浜崎拓磨「最後に笑って終えられるように」
ヴェルディのサッカーは「自分に合うんじゃないか」と感じていた
──前節の松本戦で9試合ぶりの勝利を手にしました。浜崎選手自身は契約の都合で出場できませんでしたが、外から見ていてどんな試合でしたか?
先月まで在籍していたチームとの対戦ということで、少し応援しにくい試合ではありましたけど、自分が入ってからまだ勝てていなかったので、まずはヴェルディ加入後初勝利をつかめたことがとてもうれしかったです。ヴェルディらしいプレーがたくさん出ていてスタンドから見ていてすごく楽しかったですし、「また早くピッチに立ちたい」と感じさせてくれるような試合でした。
──なかなか勝てなかった時期と勝利をつかんだ松本戦、どんなところに違いを感じましたか?
結果が出ていなかった時期もゴールは取れていましたし、どの試合もヴェルディらしい良いプレーというのはたくさん出ていたと思います。違いは失点の部分、これまでは先制しても追いつかれるという展開が多かったんですが、松本戦では体を張る、球際のところで戦う、というのがよく出ていました。攻守の切り替えも速かったですし、そういう細かい部分で全員が100パーセントできていたと思います。
──ヴェルディ加入が決まったのは8月上旬でした。改めて加入の経緯や理由を聞かせてください。
松本ではケガもあってあまり出場機会が多くないという状況の中、急遽オファーをいただきました。びっくりしましたが、以前からヴェルディのサッカーはよく見ていて「自分に合うんじゃないか」と感じていたので、「このサッカーをしたい」という気持ちもあって迷わず決断することができました。
──実際に入ってみての印象やチームの雰囲気はどうですか?
加入後すぐに監督交代などいろいろあったので、選手たちにも多少の不安や動揺があったと思います。でも、プロである以上、ピッチでいかに表現できるかが問われますし、選手たちは全員が練習から意識高く取り組めています。僕はフロントやスタッフも含めて「チーム」だと思っているんですが、周囲の方々は選手のために仕事をしてくれていますし、選手はそれに応えるのが仕事です。堀(孝史)さんも上手くコントロールしてくれていますし、今はチームの雰囲気もすごくいいんじゃないかなと思います。
残りのシーズンでポジティブな要素を増やしていきたい
──加入後すぐにベンチ入りして3試合連続スタメン出場、栃木戦では移籍後初ゴールも決めました。個人としては新天地で良いスタートが切れたのでは?
すぐに試合に出られたことでスムーズにチームに溶け込めたとは思いますが、当然ながら大事なのは個人よりもチームの結果です。早く勝利をつかみたいという気持ちが強かったので、自分は出場できませんでしたが、前節の勝利はすごくうれしかったですね。
──今節出場すればホームデビュー戦となります。ヴェルディサポーターに「ここに期待してほしい」という自身のストロングポイントを紹介してください。
キックもそうですが、「声を出し続ける」ことが自分の持ち味だと思っています。選手に前を向かせるような声がけ、チームの雰囲気を良くするようなポジティブな声がけ。ミスをして下を向いている時間はないですから。あとはビルドアップやゲームコントロール、とにかくゴールにつながるプレーを見せられるよう常に準備しているので、楽しみに見に来ていただけたらと思います。
──栃木戦で披露したFKも大きな武器だと思います。加入後すぐにセットプレーのキッカーを任されたことからも周囲の信頼を勝ち取ったと言えるのでは?
まだ勝ち取ったというよりは、チャンスを与えてもらったという感じですね。もちろん、セットプレーを蹴りたい気持ちはありますが、チーム内には良いキッカーがたくさんいるので、その時々で調子の良い選手が蹴るべきだと思っています。あの初ゴールの場面は、最初の試合だったので(アピールの意味で)すぐにボールに寄っていってチャンスをもらいました。思い切り良く蹴ることができて、上手く入ってくれたので、あそこでひとつ自分の持ち味を出せたのは大きかったです。
──今シーズンも残り3分の1になりました。どんな形でシーズンを終えたいですか?
オファーをくださったヴェルディには感謝しかないので、その感謝をピッチの上でどんどん表現していきたいです。チームに貢献していくことが個人の成長にもつながると思いますし、最後に笑って終えられるように、来シーズンをいい形でスタートできるように、残りのシーズンでポジティブな要素を増やしていきたいです。
──最後にヴェルディサポーターへメッセージをお願いします。
前節スタンドで試合を見ていて「ホームってこんなに違うんだ」と感じましたし、あの雰囲気を早くピッチの上で体感したいと思いました。良いパフォーマンスを見せて、勝利に貢献して、皆さんと喜びを分かち合えるように頑張りますので、これからもスタジアムで選手を後押ししてもらえたらうれしいです。