MATCH試合情報
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【試合展開】
前節、早い時間帯に先制しながら終盤に耐え切れずに追いつかれたヴェルディ。4節以降9試合勝利から遠ざかった状況で、J1から降格してきた清水エスパルスとの“オリジナル10対決”を迎えた。前線にリーグトップの9ゴールを上げている大前を擁する相手に対して、ヴェルディは前節からメンバーを入れ替えてこの一戦に臨んだ。右サイドバックには古巣との一戦となる高木純平を置き、田村直也と井林章でセンターバックを組ませた。左サイドバックには5試合ぶりの出場となる安在和樹を起用し、安西幸輝は左サイドMFへ。そしてゴールキーパーには、所属チームの試合ではリーグ戦デビューとなる鈴木椋大を選択した。システムは4-1-4-1で中後雅喜がアンカーに入る形で、高木大輔をセンターフォワードに置いた。
序盤、球際で強さを見せたのはヴェルディだった。お互いにボールが落ち着かない中で、球際で競り勝って高い位置までボールを運んでいく。しかし、好事魔多し。6分、ディフェンスラインをコントロールしてオフサイドを狙ったものの、右サイドを2列目から白崎に飛び込まれてラインを突破され、ゴール前に進出を許して豪快にネットを揺らされた。失点でバタついたのか9分にもピンチを迎える。今度は左サイドからラインを突破されフリーでクロスを上げられると、ゴール正面でフリーでシュートを打たれるが、これは辛くもゴール右へと逸れた。ここから清水エスパルスがやや押し込む時間帯が続き、ヴェルディは守備陣形を下げ過ぎないように我慢しながら耐える。マイボールを拾ってもミスで失う場面が多く、なかなか流れに乗れない。ただし、球際で強さを見せてきたことが好機につながる。44分、相手ペナルティエリア内の左サイドで安在が相手と空中戦で競り勝ってボールを拾うと、前に飛び出してきたゴールキーパーの出端を挫きループ気味のクロスを供給。ゴールを横切ってファーサイドに流れたボールを高木大が押し込んで同点に追いついた。勢いは止まらない。アディショナルタイムも終わりかけの45+2分、バイタルエリアでボールを持った井上潮音がミドルシュートを打つと、シュートコースの密集にいた高木善朗に当たりながらゴール前にこぼれる。ゴール方向に走った勢いのまま高木善がボールに反応すると、ゴールキーパーの動きを見てニアサイドに強烈なシュートを叩き込んで逆転に成功した。
ハーフタイムに冨樫監督から「あと45分残っているんだ!まだ何もつかんでないぞ!」と檄を飛ばされたチームは、前半の勢いを維持したまま試合に入った。前半終盤に投入された井上が攻守に流れを作った。球際で厳しく寄せて、攻撃に切り替わってからは積極的にボールに関与して流れを作る。52分には左サイドで高い位置で相手からボールを奪うと、そのままペナルティエリアのラインを横切るようにドリブルで切れ込んでシュート。日頃、永井秀樹の下で磨いている絶好の形でのシュートだが、力みがあったのかシュートはゴール左へと逸れた。ここからは1点のビハインドを追う清水の勢いを受ける時間帯に入る。FWからDFまでの3ラインが自陣に押し込まれる形にはなったが、ボールに対する執着を失わずにチャレンジ&カバーを徹底してシュートをブロック。デビュー戦の鈴木も落ち着いたフィールディングでボールを抑え、積極的にボールを受けてビルドアップの部分でも相手の流れを切る役目を果たした。二次攻撃、三次攻撃を受けずにヴェルディもカウンターで前線にボールを運んで反撃の姿勢を貫いた。最後まで球際での強さは失わず、追加点こそ奪えなかったものの、戦う姿勢を全面に押し出してタイムアップの瞬間を迎えた。
“オリジナル10対決”という大一番で4節以来実に10試合ぶりの勝利を挙げることができた。ただし、まだ下位グループから抜け出せていない。この試合での勝利をきっかけに流れを変えるためにも、次の試合の結果と内容が大事になる。チームはこの1週間で最高の準備を整えて愛媛へと乗り込む。
【試合後選手コメント:MF 10 高木善朗選手】
――久々の勝利ですが、率直な感想を聞かせてください。
「本当に勝てていない中、いつも応援してくれたみなさんが居たので、本当に今日は勝てて良かったです」
――厳しい状況で迎えた中、どんな心境でこの試合に臨みましたか?
