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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第25節 - 東京ヴェルディ vs ザスパ群馬

マッチレポート

【試合展開】

前節、上位の清水エスパルスを相手に敵地で1-0で勝利し、今シーズン初のアウェイでの勝利を挙げたヴェルディ。今シーズン初の連勝を目指す今節は、ホームにザスパクサツ群馬を迎えた。スタートのメンバー構成は前節の後半の布陣。井林章と林裕煥のセンターバックに、ボランチは中後雅喜と船山祐二がコンビを組んだ。

立ち上がりの展開はヴェルディのテンポだった。最終ラインから細かくパスをつないでボールを前線に運び、フィニッシュの機会を窺う。ただし、なかなかミスからフィニッシュで終わることができないでいると、カウンターから群馬の鋭い速攻を受けて背走する。6分にはミスからカウンターを食らうも、鈴木椋大が素早い出足で飛び出してブロックしてピンチを凌いだ。最初のチャンスは13分。コーナーキックのこぼれ球を拾った澤井直人がミドルシュート。相手GKがかろうじてはじいたボールを高木大輔が押し込むが、これはオフサイドの判定でノーゴール。23分にはサイドを崩されてペナルティエリアで何度も詰められるピンチを迎えたが、相手のシュートは枠を捉え切れなかった。その直後、チームにとって最初のアクシデントが起こる。24分、14分にも警告を受けていた林が後方からの危険なタックルで2枚目に警告を受けて退場。数的不利の状況にあって、41分には高木善朗、澤井、二川孝広と狭いエリアをつないでゴール前に侵入。二川のシュートはゴールをわずかに捉え切れなかった。するとその直後に2回目のアクシデント。中盤での競り合いの中で中後が眉の上をカット。応急処置でピッチに戻ったが、中盤の要が手負いの状態で前半を折り返した。

退場者を出した後、ラインを下げて対応したチームに対して、冨樫監督は怖がらずにラインをコントロールして相手の攻撃の起点を早急に潰すことを求めた。

しかし、勢いを持って前に出てくる相手に対して、ヴェルディは自陣に押し込まれる。反撃に出ようにも前線に人数を掛けることができず、後方からの押し上げも重い。ひたすら耐える時間が続き、後半も折り返した66分、ヴェルディに千載一遇のチャンスが訪れる。左サイドのスペースにロングボールを入れると、高木善がプッシュして相手守備陣にプレッシャーをかける。DFとGKの連係ミスからDFがクリアし切れなかったボールを高木善が拾い、GKが戻り切れないと見るや思い切って足を振り抜く。ボールはGKを越えて無人のゴールに流れ込んだ。苦しい試合展開の中で舞い込んだ先制点。ここからこの1点を元にどう試合を進めていくか――。試合の組み立てを決断しなければいけないタイミングだったが直後の68分にミスからボールロストして右サイドを割られると、対角線のシュートを流し込まれてあっという間に追いつかれてしまう。このダメージが払しょくできず、77分には鈴木のゴールキックのミスを拾われ、カバーに入ったDFも鈴木もかわされて逆転ゴールを許した。その後は数的不利をひっくり返せずに反撃の機会もなくタイムアップを迎えた。

アクシデントがあったとはいえ、最下位の相手に勝ち点を落としたダメージは大きい。ホームゲームが続く8月上旬までの戦いで、今一度“連勝”というサイクルに乗りたい。

 

【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】

――試合を振り返ってください。

「今日に関してはアクシデントも多かったですし、次に引きずらないように切り替えて行く必要のある試合でした。今日に関しては本当に切り替えて行くしかないです。次の試合でこの影響を出さないことが、最も大事なことだと思います」

――1人少ない中、0-0で前半を終えて後半に向けてどんなことを考えていましたか?

