MATCH試合情報
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【試合展開】
いよいよ2015シーズンの幕開けを迎えた。昨シーズンの雪辱を期すチームにとって、開幕戦で相対するセレッソ大阪は「楽しみな存在」(冨樫監督)だった。J1から降格してきたことが不思議なくらい豪華な陣容で、J2屈指とも呼ばれる戦力を有する。そんな相手に対してヴェルディは一歩も退かないサッカーを展開した。スターティングメンバーには、ここ最近のトレーニングマッチでも主力組で起用され続けてきた三竿健斗をボランチに配置。新加入のブラジル人トリオを主要なセンターラインに起用した。対するセレッソ大阪は、カカウや長谷川アーリアジャスールが欠場したものの、フォルランや玉田圭司、山口蛍や扇原貴宏といった豪華な顔ぶれで味の素スタジアムに乗り込んできた。
序盤からボールを保持したのはヴェルディだった。なかなかエンジンがかからない相手に対して、セカンドボールをことごとく拾って相手陣内で試合を進める。ただし、なかなか効果的な攻撃を展開できず、ファーストチャンスは18分。安在和樹のクロスボールに複数の選手が飛び込み、密集を越えたボールをブルーノが頭で合わせたがボールはゴール上に逸れた。すると、カウンター狙いに照準を定めてきたセレッソ大阪に背後をとられる場面が目立ち始める。24分には絶妙な縦パスで背後のスペースを突かれ、フォルランがフリーで抜け出すが、タイミングをずらしたシュートは佐藤優也が粘り強く食らいついてファインセーブ。その後、押し込まれる時間帯もあり、佐藤のセービングに助けられる場面が続く。逆襲に出たいチームは、38分に安西幸輝のクロスがファーサイドに流れ、フリーの状態だった南秀仁が直接ボレーで合わせたがゴールを捉えられなかった。
冨樫監督は、ハーフタイムに前半のベースとなった戦いの継続を指示。シュートに対する積極的な姿勢を求めた。攻撃姿勢の強調は早々に実を結んだ。後半開始早々の47分、ペナルティエリアの中でくさびをうけたアランがワンタッチでスペースに流し、走り込んだ中後雅喜が体勢を崩しながらも粘ってマイナス気味にボールをリターン。相手の視線を左右に揺さぶったところでリターンを受けたアランが左足を強振すると、ゴールニアに伸ばした相手GKの足をはじいてボールがゴールへと突き刺さった。先制点を奪って幸先の良いスタートを切ったが、その後はセレッソ大阪の猛反撃にさらされた。先制しながらも一歩も退かずに前に出た背後を狙われて、カウンター気味に危険な場面を作られた。あわやという場面が何度も訪れたが、神がかり的なセーブを続ける佐藤を柱に守備陣は集中を切らさずに身体を張り続け、流れの中で失点することなく終盤に突入した。76分にはブルーノの絶妙なスルーパスに平本一樹が飛び込んで絶好機を迎えるが、狙いを定めたシュートはGKに読まれて弾かれた。早く追加点を取って試合を決めたいところだったが、さすがに強烈なタレント集団は黙っていてはくれなかった。79分、ペナルティエリア付近で与えたフリーキックをフォルランに決められて失点。なんとしても勝ち点3がほしいヴェルディは、杉本竜士を投入して押され気味だった展開を打破しにいく。相手に退場者が出たこともあり、数的優位を生かして徐々に相手陣内に押し戻していった。ただし、杉本の推進力を契機にやや流れを引き戻すことはできたが、バイタルエリアを有効に崩すまでには至らず、クロスボールもわずかにあわずに1-1でタイムアップを迎えた。
タレント集団を相手に一歩も退かず、逆に自分たちのカラーであるパスワークと個人技で見ごたえのあるサッカーを展開したヴェルディ。次節のツエーゲン金沢戦では、しっかりと結果を残してホームに戻ってくる。
【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】
――フォルラン選手を軸とした相手の攻撃はいかがでしたか?