「やっぱり、先制されて厳しい時間帯もありましたが、本当に勝ちたい気持ちで勝った試合だと思います」
――ゴールシーンを振り返ってください。
「ラッキーな形でボールがこぼれて来ましたが、決定的なシーンを決めることができて良かったです」
――古巣清水との一戦を終えた感想を聞かせてください。
「みんな知っている選手ばかりだったので、負けたくなかったですし、少し複雑な気持ちです」
――長男の俊幸選手とは過去にありましたが、大輔選手とは初の兄弟アベックゴールですね。
「大輔はよく取るのですが、自分が取れないことが多かったのですが、今日は取れて良かったです」
――入りのポジションは中後選手と中盤の底に入っていたのでしょうか
「いや、前にいましたが、反対側のドウグラスが前に残って2トップ気味になっていたので、チュウさんと僕たちの間にスペースが空いてしまったので、アンカーのチュウさんの左右の脇を自分が埋めるのはかなりしんどかったです。ただ、システムを変えてくれたので、自分は左サイドに移りました。正直、あのままだったら死ぬなと思いました。(笑)」
――前半はボールホルダーへのサポートが少ない印象でしたが。
「そうですね。ボールを持った時にいつもなら動いてくれる人がいますが、今日はなかなかそういう人が居なかったです。そういう時に自分が前向きにボールを運べればいいと思います」
――その原因はどこにあるとお考えですか?
「相手との兼ね合いが大きいですね。河井君とか巧かったので」
――相手をリスペクトし過ぎていた面もありましたか?
「打ち合いになるまではその傾向がありましたが、打ち合いになってからはみんなが伸び伸びとできていました」
――逆に、後半は球際でチーム全体戦えていましたね。
「あれがスタンダードになってまた来週も戦えるように準備していきたいです」
――サポーターの方に向けてメッセージをお願いします。
「これからもっともっと勝てるチームになって頑張るので応援よろしくお願いします」
【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔選手】
――久々の勝利の感想を聞かせてください。
「本当になかなか勝てなかった中でもこうやって最後まで応援してくれるサポーターのみなさんがいるから、僕たちは踏みとどまれましたし、ホームで不甲斐ない試合が続いていたので、今日は勝てて本当に良かったです」
――今日の勝利をどのように受け止めていますか?
「やっぱり、苦しい時に自分がケガをして出られず、本当に情けない日々が続いていたので、どうしても取り返したい気持ちもありましたし、前節は勝てそうで勝てなかったので、やっぱりサポーターのみなさんとホームで喜び合いたいと思っていたので、その一心で頑張り、勝てて本当に良かったです」
――ゴールシーンを振り返ってください。
「アンカズ(安在)があそこで競り勝った時点で絶対にボールが来ると信じていたので、もう枠に飛ばすだけだったので、決められて良かったです」
――今日もよく走りましたね。
「それが自分の仕事でもありますし、本当に後ろの人が身体を張って守ってくれているぶん、僕たちは前でボールを保持しないといけないので、まだまだ走らないといけないと思います」
――夢だった善朗選手との兄弟アベックゴールの感想を聞かせてください。
「まさか善朗の古巣であるエスパルス戦でできるとは思っていませんでしたが、こうやって苦しい中で兄弟2人で点を取って勝てたことを非常に嬉しく思いますし、これからまだまだ長いシーズンが続いていくと思うので、今後も何度もできればいいと思います」
――今日はチーム全体でハードワークしましたね。
「僕たちはこれを基準にしていかないと勝てないと思うので、このプレーを続けるのはキツいですが、キツいからこそ勝った時の喜びは大きいので、これをベースにやっていきたいと思います」
――心地よい疲労ですか?
