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MATCH試合情報

2019 明治安田生命J2リーグ 第9節 - 東京ヴェルディ vs FC琉球

マッチレポート

【試合展開】

前節、3連戦の締めくくりでモンテディオ山形を相手に、終盤に失点して逆転負けを喫したヴェルディ。ホームに戻って立て直しを図る一戦で、5位につけるFC琉球との一戦を迎えた。メンバー構成の変更は1名。疲れが見えていた李栄直に代えて、前節メンバーから外れていた端戸仁をスタメンに戻した。

 

前節からのシステムチェンジもあって、対応が遅れる相手を前にヴェルディがボールを保持して試合がスタートした。7分には最初のチャンス。右サイドで小池純輝がボールを持つと、ゴール前に走りこむ林陵平に合わせてアーリークロスを入れる。マーカーの前に入って林がワンタッチボレーで合わせたが、ミートできずにシュートは枠の上へと逸れた。そのまま勢いに乗るかと思われたが、カウンターを契機に琉球にボールを保持され、押し返せずに自陣で我慢の時間を過ごす。13分には右サイドから鋭いクロスを入れられると、ゴール正面でヘディングで合わされる。ゴール隅をとらえたシュートは上福元直人が鋭い反応で飛びついて枠から弾き出した。ここ数試合はそのまま守勢に回る時間が長かったが、今日は焦らずにボールを保持し、バイタルエリアに侵入してフィニッシュで攻撃を終える場面を作る。35分には、複数の選手が絡んでバイタルエリアで相手のマークをはがし、左サイドから奈良輪雄太がクロスを入れる。ゴールファーサイドで小池がフリーで飛び込んでワンタッチボレーで合わせたがシュートは枠を捉え切れなかった。スコアレスで折り返すかと思われた40分、鋭いターンで前を向いた渡辺皓太が相手マーカーを置き去りにすると、佐藤優平のヒールでのワンツーでスペースへ抜け出す。華麗な連係でシュートコースを作り出すと、ミドルレンジで右足を強振してゴール左隅に強烈なシュートを突き刺して先制に成功した。

 

ハーフタイムのロッカーでは、チーム全体で攻守両面について活発な意見の交換があった。相手の出方に対して認識をすり合わせ、チームとしての方向性を明確にし、ホワイト監督が細かく個々の動きを修正して後半のピッチへと出ていった。

 

後半に入るとややオープンな展開の中で、お互いに決定機を作り出す。最大のチャンスは63分に訪れた。佐藤と端戸のプレスでボールを奪うと左サイドから佐藤が前線の林に預ける。林は佐藤のパスをワンタッチでコントロールしてDFをかわして相手ゴール前へ抜け出す。前に出てきた相手GKをかわして…あとはシュートを打つだけの場面で相手GKの手が林の足にかかり、倒されてPKを獲得した。相手GKが出血したため、PKを蹴るまでに約7分のインターバルが入った。これが影響したわけではないが、林がゴール右下を狙ったPKは相手GKに読まれてキャッチされてしまう。その後は前がかりになる相手に対して、奪ったボールを素早く前線につないでカウンター気味に反撃に出る。87分には、平からのロングフィードを受けた端戸が相手DFを振り切ってフリーでペナルティエリアに侵入したが、相手GKとの1対1の場面で放ったシュートはGKにブロックされた。治療の時間を加味したアディショナルタイムは8分。この時間を凌ぐために、ヴェルディは高い位置でボールを保持して時間を使っていく。しかし、掴みかけていた勝ち点3は、残り3分の時点でこぼれ落ちた。相手の猛攻に対して、ペナルティエリアに人数をかけて対応していたが、シュートをブロックしたこぼれ球がたまたま相手選手の前にこぼれると、豪快に振ったシュートはゴール左隅に転がり込んでしまった。一転して前に出なければいけない状況になったが、パワープレーで相手ゴール前に入ってシュートを打つチャンスは作るものの、ネットを揺らすことはできずにタイムアップを迎えた。

 

連戦の合間は、守備の安定を図るためにシュート数が3本や5本に終わるなど攻撃の比重が下がった。安定した守備をベースに攻撃に注力した今節は、決定的な場面を複数回作って13本のシュートを放った。最後は相手の粘りに屈した部分はあるが、そこに至る前には自分たちで試合を決め切るチャンスもあったのは事実だ。ホームでの手痛い引き分け。しかも終了間際の失点はダメージが残るが、次節もホームで戦うことができる。味スタに歓喜を生み出せなかった悔しさを晴らすために、次節のアルビレックス新潟戦では攻撃姿勢をより強め、精度を高め、試合を決め切る力を示したい。

