福村貴幸「もっと元気良く、勢い良く」
とにかく思い切りのいいプレーを。そういう意識や姿勢を見せたい
──前節の千葉戦は1−5という厳しい結果になりました。ベンチから見ていてどんな試合でしたか?
早い時間に先制された後、うまく追いつけたんですけど、やっぱりあの2点目、田口(泰士)選手のスーパーゴールが精神的にちょっと響いたのかなと思います。さらに後半の立ち上がりにポン、ポンと2点を追加されて苦しくなりました。
──前半終了間際の44分、さらに後半立ち上がりの47分、54分と、立て続けに失点して試合が決まってしまいました。
セットプレー絡みでしたし、もっと自分たちで気を引き締めなくてはいけないシーンでした。前半の締め方、後半の入り方というのはサッカーにおいて特に大事な局面ですし、その大事なポイントでやられてしまったのが敗因です。
──ここ3試合はいずれも複数失点、チームの失点数はリーグワーストです。DFの視点から見て失点が多い原因をどう分析していますか?
ヴェルディは「ガチガチに守って1−0で勝つ」というスタイルではないですし、最も意識していること、大切にしていることはボールを持つことです。ただ、6割ボールを持てたとしても、残りの4割は相手がボールを保持しているわけで、その4割における守り方が課題です。守備をセットした時にもっとしっかりブロックを作るとか、一人ひとりがもっとボールに圧力をかけるとか、そういうことが必要だと思います。
──今季はシーズン中盤に右サイドバックでもプレーしました。左利きの選手が右サイドバックというのは珍しいケースだと思いますが、新たなポジションで何か得たものはありますか?
これまでは自分でも「左しかできない」と思っていましたが、実際にやってみると立ち位置や体の向き次第で意外とできるものだなと感じました。ただ、サイドに張り過ぎると左足でうまくボールが扱えないので、少し中に絞った位置でトラップするとか、そういう位置どりやタイミングのところは意識していました。
──昨季は高精度のクロスとセットプレーでアシスト量産しました。目に見える結果という意味で昨季とのギャップに焦りを感じているところもあるのでは?
結果が出ていないことについて、どうしても昨季の自分と比べてしまうところはありますね。試行錯誤しながらやっていますが、なかなか波に乗り切れないというのが現状です。
──今改善に努めている攻守の課題はどんなところでしょう?
攻撃面では常にボールに関われる立ち位置というのを意識しています。ボールが右サイドにある時でも、サイドに張っているだけではなく、どうしたらボールに関われるかを考えながらプレーする。守備ではやっぱりサイドでの1対1で負けないこと。そこは強く意識しています。
──ここ2試合は出番がない状況ですが、自分が出た時にどんなプレーをすることをイメージしていますか?
結果が出ていないと、どうしても思い切りの良さがなくなってきて、安全に、丁寧にという意識が出てくるので、とにかく思い切り良くプレーしたいですね。自分の武器はクロスですけど、誰かにパスを出してシュートを打ってもらうだけでなく、まず自分がシュートを狙っていく。そういう意識や姿勢を、試合の立ち上がりから見せられたらと思います。
──今節の相手は甲府です。どんな印象を持っていますか?
前線に足の速い選手と外国籍の大きな選手がいて、セットプレーが強い。3バックというか守備時は5バック気味にやっていて、手堅いチームという印象です。手堅くプレーしてくるチームに対しては自分たちが焦れずにやることが大切ですし、危険な時間帯やセットプレーなど、集中しないといけない場面でしっかり声を掛け合ってチーム全員で守らないといけないと思います。
──今季も残り7試合です。どんな形でシーズンを締めくくりたいですか?
もっと元気良く、勢い良くやっていきたいですね。あと7試合で下がっていくのではなく、グーンと上がっていくような試合を見せなくちゃいけないと思っています。苦しい時期が続いていますが、なんとかチーム全員の力でいい雰囲気を作っていけるように頑張りたいです。