「実は、残り20分ぐらいでずっと両足が攣っていて、土肥さんや村田さんに『まだイケるか』と聞かれて、『まだあと5分ぐらい頑張れる』と伝えていました。交代をしたくない気持ちと、チームの足を引っ張りたくない気持ちの両方があって、去年はそれでベテランの選手に怒られたこともあったので、無理をしないように心がけました。その後に(中野)雅臣が交代の準備をしていた時に、交代のボードを見たら30番が見えて、『ダマされた』と思いました(笑)。ただ、逆に熱も入りましたし、90分できたことは自分にとって良かったです」
――前半から厳しいコンディションだったのでしょうか?
「少し前半から気持ちが悪くてハーフタイムには粉薬(胃薬)を飲まされそうになりました。それは酷だと思いました(笑)。 前半のイライラか、脱水か調子が悪く胃の具合を調整する薬があるかとドクターに聞いたら、粉薬を渡そうとしてきたので、『粉はさすがに…』という感じでした」
――フル出場は自信になりますね。
「今シーズンはケガで2度離脱してチームに迷惑をかけていますし、自分が3連戦で点を取れていれば、どうだったのかと悔しさも出てきます。まだまだチームへの貢献度が足りないですし、もっともっとやらなきゃいけないですし、それを求められているので、長いシーズン何があるか分かりませんが、前を向いてやっていきたいです」
――サポーターの方に向けてメッセージをお願いします。
「勝てない間もホームでもアウェイでも応援ありがとうございました。これからもまだまだ長いシーズンは続きますし、苦しい時もあるかと思いますが、一緒に戦ってください。今日は本当にありがとうございました」
【試合後選手コメント:DF 30 高木純平選手】
――試合を振り返ってください。
「10試合ぶりの勝利ということで、勝利の喜びを分かち合うのも久々だったので、本当に嬉しいです」
――古巣清水との対戦でしたが。
「本当に気持ちの昂ぶりを抑えるのが大変でした」
――次節の愛媛戦に向けた意気込みをお願いします。
「勝った流れを消さないためにも、アウェイでしっかりと戦って連勝していきたいと思います」
【試合後選手コメント:DF 6 安在一樹選手】
――5試合ぶりの先発出場の感想はいかがですか?
「とにかく勝つことができてホッとしています」
――同点ゴールをアシストした場面を振り返ってください。
「うまく相手と入れ違えて、GKも前に出てきてシュートを打とうかとも思いましたが、確実な方を選びました」
――試合から遠ざかっていた時期の心境はいかがでしたか?
「正直、だいぶキツかったです。出られない歯がゆさとチームが勝てていなかったので、色んな思いがありました」
――出られない原因はどこにあると考えていましたか?
「単純に去年との比較で自分の仕事量が足りていないと指摘されていたので、その部分です」
――久々の先発出場でホッとした部分はありますか?
「というよりかは、監督やスタッフからラストチャンスと言われていました。そして、今日結果が出せなければ、今年は終わりだと言われていたので、とりあえずセーフだと思います。今日は結果を出してチームも勝ったので、生き延びることができました(笑)」
――ラストチャンスと言われた時の心境はいかがでしたか?
「正直、参ったなと。ただ、それぐらい期待してくれているので、何とか期待に応えようという一心でプレーしました」
――今日は守備でも身体を張ったプレーが目立ちましたね。
「勝ちたい欲を出さないと簡単には勝てないので、最低限身体を張ることができたと思います」
――アシストの場面も身体を張った成果ですね。
「そうですね。競った相手も自分より小さくフィジカルも強くなかったので、入れ替われると思いました。あれは狙い通りでした」
【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】
――試合終了直後には選手全員がくたくたになっていましたね。
「そうですね。ちょっと後半は守備をし過ぎてしまいました。さすがにリードをしていてもう少し自分たちがボールを動かしていければ良かったのですが、ちょっと守備に回る時間が長かったです。ただ、そこで耐えられたことはいいことだと思います。ただ、ゲームの運び方は良くなかったと思います」
――立ち上がりの失点をあまり引きずった様子がなかったですね。
「相手も勢いを持って戦う感じではなかったので、時間と共に慣れてくる部分はありました。自分たちディフェンスラインが意識するのは、カウンターと変なミスからのショートカウンターがありそうな形でしたが、セットした状態で崩されることはなかったです」
――白崎選手に得点以降も危ない場面を作られたことに関してはいかがですか?
