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MATCH試合情報

2018 明治安田生命J2リーグ 第36節 - 東京ヴェルディ vs ヴァンフォーレ甲府

マッチレポート

【試合展開】

前節の栃木SCに勝利して2試合連続引き分けの流れを変えたヴェルディ。残り7試合で勢いに乗るために、ホームに戻って必勝を期す一戦となった。メンバー構成は前線に変化があった。インサイドハーフは渡辺皓太と佐藤優平が組み、右ウイングに藤本寛也を、左ウイングにはアランを起用した。

 

序盤、ボールを保持して試合の主導権を握ったのはヴェルディだった。チャンスは5分に訪れる。右サイドでボールを持った藤本がゴール前のファーサイドに走り込んだアランにアーリークロスを入れる。アランはマーカーよりも高い打点でヘディングシュートを放ったが、シュートはコースがなく相手GKの正面に収まった。その後も丁寧なビルドアップでボールを保持したヴェルディだが、やや丁寧過ぎてフィニッシュまでの糸口がつかめない。すると、序盤にミスが続いた甲府が調子を上げ、ボールを持って押し込んでくる。31分にはカウンターから数的同数のところでセンターバック陣がバホスを掴み切れずにゴール前に抜け出される。フリーの状態で強烈なシュートを放たれると、上福元直人も反応し切れなかったが、シュートはゴールをわずかに逸れた。43分にはフリーキックのクイックスタートで藤本がゴールに向けてスペースへ抜け出しかけたが、レフェリーに止められてフリーキックのやり直しを命じられた。

 

相手に傾いた流れを引き寄せるべく、攻撃志向を強める指示を受けたチームだが、後半も甲府がチャンスを作る。54分、カウンターからワイドに揺さぶられると、マークが曖昧になりクロスボールをバホスにフリーで合わされるが、強烈なシュートは前半同様に枠から逸れた。流れを引き寄せようと交代カードを切り始めた矢先、62分に本日の二度目の警告を受けた渡辺が退場処分に。ロティーナ体制初の退場者を出し、早い時間帯で数的不利を背負って戦うことになった。自陣にリトリートして後ろに重い戦いを強いられたが、マイボールになってからは全員が体力も考えずに前線に走り込んでゴールを目指した。70分、左サイドをドウグラスが抜けてクロスボールを入れると、ニアで相手DFがブロックしたボールを後方から寄せた李栄直が奪い去り、そのまま反転してシュートを打つ。これは相手GKに阻まれたが、人数が少なくなってもゴールに向かう姿勢は出せた。しかし、流れを引き寄せるまでにはいかない。72分、いつもならば粘り強くスライドして対応する守備陣の綻びを突かれ、バホスに抜け出されてゴールを割られた。その後、一人少ないことを感じさせない波状攻撃を仕掛けたが、割り切ってゴール前を固める甲府の守備を崩し切れず、人数が少ないヴェルディもロングボール主体の攻撃になり、確率を高められないままタイムアップを迎えた。

 

終盤に突入してからの敗戦は、ダメージが大きいのは確かだ。しかし、立ち止まったり、下を向いたり、過ぎたことを引きずる時期と状況ではないことも確かだ。次こそは――。そう信じてまた全力で準備を進め、溜めこんだ勝利への渇望をプレーで表したい。

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監督コメント

ミゲル アンヘル ロティーナ 監督

試合を振り返ってください。
前半はボールを動かして相手のエリアの近くまで行きました。そこまでは良かったですが、そこからチャンスを作ることができませんでした。相手のチャンスは1度だけでしたが、すごく決定的なカウンターからのチャンスを作られました。後半はより拮抗した展開となり、我々もボールを失う場面が多くありました。交代をしてより優勢に試合を進めていきたい中で退場者が出てしまい、ああいうクオリティの高い相手にライン間でプレーできる選手が何人もいるチームに10人で戦うことはやはり難しかったです。その後に2人のフォワードと井林を前線に上げてロングボールを使いゴールに迫りましたが、チャンスは作れたものの点は取れませんでした。

前半に1枚警告を受けていた渡辺皓太選手に関して早めに下げる意図があったのか、それともパフォーマンスの良さであそこまで引っ張ったのか、聞かせてください。
交代策も考えていました。ハーフタイムにファウルをひとつもするなと話していました。ゲームの中で熱くなっているように見えたので。2つのファウルで2つのカードという部分では今日は彼に運がなかったと思います。

渡辺皓太選手の退場を受けて李栄直選手を入れた意図に関して聞かせてください。
ヨンジは高いインテンシティでどこのポジションもこなせる選手です。ヨンジを入れた意図に関してはよりエリアに入っていく選手が必要だと思ったからです。

