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MATCH試合情報

2017 明治安田生命J2リーグ 第23節 - 湘南ベルマーレ vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

ここ2試合勝利から遠ざかっているヴェルディ。後半戦の2戦目は、首位の湘南ベルマーレと敵地に乗り込んで戦った。メンバーの変更は2か所。ダブルボランチは内田達也の相棒に中後雅喜をチョイス。3トップの左には、古巣との対戦となる梶川諒太を起用した。

 

前半戦で2-3で敗れて首位から引きずりおろされた相手に対して、雪辱を期したいヴェルディだが、序盤はボールを保持する相手に押し込まれる。ようやくファーストシュートを打てたのは6分だった。ここリズムを作ると、サイドを起点にして高い位置でボールを動かし、相手のバイタエルエリアに侵入する。8分にはドウグラスとのワンツーで梶川がペナルティエリア内にフリーで抜け出してシュートをゴール左隅に流し込んだが、これはオフサイドのきわどい判定で取り消される。ここで消沈せずに一気にリズムを引き寄せようと前に出るヴェルディ。12分、15分と続けてサイドを起点にチャンスを作るが、どちらもネットを揺らせない。すると流れは徐々に相手へと傾く。23分にはバイタルエリアでフリーでシュートを打たれるが、これは柴崎貴広が好セーブではじきだす。39分にはワイドな展開からゴールファーサイドでフリーでヘディングシュートを打たれるが、わずかにゴールの右へとそれた。45分には右サイドで走り勝った安西幸輝がドリブルで中央にカットインしながら相手守備陣を2枚はがしてチャンスを作るが、シュートは相手GKの懐に収まった。

 

わずかな差が結果に直結する強度の高い試合の中で、ヴェルディは攻守両面でポイントを整理して後半のピッチに立った。立ち上がりこそボールを持って押し込み、バイタルエリアに侵入したがシュートまで至らず。逆に8分にまたもやワイドな展開からフリーでシュートを打たれるが、これは相手のシュート精度に助けられた。徐々に相手がボールを持つ時間が長くなっていくと、62分に均衡が崩れる。コーナーキックでゴール前に起点を作られると、ボールをかき出す前にゴールに押し込まれて失点。前半から何度となく続いたコーナーキックを凌ぎ切れずにリードを許した。リスクを冒して攻める必要がある展開の中、積極的に交代カードを切る。70分、ドウグラスに代えて高木大輔を、中後に代えて高木善朗を投入。その後、高い位置で起点を作った高木兄弟が前を向いてボールを運び、何度となく相手ゴールが見えるチャンスは作り出した。ペナルティエリアまで侵入するが、しかしシュートは枠を捉えられない。すると前掛かりに攻め込んでいる隙を突かれる。78分にカウンター気味にボールを運ばれると、プレスを剥がされてフリーでミドルシュートを打たれて追加点を許す。リードを広げられたことで追い詰められたが、ヴェルディの選手たちは焦らずにゴールへの筋道を見出そうとボールを動かしてチャンスを窺った。しかし、前からのプレスの手を緩めない相手に対してパスワークの精度は上がらず、ボールは高い位置に運んだが、決して自分たちのリズムとはいえない展開で試合が進んでいく。そのままゴールを奪うことはできず0-2のままタイムアップを迎えた。

 

3試合遠ざかる勝利に向けて、どのように立て直すのか。登録が予定通り進めばカルロス マルティネスがデビューを迎える。新たなピースをどのように組み込むのか。この1週間でのアプローチにチームの今後の展望が委ねられる。

 

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】

――自分たちの時間の中で最後決め切れない試合になりました。

「やっぱり、最後のところで決めるか、決めないかという部分はサッカーではよくあることです。どちらが先にゴールを取るかというものでもあるので、ああいう良いリズムの時に決めないとダメです。前節もそうでしたが、良いリズムの時に点が取れず、最後にセットプレーから追いつけましたが、先に点を取れるかという部分で毎試合の結果も変わってくるので、今日もああいう展開で点を取れればという感じです。そこで点を取れるのが強いチームだと思います。逆を言えば、湘南がああいう展開で点を与えなかったからこそ、こういう結果に繋がったと思います。良いリズムの時に点を取り切るということに関しては、今後もこだわってやらないとダメですね」

――フィニッシュにかける枚数の差も影響していますか?

「枚数が多ければフリーになる確率や最後が合う確率も高くなると思います。ただ、シュートを打つ選手がどれだけ精度高く打てるかだったり、その前の選手が良いボールを出せるかですね。結局、1人でゴールを決める選手もいますし、3人の連係で決める形もあると思います。もちろん、枚数が多ければ多いほど確率は上がりますし、相手がマークを絞るのが大変になるという部分もあります」

――途中交代になりましたが、ご自身のコンディションはいかがでしたか?

