MATCH試合情報
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【試合展開】
7試合ぶりの勝利を目指すヴェルディは、ホームにコンサドーレ札幌を迎えた。前回のホームゲームでは京都サンガF.C.に完敗を喫しており、勝てないながらも支え続けてくれているサポーターに勝利を届けたい一戦。序盤、リズムをつかんだのはヴェルディだった。立ち上がりこそ札幌に押し込まれたが、徐々に細かいパスワークで相手陣内に侵入していく。迎えた7分、右サイドから森勇介がクロスボールを供給すると、GKがこぼしたボールに飯尾が食らいつき、こぼれ球に反応した西紀寛が左足を振り抜き、喉から手が出るほどほしかった先制点を手にした。しかし、ここからゲームの流れは完全に札幌に傾いてしまう。やや陣形が引き気味になったヴェルディは、自陣の深いところまで札幌に侵入を許す。ただし、佐藤優也の好セーブなどもあって無失点で前半を折り返した。
後半になっても札幌の攻勢が続いた。特にサイドからの攻撃に揺さぶられ、決定機を何度も作られた。ここで佐藤が何度となくビッグセーブを繰り返し、古巣を相手に抜群のパフォーマンスを披露。すると徐々にヴェルディもボールがつながりはじめ、60分には西が個人技でペナルティエリア内に侵入して相手GKをループシュートで破って貴重な追加点を手に入れた。3点目を挙げて試合を決めたかったが、73分に失点すると札幌に勢いを与えてしまう。ここからはひたすら我慢の時間を過ごした。相手の攻撃を撥ね返してカウンターから反撃の機会を窺うが、なかなか決定機までは持ち込めない。76分には特別指定が承認されたばかりの端山豪を投入。端山が持ち味を生かして積極的な姿勢でゴールを狙うが、これも決め手にならずに相手を突き放せない。ただ、佐藤を中心に守備陣が最後まで札幌の猛攻を撥ね返し続け、最終的に7試合ぶりの勝利を手に入れた。
【試合後選手コメント:MF 11 西紀寛選手】
――サポーターと喜びを分かち合うことができましたね。いまのお気持ちは?
「とりあえず勝てて良かったです。とにかく、今日はホームで必ず勝ち点3を取らなければいけないと思っていました。前回のホームゲームではとても情けないサッカーをしてしまったので、その分もと思っていました」
――ゴールシーンを振り返ってください。
「たまたまです(笑)。1点目は狙ったというよりも思い切り打ったら入ったという感じです。2点目も同じような感じです。2点目では仕掛けたときに相手DFの股を抜いて行こうと思っていたんですが、引っ掛かってしまいました。それでうまいこと足元にこぼれて決められました。次もできるようにしたいです」
――ご自身の2点で流れを持ってくることができたのではないでしょうか
「いや、流れは持ってこられなかったです(笑)。でも、とりあえず勝ち点3を取れたのは良かったです」
――2点目ではゴールを決めてすぐにゴール裏のサポーターのところに行きましたね。
「そうですね。次も一緒に喜べるようにしたいです」
――ご自身の今日の出来はいかがでしたか
「シュートを打てたのは良かったんですが、守備に追われる時間が長くなってしまいました。だから、やられたという印象の方が強いですね。ちょっと、改善点は多いかなと思っています。それでも、勝ち点を積み重ねていかなければ上に行けないので、少しでも上に行けるように頑張りたいです」
――チームにとってもサポーターにとっても待ちに待った勝利だったのではないでしょうか?
「本当はもっと早く2-0にできる場面があった中で、今日も決定的な場面を決め切れなかったですね。井林、タカさん(高原選手)のチャンスも決まらなかったですし、失点もしてしまいました。だから、次に向けて積み重ねていかなければならないですね。でも、次も続けて勝てるようにしたいです」
――今日の勝利は次に繋がる勝利だったのではないでしょうか
「そうですね。次にどんどん繋げていかないとまずいので、次も死ぬ気で頑張りたいです」
【試合後選手コメント:FW 44 高原直泰選手】
――試合を振り返ってください。
「良いサッカーではないですけど、とにかく勝つことが大事ですし、良いサッカーをするためには結果を出していかなければならないので、そういった意味では全員が泥臭く頑張ったと思います。勝ったことで次に向かっていけると思うので、とりあえず今日は勝ったことがよかったです」
――西選手のゴールについて。
「チームにとっては大きい2点だったし、良かったですね」
――勝てない間にチームの戦い方は揺らぎましたか?
