局地戦を制して天皇杯のリベンジを
前節の山口戦は主軸の梶川諒太と佐藤優平に待望の今季初ゴールが生まれ、敵地で2-1の勝利を収めた。柴崎貴広が「ウチにしては珍しい」と振り返ったように、2得点はいずれもペナルティーエリア外からのミドルシュートによるもの。「練習は嘘をつかないと改めて感じた」と佐藤優。彼らが居残りでトレーニングしてきた成果が表れたこと、連敗を止めただけでなく、今季5度目の逆転勝利を経て味スタに戻ってくることができたのはポジティブな要素だ。
山口に続き、岡山、北九州、千葉と、この4試合は前回の対戦で勝ち点3を奪っている相手との試合が続く。今節の岡山戦で連勝を達成できればチームの勢いも増すことだろう。直近2試合に先発出場しているチーム最年長の柴崎は、「応援してくれる人のためにも勝つことが一番だし、そういう人たちは選手が必死に頑張っているところ、泥臭いプレーを見たいと思う。きれいなボール回しなど良い攻撃、それに良い守備ができればいい。目の前の試合で出し切りたい」と意気込んでいる。
岡山とは今季すでに二度対戦し、第17節は井出遥也が終了間際に劇的な決勝弾を決めて1-0と勝ち切った。ただし、味の素フィールド西が丘で行われた天皇杯2回戦では、リーグ戦での出場機会が少ない選手たちを起用した相手に0-1で敗戦。その試合に先発していた柴崎は「リベンジしたい」と話す。また今節出場停止が明ける山下諒也は相手の印象について、「ロングボールを入れてくる印象。セカンドボールを拾われることが多くならないよう、そのバトルで勝てるよう意識したい」と展望した。
有馬賢二監督率いる岡山は球際での争いの強さ、そして走り抜くひたむきさがあるチームだ。豪州代表に選出されたFWミッチェル デュークは不在となるが、イ ヨンジェ、上門知樹らのアタッカー陣は強烈で、中盤では元ヴェルディの喜山康平がゲームをコントロールし、くせ者パウリーニョが門番役を担う。山下が言うように局面での争いで上回り、ボールを支配してゴール前に人数を掛けて攻め込めるか。それができれば、先日プロA契約を締結した石浦大雅らの特長も生かされるはずだ。長く離脱していた平智広、奈良輪雄太、森田晃樹も全体練習に合流しており、彼らが復帰するかどうかも見どころとなる。
緊急事態宣言の解除によって今節からビジター席が開放され、来場制限も10,000人まで引き上げられた。今まで以上のホームの雰囲気、ファン・サポーターの後押しを生かして勝利を手にしたい。
文=田中直希
対『ファジアーノ岡山』戦績
通算:12勝5分10敗 31得点22失点
ホーム:4勝3分6敗 14得点11失点
アウェイ:8勝2分4敗 17得点11失点
[直近5試合の対戦成績]
2021/06/16 天皇杯2回戦(H)●0-1
2021/06/05 J2第17節(A)○1-0
2020/10/11 J2第25節(H)●0-1
2020/09/09 J2第18節(A)○1-0
2019/10/05 J2第35節(H)●1-2