後半ビルドアップで上手くいかない中で投入した泉澤仁選手に求めた役割を聞かせてください。
まず2人のフォワードでスタートしましたが、そこはアランのスピードを生かしたい意図がありました。ただ、そのアイデアはアランの出来に関わらず、うまく出てきませんでした。ジンを入れたのはライン間やサイドでボールを受けさせて彼の得意な1対1に持ち込むことが狙いでした。その部分で彼は上手くやってくれたと思います。ただ、彼が入った後に退場者が出てしまい、守りのタスクが多くなり、攻撃の場面でもその疲れが出てしまったと思います。ただ、その状況でよくやってくれたと思います。

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選手コメント

MF 16 佐藤 優平

後半は気迫のプレーが続きましたが。
1人少ないぶん、もっと頑張んないとダメでした。チームとしてコウタの分もカバーしたかったです。ちょっとかわいそうな形での退場だったので。前半のカードもチームとしてのやり方の中でのファウルだったので、みんなでコウタの退場のカバーをしようという中で失点してしまいました。全員自分たちの立場を理解していますし、リスクを冒して勝ちに行きました。最低限引き分けまでは行きたかったですが、チームとして負けてしまったので次からいよいよ落とせなくなるので、しっかりと反省してやっていきたいです。

攻撃面の課題はいかがでしょうか?
立ち上がりはボールを持てていましたが、最後の場面までいけなかったです。自分たちのサイドも右サイドもなかなか深い位置までボールを運ぶことができませんでした。相手が5枚引いた状態だったので、クロスが重要でしたが、ドウグラスとも話し合った中、相手が前に出て行く守備が強いのでクロスを入れた方がよいという結論でした。後半に深い位置まで運んでいこうという中で退場者が出てしまったので、そこからちょっとキツかったです。

後半立ち上がりはなかなかうまく前にボールを運べませんでしたが。
入りが悪かったですし、退場して失点した場面も正直なところ繋げるところからのクリアという部分で全体的にちょっと前に前にという形になってしまいました。個人的には横パスを通せると思っていたので、そこはもったいなかったと思います。

自動昇格を目指すうえで厳しい敗戦となりましたが。
厳しいです。初めて選手が退場したということもあり、チームとしても2度システムを変えるなど臨機応変に対応しましたが、戦い方がいつもと違うロングボール主体に変わったので、やっぱり難しい部分はありました。セカンドボールに関しても相手は枚数が多いぶん、セカンドボールに対する集中力も増していましたし、自分たちは1人少ない部分でカバーすべきエリアも広かったですし、それでリスクを冒して拾いに行けなかったという部分もありました。そこも含めて難しい試合でした。

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MF 23田村 直也

試合を振り返ってください。
甲府の3バックが想定以上に身体能力が高くていつもであればドゥグに十分に収まるというボールを入れていましたが、意外に入らなかったというのがやっていて分かりました。前回対戦にはいなかったですが、意外に後ろの能力が高かったです。そこでもっとリズムができれば良かったのですが、それが上手くいかなかったです。五分五分でもボールを入れていく中でそれがスローインになれば良かったのですが、意外に相手が頑張っていてそこがシュート数の少なさに繋がったと思います。

ロティーナ体制で初めて退場者を出しましたが。
あれで後ろはゼロで我慢するという中で失点してしまい、もったいなかったです。あの状況で相手が前がかったところをカウンターで引っくり返すということが頭にあったので、どうしても失点しないで我慢というところでの失点は痛かったです。ただ、ヨンジが入ってまたパワーを持って攻めるという部分では彼の良さも出してくれていたので、とにかく失点の時間が悪かったです。

前半に関してシュートまで行けないというストレスは感じていましたか?
ありましたね。前節もシュートが少なかったので、今節はもっとシュートを打って行きたいという気持ちがありました。優平のところで何度かラストパスを選択する形が多かったですが、彼も良いシュートを持っているので、あそこで打ってもいいとは感じていました。ただ、彼の攻守に渉る高い貢献は間違いないので。今の話自体たとえばというものですが、シュートへの意識をもっと持った方がこぼれ球もありますし、アランなんかもパンチ力があるので、そこでリズムを作るというのもひとつの手だと思います。

シュートに持ち込めない明確な原因はありますか?
ボールを持った選手を追い越していくようなコースを空けて上げる動きが必要です。シュートを打てというだけで打てるものではないので、追い越す動きやオトリになる動きも大事です。あとはクロスに入っていく動きやセカンドボールを拾える立ち位置をはじめから取っていくことも大事です。

