MATCH試合情報
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【試合展開】
前節、ツエーゲン金沢を相手に4-1と快勝して流れを引き戻したヴェルディ。今節は、横浜FCをホームに迎えて、今シーズン8度目となる連勝のチャンスに挑んだ。メンバーの構成は前節と変わらず。サブには負傷明けの二川孝広が戻ってきた。
ここ数試合、立ち上がりから前への圧力を強めてペースを握り、自分たちのリズムで試合を進めてきたヴェルディ。この試合も主導権を握り、序盤の球際の競り合いを制して相手を押し込み、チャンスを作り出した。最初の決定は13分。ハイボールの処理を誤った相手DFのクリアミスがゴール目の前の澤井直人の足元に飛んだが、コントロールし切れずにGKの正面を突いた。24分にはコーナーキックの流れから相手をワイドに揺さぶってネットを揺らしたものの、オフサイドの判定でゴールは認められず。31分には中後雅喜がDFを巧みなシュートフェイントでかわして鋭いミドルシュートを放つが、相手GKに弾き出された。33分には突破を許して危険な場面も迎えたが、これは枠の外でことなきをえる。40分には右サイドでボールに絡んだ船山祐二がゴールの隅を突くミドルシュートを放つが、これも相手GKが伸ばした手に弾き出された。前半終了間際にはピンチを招く。相手はロングボールを前線のイバにあてて、単独突破で打開する形をひたすら狙ってきたが、相手に寄せ切れずにペナルティエリアへの侵入を許す。シュートは前に出た鈴木椋大が身体に当ててブロックした。
前半の勢いをそのまま持続したいヴェルディだが、徐々に相手も中盤でのタイトなプレスから盛り返していく。それでもラインを高く保ち、コンパクトな陣形で粘り強く戦っていたが、66分に一瞬の空白が生まれる。相手DFが自陣深くから蹴り込んだロングボールに対して、ハーフラインで前に出てセンターバックが対応するが、ボールに触れずに後ろに逸らされる。背後には、唯一の警戒ポイントだったイバがフリーで待ち構え、必死に戻った安在和樹の守備もむなしく、前に出た鈴木の股を抜かれて失点。その後は、長いボールを使って試合をぼかし始めた相手に対して、ボールをつないでサイドから打開して活路を見出そうと奮闘するも、割り切って守る相手のブロックを崩し切れず。逆に90+4分には、手薄になったサイドのスペースを使われて追加点を許す。最後の最後にダメを押され、8度目の連勝へのチャレンジはまたも失敗に終わった。
リーグ戦はあと1試合で2週間の天皇杯ウィークに突入する。敵地に乗り込む徳島ヴォルティスとの一戦に必勝の決意で臨み、天皇杯で今一度自分たちのリズムを再確認して終盤の反撃に備えたい。
【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】
――試合を振り返ってください。
「今日は相手のやりたいサッカーをやらせてしまいました。いくら自分たちに良い時間があっても、点を決められないと今日のような展開になってしまいます。また、相手に決めるべきところで決めさせてしまった結果の0-2というスコアだったと思います」
――今日はイバ選手のフィジカルに苦戦した印象ですが。
「そもそも今日の相手の2トップは自分たちが簡単に勝てる相手ではなかったので、自分たち(センターバック)が競り合って、いかにその後のボールを拾うかという、試合でした。そこで後手に回る時間帯はうまくいきませんでしたし、逆にうまくいった時間帯は自分たちのペースでした。それをいかに長くできるかという部分が、今後の課題です」
――相手の2トップに偶発的に収まってしまった後の対応に関してはいかがでしたか?
「あそこはシンプルに自分個人の問題なので、チームがどうクリアさせるかというよりも、そこを自分たち(センターバック)が処理できるかという部分です。それは僕たちがやらなければいけない、あるいは責任事項だと思っています。ああいうやられ方は僕たちの責任です」
――2失点目ではスローインの場面で味方同士が被るなど、ややもったいない対応になってしまいましたが。
「時間も時間だったので、みんなも前に行こうという意識があったと思います。ただ、スローインの場面では相手を中に行かせてしまったので、それが決め手になったと思います。本来であれば、外に行かしてみんなで囲い込む対応がベターでしたが、中に行かれてしまったので、一度中に集結させられて外に展開されてやられたので、気を付けないといけないと思います」
――今回も連勝を逃してしまいましたが。
「それだけ連勝は難しいことだと思いますし、だからこそ次で取り返せるように、また練習からしっかりとやっていくしかないです」
――ご自身としては次節累積警告で出場停止となりますが、次の出番に向けてどう調整していきたいですか?
