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MATCH試合情報

2015 明治安田生命J2リーグ 第35節 - 東京ヴェルディ vs 北海道コンサドーレ札幌

マッチレポート

【試合展開】

前節、敵地に乗り込んで4位アビスパ福岡との直接対決で引き分け、連敗を止めたヴェルディ。悪い流れを止め、残り8試合でここから反攻へと出たいところ。今節はホームにコンサドーレ札幌を迎え、4試合ぶりの勝利を目指した。杉本竜士が警告累積で出場停止のため、FWには高木大輔とアランの2トップをチョイス。その他は前節と同じ顔触れとなった。

様子を探り合った序盤こそ相手のロングボール攻勢に押し込まれた、徐々にマイボールを保持する時間が長くなり、ヴェルディが相手の陣内で試合を進める展開に。ただし、押し込むもののシュートが打てず、最後まで崩しにこだわってボールロストする場面が続く。すると、33分にカウンターから前線のナザリトに起点を作られ、落としたボールを小野につながれて、プレスが遅れたところで左足を振り抜かれ、コントロールショットをゴール隅に流し込まれて先制を許す。その後、攻撃のテンポを上げたいヴェルディだが、少ないタッチでつなぐコンビネーションが影を潜め、サイドで崩していこうとするが時間が掛かって、相手の守備網に追いつかれてしまう。結局、クロスからチャンスを作ることもできたが、決め切れずに前半を折り返した。

ハーフタイムに冨樫監督は、ワンタッチ、ツータッチでのテンポの速いコンビネーションで崩していくこと、後ろから選手が追い越していってダイアゴナルランでペナルティエリアに侵入していくことを中心にスピードに乗った攻撃で相手ゴール前の場面を増やしていくように指示を出した。その一手として、後半頭から澤井直人に代えて高木善朗を投入する。この交代策は効果があった。高い位置で高木善がボールを収め、ダイアゴナルランでFWを追い越してペナルティエリアへの侵入を狙う。68分には、相手DFのギャップを突いてペナルティエリアの中でスルーパスを受けてフリーでゴール前に立つ決定機を作るが、シュートは相手GKのほぼ正面を突いて得点にはつながらなかった。その後、相手を揺さぶって崩してフィニッシュまで持ち込めるチャンスを何度か作り出しながら、決め切ることができず。攻撃のテコ入れで投入した永井秀樹と中野雅臣も持ち味を発揮して攻勢に拍車をかけたが、相手ゴール前にボールが入るものの、引いた相手を前に狭いエリアに強引にボールを入れて撥ね返されて反撃を食らう形を繰り返した。そして、リスクを負って攻めていた代償として、87分にカウンターを食い止め切れずに失点。一矢報いようと攻め続けていた終盤にあまりにも痛い追加点を許した。

プレーオフ圏内に歩を進めてから、対戦相手に研究されて同じようなサッカーを展開する相手が続き、ゴール前に築かれた守備ブロックを崩し切れずにカウンターから失点して勝ち点を落とす悪循環になっている。終盤戦で直面したこの正念場。いつの間にかそびえ立っていた大きな壁を乗り越えて、歓喜の時を迎えることができるか。今こそ、若い力の反発力、そして経験豊富な選手の導く力が問われている。まさに総力戦。残る7試合でこの大きな試練を乗り越えて、プレーオフ圏内を死守しながらチームとしての成長も遂げたい。

 

 

【試合後選手コメント:MF 33 高木善朗選手】

――後半から左サイドハーフで途中出場しましたが、ご自身の出来に関してはいかがでしたか?

「3バックの脇やウイングの横でターンしてボールを受けられたので、そこに関しては良かったと思います。シュートは打ちましたが1本は確実に決めないといけなかったですし、そこは本当に次の試合とかで決められたらいいです。後半の決定機の場面では右足のアウトではなく、左足で決められれば、一番良かったのですが、とにかくちゃんと決められるようにしないといけないです」

――ダメージの大きい敗戦ですね。

「そうですね。でも、1試合1試合戦って最後にどの位置にいるかが大事なので、一喜一憂せずにやっていかなければダメですし、若いチームなのでどこかで乗れればとみんなが思っているので、どっかで勝ってその勢いを持って連勝できればと思っています」

――前半の戦いぶりをベンチから見て、後半に自分が入ることでどう改善したいと考えていましたか?

「まずシュートがなかったので、シュートを打つということと、ボールを持っていましたが、どこでスピードを上げるかというのが、全然決まっていなかったので、そのスピードを上げるタイミングや仕掛けのスイッチとなる役割をやろうと思っていました。後半最初の場面ではスイッチを入れるようなプレーがあったので、それは良かったと思います。ただ、得点に結びつかなかったことが残念です」

――4戦無得点ということに関してどのように捉えていますか?

