深澤大輝「死に物狂いで4連勝を目指す」
大卒選手は即戦力。ベンチにいるつもりはない
──前節の金沢戦はチームとして久々の快勝でした。試合を振り返ってください。
試合の入りが悪く、立ち上がりは少しバタついた部分もあって、相手に何度かチャンスを作られてしまいました。ただ、そこで失点しなかったのが大きかったです。その後は両サイドの山下(諒也)選手、新井(瑞希)選手の個の優位性を生かそうとした中で得点が生まれました。そこはチームとしてうまくいったというか、あの2人に感謝しなければいけません。4点目に関してはチームでボールを奪って、サイドを変え、相手が出てきたところを突いていくという形でうまく攻撃ができたと思います。攻守において素晴らしい90分間を戦えました。
──自身も4点目に絡みました。狙いどおりの動きだったのでしょうか?
パターン練習として、「こう来たら、こうしよう」という確認はトレーニングからしていましたし、サイドバックをやる時は自分の周りに誰が入ってくるのかをすごく意識しています。あの場面では(馬場)晴也にボールを戻して、それをフロントボランチの(森田)晃樹にダイレクトで当ててもらうところまではイメージどおりでした。そこから先はイメージがあったわけではないですが、パスを出して、前に出ていく連続性というのはサイドバックとして求められているので、そのまま前に走りました。山下選手と、中にいた(佐藤)凌我のおかげですが、チームとして良い関係を築けたシーンだったと思います。
──DFの選手としてはクリーンシートで試合を終えられたことも大きいのでは?
後半にも危ないシーンが何度かありましたが、(5失点した千葉戦で先発していた)晴也が途中から出場していたので、彼のためにも無失点で試合を終えようと思っていました。最近守備がうまくいっているのは、DF陣の頑張りだけでなく、凌我など前線の選手が前から追ってくれるからです。そこは本当に助かっていますし、DFだけのおかげではないと思っています。
──ここに来てチーム状態が上向いているように感じますが、第36節の甲府戦が一つのターニングポイントになったのでは?
僕自身も久々にスタメン出場できましたし、結果は0−0でしたけど、守備の部分である程度の手応えをつかむことができた試合だったと思います。攻撃面でも前半に(小池)純輝さんの惜しいシーンがありました。ここ数試合で、それぞれ4連勝中だった甲府、山形といい戦いができたのはチームとして自信になりました。
──ルーキーイヤーですが、ここまでどんなシーズンでしたか?
ここで育ててもらった身として「チームに貢献するぞ」という強い気持ちで始動しましたが、キャンプ中にケガをしてしまい、治ったと思ったら再発と、序盤はケガに苦しみました。意気込んでいた分、気持ちが落ちてしまう部分もありましたが、そこはブレずにやり続けたことで5月にデビューすることができました。デビュー戦で「ある程度できたな」という感覚があって、いい流れになりかけたんですが、その矢先にまたケガをしてしまって……。プロの運動量の違い、激しさにまだ順応できていなかったのかなと思います。これをいい教訓にして、来年はシーズンを通して戦える体作り、ケガをしないことを意識していきたいです。
──それでも終盤に入って右サイドバックのポジションをつかみました。
ずっとセンターバックでプレーしてきたので、サイドバックでプレーする時もまずは守備だと思っています。もちろん攻撃もしますが、派手なことはできないので。1対1で負けないとか、ゴール前で跳ね返すとか、そういう細かい部分で一歩一歩積み上げていって、最終的にスタメンをつかみ取って試合に出続けることが目標です。
──来シーズンに向け、すでに5人の大学生の加入内定が発表されています。深澤選手ら大卒選手の活躍によって、『大学生の補強』がヴェルディの新たなトレンドになりつつありますね。
三苫薫選手(ユニオン)や旗手怜央選手(川崎)が代表的ですが、僕の一つ上くらいから大卒選手が即戦力として戦えることを証明して、価値を上げてくれた気がします。凌我もすでに11点を取ってチームに貢献しています。周囲からは「大卒は即戦力だぞ」と言われますし、僕自身もベンチにいるつもりはありません。プロ1年目ですが、体力面などはユース出身の選手よりやれる自信がありますし、大卒選手が活躍するという流れを継続していきたいです。
──国士舘大の谷口栄斗選手は、深澤選手と同じようにヴェルディユースから大学を経て戻ってきました。
彼とは小学生の頃からずっと一緒にプレーしていて、高校2年からセンターバックを組んでいました。私生活で一緒にいることも多かったです。またこうして同じチームでプレーできるのはうれしいですし、本当に楽しみにしています。彼と一緒に試合に出て、勝ちたいですね。ポジション的にはライバルになる可能性もありますけど、切磋琢磨していけたらと思っています。
──今節はFC琉球戦です。シーズン前半に上位争いをしていたチームとの対戦は、現在のチーム力を図る試金石になるのでは?
甲府、山形、長崎と上位陣との対戦が続きましたが、甲府戦で得た手応えを山形戦に生かすことができましたし、長崎戦も退場者を出すまではある程度の戦いができていたと思います。そういういい流れを勝利につなげたいですね。このメンバーでできるのもあと3試合。今年もいろいろありましたけど、選手たちは一つになってやるだけです。
──ホームゲームは今節を含めて残り2試合です。味スタのファン・サポーターへメッセージをお願いします。
ここ数試合は味スタで勝てず、申し訳なく思っています。選手たちは死に物狂いで4連勝を目指しています。スタジアムに来てくれる皆さんに勝利を届け、ヴェルディらしさを楽しんでもらいたいです。今節も熱い応援をよろしくお願いします。