「個人の能力が高いですし、そう簡単にボールを獲れるとは思っていなかったですし、それがここまでJ1でプレーしてきた選手が培ってきたものだと感じています。ただ結局のところ、チームで守れればいいと思っているので、あまり気にしなくていいと思います」
――鈴木選手が初出場でしたが、何か連係面で特別意識したことはありましたか?
「普段通りですね。いつもやっていることをやるだけでした。特に、椋大は積極的にコミュニケーションを取ってくれる方なので、良かったです」
――ターニングポイントになると意識した今日の試合で勝利できたことに関していかがですか?
「みんなも自信になると思いますし、ウチは逆転勝利が少ないので、良い試合になったと思います」
――チーム全体でかなり球際で戦えていた印象ですが。
「クリアがクリアではなくなる数が増えるほど、自分たちの試合になるのですが、今までは簡単なクリアを相手に拾われて相手の時間が長くなることが多かったです。ただ、今日に関しては大輔やドウグラスがすごく頑張ってくれて、セカンドも頑張って獲りに行っていたので、そういう部分が結果に繋がったと思います」
――高木大輔選手はかなり走りましたね。
「助かりました」
【試合後選手コメント:MF 20 井上潮音選手】
――非常に素晴らしいパフォーマンスでしたね。
「いや、前半は良かったと思いますが、後半最初のシュートの部分や状況判断の部分をもう少しできたと思います」
――負傷した南選手に代わって前半終盤からの出場でしたが。
「前半残り少ないこともあったので、体力を気にせず、ガンガンやれた部分はありましたし、勢いよくできたと思います」
――決勝点に繋がる場面など、シュート意識を高く持っていましたね。
「そうですね。最近の試合ではシュートが少ないことがあったので、自分から積極的に打っていこうという意識は持っていました。結果的に、ああいう形で得点に繋がって良かったと思います」
――後半はとりわけ守備での貢献が光りましたね。
「後半の立ち上がりにあのシュートを外してしまったので、1点取られたら同点という状況もあって責任を感じていましたし、やっぱり攻撃だけでは良い選手になれないので、そういう部分も意識して特にやっていました」
――後半序盤には上手く身体を入れてシュートを打たせなかった好守もありましたね。
「フィジカルとかバンッと当たるだけが守備ではないと思っているので、予測して先に身体を入れたり、予測で良いポジションを取ることができれば、ある程度やれると感じています」
――後半序盤の決定機はシュートが相手に掠っていたのでしょうか?
「いや、特になかったのですが、踏ん張りが利かなかったです。ああいうシュートは普段から練習しているので、悔しい思いしかないです」
――後半の苦しい時間帯のキープなど良い状況判断もありましたが。
「あのテンポでずっとやっていたら、フォワードも周りの選手もキツいと思っていたので、それはチュウさんと話し合いながら、落ち着かせるところは落ち着かせようという気持ちでやっていました。そういう意味では良かったと思います」
――昨年までJ1で戦っていたチームとの対戦でしたが。
「知っている選手ばかりでテレビで観ていた選手ばかりでしたが、実際やってみた感想は、本当に集中して取り組めれば、戦えると思いました。この集中をどれだけ続けられるかが、今後の課題だと思います」
――デビュー戦後に体力面のことを話していましたが、今日はいかがでしたか?
