MATCH試合情報
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【試合展開】
33節で京都サンガF.C.に、34節でザスパクサツ群馬にそれぞれ敵地で勝利し、連勝でホームに戻ってきたヴェルディ。後半戦はなかなかホームゲームで勝利ができていない中、24節以来の味の素スタジアムでの勝利を目指し、レノファ山口FCと対戦した。
序盤の試合の入り方は、前節の群馬戦を思わせるハイプレスとポゼッションでリズムを掴んだ。ミスをきっかけに自陣ゴール前まで押し込まれる場面もあったが、粘り強い守備でバイタルエリアでは簡単にシュートは打たせない。ゴールへの筋道が見えつつある前半の半ば、積極的な守備が功を奏す。19分、それまで前線で何度もインターセプトを見せていた端戸仁が、素早いプレスバックで相手からボールを奪うと、拾った藤田譲瑠チマが左サイドの井上潮音に渡す。井上は、ボール奪取後にスペースへと走り込んだ端戸に絶妙なタイミングでスルーパス。ゴールやや左斜めの位置で端戸は対角線のシュートを流し込んでヴェルディが先制に成功した。その後も、相手の両サイドの背後のスペースを活用し、ゴールまであと一歩と迫るところまでボールを運んでいく。しかし、なかなかネットを揺らす場面を作り出せずに前半を終えた。
「我々がボールを持つのは、ただボールを回すのが目的じゃない!だから立ち位置がある」と、前半を受けて選手たちに檄をを飛ばした指揮官。それに呼応するように後半の立ち上がりから前に出る。ところが、思わぬ形で試合が振り出しに戻る。52分、右サイドで小池純輝と高井がマッチアップし、ペナルティエリアに入る手前で高井が先に身体を入れると、思わず後方から小池が押すような形になり、PKを与えてしまう。53分にこのPKを決められて、1-1で後半がスタートした。ボールを保持する時間が長いものの、なかなか決め手がないヴェルディは、立て続けに交代カードを切る。65分には佐藤優平に代えて山本理仁を、奈良輪雄太に代えて福村貴幸を投入。77分には井出遥也に代えて森田晃樹を、井上潮音に代えて松橋優安を送り込む。流れを変えたのは投入された選手たち。森田は独特のリズムでボールを運んで危険なゾーンに入っていき、松橋はバイタルエリアで何度もシュートを放って相手DFを引き出す。山本は高い位置でボールを何度も引き出し、相手を揺さぶり続けた。その結果、終盤に試合が動く。83分、左サイドの福村のスローインから6人が絡み、さらに端戸、若狭大志、森田、藤田が2回ずつボールに絡むという有機的な連動からネットを揺らす。結果、右サイドのやや浅い位置から若狭がゴール前にクロスボールを送り込むと、ゴールファーサイドに飛び込んでいた森田が左足を伸ばしてワンタッチでゴール正面に折り返す。折り返し先に詰めていた端戸は豪快に左足を振り抜き、文字通りゴールに“ブチ込んだ”。
PKはやや不運な展開ではあったものの、勝ち切れる展開の試合で引き分けのまま終わらせることなく、勝ち切るゴールを奪ったところにチームの成長があった。この3連勝はフロックではない。次節、それを証明するのにうってつけの一戦を迎える。上位を荒そうアビスパ福岡を相手に攻撃的なサッカーで魅せて勝ち、“聖地”西が丘にも歓喜を呼ぶ。
試合を振り返ってください。
最近、なかなかホームゲームのスタジアムで勝ってファン・サポーターと喜びを共有する機会が少なく申し訳なく思っていました。今日に関しては選手たちと全員で、ファン・サポーターのために、そしてヴェルディを信じて支えてくださっているすべての皆さんのために必ず良い結果を出そうというモチベーションで臨みました。また、我々は前半戦でやられた相手には必ずリベンジするという強い気持ちを持って、選手たちがゲームに入ってくれたこと、本当に入りから選手たちがヴェルディ魂を胸に素晴らしい試合をしてくれたと思います。
欲を言えば、彼らのポテンシャルからすれば、もっとボールを保持して、もっと攻撃回数を増やし、さらに得点をというところまで行けると信じているので、その辺はまた次に向けて質を上げていけるようにやっていきたいと思います。
後半、少し不用意な形から失点してしまいましたが、途中から交代で入る選手を含めて、本当に全員がゴールを奪うという強い気持ちを持ちながらボールを保持してゲームを支配していく中で、素晴らしいゴールを奪ってくれました。これは決めてくれた(端戸)仁だけではなく、すべての選手の気持ちが詰まったゴールだと思うので、非常に価値のあるゴールだったと思います。
久しぶりにこの味の素スタジアムでファン・サポーターの方々と喜びを共有できたことをうれしく思います。まだまだ残り試合、ひとつずつ、選手たちと共に良いサッカーをして結果を出していきたいと思います。
後半なかなか相手のゴール前に行きながらもチャンスを作れない中、積極的に交代カードを切りましたが、その意図を具体的に聞かせてください。
