日本瓦斯株式会社
株式会社ミロク情報サービス
株式会社H&K
ATHLETA
ゼビオグループ

OFFICIAL MATCHDAY PROGRAM

2021 明治安田生命J2リーグ 第1節  東京ヴェルディ vs 愛媛FC
2021.02.28(日)15:00 KICK OFF

PICKUP

山本理仁「目標は10ゴール10アシスト」

ひと桁の番号をつけるのは中3以来

──いよいよシーズンの開幕です。
早かったですね。始動してから、割とすぐにここまできたという印象です。2部練習が続いて体はキツかったのですが、チームの積み上げには自信を持っています。1年目は代表活動で、2年目はケガでキャンプに参加できませんでした。初めてしっかりキャンプに参加できたので、自分でもその期間を通じての充実感があります。

──昨季と比べて、チームとして成長した部分は?
よりゴールに向かっているというか、前への選択肢が増えている印象です。永井さんは『共通認識の優位性』という言葉を使っています。スタンドで俯瞰して見ている人が「ここが空いている!」というようなものを、ピッチ内の選手全員が認識できるように、共通理解を深めるようなトレーニングやミーティングを重ねてきました。主に攻撃の崩しのところで、昨季よりも仕上がっているなというのは自分の中でも感じています。例えばマンツーマン気味に守備をしてくるチームが相手の場合、みんなでどのスペースが空いているかを理解しておくことが大事です。永井さんの言う、『俯瞰力』を意識してやれれば、試合を優位に進められる。そういう力が身についていれば、相手が前から守備をしてきてくれたほうがいいですね。

──ヴェルディ相手にはボールを持たせておく、守備を固めようというチームも多いです。
1人、2人の関係だけではなく、3人、4人と絡むことで守りを固める相手も崩せると思っています。だからこそ、先ほど話したような『共通認識』を持って、できるだけ多い人数が同じビジョンを描くことが大事になると思います。

──ミーティングは長いですよね。
それって本当に大事ですよ。『共通認識』のところで、間違いなくやっておかないといけない作業です。ポジティブにやっていますよ。

──今季、山本選手の背番号は『20』から『6』に変わりました
毎年、番号は変わっていますけどね(笑)。ひと桁の番号をつけるのは中3以来です。高校では3年の時にトップチームに上がったので、ひと桁を着けることがなかった。(若い番号は)素直にうれしいし、楽しみですよね。6番というと、シャビのようないい選手がつけていた番号だし、期待が込められていると思うので、その期待に応えられるように全力でやっていきたいです。

──個人として、プレー面でより伸ばしたいポイントは?
守備のレベルをもっと上げていかないといけないし、そこはキャンプで言われることが多かった部分でもあります。日々意識して、公式戦でもレベルを上げていければと思っています。

──昨季は最終ラインでプレーすることもあり、J2の強力なアタッカーと対峙することも多かったですよね。
サイドバックをやることもありました。J2ではサイドに強力な選手がいます。今の自分の力を考えると、まずは縦のコースを切ってサポートを待つという戦い方をしていたんですけど、この先にもっと上のレベルでプレーしていくことを考えると、それではダメだと思います。自分の中では、一人で相手から奪い切るプレーもできたらいいなと思っています。

開幕戦は5点くらい取って勝てれば……

──プロ3年目となる今シーズンを、どんな1年にしたいですか?
チームとしては、もちろんJ1に早く上がらないといけない。個人としては5ゴール5アシストが目標と言っていたんですが、永井さんに「もっと高い目標を持て」と言われたので、10ゴール10アシストでいきたいと思います。

──中盤の底でプレーをすることも多い中では、高い目標ですね。
はい。ただ、そこから前に出ていくこともありますし、アシストができるポジションでもあります。それに、もう一つ前のポジションをやることもありますから、今年はよりゴールという結果を意識して戦っていきたいと思います。

──アカデミー出身選手としては、『ヴェルディはJ1にいなければいけないチーム』という思いがありますか?
高校1年のユースの時から永井監督の下でやらせてもらっていて、「オマエたちがヴェルディを再建するんだ」とずっと言われてきました。そこに対する思いは間違いなくあります。

──監督の期待値の高さは感じますか?
いろいろと言われることも多くて、「そこまで言うのか…」と思う時もあるけれど、それは僕のため。僕が悪いプレーをしているから声を掛けられているんだと思っています。そういう意味で、ポジティブにとらえています。

──こんな選手になりたい、というイメージはありますか?
この選手がすごく好きというのはあまりないですが、ビルドアップやパスの配給の面では(セルヒオ)ブスケツやカゼミーロといった選手をイメージしています。攻撃の最後の局面、スルーパスなどの部分ではダビド・シルバや(ケヴィン)デ・ブライネ……いろんな選手のいいところを見ている感じですね。

──今季の新戦力について聞きます。特に近くでプレーすることになりそうな加藤弘堅選手の印象は?
まず同じポジションの選手として学ぶところがありますし、話す内容が幅広くて面白いんです。自分のウィークポイントである守備に関してはたくさんアドバイスをもらっています。サッカー以外のことでも、いろいろな話をしてくれるんです。

──阿野真拓選手など、後輩たちのアピールもあります。
マヒ(阿野)については、僕が偉そうに言うのもなんですが、守備はすごく良くなっていると感じます。自分がボランチをやっている時、近くにマヒがいることが多いんですが、助けてくれる場面が増えています。それに、マヒ個人で奪えるようになってきている。ドリブルなど、もともと攻撃のセンスがある選手ですし、プロのプレースピードになれて余裕を持てるようになったのもあると思います。「マヒはいいな」と自分は思っています。

──開幕戦は愛媛が相手です。「こういう試合を見せたい」という思いは?
愛媛は監督が代わりましたが、聞いた話によると、守備面ではあまり変わった部分がないそうです。また、4バックのサイドバックが前に出てくるという印象もあります。自分たちがどこで数的優位を作って、どう崩していくか。相手の守備のファーストラインを越えてしまえば、自分たちのゲームになると思います。開幕戦から、見ている人たちを楽しませるようなサッカーをしたいし、そうなれば選手も楽しいはず。5点くらい取って勝てればいいなと思っています。

──永井監督のサッカーをやると楽しいし、楽しませられるということですね。
このサッカーができれば、やっている人はもちろん楽しいし、見ている人たちも楽しいと思います。そういう試合が増えれば、自然とファンは増えると思うんです。それに、このサッカーはこれからの主流になってくると思うので、楽しんで、「サッカーが楽しいんだ」ということを証明したいですね。

──ユース出身の井上潮音選手、藤田譲瑠チマ選手の移籍で、チームを心配する声もありました。
昨季は攻めていても点が取れなくて引き分ける、またはカウンターで1点を取られて負けることがありました。成長を見せるためにも、たくさん点を取って無失点で終われれば、最高の開幕戦になると思います。

──5点取って勝てれば、「今年のヴェルディはやるぞ」というアピールになりますね。
開幕戦は大事。ここで勢いに乗れるかどうかが、この先にも響いてきます。集中してやっていきたいです。

インタビュー=田中直希