「次は天皇杯になるので、まだ分かりませんが、自分がキャプテンとしてやるべきことをやるだけです」
【試合後選手コメント:GK 31 鈴木椋大選手】
――1失点目の場面を振り返ってください。
「まだ十分に整理はできていませんが、あそこは平君が競りに行って、イバ君(井林)がカバーにし行って引き出されたと思いますが、アンカズ(安在)も左サイドで内側を取れていなかったので、全体的にポジショニングが悪かったです。ああいう形で1点取られてしまうのは、もったいないです。失点場面では自分も詰めてコースを切ったと思いましたが、うまく決められてしまいました」
――2失点目はいかがですか?
「自分たちが前がかりになっているところで、どうしてもフリーになる選手が出てくるのは、しょうがないと思います。ただ、映像を見た感じではごちゃごちゃと3人が混戦になったところで、球際で獲り切れなかったことは問題です。あとは(澤井)直人のポジショニングの指示を自分がうまくできず、(安西)幸輝は内側に入ってきた相手を対応して逆サイドが空き、あそこで直人がボールに行ってしまったという部分で、自分のコーチングのやり方次第では防げたものでもあるので、2失点ともに自分の力のなさを感じています」
――自分たちが圧倒的にボールを支配するという部分でGKとしては難しい試合ですね。
「攻められていなくてたまにシュートが来るというのは、自分的に集中力を保つという部分で難しいですが、別に集中していなかったわけではないですが、結果的に失点しているので、そういう部分が足りなかったと思っています。ああいうところで勝たせられるキーパーになりたいです。チームも連勝がないので勝たせられる選手には、ほど遠いと感じています。今いるメンバーで何とかもうちょっと連勝ということを意識し過ぎず、一個一個勝っていけば、勝手に順位は上がっていくので、今日もあまりやられたわけではないですが、自分たちの中でうまく解決し、まだまだ試合は続くので切り替えていきたいです」
【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】
――試合を振り返ってください。
「前半のうちに勝負を決めたいという気持ちがありました。今日は前節よりも身体が動き精神面でも整ってきた中で、前半で勝負を決め切れなかったことが敗因です」
――前半は右サイドで積極的に仕掛けていましたが。
「クロスを意識していましたが、どうしてもクロスに入ってくる枚数が少ない状況で上げなければいけなかったので、自分がピンポイントで上げられるように練習していきたいです」
――戦前には守備的に入る可能性も話していましたが、実際はかなり攻撃的にプレーしていましたね。
「運動量では勝つ自信もありましたし、対面の野村選手はうまい選手だったので、疲れさせる意味合いもありました。うまい具合に高い位置を取れて、澤井とともに縦を崩せていけたので、そこに関しては良かったと思いますが、もっとクロスを上げる際に人数をかけていかないと点は来ないと思います」
――ゴールレスで後半に臨んだ際にどんなことを考えていましたか?
「絶対に悪い時間帯も来ると考えていて、そこで気持ちを引き締め直してやることを意識していました。ただ、うまい具合に相手のフォワードにやられてしまいました。やっぱり1失点すると、相手も引くので追いつけないという気持ちもありました。正直、2失点目よりも1失点目で決まってしまった印象です」
――相手の5バック気味の守備的布陣は戦いにくかったですか?
「そうですね。後半から対峙する選手がどんどん変わっていったので、正直なところやり辛かったです。そこでも打開していかないといけないですし、サイドからのクロスは得点に成りやすいので、その精度を追及していきたいです」
――何度か中に切り込んで左足からのクロス、シュートという場面がありましたが、精度の部分はいかがですか?
「シュートの部分に関しては、試合終盤でも抑えて打たなければならなかったと思っています。そこは練習から改善すべき点です」
――連勝への意識はいかがでしたか?