「チームとしては数的不利でも勝ちに行くということは、監督も言っていたことで、だからこそ少しでも前に行ける時は前にという感じでした。結果的に失点してしまったので、結局点を入れたのが、相手のサイドバックであったり、ミスからだったので、一個ちゃんとやっていればない失点だったので、もったいないと思っています。もう一回、守備のやり方に関して見つめ直す必要があると思います」

――先制後のチームのメンタルはいかがでしたか?

「やることは変わらずにやろうと言っていました。ただ、ブロックを作るよりもできるだけ高い位置でボールを獲りに行くという感じでした。ただ、あまり悲観し過ぎることはないと思います」

――先制してすぐに引いて守るプランはなかったのでしょうか?

「そうですね。数的不利でもスライドを1人、1人が速くして運動量でカバーし、できるだけいつものプレーに近いサッカーを意識していました。数的不利でもボールを持つ時間はありましたし、決定的なシーンは少なかったですが、チャンスを作ろうという意識は強かったです。それが最終的に1人足りないだけだったので、次に繋げていかないとダメです。ただ、タムさんとも話したのですが、ずっと後半は3バックにしていたので、先制してから4バックにしてスペースを消す方が良かったのかなと思っています。そこは後ろが守備のやり方を決めるべきなので、スペースの消し方はもう一度突き詰めていきたいです」

――同点に追いつかれてから受けに回る展開でしたが、チームとして一旦立て直すのか、相手と打ち合うのか、どちらの考えでしたか?

「やることは90分間通して変えていないので、相手が前掛かって自分たちがポゼッションできる時はして、ボールを獲れる時は高い位置で獲りに行くのは、変わらず意識しました」

 

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】

――試合を振り返ってください。

「1人退場してしまい、耐える形で我慢しながらの展開の中で先に点が取れましたが、追いつかれて逆転まで行かれてしまい、非常にもったいない試合でした」

――連戦の最後の試合で早い時間帯の退場はダメージが大きかったですか?

「そうですね。でも、そういうこともあるので切り替えて、最後の場面でやられないようにできました。後半の入りは押し込む場面もあって、そこでのチャンスを決められていれば、もっと楽でした。それでも、うまく善朗君が取ってくれましたが、非常にもったいないです」

――今季は先制後、すぐに追いつかれてしまう試合が多いですが、メンタル面はいかがですか?

「やっていて気が緩む感覚はないですが、今日も1点目もミス発信ですし、イムの退場もミスがキッカケだったので、そういうのが多いです。本当にもったいないです。精度の問題や今日に関しては声で解決できることもありますし、声が掛かっているけど、うまく伝わってできていない感じがあります」

――3バックでプレーする感覚はいかがですか?

「3バックは3バックの良さがあって、うまくやれていた部分もあります。だから、あまり問題はないです」

――今季ここぞという試合で結果を残せていませんが、連勝を狙う意気込み以上にプレッシャーを感じる部分があるのでしょうか?

「不安はないですが、連勝がないのは正直、チームとして波に乗れない現状を表しています。今日も1-0で勝っていれば、10人での勝利だったので、普通の2連勝と違うと思いますし、そういうところでここまで落としてしまっている印象です」

――昨年と今年の勢いの違いはどこにあると考えていますか?

「個人的な去年のイメージは1点取れば、ゼロで90分を終えられた試合が多かったですが、今年はそれがなかなかできていないのが気になります。ゼロで終わる試合が少なく必ず失点してしまっているのが、違いだと思います。去年から1点差の試合、特に1-0の試合が多かった中で、今年は1点を取っても、相手に取られてしまっています。今年はひっくり返されてしまう試合もありますし、1-0で勝ち切る試合を続けて自信に繋げられたことが、今年はできていなくて、それが現状に繋がっています」

 

 

【試合後選手コメント:MF 13 船山祐二選手】

――試合を振り返ってください。

「こういうゲームでああいう先制点は非常に大きかったので、その後に少しみんなが緩んでしまったというか、非常にもったいないゲームでした。1失点目では、(高木)善朗と中後さんが被った状態になって、ボールが自分のところに転がってきて、僕も獲れたのですが、獲り切れず、次にタムのところで抜かれてパスを出され、失点に繋がる要素が続いてしまい、やられるべくしてやられてしまった失点でした。今のチーム状況を乗り越えるためにもやられてはいけない失点だったので、現状を物語っている失点でした。ただ、下を向いてられませんし、自分たちは勝つしかないので。締める人が居ないとかではなく、個人個人が締める気持ちを持って、練習からやっていかないと同じことを繰り返す だけなので、練習からやっていく必要があります」

――早い時間帯に1人少なかったのは痛かったですか?