「自分の中で責任を感じている部分が大きいです。大宮戦でも今日の試合でも決められるシーンがあったので、そこを決められていないから勝てていないという部分もあります。そこを決めないと何をしに帰ってきたのか、ということにもなってしまうので、そこは真摯に受け止めて変えられるところから変えていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 45 永井秀樹選手】

――試合を振り返ってください。

「残り8試合という状況になって、ヴェルディが真剣に昇格を狙っていくという段階で非常に重要な試合で、負けられないという気持ちで臨んだ試合でした。その中で勝ち点を獲ることができなかったのは、正直悔しいです」

――今後の厳しい戦いの中で重要なポイントはどこでしょうか?

「色々戦い方の部分でもそこまでプレッシャーもなく、伸び伸びとやって勝ってきましたが、これからは負けられない、勝たなければ上に上がれないというプレッシャーの中で、若い選手もそういうことを感じて戦っていくことになるので、そういう中で勝っていけるようになることが大事だと思います」

――若い選手が多い中で永井選手の経験は重要ですが、若手に対してどんな言葉をかけていますか?

「普段からプレッシャーを与えてもしょうがないので、伸び伸びとやって自分たちの良いところを出せるようにと思っています。ただ、いざ試合となると、負けられないので、そのへんの厳しさを持って自分たちを含めて、これからもう一度戦っていければと考えています」

――周囲に落ち着けというジェスチャーを何度も見せていましたが。

「僕が入った時間は相手が完全に最終ラインを5枚にして引いていましたし、ボランチも上がってこなかったので、守備を固めている中で、縦に急いでも相手の思うつぼだと思ったので、そこはもう少し周りを見て相手の嫌がることをなるべく数多くやることが大事だと思っていました。それは外から見て思っていたことなので、伝えました」

――昇格争いを戦っている現状についてどのように考えていますか?

「前向きに考えていいと思います。これまでの若い選手たちの頑張りや成長があって、いま昇格が狙えるこの位置にいると思うので、せっかくのチャンスですし、プレッシャーを楽しめるぐらい余裕を持って相手の嫌がるサッカーをして結果に繋げていきたいです」

――常々ヴェルディをJ1の舞台に返り咲かせたいとおっしゃっていますが。

「そうですね。僕や平本もそうですが、ヴェルディが日本のサッカーを引っ張ってきた時代を知っている人間にとっては、いまの若い選手もそういう舞台でサッカーをやってほしいと思いますし、ヴェルディが再びそういう舞台でサッカーをやってもらいたいですし、それが日本サッカーの成長にも繋がっていくと思うので、これからもそういう気持ちを持ってやっていきたいです」

――これからの7試合でプレッシャーを楽しんでプレーするにはどんなことが必要でしょうか?

「僕や平本はそういう経験がありますが、若い選手は初めての経験ですし、だんだん負けると、“ヤバい”と思ってしまう気がします。ただ、そこで委縮してもしょうがないので、そこは良い意味でプレッシャーを楽しめれば、必ず結果は付いてくると思います。監督も常日頃からそういうふうに言ってくれているので、若い選手たちもそういうふうにやってくれると期待しています」

――得点があまり獲れていないホームでの前半の戦い方に関してはどんな印象を持っていますか?

「簡単に点を獲れれば、楽なゲーム運びになって追加点という形にも繋がりますが、基本的にサッカーは100点も入るスポーツではないですし、ブラジルやスペインでも10-0で勝てる試合はありません。基本的に点が入らないという前提で、焦れることなくサッカーをやっていくことが大事だと思っています。得点が入らないとだんだん焦りが出てきて、有効な攻めができないというのはよくあることなので、相手が嫌なことをやり続けることが結果的に前半からの得点というものに繋がっていくと思います」

 

 

【試合後選手コメント:MF 16 中野雅臣選手】

――久々の出場でしたが、自分に出番が回ってくると感じていましたか?

「そうですね。自分の中でいつでも出る準備をしていました。ここ何試合かベンチに入っていたので、出る準備はしていました」

――ピッチに入る前に監督からどんな指示を受けていたのでしょうか?

「前半はアランが後ろの3枚の脇のところを取れていたので、そこをどんどん取って、自分もアランと同じように動き出すようにと言われていました。あとはゴールに向かってボールを運んでいけと言われました」

――プレッシャーのかかる難しい時間での投入でしたが。

「途中からというのは難しくて、外から見ている雰囲気とピッチの中での雰囲気は違うので、その中でどれだけ自分がそれを上回るような気持ちで臨めるかということを意識していました。途中から永井さんが入って中央でボールを収められるようになっていたので、ロングボールと短いボールのところで、自分がもっと受けられれば良かったと思いました」

――自分のどんなプレーを出したいと思ってピッチに入りましたか?

