小池純輝「勝って皆さんと笑顔で終わりたい」
年齢に関係なくいくつになっても成長できる
──前節の秋田戦は敵地で4-1の快勝でした。試合全体の総括をお願いします。
全く特徴の違うチーム同士が、お互いに自分たちの土俵で戦う形でしたが、ヴェルディのほうが自分たちのサッカーを長い時間できていたと思います。アウェイで多くのゴールが取れたことも含め、すごく良いゲームでした。
──自身は決勝点となるチーム2点目をマークしました。得点シーンを振り返ってください。
新井(瑞希)選手からのプレゼントパスというか、取らせてもらったような得点でした。ピッチの状態があまり良くなくて、ミートするときにボールが跳ねて少しヒヤッとしましたが、入って良かったです。
──これで今季17得点となり、キャリアハイを更新しました。前回のMDPのインタビュー(3月14日の町田戦)では「20点くらい取るつもりで」と話していましたが、実際にここまでゴールを積み上げられた要因は何でしょう?
いろいろな方に「何か変えたことはあるんですか?」と聞かれるんですが、自分の中では特に何かを変えたという感覚はありません。これまで7クラブでプレーさせてもらって、いろんな地域、いろんなポジションでプレーしてきた中で、少しずつ積み上げてきたものが成果となって表れているという感覚です。ただ、相手の背後の取り方だとか、ゴールが取れそうなポイントに入っていくだとか、そういうプレーはこの2、3年で身についたというか、感覚的につかめたところがあります。僕はルキアン選手(磐田)やウタカ選手(京都)のように、何もないところからゴールを生み出すことはできませんが、ヴェルディのサッカーの中で、自分の特長を活かしてきました。自分一人では取れなかったゴールがほとんどだと思います。
──34歳になっても成長できる、進化できるということを示せたのでは?
一昨年ヴェルディに戻ってきて、それまで6点だったキャリアハイを16点まで更新することができましたが、自分の中では「もう一度二桁を取れたらいろいろな意味で説得力が増す」と考えていました。その中で、昨年は7得点という結果に終わりましたが、今年もう一度トライして目標を達成することができました。スポーツの世界ではベテラン選手が難しい状況に置かれることもありますが、年齢に関係なくいくつになっても成長できるんだということが、いろいろな人に伝わったらいいなと思います。
応援してくれる方々の存在がパワーになる
──今年もいろいろなことがありましたが、改めてどんな1年でしたか?
新型コロナの影響で従来の生活、観戦スタイルではなかったですし、無観客試合があったり、東京五輪開催の関係でアウェイゲームが続いたりと、これまであまり経験がないことがいろいろと重なりました。チームとして思い描いていたような結果が出なかったことは悔しいですし、応援してくれている方々に申し訳ないという気持ちもありますが、ヴェルディを応援してくれてる方々の愛情だとか、想いだとか、サッカーそのものの価値だとか、そういうものが改めて感じられる1年だったのかなと思います。
──今季は長い連敗こそありませんでしたが、2連敗が4回あり、8戦未勝利という時期もありました。なかなか波に乗れなかった要因をどう分析していますか?
個人としては、チームが苦しい時、なかなか勝てない時に、もっとチームに変化を与えられるような存在にならなければいけなかったという反省があります。それと、無観客試合やアウェイ8連戦を通じて、スタジアムに足を運んで応援してくれる方々の存在がいかにパワーになるかということを改めて感じました。
──一方で、佐藤凌我選手や深澤大輝選手の台頭、梶川諒太選手や新井選手の復調など、大崩れしそうな時にチームを助けるような選手が日替わりで出てきました。
若い選手がヒーローになったり、どんどん力をつけてくれれば、チームにとって必ずプラスになります。ただ、若い選手だけでは勝ち続けられないと思うので、若手とベテランが切磋琢磨していくことがとても大事です。それはチームとしてずっと取り組んできた部分ですし、そういう競争がヴェルディにも生まれてきたのはすごくいいことだと思います。
──相模原はJ2残留のために勝ち点3が必要で、シチュエーションとしてはかなりやりにくい試合になりそうです。
本来であれば、昇格を争っている状況でこの最終節を迎えたかったですし、もちろん相模原も残留が懸かった状況で最終節を迎えたくはなかったと思います。残留に向けて技術だけではない想いというか、気持ちでぶつかってくることが想像できるので、それを受けてしまうのではなく、ここ最近の試合できているヴェルディのサッカーをぶつけたいです。
──ホーム7戦未勝利という状況で、ファン・サポーターはここ2試合アウェイで見せたような快勝を期待しています。
今年もいろいろありましたが、どんな時も変わらず後押ししてくださった皆さんと一緒に笑って終わりたいですね。「終わり良ければ…」ではないですが、シーズンの終わり方で今後も変わってくると思いますし、勝って皆さんと笑顔で終わりたいので応援よろしくお願いします!