「フォルランは相手の背中を取るのが非常に上手くて、こっちの距離感もあまり良くなかったので、センターバックとサイドバックの間のスペースを突かれてしまいました。センターバックだけが下がるだけでなく最終ラインが一緒に下がるという意思統一ができていなくて、ラインがガタガタになったギャップを使われるというのが今日の典型的な形でした。そこはディフェンスライン全体で修正していきたいです」
――初めての公式戦でウェズレイ選手とプレーした感想を聞かせてください。
「彼ははっきりしているので、前に行く場面ではきっちり行ってくれますし、カバーというよりはボールへのアタックを積極的に行ってくれていました。今日は特に相手にボールを持たれる場面が多かったので、ポゼッション時の連係という場面はあまりなかったです。今日はまずまずだったと思います」
――後半のシステム変更で守り方に影響がありましたか?
「今日は2トップのところで山口選手に起点を作らせない狙いがありました。特に(平本)一樹さんはそれを意識してくれていたので、相手が扇原選手を起点にボールを出す場面が多かったですね。起点を一個潰せたという部分ではうまく働きました」
――前半終盤は苦しい時間が続きましたが、ハーフタイムで修正した部分はありますか?
「修正というよりは、ボールを持たれているのが自分たちにとって少し嫌なことだったので、それをハーフタイムでうまくリセットして後半に臨もうと再確認していました」
――セレッソ相手にセットプレーによる1失点のみで試合を終えた点についてどのように考えていますか?
「まだまだ修正しなければならない場面は多いです。ただ、ギリギリで防げているのはみんなの守備意識の高さからくるものだと思うので、そこは次も継続していきたいです。また、フォルランを筆頭にタレント揃いの攻撃陣を相手に踏ん張れたという点は、選手たちも手応えを感じていると思います」
――プロデビューの三竿選手が非常に安定したパフォーマンスでしたが、後ろから見ていた印象はいかがですか?
「18歳とは思えないぐらい落ち着いていましたし、初戦とは思えないぐらい非常に評価すべきパフォーマンスでした。中盤の球際でも身体を張ってくれましたし、本当に三竿と中後さんが頑張ってくれたおかげでディフェンスラインも非常に助かりました。とにかく、彼は良かったです」
――次節の金沢戦に向けた意気込みを聞かせてください。
「昇格した金沢が相手ということで、恐らく金沢はより一層モチベーションが高いと思いますし、今回金沢は大宮に負けているので、ホームで勝ちを狙って向かって来ると思います。僕たちとしては打ち負けないように守備も攻撃もやっていきたいと思います」
【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】
――アシストの場面を振り返ってください。
「はじめは足を滑らせてしまって、でもボールが出ないということは分かっていたので、必死に中へ入れれば、何か起こると思って蹴りました。ただ、全然飛ばなくて……。でも、逆にDFが入れ替わったので、その後にちょっと中が見えたのでそこに蹴ろうと思いました。まさかあんな柔らかいボールが行くとは思いませんでした。確かに見えていたことは確かですが、あんなに良いボールが入ったのは予想外でした。イメージ的にはもう少し強いボールを蹴るつもりでした」
――前半は良いリズムを作っていて、その後前半終盤からセレッソにペースを譲りました。ハーフタイムが修正するキッカケになったのでしょうか?
「キッカケというよりは、戦い方の部分で良い入りができました。相手の能力を考えれば、どんな相手でもペースを握られるという時間は来るので、そこは一回ちょっと我慢してピンチもありましたが、しっかりと意思統一をして守って前半は無失点で終えることができました。後半も良い入りができたので、良かったと思います」
――デビュー戦だった三竿選手が非常に安定したパフォーマンスを見せていましたね。
「本当に頼もしいなと。逆に引っ張ってくれたのではないかと言いたくはないですが、それぐらいの安心感がありましたし、新人というか18歳の選手だと思えないぐらいのプレーをしていたので、安心して見てられました」
――後半途中のシステム変更の影響はありましたか?
「途中から色々の影響で入れ替わった部分もあって、はっきりしなければいけないということもあって確認しました。アランもよく分かっていないと思ったので、一度みんなで確認できたのは大きかったと思います」
【試合後選手コメント:MF 20 三竿健斗選手】
――ピッチに立った瞬間の感想を聞かせてください。
「ピッチに入場して応援歌を聞いて、スタンドに大勢のサポーターが集まっていたので、本当に幸せを感じました」
――個人的には非常に良いパフォーマンスだったと思いますが、ご自身の出来を聞かせてください。
「緊張すると思っていたのですが、案外やれるなと思っていました。ミスもそんなに目立たなかったですし、パスも成功したので良かったと思います。相手の面子を見ると、すごい選手ばかりでしたが、そんなに大差はないと思いました。個人的に大きな自信になりました」
――持ち味の球際の守備という部分は存分に発揮できたのではないでしょうか?