「サイドの安在和樹君と安西幸輝君のところでアーリークロスやオーバーラップというか、中をえぐるようなドリブルの時に、ニアで潰れたり、ニアに入ったり、クロスのところでボールに絡む意識を持っていました」

――監督は左足のシュートを期待していたとおっしゃっていましたが。

「そこは出すことができませんでした。ディフェンスが前に来ているぶん、自分がポジションを下げてしまうと、前のアランが孤立してしまいますし、自分が前に残っていなければならない面があったので、あまり前を向く場面がなかったです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「たくさんのサポーターが応援してくれている中、難しい試合をしてしまい、悔いの残る試合でした。自分たちがすごく守備をする時間があったのかと言われたら、そうではないと感じています。どちらかというと、どう攻略していくいくかという中で、自分としては前半の戦い方に少し悔いが残ります。特に、シンプルに攻撃していくこと、パワーを持って入っていくこと。また、前線からのプレッシャーでしっかりとセカンドボールを獲ることを意識して臨みましたが、なかなか後ろのサポートであったり、またスピード感のない攻撃に終始してしまった。その中で1点目を自分たちのところから失点してしまっていますし、後半はサイドからの攻撃が改善し、ゴール前に入っていくシーンも増えたと思い ます。ただ、その時間帯に我慢し切れず、2失点目も自分たちのところからしてしまいました。原因が自分たちにあること。攻撃も守備の両面であったので、少し悔いが残ります。ただ、これだけ負けていてもまだ6位にいると思うので、これからの7試合で自分たちからその立場を手放さないようにしながら、自分たちは上位と対戦する機会もあるので、自分たち次第だと思っています。7試合後にどこにいれるのか、そのために何ができるかを選手たちと話し合いながら次の岡山戦に臨みたいと思います」

――ここ最近、勝利から遠ざかっていますが、以前とチームの中で何か変化があるのでしょうか?

「もしかしたら思い切り良くやっていた部分が、例えば前半であれば、失点を恐がってしまう。あるいはミスを恐がってしまい、思い切りできなかったのではないかと思っています。それが今の順位なのか、あるいは自分たちが積み重ねてきたことが出せなくなったのか、もう一回映像を見て選手たちと話し合って、自分たちの躍動感を取り戻していきたいと思います。また、自分たちが守るものもなく、思い切ってピッチに立ってほしいと思っているので、そこは自分の責任でもあるので、次のゲームで再び躍動感を持って戦いたいと思います」

――3人目の交代カードで中野選手を選んだ意図に関して教えてください。

「中野と平本と悩んで、最終的に中野を選びましたが、彼のモビリティとサイドが比較的高い位置を取れていたので、左にそんなに人数をかけなくてもクロスボールが入ってくる感じになっていました。あるいはバイタルに入っていくボールが増えていたので、中野はニアに入ってきてニアで合わせるのが非常にうまいので、そういう場面を期待しました。また、彼がターンしてすれ違ってそのスピードの中で、左足のシュートという部分も期待して出しました」

――4戦無得点ということに関してどのように捉えていますか?

「今日のゲームの公式記録はまだ見ていないのですが、違うもので見たところ15本ぐらい打っていました。その前の試合では10本以上打っていることが少なかったので、今日はシュートという部分に関して、本数やゴール方向へのボールという部分はいつもよりあったのかなと思っています。あとはボールが相手のゴールを横切る場面も前半から何度かありましたし、そういう意味では後半のゲームの中でパワーを出していくという部分では、いつもよりはあったのかなと思います。あとはミドルシュートの回数に関しても、今までより多かったと思っています。そのへんに関してはやっぱり、枠に飛んでいくことが大事だと思いますし、やり続けていくしかないと思っています。何かのキッカケでそれがゴールに繋がっていく。それが次のゲームでもキーとなると思うので、しっかりとやっていきたいです」

――後半頭から高木善朗選手を入れて流れが変わりましたが、前半のうちから交代カードを切るという判断はなかったのでしょうか?

「すごくそこは悩みました。前半はそのポジションに澤井がいたと思いますが、澤井は数値に表れない部分での貢献もあったのかもしれませんが、どのタイミングで交代カードを切ろうか、という考えはありました。ただ、前半の中で自分のコーチングも含めて、彼が改善してくれることに期待した部分もありました。それで少し我慢したのと、逆に前半に使わないで後半の頭から使って善朗が入れば、彼のキープとサイドバックの上がるタイミングが出てくると、バイタルエリアが空いてくるかなという印象がありました。特に、前半相手のセンターバックがすぐに下がると感じていたので、3センターバックとボランチの間。ないし、ボランチの間が非常に空いてくると思ったので、そのタイミングで善朗を入れました。後半の最初の場面ではそういった形がよく出たので、あれで決められたらすごくチームとしては、よりパワーを出していけたのかなと思っています。前半に交代カードを切ることで、逆に相手に締められると、今度は打つ手がなくなるのかなとも思っていました。自分としては本当に自信を持って選手を送り出し、その選手が頑張ってくれたので、結果に関しては自分が責任を負うつもりです。また、次の試合に向けて戦術的にもシステムも含めて、次の岡山戦に向けて自分たちのストロングが出せるようにやっていきたいと思います」

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