「後半の途中にキツい時間もありましたが、そこで自分をコントロールし、終盤までもたせるという言い方はおかしいですが、途中から入った身なので最後までもたせたことは、少し成長した部分だと思います」
――ご自身が出場した試合で初勝利ですが、率直な感想を教えてください。
「最後の方は同点になるのと、勝つのでは全然違うと思い、最後の方は集中していました。本当に勝ちたい一心でプレーしました。勝った時は本当に嬉しかったです」
――久しぶりの勝利ですが、次は鬼門ニンスタでの愛媛戦です。意気込みをお願いします。
「今日やったことを続けてできれば、勝利は近づいてくると思うので、とにかくこれをベースにして継続することが大事だと思います」
【試合後選手コメント:GK 31 鈴木椋大選手】
――移籍後初出場で初勝利です。試合を振り返ってください。
「まずは開幕出遅れて、こうやって試合ができるまでに持って行ってくれたトレーナーとドクター、土肥さん、そして今日使ってくれた監督に感謝したいと思います」
――9戦勝利のない中での初出場でしたが、試合に向けてどのような準備をしましたか?
「勝っていない状況だったので、自分が入ることで流れを変えたいという思いだけでした。そのために出場機会を求めて期限付き移籍で来ているので、そこで勝利に貢献することができて良かったと思います」
――ミスから立ち上がりに失点してしまいましたが、どのように気持ちを切り替えましたか?
「立ち上がりに失点したくないと思っていた中、自分自身硬くなっている部分もありました。ミスからの失点でしたが、みんなもすごいシュートだからしょうがないと話してくれましたが、自分自身はあと2、3歩詰められれば、止められないシュートではなかったと思います。今後はそこを突き詰めていきたいです」
――飛び出しの判断やディフェンスラインの背後のケアなど非常に安定していましたね。
「そうですね。フィールドプレーヤーのみんながよく走って守ってくれたので、コーナーキックやセットプレーは自分が何とか楽をさせていきたいなと思っていますし、そういう部分が自分のストロングになってくればいいと思ってやっていました。キャッチできれば最高ですが、今日はパンチングという形で処理しました。そういう部分をもっと経験を積んでいき、チームが苦しい時に助けられるようになっていきたいです」
――ディフェンスラインとの連係はいかがでしたか?
「練習試合とかでもやっていますし、イバ君とかタムさんが声を出して前の選手を動かしてくれるので、僕は空いている選手に声を掛けたりだとか、チュウさんもよく動かしてくれたので、連係は問題なかったです」
――スタメンと聞かされたのはいつでしたか?
「確定というかスタメンで行くぞとは言われていなくて、今日のミーティングで初めて知りました。何となく感じていましたし、流れ的に自分に回ってくると思っていたので、準備はしっかりとしていました」
――スタメンを告げられてから試合に出るまで土肥コーチとどんな話をしましたか?
「後ろとの連係や相手の特徴。こういうプレーが多いから、そこを気を付けようということは話していました。村田選手がスタートから出なかったので、スカウティングと異なる部分もありましたが、そんなに今日は相手の良さを出させなかったと思いますし、苦しい時間もありましたが、ヴェルディらしい粘り強い戦いで勝てて、良い試合だったと思います」
――初出場は昨年までJ1でプレーしていた清水でしたが。
「やりがいがあるというか、最初は『清水か』という気持ちもありました。良い選手がたくさんいますし、J1から落ちてきたので強いという印象もありました。ただ、僕自身J1でやっていたので、そのプライドというか、そういう気持ちをヴェルディに還元できればいいなと思っていました。とりあえず、勝てて良かったです」
――後半はだいぶ押し込まれましたが。
「いや、際どいシュートはそんなに多くなかったですし、正面やフリーキックも読める感じでした。本当に最後まで身体を張ってくれたフィールドプレーヤーに感謝です」
――今日の出場で緊張はなくなりましたか?
「どうですかね。今日、プロで初めてのホームゲームの出場だったのですが、ホームは独特の空気がありますし、チームも勝てていなかったので、どうしてもみんなが勝たなきゃという気持ちを強く持っていました。ただ、そういった気持ちが一つの方向に向かっていたので、それに乗れたと思います。だから、緊張はしていましたが、程よい緊張感でした」
――リーグ戦に関してはプロで初出場でしたが、何か感じたことはありましたか?