「戦い方ではなく、自分たちが学ぶということができなかったです。同じことを繰り返して、失点して、動揺して勝てないという状況だったので、そういうことをずっと繰り返してきました。一つのミスなどから学ばなくてはいけないですし、繰り返さないように一人ひとりが注意しないといけないです。そうしないとチームとしての成長もないし、勝つこともできないです。それだけ勝つということは厳しいものだと思うし、そういった意味では多少の時間が掛かったかなと思います。けれど、ここから全員で持ち直していきたいです」
――今日の勝利は大きいですか?
「一つ勝ったからといって上手くいくとは限らないけれど、勝たなければ前に進めないですし、そういう意味では自分たちが前に進むための条件をクリアできたと思います。ここから自分たちのアクションが大事だと思います。より戦う気持ちを出さないといけないし、きれいなだけじゃ勝てないので、一人ひとりが戦うことが大事になると思います」
【試合後選手コメント:MF 36 端山豪選手】
――試合を振り返ってください。
「試合に入るまでは緊張しないように意識していましたが、監督に呼ばれた時は一瞬緊張しました。けれど、ピッチに入った時は落ち着くことができて、緊張して足が重かったですが、思っていたよりは平常心でできました」
――シュートシーンについて振り返ってください。
「あのようなシュートシーンの時は、右利きなんですが、右に相手が来たら左で打つと考えています。なので、決め切りたかったのですが、枠にも入ってなかったので、次は枠にいくように精度を高めていきたいです」
――先日の練習試合でゴールを決めたことがよかったのではないですか?
「良いイメージは沸いていたけれど、結局本番で決めなくてはいけないので、精度を上げたいです」
――高原選手との2トップについて
「ピッチに入って数分して『高原さんと2トップを組んでいる』という夢みたいな気持ちだったのですが、そのようなことばっかり言ってもいられないので、試合に出ている以上はチームの一員ですし、自分も早くチームを勝たせられるようになっていきたいです」
――今日が第一歩ですが今後については?
「今日は出していただいて、個人の結果は出せなかったけれど、チームが勝利できたことは大きいと思います。自分が出場して、チームが勝利できるように、アピールしていきたいです」
――味の素スタジアムに立った感想は?
「なるべく意識しないようにはしていたのですが、やはりいつも上から見ていた景色とピッチレベルで景色が違うので、一つ夢が叶ったと思います。けれど、ここからがスタートなので、これからどんどんレベルアップしてチームの力になれればいいなと思います」
――味の素スタジアムは初めてですか
「小学校5年生以来です。ユースの時は、同期だった南や杉本が試合に出ているのを上から見ていました」
――ラインダンスはどうでしたか?
「勝利できたんだなと実感できてうれしかったです」
【試合後選手コメント:GK 1 佐藤優也選手】
――苦しい時間帯にチームを救うセーブが何度もありましたね。
「そうですか(笑)。でも、ああいう風に全員がハードワークをこなすことができなければ、勝利できないということを実感する試合でした」
――ゴールマウスを守っていて何度か“やられた”という場面はありましたか?
「そうですね。何回か危ない場面を作られてしまいました。でも、そういうなかで失点を1点に留めて2-1で勝利できて良かったです」
――GKとしては今日のような形の勝利はうれしかったんじゃないですか?
「そうですね。やっとリズムが悪い状態から抜け出すことができました。泥臭いゲームでしたが、結果を残すことができて良かったと思っています。また、ここから再スタートを切ることができます。次は横浜FCとの大事な試合なので、そのゲームに向けて気持ちを切り替えて準備したいです」
【試合後選手コメント:DF 26 井林章選手】
――試合を振り返ってください。
「1失点してしまったことは、まだまだ自分たちの形ができていないということですね。だから、今日は無失点で終えなければいけなかったと思っています。やっぱり、ディフェンスラインに入っている以上、そういった部分は課題だと思うので次に向けて修正したいです」
――前半は先制したものの、苦しい時間が続いていましたね。後半に向けてどういうところを修正していこうと考えていましたか?
「あまり大きく変更した部分はありませんでしたが、相手がどんどん裏を突いてくるような攻め方をしてきていたので、それに対応するため、きっちりブロックを作ってディフェンスラインと中盤のラインで連携を取ってスペースを与えないことで良い守備ができると、もう一回みんなで話し合いました」
――最終ラインが変則的に3バックと4バックを使い分けているように見えましたが?
「そうですね。ウィングバックと3バックの間を突かれるような攻撃をさせてはいけないと、練習から言われていました。なので、5バックになってしまう部分もありましたが、とにかくディフェンスラインの距離感を大事にやろうと心掛けていました。そういう意味ではある程度やれたかなという感じです」
――後半序盤の佐藤選手のファインセーブは大きかったですね?