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監督コメント

ギャリー ジョン ホワイト 監督

試合を振り返ってください。
パフォーマンスはかなり良くなってきたと思います。時間帯によってはかなり相手に脅威を与えられたのかなと思います。チャンスを作り出すこともできました。このような拮抗した試合でPKを逃がしてしまうと、なかなかその後の展開が難しくなってしまうことを理解していました。もしかしたら、あそこで少しゲームの流れが変わってしまったのかなと思います。全体的なパフォーマンスに関しては満足している部分もあります。

システム変更の狙いを聞かせてください。
変更した理由に関しては前にボールを運べる選手、ドリブルをできる質の高い選手が揃っているので、少し前に人数をかけたいという狙いがありました。そこからチームがやろうとしているプレーやリズムが生まれてきたのかなと思います。私たちの強みを出すためにこのシステムに変更しました。守備的なところはだいぶ良くなってきたので、ここからは攻撃的なところを構築し、チャンスを作るために創造性や自分たちが主体的にプレーしたいと考えています。

試合終盤に投入した河野選手に与えた守備面での役割を聞かせてください。
ボランチを2枚にして河野を1枚でシャドーのところに入れて、林陵平のところにボールが入った後にカウンターの場面での抜け出しを期待して中盤に入れました。李栄直に関しては森田の横に置いて試合を落ち着かせることを期待して入れました。終盤にかけて相手がゴールに直結するプレーを増やしてくると思い、それを撥ね返す意味でも起用しました。

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選手コメント

MF 7渡辺 皓太

ゴールシーンを振り返ってください。
自分が試合に出られていない時や今練習している形がそのまま出たゴールだと思っています。ミドルシュートは今年、成長させていかないと思っている部分でもあり、取り組んでいるところなので、その成果を出せたと思います。最近はチームとしてシュートを打てていなかったので、ああいうチャンスが来たときは自分で打とうと決めていました。

システム変更を行って臨みましたが感触はいかがでしたか?
ボランチ2枚よりは前に人数をかけられるフォーメーションだと思いますし、もっと攻撃に行ければ良かったと感じています。

アンカーに井上選手が入る形でしたが、中央の3枚が比較的ローテーションする場面が多かった印象ですが。
そこは自由にやっていいと言われていたので、自分としてはバランスを意識しながらプレーしていました。

前半から右サイドでは縦にボールを運ぶシーンが目立っていましたが。
前に運ぶことは大事だと思いますし、誰かが無理をしないと良い攻撃になりませんし、そういう部分は意識しました。

システム変更もあって中盤の選手が攻撃に絡む場面が増えた印象ですが。
個人的にはこのフォーメーションが今の選手たちの特長に合っているのかなと思います。練習でも感触が良かったので、もう少し続けていけばもっと良い攻撃が出せると思います。

後半も森田選手を投入するなど自分たちでボールを持って戦う意思を持ちながら終盤は受け身の展開になってしまいましたが。
守備のところでなかなかボールを奪い切ることができなくなってしまい、そこをもっと自分たち中盤がプレスに行くところ、カバーに行くところをもっと運動量を上げて行かないと、このフォーメーションでは厳しいのかなと思います。本当は前に出たい気持ちもありましたが、全体的に重心が下がってしまいました。そこは改善しないといけないです。やっぱり、相手にずっとボールを持たれる展開は厳しいです。

PKまでの間、PK失敗から難しい流れになったと感じていますか?
PKが入ったと仮定してそこからの試合運びを話し合っていましたが、入らなかったのでそのままの戦い方を継続する形になりました。

システムも変えた中でバイタルエリアの守備はひとつのポイントだったと思いますが。
中盤3枚だとアンカーの脇が結構空いてしまうので、そこの締め方や3人の守備の連係が大事になってくるので、そこはもっと詰めて行かないとダメですね。

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FW 18端戸 仁

試合を振り返ってください。
自分が決めていれば勝てていた試合だと思います。どちらにもチャンスがあった中でああいったチャンスを決められないと勝てないと痛感させられる試合になりました。まだまだ自分自身の力不足を感じさせられました。

これまでのトップ下から初めて左サイドでのプレーになりましたが。
左サイドは恐らくプロキャリアの中で初めてプレーしたと思いますが、平がボールを持った時に一発で裏に抜ける動きでゴールチャンスになるということを感じました。ただ、守備の仕方に関してはもう少し相手に寄せても良かったのかなと試合を振り返った時に感じています。

立ち上がりから相手の攻撃を受けるような展開が続きましたが。
ウチは立ち上がりにピンチを迎える試合が多いので、やっぱり試合の入りからもっとガンガン行っていいと思いますし、あの時間帯に点を取られてしまうとキツくなります。今日は相手が外してくれましたが、ああいう形を自分たちがやって畳みかける攻めを見せていき、ああいう時間帯に点を取れるようなチームになれれば、もっと余裕を持ったサッカーができるようになると思います。そういう部分も課題です。