さらに、2点、3点と点を取っていくための交代カードですし、それぞれ色んなプランを与え、持ちながらのところで企業秘密の部分もあるのであまり話せないところもあります。ただ、よく自分たちが陥りがちな点を取った後に何となくボールを保持する、狙いが見えない一番良くないゴールに向かう情熱がないボールポゼッションという時間が少しありました。そこは少し人を代えながら流れを変えていく、変化を加えていくという部分で、選手たちは本当によく理解してくれてやってくれたと思います。
その中で山本理仁選手に期待したところを聞かせてください。
もちろん、(藤田)ジョエルの成長は大変喜ばしいところですが、ボランチというポジションで我々の中では山本理仁という選手の能力はまだまだこんなものではないと思っていますし、その展開力や技術の高さ、ゲームの中で見えているところという部分で今日は本当によくやってくれたと思います。特に、今日は彼の普段内に秘めた戦う気持ちを入りから見せてくれたことを本当にうれしく思います。まだまだ山本理仁という存在価値をさらに証明してほしいと思います。
今季2度目の3連勝という結果について聞かせてください。
我々は一戦一戦、残りのすべての試合を勝つということを目標にやっていますので、選手たちは本当によくファイトしてくれていますし、良いサッカーを見せてくれました。また、次の試合でもっとより長い時間自分たちのサッカーができるように良い準備をしていきたいです。
FW25端戸 仁
前節負傷交代した中での今日の試合となりましたが?
筋肉系の問題でプチっとはいっていなかったので、自分でも際どい状態だとは思っていましたが、周りの人の支えがあり、治すことに専念してくれたのですごく感謝しています。
試合を振り返ってください。
良い形で先制点は取れましたが、そのあと前半のうちに追加点を取りたかったと思いますし、不運なPKで追いつかれてしまいましたが、全員が点を取る意識が決勝点に繋がったと思います。
ご自身のところで攻守両面のリズムを作っていたように見えましたが?
今日はいつもに比べて自分のところでボールを失う回数が多かったと思うので、その点に関しては自分の中で反省したいと思います。ただ、そういうミスがあった時に周りのチームメイトが助けてくれたり、逆にチームメイトがミスをした時に自分がボールを追うなど、互いにカバーし合うことを意識していてそれが連勝に繋がっていると思います。
相手のファウルを誘うなど、リズムに乗らせない仕事ができていたようにも見えましたが?
今日はボールが入った時にいつもに比べて少しサポートの距離が遠いと感じていたので、落としどころがない時にファウルをもらって一旦落ち着かせることは試合途中から少し意識していました。
先制点を振り返ってください。
良い感じでプレスバックできて、ショートカウンターに持ち込めました。(井上)潮音が良いパスを出してくれて、本当に相手が絶妙に届かないところだったので、自分は枠を外さないように意識しました。
決勝点を振り返ってください。
2点目は何回も言っていますが、本当に(森田)晃樹のおかげです。自分は振り抜くだけというか、ふかさないようにだけ意識しました。
フリーマンのポジションでの2得点についてはどのように捉えていますか?
あのポジションでやっている以上、点に絡む仕事が求められると思います。ただ、それだけが自分の仕事ではなく、先ほども話したようにプレスやボールを収めて攻撃の起点となるなど、すべてを高いレベルでこなした中でゴールに関われればいいと思っています。
決勝点の場面では森田選手が折り返せると確信していたのでしょうか?
初めはワカ(若狭)が自分に合わせたと思っていました。ただ、ワカとはいつも合わないので(笑)。ただ、裏が見えていたんですかね? ワカのクロスは基本合わないので(笑)。あそこでは(森田)晃樹の身体が伸び切っていた中で本当に優しいボールをくれました。
佐藤選手の交代以降、攻撃の作りの部分で難しくなったように見えましたが?
やっている中ではそこまで感じなかったです。後半途中はゴールまで行けないというか、なかなか自分のところでボールを受けられない時間はありました。そこは改善の余地があるというか、今日は相手のボランチがウチのシャドー(フロントボランチ)にマンツーマンで付いていたので、自分のところで(高橋)祥平、平のセンターバックから直接パスを受けて何かするというところはもう少し回数を増やせたのかなと思います。
ここ最近、ゴールやアシストと目に見える貢献が増えている点について聞かせてください。
得点は取れる時も取れない時もあります。こだわらないといけない部分ではありますが、それよりもチーム全体として上手くいくために潰れ役や起点になることを常に意識してやっています。そういうことの積み重ねによるご褒美ではないですが、ひたむきにやっていればチャンスが来るというのはあらためて確認できたことです。そういう意味でやり続けていかないといけないですね。
チーム全体のシュート意識の高まりなど、攻撃面の変化は感じていますか?