「そうですね。そこで存在感を出せなければ、自分が出る価値はないと思っていたので、そこだけは絶対に勝とうと思っていました」
――相手の強力な攻撃陣に対して、一番気を遣った部分を教えてください。
「真ん中を空けないことだったり、自分たちの攻撃のコーナーキックで残っている時の守り方ですね。相手のカウンターが恐いので非常に緊張感を持ってやっていました」
――攻撃の場面では冷静な繋ぎが目立っていましたね。
「そんなに相手がプレッシャーに来ていないと感じていました。練習のときの方がプレーエリアも狭くてプレッシャーも速いので、受ける前の準備を心がけた中で判断良くプレーできました」
――中盤でコンビを組む中後選手との連係はいかがですか?
「チュウさん(中後選手)は本当に色んな経験をしているので、試合中にもっと“こうしろ”とか、色々とアドバイスをしてくださって本当に勇気づけられています。一緒にやっていて本当に頼りになるので、安心してプレーできています」
――同期の中野選手が昨シーズン先にデビューした中で悔しさもありましたか?
「去年、(中野)雅臣が先にデビューしたときは本当に悔しかったです。いつか自分も出てやろうと思っていたので、今日は良かったです」
――デビュー戦に向けてこだわっていたことはありますか?
「やっぱりデビュー戦ですし、開幕戦でしかも相手がセレッソだったので、緊張しないようにいつも通りの行動や生活を心がけていました」
――試合前に監督から何か特別な言葉はありましたか?
「思い切ってやれと言われました」
――フォルラン選手とのマッチアップした感想を聞かせてください。
「コーナーのところでフォルランのマークに付いていたのですが、練習の時に想定したときはすごく緊張していたのですが、今日は緊張せずに落ち着いて対応できました。フォルランの印象は目力がすごくてカッコイイなと思いました。プレー面はトラップなど一つひとつのプレーが、やはりワールドカップで活躍した選手だなと感じました」
――今後に向けた意気込みを聞かせてください。
「まずはケガをしないで、シーズンを通して今日やったプレーを基準にずっとこのクオリティーを保っていきたいです」
――サポーターの方々にメッセージをお願いします
「今日の勝ち点1というのは非常に大きいと思うので、この勝ち点1をプラスに考えて、次は必ず勝ち点3を取れるように頑張っていきたいです」
【試合後選手コメント:FW 9 アラン・ピニェイロ選手】
――ゴールを決めた瞬間、喜びを爆発させていましたね。
「すごくうれしかったです。中後選手の粘りから僕のところにチャンスが来たので、ここは絶対に決めるべきだと思い、思い切り良くシュートをしたら入ってくれたので、本当にうれしかったです」
――ヴェルディに来て新シーズンをスタートしましたが、現在の心境はいかがですか?
「キャンプの前にチームが始動してからずっとここまでやってきましたが、すごく強いチームですごく強いグループの中でプレーできる喜びを感じながら今のところプレーしている状況です」
――今日のプレーを通じて今後に向けて課題などを感じた部分はありましたか?
「シーズンは長いものなので、今日の試合のビデオを確認して直せる部分は直して、長いシーズンに向けてやっていきたいです」
――周囲とのコンビネーションはいかがですか?
