山下諒也「勝ちにこだわり、すべて出し切る」
引きずることなくやれていると思う
──前節のアルビレックス新潟戦は0-7というショッキングな結果に終わりました。敗因は一つだけではないと思いますが、一番の原因は何だったと考えていますか?
ボールを奪われる位置の悪さだと思います。ボール保持者に対してサポートができていない状態、自分たちの形が悪い状態の時にボールを取られて、それが失点につながるという場面が何度もありました。自分たちの立ち位置をもう一度見直さなくてはいけないと思いました。
──山下選手は途中出場でしたが、ピッチの外から見ていてどんなことを感じていましたか?
シュートまで行く形がほとんど作れていなかったので、ベンチから見ていて「シュートまで持っていく形を作れれば状況は変わるんじゃないか」と考えていました。自分は攻撃の選手なので、自ら仕掛けてシュートまで持っていくということを意識してピッチに入りました。
──永井秀樹監督の下でブレずにやってきたと思いますが、結果が求められる中で変えなくてはいけないことがあるとすればどんな部分でしょう?
昨年からやってきた自分たちのサッカーを、バージョンアップしていかなくてはいけないと思います。例えば、相手の背後を取る動きの質ですね。そういう部分をさらに高めていくことで、どこからでもシュートに持ち込めるような形を作っていく。ここから自分たちが勝ちを重ねていくためには、チームとしてそういうものが必要だと思います。
──この1週間で気持ちの切り替えはできましたか?
忘れられないような敗戦をしてしまいましたが、あの敗戦によって「もっと自分たちで主体的にやらなきゃいけない」という気持ちが強くなりました。そういう気持ちで練習に取り組めましたし、引きずることなくやれていると思います。
──リカバリーを図るために、選手同士ではどんな話をしましたか?
もちろんミーティングでは戦術的な話もしていますが、「勝ちにこだわってもう一回しっかりプレーしよう」というような話はしました。勝てていない状況で、自分たちが流れに乗っていくための一番のクスリは勝利ですから。
自分の持っているものを最大限に生かす
──昨年はプロ1年目でチーム最多の41試合に出場して、8得点という成績でした。改めてどんなシーズンでしたか?
1年目はチーム戦術を理解するという部分に意識を置いていました。その中で8ゴールを挙げましたが、自分の中では「もっと点を取れた」という感覚でしたね。今年はしっかりと戦術を理解しているつもりなので、チームの勝利につながるよう、さらに得点を重ねていきたいです。
──今季はここまで4試合で1得点という成績です。ケガで少し出遅れましたが、自身のコンディションやパフォーマンスはどうですか?
ケガからのスタートということで、故障明けはまだ自分の中で100パーセントではないなという感覚がありました。それでも、あれから時間が経って、今は100パーセントでやれています。チームの戦力としてここからまたしっかりとプレーしていかなければと思っています。
──ワイドストライカーのポジションには小池純輝選手や若い松橋優安選手、さらにジャイルトン パライバ選手の再加入も決まりました。今後、ポジション争いが激しくなることが予想されます。
チーム内での競争があってこそ、個人のレベルアップも上がっていくと思います。純輝さんのポジションを脅かすくらいの気持ちでやっていかなければいけないですし、練習から常に上を目指してやっています。優安や同世代の(新井)瑞希もいますが、それぞれ違った持ち味があるので、それぞれの得意なプレーで輝けるように、自分の持っているものを最大限に生かしていきたいです。
──今節は山下選手がプロ初ゴール決めた水戸ホーリーホックとの対戦です。改めて昨年のゴールを振り返ってください。
残り時間が少ない中でしたが、そういう状況でプロ初ゴールを決めることができました。ゴールを決めた瞬間は忘れられないですし、今思うとあそこが自分のキャリアのスタートだったなと感じます。
──水戸についてはどんな印象を持っていますか?
シンプルに背後に蹴ってくることもあれば、しっかりつないでくることもありますし、両サイドバックが高い位置を取って攻撃してくる場面もあると思います。サイドバックが出てくる分、裏のスペースは空くと思うので、そこを意識して突いていきたいですね。相手にとって脅威になるスペースを見つけて走り込むという部分は、練習でもずっと意識して取り組んでいます。
──最後にファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
ああいう敗戦があった後で、次の試合は本当に大事な一戦になります。勝ちにこだわって、すべてを出し切って、強いヴェルディを見せつけて、最後に皆さんと一緒に笑えるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。