「今日はすごく気合いも入っていましたし、(J2通算100試合出場のセレモニーのため)宮崎からお祖母ちゃんも来てくれていたので、今日は『行くぞ』という気持ちでしたが、相手の方が良いサッカーをしたので、自分たちが負けたのだと思います」
――セレモニーのため、宮崎からお祖母さんが来てくれましたが。
「宮崎から来てくれて初めて観に来る試合でセレモニーにも出てくれて、ありがたいという気持ちです。元気な姿を見せたかったですが、今日は勝てなかったので、次回は必ず勝ちたいです」
【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】
――試合を振り返ってください。
「たくさんの観衆の後押しを背に、すごく良い雰囲気で戦わせてもらったことに、まずは感謝したいです。前半、自分たちは相手の方向に向けて攻撃も守備もしっかりとやっていく中で、この試合も良い入りができたのかなと思います。ただ、相手のストロングポイントである2トップの起点という部分で、鋭い攻撃を2度ほど受けてしまい、最終的には五分の展開だったと、前半を振り返っています。その中で後半、もう一回自分たちが良い入りをすること。また、ボールをしっかりと動かしながら、深い位置に入っていく中で、たった一回の長いボール、そして相手がシステムを変えてきたこともあり、その部分でチャレンジ&カバーがうまくいかず、あっさりと背後を取られてしまったことが、すごく悔いが残ります」
「その後、相手の [4-2-3-1]のシステムに対して、そこのボランチの脇を突きながら、うまく外を割っていって深い位置からのクロスで自分たちがチャンスを見出す中で、何度かチャンスが来ましたが、それが入らず、残念なことに後半アディショナルタイムに相手のスローインから内側に入られるという、やってはいけないミスで2点目を食らってしまい、勝つというチャンスがすごく減ったのかなと思います。ただ、そこからサポーターの声で自分たちがゴール方向に気持ちを持っていき、チャンスも作れましたが、非常に残念なゲームになりました。次のアウェイ戦で徳島に対して、もう一回チャレンジしていかなければならないので、18人だけでなくトップチーム全員で向かっていかなければならないと思うので、しっかりとメンタルコントロールをして次に向けて、またそれに勝つことで、何度も言っていますが、連勝ということが今後に向けたキーとなると思うので、2度続けられるように準備していきたいです」
――前半の入りが良かった中で決め切れない部分の要因に関して聞かせてください。
「前々節の京都戦も最初に自分たちにチャンスが来て、それを決められず、相手に決められて0-1で試合を折り返しました。この間の金沢戦は自分たちに最初にチャンスが来て、その最初のコーナーキックをショートコーナーから自分たちが入れられて、追いつかれましたが、1-1で試合を折り返しました。自分たちは今回もチャンスを握っていた中で、ハーフタイムに話したのは、もう1つゴール前のところで、バイタルのところで前を向けることが多かったので、そこでスルーパス、ないしワンツーで入っていく人間の距離感を作りながらシュートを打てれば、もう1つアイデアの中で相手を苦しめられたし、よりゴールの確率が高い選手が出てきたのかなと、ハーフタイムに選手たちに話しました」
――今日負けた一番の敗因は何処だと考えていますか?
「やはりサッカーである以上、ゴールを奪う。ゴールを守るというところが、相手に上回られたこと。そして、大事だったことは、サッカーでは1つのミスでやられてしまう。また、そういうミスを自分たちが突くことで、勝つチャンスを得る。そういう部分で自分たちが隙を作ってしまった。例えば、失点の場面では1人の選手に対して、2人がボールに行ってしまったことで、自分たちの背後に走られてボールを出されてしまったので、そういうことを90分の試合の中での集中力、声を掛け合うという部分が足りなかったと思います」
――今日の敗戦を教訓にしてこれからの試合にどのように生かしていきたいですか?
「自分たちが良い状態、良い時間帯が多い中で、継続していく部分は、前へのプレッシャー。人をボールを追い越していく選手を増やしてくことだと思います。そして、改善すべきポイントは、前後左右の声掛けや、ディフェンスは横並びになってしまうとやられてしまうものなので、そこの部分でチャレンジ&カバー、縦の関係で相手を内側に入らせないような、中央に集結する守備をして、自分たちが良い奪い方をして、前に出て行けるような改善をして次の徳島戦に臨みたいと思います」