「あの時間帯は自分でも厳しい感覚はありました。ただ、みんな僕よりも試合に出ていて疲れもあると思うので、久々の試合という疲れもありましたが、あまり気にせずにやっていました」

――ここ最近失点が続いていて、耐えるべきというところで失点してしまっている印象ですが。

「0-0で良い時間もあれば、相手の時間もある中で前半に関しては抑えられていたと思います。その中で1点を取れればという気持ちもありましたが、やっぱり先に失点してしまうとダメですね。ここ最近、なかなかゼロという試合がないので、そこらへんは今日のように我慢すべき時間帯で我慢できればいいのですが。5連勝していた時は我慢しながら最後に1点を取るとか、そういう試合もありましたし、もう少しのところで失点してしまうという部分に関しては自分たちでもっと意識して常にやっていかないとダメです。立ち上がりから最後まで、とにかくゼロで行ければ負けることもないですし、最後に1点取れれば勝ち点3も取れます。もちろん、前半の立ち上がりに点を取れる試合ばかりではないので、ゼロに抑えることも大事です」

――前半に関して球際で戦うという姿勢を見せていましたが。

「やっぱりチームとして大事なことですし、相手に限らずという部分もありますが、首位や強いチームに対して怯んでしまうことはまずいので、チームとして勢いを持って戦うこと。自分自身久々の試合で気持ちの昂ぶりがあったかもしれませんが、そういうところで負けないということは意識して入っていました」

 

 

【試合後選手コメント:MF 38 梶川諒太選手】

――古巣対戦でしたが、どんな気持ちで試合に入りましたか?

「勝ちたい気持ちで臨みました。入りも悪くなかったですが、あれ(自身の決定機)はオフサイドだったのかなという気持ちでした。サイドからコウキやアンカズが惜しいクロスを入れてチャンスになりそうな場面もありましたが、そういうところで決め切れなかったこと。あとは後半に入っても湘南は運動量が落ちないので、そこの差が今日は出たのかなと思います」

――最初の決定機はかなり際どい判定でしたが。

「あの形のワンツーでオフサイドはないと思っていましたが、僕のところからはよく見えませんでした。ドゥグはオフサイドではないと言っていましたが、今回もオフサイドかと思いました」

――ハイテンポに持ち込んだ前半のゲームプランに関して聞かせてください。

「毎試合、スタートからきっちりスイッチを入れていこうということは言われているので、その守りに入るというよりは、前半にしっかりと点を取って折り返そうという形でした。これまで1点目の後に2点目を取れず、後半やられてしまった試合もあったので、そういう面で前半からもっと勝負を決めていきたいという思いもあります」

 

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】

――試合を振り返ってください。

「前半の最初から真ん中まではチャンスも作れていましたが、その流れで決め切れなかったです。後半もうまく守りながら、攻めながらというところで、セットプレーからやられてしまったので、もったいなかったです。前節もセットプレーからの失点でしたが、そこで流れを持って行かれてしまいました。」

――後半に関しては相手のウイングバックに深いエリアまで侵攻される場面が増えていましたね。

「後半に関してはこっちのプレスがかからなくてコンパクトになり切れず、後ろに重くなった中で高い位置を取られてしまいました。本当はもう少し、前で守れれば良かったのですが、難しい展開でした」

――前半に関してはボールホルダーに対して、タイトに守って安定した守備だったと思いますが。

「それが狙いでしたし、ある程度できていました。ただ、それができなくなった時に少し下がってしまいました。うまく間で受けられて捌かれて、相手の方がミスも少なかったです」

――こちらの決定機の中で崩し切る場面もありましたが、最後のところで粘られましたね。

「崩してはいたのですが、最後の個のところで決め切れないですね。それはここ数試合同じですね。良い時間帯に決め切れないことが多いですね。今日も前半に関しては枠内シュートも多かったですが、相手にとってそこまで恐い攻撃ができなかったかもしれません。カジ君がゴールに入れたのもありましたけど、1点がほしかったです」

――前半0-0で終えたことに関してチームとしてどんな受け止め方をしていましたか?

