた意気込みを聞かせてください。
今シーズンは浮き沈みが多かったシーズンでした。それはチーム全員が分かっていると思いますし、振り返ってみれば、あの試合を落としていなければという試合が何度もありました。来シーズンはそういう試合の数が少なければ、自分たちの力でJ1昇格を目指せると思うので、J1復帰に向けてまずはしっかりと身体を休めて来シーズン良いスタートを切れるようにやっていきたいです。まだ、チームとしての活動は残っていますし、その活動を大事にして来シーズンにつなげていきたいです。
FW 27佐藤 凌我
今季13点目を振り返ってください。
相手がミスをした後にキーパーが出てきていたのが見えていたので、もっと運ぶか迷いましたが、早めに打った方がいいと判断して打ちました。キーパーも慌てていたというか、味方のミスを想定していなかったように見えて迷っているように感じたので、早めに打った方がコースも広かったですし、本当はもっと巻いてキーパーが触れないコースに打つつもりでしたが、少しダフってしまいました。ただ、良いコースに行ってくれました。綺麗な形ではなかったですが、決まって良かったです。
昨季に並ぶ13ゴールでのフィニッシュとなりました。
あと1点取れればキャリアハイ更新だったので、少し悔しさがあります。多くのチャンスもありましたし、13点までいけただけに悔しさは残ります。ただ、最低限去年の数字に並べられたことは良かったです。最終節でギリギリでしたが、良かったと思います。
1年目に比べて相手の警戒も強くなったと思いますが、相手の対応の変化に関して感じる部分はありましたか?
個人的にはあまりそういう感覚はなくて、自分自身そこまで形を持っている選手ではないので、相手は付きづらい部分もあったのかなと思います。昨年と同じ数字を取れて良かったです。
ゴール直後には胸のエンブレムを掴みながらゴール裏に走っていきました。
去年もそうですし、今年もそうですが、どんなときでも応援してくれて、自分への期待を感じていましたし、その中で最終節でああやって後半サポーター側に向かってゴールを決めることができたので、そういう思いがありました。
岡山という上位相手の一戦で今日の勝因をどの辺りに捉えていますか?
正直なところ、自分たちは昇格も降格もない試合でしたが、本当に来年につながるゲームというか、やっぱり上位に最後勝つことがどれだけの意味があるのか、それを選手たち全員が感じていましたし、そういったところで最後まで集中を切らさずに戦えたことが勝因だと思います。もちろん、前線には強力な外国籍の選手がいて、個の能力が高い選手が多くいましたが、全体を通してそこまで自分たちが劣っているとは感じませんでした。城福監督も言っていましたが、手が届くところにあったプレーオフだったと思うので、そこは反省というか来季に向けてもうひとつ突き詰めていかなければならない部分です。
前線からの献身的な守備に関してどういったイメージでプレーされていましたか?
全員で守ってこその5試合連続ゼロという結果だったと思いますし、後ろだけでなく前線からの守備も重要です。逆に攻撃は後ろからの組み立てが重要ですし、全員が戦って走った結果が今日の勝利だと思いますし、試合に出た全員が全力で頑張ったからこそだと思っています。
今シーズンは[4-3-3]、[4-4-2]と2つの布陣でのプレーとなりました。システム変更後は難しい試合が続きましたが、その経験をどのように捉えていますか?
[4-4-2]になってからなかなか勝てない時期もありましたが、最後の方はしっかりとチームとして戦い方が統一された中での6連勝でした。個人的にも1トップから2トップに変わったことで、初めの方は慣れない部分もありましたが、ひとつ自分自身の成長につながったと感じています。オプションというか、1トップも2トップもできるように、そこのフォーメーションの変化であったり、チームの変化に応じてどういうプレーを求められるか。途中から出た際には役割も変わりますし、そういった部分でプレーの幅が広がったと思います。
FW 29河村 慶人
今季3点目を振り返ってください。
あのシーンは練習から常に言われている形なので、(加藤)蓮がボールを持った瞬間に絶対に来ると思って自分の動き出すタイミングさえ合わせられれば、必ず蓮から良いボールが来ると思っていました。チームとして狙っている形でのゴールだったので、非常に良いゴールだったと思います。サイドの選手がボールを持った際に逆サイドの選手が中に入っていくところは、城福監督から常に言われているので、あそこはチームとしての共通認識が実ったゴールだと思っています。
6連勝でのシーズンフィニッシュとなりました。
最後に6連勝で終わったということは来年につながる良いことだと思いますが、その前に勝てた試合が絶対にありましたし、プレーオフ圏内や自動昇格圏内に行けなかったことは積み重ねの部分だと思うので、今年出た甘さを全員がなくせば、来年は必ずJ1に上がれると思うので、そこを突き詰めていくだけだと考えています。
後半には今季課題に挙げていたクロスの質という部分で素晴らしいクロスもありました。
最近のクロスの場面では浮かすことよりもグラウンダーで速いボールを出すということを常に意識していて、ソメ(染野)が中に入ってきていることも分かっていたので、速いボールを入れれば何とかなるという気持ちで入れました。
前節の新潟戦に今日の岡山戦と、個人としてもチームとしても上位相手に堂々としたパフォーマンスを見せられました。
格上相手にも自分たちのサッカーは通用したと思いますが、今年の戦いは終わったので、来年は他のチームも別のチームに生まれ変わっていくと思うので、しっかりと良い準備をしながら、来年の自分たちは今年よりもさらに強いチームにできるように頑張っていきたいです。
今季は3ゴールに終わりましたが、ルーキーイヤーでの手ごたえはいかがでしたか?
自分としてはもっと点を決められる場面もありましたし、クロスの部分でもアシストを付けられる場面もあったと思います。フォワードでもサイドでもプレーができるという部分は自信にもつながりました。これを来年にどう生かせるかは自分次第だと思うので、しっかりとチームの勝利に貢献できる選手になれるように頑張っていきたいです。
後半戦は過密日程の中でほぼフル稼働となりましたが、1年間を終えてコンディション面の感覚はいかがでしょうか?
試合後はやっぱり疲れは残りますが、最後は1週間に1試合という感覚だったので、疲労はしっかりと取れていました。連戦でもしっかりとケアの部分でやるべきことはできていましたし、怪我なくシーズンを終えられたことは良かったです。
来シーズンに向けてあらためて突き詰めていきたい部分を聞かせてください。
動き出しの部分では相手の背後を突くところはシーズンを通じて良くなっていったと思います。あとは得点の部分はよりこだわっていかなければいけないと思います。フォワードで出るにしてもサイドで出るにしても、数字を残せるようにしていきたいです。