最近はチーム全体として色んな人が点を取れていることで、みんなが自身を持ってボールを動かしてゴールに向かうことが増えています。別に必ず決めなければならないというわけではないので、少し遠めからでも打っていくことは大事だと思います。そういう意識が徐々に出てきているのかなと思います。
今季2度目の3連勝という結果について聞かせてください。
まだ、今年は4連勝をしたことがないので、すぐにリカバーして明後日がもう試合前日になるので、切り替えて良い準備をしていきたいです。京都戦で劇的な勝ち方をしてみんなが自信を持ってきたと思いますし、やっているサッカーを楽しんでやれているので、プレーを楽しむプラス勝ちが付いてきているので、みんなが自信を持っていると思います。
守備面でのハードワークと得点を奪うための力を残すという部分に関してどのように考えていますか?
そこは考えないようにしています。ボールを追う時に関して、自分のところでボールを取れる回数はあまりないですが、相手を追い込む、ミスキックを誘うという部分で少しでも寄せて味方が良い形でボールを取れるようにというのはいつも考えていることです。そこで体力を使って前で使えないとか、そういう考え方はしていません。逆にそういう考えをしてしまうと、チームのリズムが悪くなってしまうので。
DF2若狭 大志
試合を振り返ってください。
スコアでは2-1でしたが、チャンスはもっと多くあったので、決めるところを決められればもっと得点できたのかなと思います。そこの部分の精度を上げていければと思うので、また練習からみんなで盛り上げてやっていきたいと思います。
左サイドアタッカーが福村選手と奈良輪選手の場合でご自身のプレーに変化はありますか?
そこはあまり意識したことはないです。その場その場で臨機応変にポジションを変化しながらやっています。
決勝点に繋がったご自身のクロスを振り返ってください。
個人的に、今までサイドバックをやっていてインサイドを取ったり、アウトサイドに張ったり、いろんなポジションをやってきたけど、クロスでチャンスを作るという機会が、自分の中ではあまりなかったと年間を通して感じていたので、ちょっと前からクロスに意識して取り組んできました。京都戦で1本良いクロスを上げられていたので、その感触のまま今日も上げたという感じです。
そのクロスに関して折り返しからアシストを記録した森田選手の足の長さまで意識して上げたものでしたか?
そうですね。(森田)晃樹の足は思ったよりも短かったです(笑)。それは冗談ですが、正直なところ晃樹はあまり見えていなかったです。ただ、(端戸)仁は見えていて相手に付かれていると思ったので、仁が前に動いた際に敵が付いてきてその後ろにスペースがあるという感じはありました。そこを目がけて蹴りました。
今日の試合でサイドでマッチアップした安在選手は元ヴェルディの選手というところで、監督などから対応に関する具体的なアドバイスはありましたか?
安在選手に関してはそういった指示はなく、どちらかというと(小池)エーコ君の方がマッチアップしていたので。僕の方は(高井)和馬とのマッチアップが多かったですし、彼とはヴェルディで一緒にやっているので特徴は分かっていました。安在選手も僕が違うチームでやっていた時に対戦していて特長は把握していました。左足のキックがすごく精度が高くて、彼のストロングポイントは把握してプレーしていました。
高井選手の対応に関してはある程度カットインされても構わないという対応でしたか?
そういうわけではなく、彼はキックフェイントが非常に多いですし、ドリブルの場面やPKを獲得した場面もそうですが、足をディフェンスの前に入れてくる選手なので、そこの部分に関してはある程度理解していました。
MF21山本 理仁
試合を振り返ってください。
ボールを持てる時間帯もありましたが、最後は押し込まれる時間帯もありました。そこで守り切れた部分、チーム全体で負けないという気持ちを前面に出せたことは良かったと思います。
失点までは最後の精度は別としてある程度やりたいことができていたように見えましたが?
後半立ち上がりまでは自分たちのペースで試合を進めていたと思います。その中で相手にワンチャンスをモノにされる形になりましたが、それまでの自分たちの時間帯に決め切らなければいけなかったと思います。ただ、失点後もそこまで慌てることなく自分たちの流れの中で勝ち越しゴールを奪えたことはすごくプラスなことだと思います。
途中出場でしたが、どんなことを意識して試合に入りましたか?