「やっぱり、勝つって気持ちがいいなと思いました。自分が試合に出て勝ってみんなとサポーターの方と喜びを分かち合うというのは、何にも変えられないものだと思います」
――これでヴェルディでのスタートを切れましたね。
「そうですね。このエスパルス戦が僕の開幕というか、土肥さんとも話しましたが、今までチームの勝利に貢献できなかったぶん、ここから貢献していきたいです。ただ、一度勝っただけではダメなので、これから連勝して強いチームにしていきたいです」
【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】
――試合を振り返ってください。
「今週は2日ほど非公開の練習を行って、選手たちと外向きにはクローズな中で少しピッチ内をオープンにして、選手たちがピッチ内で作り出すものを清水戦に向けて作ってきました。ちょっと、アクシデントだらけの試合で前半からなかなか自分たちの理想とする展開ではなかったと思います。ただ、早めに手を打ったこと、途中で入った選手たちがプレーを整理できたこと。そして、前半のうちに逆転できたこと。後半色々とポジションを変えた中で、選手たちがしっかりとプレーの選択ができたこと。それらが全て揃ったことが、最後に勝ち点3が来たのかなと思っています。あとは自分たちにとって本当にサポーターの応援がすごく心強く、最後まで集中力が途切れなかったことは、自分たちにとってすごく大切なことでした。ただ、自分たちには週末にまた難しいゲームが待っているので、選手たちと一緒に次のゲームに向けて、準備して臨みたいと思います」
――鈴木選手をこの試合から起用しましたが、その理由とチームに与えた影響について聞かせてください。
「椋大に関しては、ずっとコンディションが整ってくれば、ポジション争いができると思っていましたし、プレシーズンの時から柴崎とガク(太田)と非常にレベルの高い争いをしてくれていました。ただ、少しケガが長引いてしまい、なかなかコンディションが整わなかったことが、ここまでズルズルと来てしまった理由だと思います。ただ、ゲームに出て本当にボールを取った後のファーストパスといったところが非常にスムーズで、またしっかりと落ち着いてコーチングや連係を取れて集中力が続いたことは本当に良かったと思います」
――前半からシステムや選手の配置を変更した意図について教えてください。
「色々と自分たちが分析し、相手がどんな選手で来るのか読み、特に相手には点を取る特徴的な選手がいるので、その選手を消しながら自分たちがどう攻撃に出ていくのか、という部分でシステムを含めて、今週整えてきました。ただ、ちょっとアクシデントがあり、交代を考えていた中で失点をしてしまった。早いタイミングで自分たちがスムーズに攻撃に移りたかった中、井上潮音を投入し、少しタッチ数を少なくテンポ良くサイドを使いながら攻撃に出ようというところで、彼は非常にスムーズにプレーしてくれました」
――前半に交代した南選手はケガでしょうか?
「そうです」
――失点後に続けてピンチを招いた要因をどう分析していますか?
「もしかしたら自分たちはここまでなかなか勝てなかったことによる自信のなさ、指摘された通りに今日も自分たちの試合ではないのかな、という部分が少しあったと思います。サッカーなのでそういう部分のバランスが崩れてしまうと、続けて失点してしまい、負けの道に入ってしまいます。ただ、今日はそこで踏ん張れたこと、途中から出てきた選手が自分たちのやりたいことを整理して、それがプレーに表わせられたことが、自分たちが前半の44分とプラス2分に点を取るまでにシュートを7本打てたことに繋がったと思います。そういう意味で選手たちはピッチの中で自分たちが勝つための機微をうまく感じてプレーしてくれたと前半に関して思います」
――巧い選手に今日のようなハードワークの意識をどのように植え付けたのでしょうか?
「普段のトレーニングから自分たちはそういう部分が、チームの良さだと思っていますし、一昨年と去年があったからこそ今があると思っています。そして、選手たちも今日の試合後に言っていましたが、ここまでやって初めて勝ち点3が来ると実感できたと思います。これがベースとなって次に向かえると、本当に良いチームに、応援されるチームに戻っていけると思います」