「キャンプから何回か試合をしてきた中で最後の方の試合ではなかなか連係が上手くいきませんでしたが、今日の試合を見ても分かるように今日は周囲と非常に良い連係をみせ、良い試合ができました」
――次節以降の意気込みを聞かせてください。
「今日は残念ながら勝ちを掴むことはできませんでしたが、すぐに次の試合に向けて準備をスタートするので、次は勝てるように頑張っていきたいです」
【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】
――ご自身のパフォーマンスを含めて試合を振り返ってください。
「相手は巧いチームなので、僕たちが勝てる部分は走力や球際の部分なので、そこは最初からやっていました。どうしても相手は3トップが前線に残るので、上がるタイミングが難しかったですが、何度か良い形で攻撃に絡めました。後半に関しては守備重視という感じになってしまったので、後半も前半のように行ければ良かったです」
――フォルランが盛んに裏を狙っていましたが、その対応について聞かせてください。
「フォルランは動き出しが巧かったので、正直なところあそこにボールが来るのかという場面が何度かありました。もう一回、ビデオを確認して守備の部分は修正していきたいです」
――ブルーノ選手やウェズレイ選手、三竿選手との連係について聞かせてください。
「僕の1列前は前半がブルーノ(・コウチーニョ)で後半からアラン(・ピニェイロ)になったのですが、アランに関してはうまくコミュニケーションができましたが、ブルーノに関しては僕がもっと声をかけてあげないとダメですね。ブルーノ自身も僕にもっとこうしてほしいという部分があると思います。ただ、どちらが出るにしても彼らの良さを出せるように守備面でサポートしたいです。また、横も縦もブラジル人選手なのでもっとコミュニケーションを取り、ビデオで確認したことを彼らに伝えていきたいです。三竿に関しては間違いなくMVPの出来ですね。あいつは去年の僕と比べて、本当に凄いと思います」
――今年は2年目で経験の少ないユース出身選手たちを引っ張る立場ですね。
「去年、開幕から多くの試合に出ることができたので、今年はリラックスしてプレーできています。今年は個人的に数字にこだわっていきたいので、アシストやゴールを狙っていきたいです。ユース出身の中では自分が後ろのポジションで一番試合に出させてもらってきたので、自分が伝えられることは伝えていきたいです。もう2年目なので、1年目は甘やかされていた部分もありましたが、これからは結果が出るように頑張りたいです」
――先日のウェストハムへの練習参加から生かせた部分はありましたか?
「やっぱり、あっちで練習をさせてもらって球際の強さが全然違いました。今日はフォルランとの対決も楽しみにしていましたが、あっちの選手の方が凄かったですね。ただ、フォルランにビビったりすることはなかったです」
――今日の試合で得た自信を胸に次節は金沢戦ですが、意気込みを聞かせてください。
「次の相手は今日の相手とは全然違うタイプのチームですね。今日は相手のプレッシャーもさほどなかったですが、来週の相手は全く違う戦いになると思うのでしっかりと準備していきたいです」
【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】
――試合を振り返ってください。
「今日選手たちと共にスタートの一歩を前に踏み出すのか、後ろに踏み出すのか。また、その道が難しくなるのか、平坦になるのか。でも、自分たちは前に強く踏み出して進んで行こう。また、たくさんの支えてくれるサポーターやクラブの人間、育成の子供たちなど、色んな人間が自分たちを後押ししてくれる。その力をピッチの上に出そうと思い、戦いました。結果的に追いつかれて引き分けという形に終わってしまいましたが、自分たちが今年の1年をこういう形の戦いをするということは示せたと思います。また、走って身体を張って、そういう部分で応援を頂けるようなプレーはたくさんあったと思います。ただ、引き分けてしまったという部分では、ああいう時間帯にチームとして、どうゲームを締めていくのか。また、2点目を獲るチャンスが私たちにはあったので、勝利するという面では、セレッソというチームは非常にクオリティーが高く、90分間を通して気を抜くことがなかったです。また、ああいう場面でしっかりとフリーキックを決めてくれる、質の高い外国人選手がいるという部分は、J1レベルのチームだなと感じています。また、そこに自分たちが辿り着けるのではないかという期待もあった90分間でした。自分たちには一つひとつの試合や目の前の試合を勝っていくことで、自分たちの立ち位置が決まってくると思うので、次節の金沢戦に向けてオフ明けからしっかりとした準備をして戦っていきたいです」
――フォルランを中心とする相手の攻撃陣に対して、どんな対応策を施しましたか?