入る前に言われていたのは自分のところでボールを引き出し、そこから(小池)純輝君であったり、逆サイドにパスを通すことでした。自分のところで前を向いてボールを引き出して通すことは個人的に強く意識していました。
切り替えの部分など守備の貢献度も高かったと思いますが、個人としての手応えは?
球際のところで絶対に負けずに強いヴェルディを見せていこうというのは試合前のミーティングの段階から言われていたことだったので、そこはチームとして意識できていたと思いますし、自分自身も戦う姿勢を出せたと思います。
ボックス手前でシュートを狙うなど、良い形での攻撃への絡みもありました。
カウンターのような場面で(足を)振ることが一番大事だと思いますし、シュートという選択肢がまずある中で初めてスルーパスや他の選択肢が生きてくるので、まずはシュートを意識していました。
京都戦に続き試合終盤に勝ち越しゴールを奪って勝ち切る試合がここに来て増えてきていますが?
そこはチームとして勝ちたいという意識が結果に繋がっていると思います。中でやっていても自分たちの攻撃力であれば、追いつかれても勝ち越せる自信があるので、そこは慌てずにやれていると思います。
先日にはU-19日本代表候補のトレーニングキャンプにも参加しましたが、そこから刺激を受けた部分はありましたか?
代表では代表の戦術があり、ヴェルディにはヴェルディの戦術があるので、そこは自分の中で使い分けています。ただ、デュエルの部分では今日何度かスライディングでボールを奪ったところなど、そういう部分は代表の活動でも意識しているところです。そこは代表から戻ってプラスになっている部分です。
中2日で2位の福岡との重要な試合が待っています。
絶対に勝たないと上にはいけないですし、厳しいですが自分たちは昇格の可能性が消えていないので、勝つしかないと思っています。
MF33松橋 優安
試合を振り返ってください。
今日は絶対に途中からチャンスが来るかなと思っていた中、自分が出たタイミングは1-1だったので、途中から出て流れを変えて2点目を狙っていこうという気持ちで入りました。自分が入るまでは自分たちのやりたいことはやろうとしていましたが、PKから失点してしまいました。外から見ていて自分が出た時はもっと背後を狙ってアクセントを加えられれば、いいなと感じていました。
左のワイドストライカーでのプレーでしたが、どんなところを意識してプレーしていましたか?
(井上)潮音君は足元で受けたり、中でプレーする形が多いですが、自分はどちらかというとサイドに張って背後を狙ったり、自分でボールを運んでいくのが持ち味なので、そういう部分を少しは出せたと思います。
ここ4試合途中出場が続いている中で最も積極性が出た試合に見えましたが?
ここ最近は途中から出させてもらっていますが、個人的に試合を楽しめていない感覚がありました。やっぱり、サッカーは楽しいものなので、その楽しもうという気持ちが今日の試合では積極性という形に繋がったと思います。
積極性が出た一方、フリーの小池選手に出さずに強引にフィニッシュに持ち込んだ場面もありましたが?
あれは試合後に(小池)純輝君に言われました(笑)。本当のところ、試合中は純輝君のところが見えていませんでした。あの場面では少し、「自分が自分が」という感じになっていました。その前までのプレーは良かったと思いますが、あそこで純輝君が右にいるのが見えていてパスを出していれば、決めてくれていたと思います。そこが一番の後悔です。
小池選手から結構厳しく指摘されましたか?
いや、ちょっとふざけた感じで「罰金な」と言われました。優しさと愛のあるお叱りでした。次はアシストで恩返ししたいです。今日は純輝君から良いクロスももらっていたので、そこも決め切りたかったです。
個人として全体的には幾つも形は作れていたと思いますが?
そこは意識していたので、自分で仕掛けるか、それが無理な時には一度中を使って自分が突破の起点になれるようにやっていました。あとはクロスの精度を上げていきたいです。
やはり試合に勝って反省できることは大きいですね。
連勝できたのはチームとして大きいですし、自分も出させてもらっている中で純輝君に指摘されるように、まだまだ足りないところも多いですし、今度は結果を残していきたいです。
京都戦に続き試合終盤に勝ち越しゴールを奪って勝ち切る試合がここに来て増えてきていますが?
チームの雰囲気や試合後のロッカールームの雰囲気も良いです。以前に比べて失点しても、チーム全体で前向きな気持ちが強く、そこで気持ちがひとつになれていることが、試合終盤の劇的なゴールに繋がっているのかなと思います。
連戦が続く中、そろそろスタメンでプレーしたいところですが、スタメン奪取に向けてどんなところをアピールしたいですか?
スタメンで出るためには途中出場でも結果を残していかないとダメです。そういう意味では今日の試合では少しだけですが、自分の良いところも見せられたと思いますが、足りない部分も自覚しています。連戦という部分で必ずチャンスは来るので、その際にしっかりと結果を残せるように準備したいです。