「やり方ははっきりしてくるのですが、前にかける比率が、自分と中後さんのところで前にかけられず、少し面白くないゲームになってしまいました。本当にプラン通りに試合が進み、点を取ることができたので、あれで勝ち切らないといけない、もったいないゲームでした」

――退場後の安西選手の投入は、まずは守備を重視するという感覚でしたか?

「そうですね。イムのところにタムがスライドして幸輝が入ったところで、後ろと中盤は変わらず、前のところでフタさんにちょっと頑張ってもらう形でした。攻めに行く、守りに行くというよりか、いつも通りのポジションに戻しただけでした。前半はゼロで行けたので、プラン通りでしたが、先制してからの1失点目が試合を分けたと思います」

――後ろを3枚にしたことで、ボール回しは良くなった印象ですが。

「3枚にして自分たちが回るぶん、相手も回し易くなったというか、3枚の裏のスペースを突き易くなったので、打ち合いのゲームになってしまいました。そこで勝ち切れなかったのが悔しいです」

――なかなか連勝は難しいですね。

「自分を含めてあそこで1点入った時に、締めていく人間がいるか、自分は色々な経験をしてきているので、そういうところでその経験を伝えていかなければならないですし、やってはいけないミスを犯したことが悔いに残ります」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「清水エスパルスに勝って、自分たちがこの試合の重要性を感じ、少ない時間の中、今日しっかりと戦うべく準備をしてきました。ただ、少し早い時間に1人少なくなって、前半は特に自分たちの時間を作れず、我慢する展開になってしまいました。後半もそういう中でスタートしていって、どこかで自分たちがその人数が少ない中でもプラスになることができるのではないのか、というところで、途中から後ろを3枚にして、3-4-2のような形でしっかりとプレッシャーに行って、一つ前の中盤のところでボールを引っ掛けて、出て行ける形を作りたい。また、後ろの3枚がリスクはあるけども、しっかりとコンパクトにして、サイドで数的優位を作って守備をしていきたいというところで、相手のミスを逃さずに先制できたのは、非常に選手たちが集中できていたと思います。ただ、その後、はっきりとゲームを進めていくうえで、ミスから失点してしまい。また、2点目もそういう形で来てしまったことが本当に残念ですし、やはり10人の中で自分たちには重くのしかかってしまったと思います。選手たちは本当に苦しい中でも我慢して虎視眈々と勝利のため、やってくれたと思います。このゲームで最後逆転されてしまったのは、自分の責任だと本当に思っています。これから1週間ある中で、自分たちからヘッドダウンして力を出せなくならないように、また次はホームゲームになるので、あの力強いサポーターの声援を受けて戦えると思っているので、次のゲームをしっかりと戦えるように、選手たちに話していきたいです」

――アクシデントで1枚変更する中で高木大輔選手に代えて安西選手を投入しましたが、そのほかの選択肢もある中でこの交代を選んだ意図を教えてください。

「どのみち自分たちはセンターバックが居なくなってしまったので、スライドしてサイドバックを入れるのか、あるいはセンターバックを入れるのか、という部分。また、自分たちが追っかけるばかりのサッカーをすると、90分間もたないだろうという予想から、少し前線のスペースを見られる人間を置いておこう。また、限定をしながら守備をしていこうという部分で、非常に残念でしたが、大輔を下げて、慣れている形というか、井林と直也のセンターバックに戻す中で、安西幸輝を入れました」

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