今日の敗戦に関してどのように捉えていますか?
前節、ああいう形で勝つことができたので、今日は最低でも引き分けないといけない試合でした。悔やまれますが、残り6試合という中で今日負けてしまったことで残りは絶対に負けないと、改めて気持ちを切り替えて開き直っていかないといけないです。ただ、ここ最近点が取れていない流れになっていることを次節までに修正し、次の試合では必ず点を取りたいです。

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DF 17李 栄直

投入直後に前線からのプレッシャーからフィニッシュまで持ち込みましたが。
ディフェンス出身なので、あそこでああいうプレーをしてはダメというプレーをこの芝生的にも相手がすると思っていたので、ああいうふうにプレッシャーをかければボールを奪えると感じていました。そして、相手が自分の予想通りにやってくれてボールを奪い、最初のプレーだったので丁寧にシュートを打ちましたが、ちょっと勢いがなくてコーナーキックになりました。

役割的には4-4-1の右サイドという形でしたが。
そうですね。右に入って最初はもっと前に出ていいと言われていましたが、自分の出た後ろを使われることが多かったので、そこはディフェンスを重視して後ろから入ろうという形に切り替えました。前の試合と同様にエリアに入っていくという形は変わらなかったですが、そこは自分の判断を交えながら守備ではコンパクトにやることを意識しました。

試合終盤はパワープレーで同点を目指す形でしたが。
最後はああいう形になってしまいましたが、途中までにあったセカンドボールを拾ってまた攻撃に出るという形ができなくなり、少し裏目に出てしまった部分もあります。誰が競るかという部分が少しあやふやになってしまい、僕が入った時点でも含めて上げるのか、上げないのか、そこの意思統一ができなかったと思います。ただ、僕がジンからのボールを入れられていれば、最低引き分けで終われていたと思います。そこは個人的な反省点です。

ベンチからどのように戦況を見ていましたか?
ずっと後ろでボールを回してボランチからなかなか前にボールが行かないと感じていました。それでボールを獲られてカウンターを食らうという状況が続いていたので、少し受け身になっているとか、綺麗に崩そうとし過ぎているように感じました。もちろん、ドゥグとアランのところで崩せているところもありましたが、それ以外に形が見えず、個人的にもの足りなさを感じていました。自分が入った時にはとにかく場を荒らすということは意識していました。甲府も守り易そうにしていましたし、彼らもそんなに守備が堅いようにはみえなかったので、もっとそういう隙を突くべきだと思って見ていました。

積極性という部分で少しもの足りない印象ですが。
練習中にできていることができていなかったり、それをなぜ試合でやらないのかというふうに感じる部分もあります。自分たちのやっているサッカーで勝つということは理解できますが、結局監督が掲示してくれたことを忠実にやることはすごく良いことでもありますが、やるのは選手という部分もあるので、そういう部分でたまには決め事を破るというか、ぼかすというかそういうことをやらないと点が生まれないこともあります。同時に残り6試合ですが、ただ単に戦って上に行けることは絶対にないので、そういう部分でいかに自分たちで道を切り開いていくことが重要だと思います。そこがチームに一番足りない部分だと思っています。この前の陵平さんのようにこれからどんどん新しいヒーローが出てこないと、チームとしてガス欠を起こしますし、もっとそういう欲を持った人間が出てこないと上にも行けないと思います。

栃木戦を受けてより積極的にシュートを打つという感覚で見ていましたが、綺麗に崩そうという場面が多かった印象ですが。
スカウティングで相手の出方がよりハッキリと出ていたので、その通りにやれる場面では良かったのですが、その通りに行かない時にピッチ内で修正する能力が足りていないと思います。やりたいことは一緒にやっているので分かりますが、もっと改善できるという部分での話し合いが少し足りないと思います。

自動昇格を目指すうえで厳しい敗戦となりましたが。
ロッカールームではもったいない負けだったと話していました。みんながみんなチャレンジャーの意識を持っていますが、自分たちが現在こういう順位にいて昇格を争えている中でもっと幸せを噛みしめて戦わないとダメですし、こういう位置にいるからこそサポートしてくれる人が増えているという部分もあるので、今日の試合を含めてここ最近の試合で自分の人生が変わるという強い気持ちがいまどれだけいるのか、そういう部分では少しずつそういう人間が増えてきています。ただ、それでも遅いぐらいだと思いますし、本当は10試合以上前からそういう気持ちでいないとダメです。僕たちはプレーオフで満足するわけではないので。

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