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MATCH試合情報

2018 明治安田生命J2リーグ 第26節 - 京都サンガF.C. vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

引き分けを挟んでホーム連勝し、ここ3試合負けなしで真夏の連戦のラストを迎えたヴェルディ。特に前節のアルビレックス新潟戦は2度のリードを追い付き、そして最後に逆転してチームに一気に勢いがついた。その中で迎えたのが、台風一過で暑さがぶり返す京都での京都サンガF.C.との一戦。ヴェルディは加入以来2試合連続スタメンだった泉澤仁をベンチスタートにし、右ウイングに藤本寛也、左ウイングにアランを起用した。また、インサイドハーフは渡辺皓太の相棒に井上潮音をチョイス。最終ラインは前節と同じ顔触れでキックオフを迎えた。

まだ日が残る明るい中で始まった試合は、序盤からヴェルディが主導権を握る。4分、井林章がドウグラスにくさびのボールをあてると、背後にフリックしたボールを渡辺が拾い、そのままペナルティエリアに侵入してシュートを放つが、間合いを詰めた相手GKのファインセーブに阻まれる。8分にはドウグラスが個人技で左サイドを突破。角度のないところから放ったシュートは、わずかにゴール右へと逸れていった。セットプレーを契機に相手に押し込まれる時間帯もあったが、守備陣は集中力を保って我慢。決定的な場面は作らせずに余裕を持って撥ね返した。逆に押し返した場面では必ずフィニッシュまで持ち込んだ。31分、アランが相手のプレスの甘さを突いてブレ球のミドルシュートを放つ。相手GKの好守に防がれ、こぼれ球にいち早く反応した藤本のシュートは枠を捉え切れない。その直後の32分には田村直也のアーリークロスを、ペナルティエリアの外にいたアランが思い切ってジャンピングボレーで合わせたが、これもゴールの右へと逸れた。前半は、相手にボールを持たれる時間もあったものの、決定機という意味ではヴェルディペース。ゴールが遠いものの、可能性を感じさせる展開で試合を折り返した。

ペースを握りながらも、ロティーナ監督は「今日の試合は簡単に見えてすごく難しい。相手は何もないようで狙っているぞ! ワンチャンスで1点とることだけ考えているから、もっとインテンシティを高めてプレーしよう!」とチームに檄を飛ばして、相手の戦いを警戒してチームを後半のピッチに送り出した。

経験豊富な智将の読みは後半立ち上がりに的中した。前半は大人しかった京都だが、後半の序盤から前への圧力を強め、ヴェルディがつないでリズムを出そうとするとこをハイプレスで潰しにかかる。ひとたびボールを奪えば、シンプルにサイドを使ってクロスを入れ、ロペスの高さを使ってゴールをこじ開けようとしてきた。7分には右からのクロスボールのこぼれ球をロペスに押し込まれるが、これは上福元直人が間合いを詰めて身体を張ってブロック。直後の8分には同じように右からのクロスボールをロペスの前で上福元がパンチング。セカンドボールを拾えずに染谷にミドルシュートを打たれるが、処理が難しいバウンドのボールに上福元が反応し、横っ飛びしながらも右手を残してボールを上手く弾き出した。この立ち上がりの猛攻をしのぐと、流れはヴェルディに傾く。相手のプレスをはがしながら丁寧にビルドアップすると、体力が落ちた相手の足が止まり、前半と同じように押し込む形で試合が進んでいく。71分には、途中投入の梶川諒太のパスを受けたドウグラスがワンタッチで相手DFを2枚剥がし、ペナルティエリア際で左足のシュートを放つが、これはわずかにクロスバーに当たって枠から逸れた。前半から続く決定機を決め切れない嫌な流れを払しょくしたのは、ルーキーの左足だった。80分、左サイドで途中投入の泉澤が奈良輪からパスを受けると、縦に運びながら相手を3枚引きつけて中央に向けて横パス。すぐそばにいたドウグラスが合わなかったが、そのすぐ背後まで寄せていた藤本が受けると、ワントラップの後で一度自分のシュートイメージの位置にボールをコントロールする。ペナルティエリアの外で左寄りという位置ではあったが、藤本が躊躇なく左足を振り抜くと、グラウンダーのボールは矢のような弾道で対角線上のゴールサイドネットに突き刺さった。勝負を決めようと一気呵成に攻めるヴェルディ。85分には右サイドから藤本が仕掛けて、中央に走り込んできたアランへパス。DFを前にしたアランがタメを作り、背後を抜けた藤本にヒールで流すと、藤本がフリーでゴール左上隅を狙うが、相手GKのスーパーセーブに阻まれた。その後、相手のパワープレーに押し込まれたが、アディショナルタイムのピンチに上福元がファインセーブを見せて完封。苦しみながらも、苦手とする下位チームとの敵地での試合できっちりと勝ち点3を手に入れた。