「そうですね。ある程度決定的な場面を作られることは予想していたので、GK含めての守備ということもありますし、そこを破られなかったのは大きいと思います。DFが身体を張ったり、GKがファインセーブをすることは試合の流れの中で必ず次に繋がっていくものなので、そういう部分をきっちりやっていけば、必ず攻撃にも繋がると思ってやっていました」
――次節の横浜FC戦に向けて意気込みをお願いします。
「前回は負けているし、相手の戦い方として大久保選手をターゲットにしてくると思います。そこでボールを収められると厳しい戦いになると思うので、ディフェンスラインとしてはしっかりチャレンジ&カバーを徹底して、次こそ必ず無失点で終わりたいです」
【試合後選手コメント:DF 2 石神直哉選手】
――先制点を取ったあとは少し苦しい時間が続きましたね?
「そうですね。実力的にすごい差があるチームでもないので、必ずそういう時間はくると思っていました。そこでしっかりと我慢して自分たちのチャンスが来るまで凌いで、そうすれば必ず自分たちが追加点を奪えるというスタンスでやらなければならないと思っています。本当は常に試合を支配したいですが、それは現状難しいので、自分たちの時間帯ではない時にいかに耐えて、自分たちの流れが来るのを待つかが大事だと思います」
――なかなか勝てない時期が続きましたが、その中でどんな点を修正してきましたか?
「もちろん、全然ダメだった試合もありますが、それでも悪くない戦いができていた試合もありました。なので、積み重ねている部分もたくさんあります。そういう部分は変える必要はないと思っています。だから、何かを変えるというよりも、自分たちの力をしっかりと出し切るという気持ちでやっていました」
――後半はオーバーラップする場面が多かった印象ですが?
「そうですね。インターセプトして持ち上がる場面は多かったと思います。でも、オーバーラップを狙うというよりも、できるタイミングで上手い具合にやっていくことを意識していました。やっぱり、3バックなのでワイドに入ったら必ず上がるわけでなく、しっかりとしたタイミングで上がって、クロスや仕掛けで攻撃に厚みを与えられればと思ってやっています」
――後半はウィングバックとセンターバックの間のスペースを意識して守っていた印象ですが?
「勝っている状況だったので、相手も攻撃的になって両ワイドが押し込まれる場面もありました。それと、後半途中から相手が3トップ気味になっていたので、3バックだけで対応するのは難しいですし、守備側が常に一人余った状況を作りたかったので、そこは意識してやっていました。やっぱり、ウィングバックとセンターバックの間のスペースにパスを通されるのが一番嫌なので、それは後半だからというより常に意識しています」
――次節の横浜FC戦に向けて今日の勝利をどういう風に繋げていきたいですか?
「試合が終わったばかりであまり整理できていないですが、ミスを少なくしてチャンスをきっちり決めることが大事だと思います。あとはここ最近暑くなっているので、攻守の切り替えやセカンドボールを拾えるか、拾えないかで疲れ方も変わってくるので、球際を含めてそこをしっかりとやりたいです」
【試合後監督コメント:三浦泰年監督】
――試合を振り返ってください。
「今日の試合はあまり多くの言葉を残すべき試合ではないのかなと思っています。選手たちが見せたハードワーク、勝利への執着心はプロとして誇れるものだったと思いますし、良いとか悪いという評価を今は言うべきではないと思います。今日の試合を次への糧にして、しっかりと準備していければと思っております」
――6月1日の愛媛戦以来の勝利ですが、そこから勝てなかった時期に気持ちが揺らいだりしたことはありましたか?
「そうですね。信念を問う長いトンネルであるわけですから、それを抜けるために色んなことを整理しつつ、考えていました。だから、自分として成長できる期間だったと思っています」
――前半早い時間に先制してもっと畳み掛けられるかと思ったのですが、その原因をどのように考えていますか?
「暑さのなかで、90分間をどう戦っていくかというところで原因はひとつではないと思いますし、前半に決めたいという気持ちは選手としても持っていたと思います。それを実行しようと思ってもなかなかできなかったことはしっかり映像を見て確認をして、次へのステップにしていかなければいけないと思っています。そういうことも含めて整理して、周りに発信していかなければならない試合だったと思っています。今自分自身そういった質問への答えは持っていますが、それがすべてなのか、真実なのかを落ち着いて確認して、世の中に残していく、そんな試合だった気がします」
――端山選手のプレーの印象はいかがですか?
「短い時間のなかで彼の特徴、持っているものが周りの人もよく分かったんじゃないでしょうか。そういうパフォーマンスを出すことはできたと思っています」