チーム全体でサポート意識が高かったと思いますが。
自分はあまりワイドに張らず、一人でどんどん行くタイプではないので周りとの関係性が大事になってきます。逆サイドには行くなと言われていたので、サイドに張る形が多かったですが、ハムちゃん(奈良輪)をサイドに開かせて僕が中に入ってボールを受けるなど流動性のところはもっと上手くやれると思います。試合をやっていく中でお互いを感じられるようになれば、もっとスムーズに攻撃に行けるようになると思いますし、もう1枚陵平君も絡めれば、攻撃に厚みが出ると思うので僕が平からボールを受けた時に本当はフリックで陵平君に出したいのですが、そこはなかなか上手く行っていないところです。そこは陵平君と話して受けに来てほしいと伝えましたが、試合を通して改善していきたいです。

試合終盤に上手く相手と入れ替わってGKとの1対1の決定機もありましたが。
思ったよりもキーパーが前に出てきていたので少しコースがなかったので、股の間かニア下を狙おうと考えていた中、ボールをふかしてしまい胸に当ててしまったので、一番良くない形でした。ああいった場面で自分がもっと冷静になってあれを決められていれば、ゲームも決まっていたと思います。本当に自分が決めていれば勝てていたゲームだったので悔しい気持ちです。

後半は引いてしまう形の戦い方になりましたが。
ああいう1点差で勝っている試合の時にウチは後ろに引いてしまう癖があります。そういう時に前の選手が時間を作って味方の上がる時間を僕なり、陵平君、エーコ君のところで作っていければ、攻める時間を増やすことができると思います。ただ、全体のラインがズルズルと下がってしまうと、相手も押し込む時間が増えて最後のようにああいうシュートを決められてしまいます。厳しい中でも前の選手がもっとボールを収めて時間を作ることが大事だと個人的に思います。

ボックス内でボールを収めて井上選手に良い落としを見せる場面もありましたが。
あそこは本当に潮音に決めろと言いました。ただ、ああいう形のプレーが増えていけば、やっている方も楽しいですし、あれで点が決まれば最高に良い得点だと思います。ああいうふうに間で顔を出して自分でも振り向いて良かったですが、潮音の方が良い体勢だったので落としましたが、ああいう形はどんどん増やしていきたいです。

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MF 9佐藤 優平

システム変更で臨んだ試合でしたが。
試合の入りは良かったと思いますし、自分が下りることでポゼッション率も上がりましたし、そこからダイナミックに動くところは自分と皓太のところでやるということは決めていたので、それができた回数も多かったと思います。中3日の試合が続いた後に取り組んだ割に完成度は高かったと思います。ただ、今日の3人が常に出続けられるようなスキルを試合中に見せていくことが継続する力に繋がって行くと思います。今日の3枚で今後コンビネーションなどを深めていきたいと思います。

先制点は中央の3人の絡みから生まれた得点でしたが。
自分は下に下りた後に真ん中に行くと決めていたので、非常にそれが上手く行って3人のバランスは常に意識しようと言っていたので、出たら誰かが戻るというのは守備も攻撃の場面でもやっていこうと言っていました。それがあの場面では上手く機能していたと思います。

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MF 16森田 晃樹

試合を振り返ってください。
最初に自分が入った時間帯は周りに皓太君も優平君もいてチームとしてボールを持とうとする意志がありましたが、PK失敗の後ぐらいからみんなが受け身に入ってしまい、ちょっと守備に追われてしまい、前の試合と同じような展開になってしまいました。試合的にはPKまで間がありましたし、あそこで止められてしまって相手に少し流れが行って自分たちが受け身になってしまいました。

逃げ切れるような展開ではありましたが、どのように感じていましたか?
あのままの展開が続けば、いつかやられてしまうような感覚はありました。あれだけ下がってしまうと、ボールを奪っても前にほとんど人がいないですし、ずっと相手に回されてみんな疲れてしまいました。その前にピンチもありましたし、終盤の段階で危険な感じはしていました。

守っていてキツさは感じていましたか?
ボールにも触れていなかったですし、触る展開でもなかったので相手にずっとボールを持たれていました。その状況で自分たちのボランチのところはスペースを与えてはいけないので、走り回らないといけないですし、精神的にキツいところはありました。

前半に関しては良い形の攻めも多かったですね。
前半はベンチから見ていても自分たちが主体性を持ってボールを動かしながらシュートまで行くシーンは多かったと思います。後半もそれを続けられれば良かったと思いますし、自分たちが受け身にならずに自分たちのサッカーをやり切るというところがすごく大事だと思います。

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