一発を虎視眈々と狙う相手との一戦は、自分たちがペースを握る間も一瞬も気を緩められない非常に難しい展開になった。状況だけを見れば、最下位を相手に勝って当たり前と思われる試合かもしれない。しかし、えてしてそうした試合ほど上位側のプレッシャーとなって動きが固くなり、1点を献上して守り切られてしまうもの。そうした固くなりがちな試合を勝ち切ることができたというのは、チームの大きな財産になるはずだ。次節、勝ち点1差の大宮アルディージャと直接対決を迎える。ホームで迎える大一番で燃えないわけがない。前半戦で苦杯を舐めたことを忘れはしない。後半戦の序盤で一気に勢いを加速させるために、身体には勝利の余韻を残しつつ、気持ちはすでに次節に向かう。

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監督コメント

ミゲル アンヘル ロティーナ 監督

試合を振り返ってください。
前半は思っていたようにプレーできました。ボールを動かして、チャンスを作りました。シュートも多く放ったのですが、枠から外れたり、キーパーに防がれたりしてゴールを決めることはできませんでした。後半は異なる展開でスタートしました。彼らがよりプレッシャーをかけて試合を支配してゴールに迫ってきました。そこから流れを引き戻すことができました。ただ、彼らはカウンターがとても危険なチームなので、アラートになりながら、注意を払いながら攻撃をしていました。その後良いゴールが決まり、難しい試合をモノにすることができました。

前半にもう少しテンポアップしたい狙いがあったのでは?
その通りだと思います。芝も深かったですし、グラウンドがイレギュラーで、なかなかスピードを上げるのが難しい状況でのプレーでした。もうひとつは、芝が影響してか安全なパスを出す機会が多く目立ちました。それがよりプレーを遅くした要因だと思っています。後半はより前に向かうプレーが増えて、より決定的なチャンスを作ることができたと思っています。

レアンドロの状態は? 彼がいないことで何か影響はありましたか?
レアンドロは少し違和感がある状況です。彼はとてもクオリティが高い選手なので、前節でも言ったように、彼がグラウンドにいたら大きな貢献ができる選手です。

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選手コメント

MF 35藤本 寛也

まずは試合を振り返ってください。
押し込んだり、押し込まれたりする試合でした。しっかりと押し込んでいる時にあのように1点をとれたことは大きいですし、押し込まれてもチーム全体で1点を守り切れたのは、今日の試合では大きかったです。

自分たちの戦い方としては、もう少し長くボールを保持したかったでしょうか?
そうですね。点を獲った後に少し押し込まれるシーンが多かったんですけど、今日は試合を通してそうなんですが、そこで撥ね返した後のセカンドボールとかこぼれ球のところで自分たちが先に触らないといけないシーンが多かったかなと思います。

その中で、決勝点を決めました。その場面を振り返ってください。
自分が中央の左サイド寄りで自分が受けた時には、シュートを打とうと決めていたので、しっかりとボールに当てられたことが良かったかなと思います。

ドウグラスが相手を釣るように前に動き出したところは視界に入っていましたか?
それは見えていなくて、でも、ドウグラスも『シュート!』と言っていたので、それが聞こえて打とうと決心した感じです。

シュートからゴールまでの動きはイメージ通り?
上手く自分がシュートを打ちやすいところにボールを置けたことで、しっかりと強いシュートを打つことができました。ゴロのシュートを打っていけと言われていたし、シュート自体の量も増やしていくように言われていたので、それを意識したことが良いゴールになったのかなと思います。

ゴールの直後にもアラン選手とのコンビネーションで決定機を作りました。
あそこをしっかり決め切れれば、その後の試合展開も楽にできたし、こちらのペースで試合を運べたかなと感じるので、決め切らないといけない場面でした。

連勝でホームに帰り、次節は勝ち点の近い大宮と直接対決を戦います。
連勝というのは気にせず、次の目の前の相手に勝つために、しっかりと全力で準備をしていきたいと思います。

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GK 21上福元 直人

試合を振り返ってください。
試合前から、相手の個々の能力の高さがあるので、順位は下にいましたけどとても能力の高いチームだということは分かっていたので、難しい試合になるだろうなとは予想していました。でも、試合前からこの試合は勝ち点3を獲りに行くと思って、試合中も強い想いを持ってプレーできていたので、それを実際に結果として体現できたので良かったです。

後半の押し込まれた場面で、ご自身のセーブで流れをチームに引き戻したように感じました。
相手のストロングポイントが発揮されたシーンが何度かあって、ゴール前のところで僕だけではなくて、全員が粘り強く守れていたと思います。そして、集中力を保って90分やり続けられたことが良かったと思っています。

2試合ぶりのクリーンシートでした。
毎試合目指していることなので、その目標を達成できたことは非常に良かったです。先ほども言いましたけど、順位が下の相手に対して勝ち点3をしっかりと積み上げられたということは、チームとしてまた一歩成長できたと感じています。

次節、ホームで勝ち点が近い大宮と戦います。
個々の能力もチーム力も高いチームだということは分かっていますし、非常に難しい試合になると予想していますが、強い気持ちを持って、今日の勝利もしっかりと次の試合に勢いをつなげられることも大事ですし、必ず勝ち点3をとるという気持ちで臨みたいと思います。

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