「攻め方に関しては前半悪くなかったですが、前半終盤にプレスがかからず下がってしまったことに関して、もう一度前から守備にいこうという話をしていました」

――ここ最近失点が続いていて、耐えるべきというところで失点してしまっている印象ですが。

「ここ最近、無失点試合がないですね。最初の頃は攻撃の形がなくて割り切って守れていた部分もありました。ただ、相手が決定機を外すことが多く、今はそれをモノにされている印象です。ただ、間違いなく甘さがあると思うので、そこは引き締めていきたいです。今日も何ともないコーナーキックでクリアのチャンスもあったので、あそこに関しては緩かったです」

――昇格プレーオフ圏外に落ちたことに関してはどのように捉えていますか?

「まだ後半戦に入ったばかりでたくさんの試合があるので、積み重ねて勝っていくしかないです」

――今後は1試合毎のプレッシャーも高まっていくと思いますが。

「最後になるに連れて重くなっていくので、稼げる時に勝ち点を稼がないと後が苦しくるので頑張っていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】

――前半にいくつか決定的な場面に絡みましたね。

「ドリブルで1対1を仕掛ける場面で抜けましたし、クロスも良いボールを上げられました。自分のシュートシーンもうまくイバ君が良いボールを出してくれたので、あとは自分のシュートというところで、ああいうチャンスを決められなければ、こういう試合になってしまいます」

――中後選手からのスルーパスに抜け出してクロスを入れる場面もありましたね。

「チュウさんがあそこのポジションに入ると、信頼して走れますし、あそこはチュウさんがすごく良いボールをくれたので、自分としては折り返すだけでした。正直なところ、あそこはシュートを打ってほしかったです」

――前半1点でも決めていればという展開でしたが。

「やっぱり決めるところで決めなければ、難しい試合になりますし、後半相手は良い流れでコーナーキックを奪ってからの得点だったので、相手が一枚上手というか、首位のチームはこういう勝ち方ができるのかなと思います」

――個の局面では互角だった印象もありますが、勝敗を分けたポイントについてどのように考えていますか?

「1対1での仕掛けやポゼッションなどやれていることは多かったですが、組織的に走り切るとか、相手は諦めずに最後までボールを追ったり、獲れないと思ってもみんなが連動してボールを奪いに行くなど、そういった意識がゴールに繋がっていると思います。はたから見れば、良い試合をやったと思うかもしれませんが、ゲーム内容含めて相手の方が良かったと思います」

――後半に関してはボールの失い方が悪かったように見えましたが。

「流れがあるので、前半自分たちが良い流れで点を取れず。後半悪い流れが来るという意識の中でやられてしまったので、こういうゲームを落とすとプレーオフにも行けないですし、こういうゲームを勝ち試合にしていかなければダメです。湘南さんから良い刺激をもらったというか、全員が諦めずに球際でも来るので、そういう部分が自分たちに必要だと思います」

――前半から飛ばしているように見えましたが、前半のうちに先制するというプランだったのでしょうか?

「先に点を取るのと、取られるのでは全然展開が違ってきますし、今回は粘って粘って最後に1点を取れればいいなと思っていた中、思ったようにさせてくれないのが、首位のチームだと思いました。ああいう形のコーナーキックを決められてしまい、流石だなとも思いました」

 

 

【試合後監督コメント: ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督】

――試合を振り返ってください。

「前半は良いプレーができたと思います。彼らを上回った時間もあったと思います。エリアまでたどり着いてチャンスも作れましたが、ゴールを決められませんでした。後半最初の15分はボールを簡単に失い過ぎて、そこを相手に付け入られてコーナーキックをたくさん取られてしまい、そのたくさんのコーナーのうちを彼らはゴールに結び付けました。後半最初の15分が試合のカギだったと思います。後半失点した後のプレーは良かったと思います。積極的に攻めてチャンスも作りましたが、相手に2点目を与えてしまいました。リスクを冒して攻めていたので、相手がその裏を取って点を取りました。それはリスクを冒して攻めた結果だと思います」

――2失点目の対応に関してラインコントロールに問題があったのか、居るべきところに人が居なかったのか、足りなかったものに関して教えてください。

「あの場面ではカジのスライドが少し遅れてしまっていました。彼はすごく走っていたので、疲れていた面もあったと思います。あとは相手のシュートが素晴らしかったと思います」

――ハイテンポな展開の中で前半のうちに点を取りたかったという印象でしょうか?

「前半は狙っていたプレーができチャンスも作れていました。後半は相手のプレスが強まり、ボールを失ってしまいました。自分たちがボールを失ってしまい、ボールがない局面ではとても普通なチームになってしまうと思います。前半にオフサイドになりましたが、惜しいチャンスも作れていましたが、これから上位に行きたいのであれば、自分たちが狙っているプレーができている時に、ゴールを奪うことが大事です。相手のゴールが決まって、こちらが前に出なければならない展開というのは、この暑さもあって前に出ることは厳しかったです」

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