「相手のストロングを見れば、間違いなくクオリティーは高いですし、そこばかりを見てしまうと、自分たちが不安になってしまいます。したがって、自分たちのストロングを出していく。また、それを出すことで相手の形や相手が変化して自分たちが押し込んでいく形を作りたいと思っていました。だから、自分たちのストロングをいかに出していくかを選手たちに話していました。我々の2トップの速い選手と強い選手のコンビネーション、あるいは両サイドの巧い選手のパスであったり、落ち着きどころを作る。または中盤にボールを展開できる選手、ボールを奪える選手がいる。両サイドバックが運動量を武器に高い位置を取って2対1の状況を作ってサイドを割っていくなど、一人ひとりのストロングを出して、相手のストロングを消していくということを選手たちに伝えてスタートしました」
――後半半ばからシステムを4-2-3-1に変更しましたが、その狙いを教えてください。
「後半の途中から相手の32番(関口選手)が高い位置を取り出してきたと思い、それに対してボックスの4-4-2、あるいは4-2-3-1に変えて対応した方が良いのか、コーチ陣で熟考しました。その中で自分たちが時間帯によって前がかりになってスペースを空けている部分もあったので、少し4枚+4枚の8枚のブロックを作って、そこから平本とブルーノ(・コウチーニョ)の収まりを生かしてカウンターを仕掛けたいと思い、そうすれば自分たちも良い守備から良い攻撃を仕掛けられると考えてシステムを変更しました」
――開幕前に外国人選手は開幕してみなければどういうパフォーマンスを見せるか分からないとおっしゃっていましたが、今日の外国人選手のパフォーマンスはいかがでしたか?
「自分も選手時代からブラジル人選手や色んな外国人選手と付き合ってきました。その際に日本人とは違ったメンタリティであったり、勝負どころを読む力などを目の当たりにしてきたので、トレーニングマッチや日常の部分でまだまだ安定していない中でもゲームに入れば、しっかりとプレーできると思っていました。良いコミュニケーションを彼らと取れていると思っていましたので、彼らが本当に思い切ってプレーできるように通訳やそれ以外のスタッフが作ってくれているので、その辺はゲームをやるにあたってトレーニングマッチとは違う形になると考えていました。その中で自分たちのファーストゴールをアラン(・ピニェイロ)が獲ってくれたことは、自分たちにとって大きいことですし、彼にとっても大きなことだと思います。また、ブルーノがああいう形で時間を作ったり、スルーパスを出したり、ウェズレイが戦いの部分でしっかりと跳ね返してくれ、チームとしても他の選手たちにとってもすごく良い影響があったと思っています」
――今日の守備陣への評価を教えてください。
「本当にスタートのゲームというのは難しいですし、サッカーには相手がある中で、初めて対峙して少しでも寄せが甘いと、シュートを打たれてしまうという部分などに関しては、今後成長していく段階だと思います。また、自分たちはもっと成長できる、成長していかなければならないチームだと思っています。本当に1メートル、一歩というのは、もっともっと高めていかなければならないと思っています。ただ90分間、気を抜けないクオリティーの高い選手に対して、自分たちも非常に集中してチームとして戦えたと思っているので、これからもっと良くしていけるようにトレーニングしていきたいと思っています」
――左サイドバックの安在選手が非常に機能していたと思うのですが、監督の評価はいかがですか?
「本来であれば、もっと攻撃的に出られると思いますが、今日は守備のリスクマネジメントや相手の攻め残る選手を気にしている部分もあったと思います。攻守のバランスという部分ではうまく取れていたのではないかと思います。ただ、彼のストロングは攻撃参加してからのクロスやキックの技術だと思います。また、今日は1列前の南がきっちりキープできていたので、もっと積極的に上がるチャンスもありましたし、シュートチャンスもあったと思います。その辺はもっともっと出していけると自分も期待しています」
――途中出場の杉本選手が良いアクセントになっていたと思いますが、監督の評価を教えてください。
「彼は昨年の終盤に肩を手術して本来であれば、この開幕に間に合わないのではないかと最初の診断で言われていました。ただ、彼の努力やチームスタッフの献身的なリハビリによって、2、3週前からフル合流することができました。その中で彼も本当にそのときよりも視野を広く保った中でプレーをできるようになりましたし、今日はあの時間に4-2-3-1のワイドのポジションに入れて、守備時の役割とボールを持った際の役割の幅を取って、うまく彼の良さを出せるように伝えていました。そういう意味では戦術的に彼はしっかりと戦ってくれたと思っています。また、周りもしっかりと(杉本)竜士の良さをすごく出せるように動いてくれました。平本が起点になったり、ブルーノのところでスペースの開いた状態で竜士に前を向かせるようなプレーや良い体勢の竜二を使ってくれました。周りも本当にシンプルにプレーできた中で最後に点が来れば良かったと思っています。ただ、本当に良いプレーをしてくれました」