阪野豊史「勝っていくことで自信をつけたい」
点を取るために、まず守備で100パーセントを出し切る
──天皇杯準々決勝の京都戦は1-2で敗れました。シュート数は相手の7本に対してヴェルディが18本と圧倒しましたが、試合内容についてはどう感じましたか?
ゲームの主導権は握れていたと思うんですけど、カウンターや相手の個人技によって失点してしまいました。自分たちが攻撃に出ていったときこそ、逆に一番ピンチになりやすいということを学べるゲームだったと思います。内容は良かったですが、勝てなければそれは良いサッカーとは呼べません。主導権を握れたのになぜ負けてしまったのか。そこをしっかりと反省して、次に生かしたいと思います。
──公式戦4連敗と厳しい状況ですが、終盤戦に向けたチームの雰囲気はいかがでしょうか?
ここが大事な時期だということはみんな分かっているので、毎試合、毎練習、選手同士で「どうしたら良くなるのか」を考えています。それは監督やスタッフも同じです。城福監督のサッカーをピッチで表現できるようになれば絶対に勝ちにつながると思うし、実際に少しずつ、監督がやりたいサッカーを表現できるようになってきています。その努力を怠っている選手はいないと思います。
──今年6月に監督が代わったとき、阪野選手はケガで長期離脱中でした。今季のヴェルディの戦いを外からどう見ていましたか?
シーズン序盤は自分たちで試合の主導権を握り、点も取れる良い状態でした。ただ、結果が出なくなるとともに自信を失ってしまったところがあったと思います。それと、守備のインテンシティが落ちてしまった。守備の強度が下がると、前でボールを奪えないので攻撃の質も落ちてしまいます。逆に、守備が良いチームは攻撃のときにボールを保持できて、簡単にボールを奪われないから失点が減る。そういう逆の力が働くので、守備の強度が下がったことで点が取れなくなってきたことが一つの原因だったと思います。
──阪野選手自身には、焦りやメンタル的な難しさはなかったですか?
「もうしょうがない」という感じです。もちろん、ケガをしないように努力はしていますが、してしまったものはしょうがない。そこは割り切って、自分の体としっかりと向き合って、リハビリを頑張っていました。あとは復帰したときのために、ヴェルディの試合をいつもより考えながら見るように心がけていました。
──実戦に復帰して3週間ほどですが、コンディションはいかがですか?
まだまだです。たぶん、完璧に良くなるまで1年くらいはかかると思います。ただ、ピッチに立ったときにそんな言い訳は通用しないので、常に100パーセントでやっています。最近はようやく試合勘が戻ってきて、だいぶプレーを楽しめるようになりましたけど、まだ勝てていないので……。やっぱり勝つためにやっているので、早く勝ちたいです。
──直近の公式戦5試合で2得点という数字を考えると、阪野選手を含めて前線の選手に求められるものは大きいと思います。終盤戦に向けてどのようにチームに貢献したいと考えていますか?
先ほども言ったとおり、点を取るためにはまず前線からの守備が求められます。自分の役割もそこにあると思うので、まず守備で100パーセントを出し切ること。そのうえで、FWが顔を出さないとボールはつながっていかないので、良い形でボールを引き出せるように、相手DFの背後を取ることを心がけています。そういう努力を続けていくことで、ペナルティーエリアに入る回数も増えてきて、それがゴール、勝利につながると思っています。
──今節の群馬戦からホーム2連戦です。重要な2試合になると思いますが、ファン・サポーターに向けて意気込みをお願いします。
連敗しているので、まずは一つ、ファン・サポーターの力も借りて結果を出したいです。ここでしっかり勝利にこだわることが、来シーズン以降につながっていきます。1試合も無駄にせず、勝ってよりチームの完成度を上げていかなければいけないと思います。内容も大事ですけど、勝っていくことでチームに自信をつけていきたい。みんなで一丸となって、ファン・サポーターに勝利を届けたいです。