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2021-22 Yogibo WEリーグ 第16節  日テレ・東京ヴェルディベレーザ vs INAC神戸レオネッサ
2022.04.03(日)13:00 KICK OFF

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岩清水梓「自分たちは優勝を諦めていない」

「一つも取りこぼせない」という緊張感の中でやれている

──前節は大宮Vにアウェイで1-0の勝利を収めました。試合全体を振り返ってください。
前期の対戦が0-0で終わっていたこともあって、「簡単にゴールは取れない」ということは予想していました。実際になかなかゴールが奪えない展開にもどかしさがあったので、1点をこじ開けた時はうれしかったですね。そのあと追加点が取れればもっと良かったですが、難しいゲームを勝って終われたのは収穫だったと思います。

──チームは後期に入って4連勝。ご自身も4試合連続でスタメン出場が続いています。
試合に絡めるようになって、自分の役割というか、チームを勝利に導くという部分では貢献できているのかなと思います。試合に対するモチベーションの上げ方や取り組み方を伝えていく。私がピッチに立つ意味はそういう部分だと思っています。ここまで4連勝で来ましたが、大事なのは次の試合なので引き続き平常心でやりたいです。

──リーグ前期の戦いを歯がゆい気持ちで見ていたと思いますが、復調した現在のチームの雰囲気はどうですか?
前期はケガで全然試合に絡めなかったですし、そういう意味ではチームに迷惑をかけてしまいました。ただリーグ後半戦が始まって、いよいよ「一つも取りこぼせない」という緊張感の中でみんながやれていると思います。それに自分で言うのもあれですが、自分が(最終ラインの)真ん中にいることでみんなが生き生きと、前向きにプレーできているのかなとも思います。

──WEリーグ初スタメンとなった3月5日のAC長野戦では、試合前に息子さんと一緒にピッチに入場しました。改めてあの時の心情を聞かせてください。
(親子入場の実現まで)思っていたよりも長くかかりましたし、予想していたよりも子どもが大きくなっていましたけど、ようやく自分が思い描いていた絵というか、世界というものを実現することができました。自分だけでは叶わなかった夢だと思いますし、いろいろな人が関わってくれて、いろいろな人が支えてくれたことで実現できました。でも、あの瞬間は意外と冷静でしたね。感動して泣いちゃうかなと思っていたんですが、夢の達成よりもスタメン出場のほうに気持ちが向いていたので、試合に集中していました(笑)。

──個人としては2011年からプロ選手としてプレーしていましたが、ついにプロチーム、プロリーグが誕生しました。そこでプレーすることの感慨深さもあるのでは?
すべてのタイミングが合致したというか、産後に復帰したリーグがたまたまプロリーグになっていたという感じですが、復帰に向けてはやっぱり大きなモチベーションになりました。プロ選手のレベルまで持っていけるかという不安もありましたが、与えられた場所でやるしかないと思っていましたし、目の前のことを一つずつクリアしていくという日々でしたね。

──プロ化以前と以後で何か変化を感じますか?
これまではみんな二足の草鞋でやっていたわけですから、それが職業になったというのはやっぱり大きいです。これまでもトップリーグでやっているという意識はあったので真新しい変化というわけではないですが、職業になった、サッカーでお金を稼いでいるというのは、冷静に考えたらすごいことだと思います。

3ポイント差にしておくことで相手のプレッシャーは大きくなる

──復帰を目指している間にチームのメンバーはかなり入れ替わりました。若い選手も増えましたが、ベテランとしてどんなことを意識していますか?
実は昔ほど「自分がやらなきゃ」という意識はなくて、今はみんなに頼りながらやっているという感じです。今までは「自分が引っ張って」という気持ちが強かったんですが、いろいろな部分で周囲を頼れるようになったのも、ある意味で成長かなと感じますね。ただ、先日の試合もそうですが、初スタメンの選手がどんどん出てくるので、自分が一声かけることで勇気を持ってもらうというか、「やってやろう」という気持ちになってくれたらと思って声がけはするようにしています。

──以前ほど気負わなくなったのも、頼もしいチームメイトがいるからということですね?
本当にそう思います。みんな力があるし、自分たちの紅白戦以上に高いレベルのゲームはないんじゃないかと思えるくらいなので、「みんな自信を持っていいよ」と言いたいですね。若いからといって何も心配はしていません。

──『ママさんWEリーガー』として注目を集めているだけでなく、なでしこジャパンの試合で解説者を務めたりと、メディア露出の機会が増えています。ご自身の中で発信していくことへの使命感のようなものがあるのでしょうか?
産後復帰に関してはありましたね。自分が目指したいと言って、それを応援してくれる人がいる以上、成し遂げなくちゃいけないという気持ちがありましたし、女子アスリートが選択肢を持てるきっかけになればとも思っていました。メディア出演についても、2011年にたくさんの方に名前を覚えてもらった人間としては、女子サッカーを知っていただくための広告塔じゃないですけど、そういうふうになれるんだったらなるべきだと思っています。より多くの人にベレーザの名前を知ってもらうためにもメディア露出は不可欠なので、女子サッカーのために、ベレーザのために、という気持ちです。

──今節は首位・I神戸との大一番です。勝てば勝ち点差は3ポイントまで縮まります。
これはWEリーグの特徴の一つでもあるんですが、現在の順位はあくまで暫定なので、現時点での勝ち点差を意識しても仕方がないと思っています。ただ、暫定でも3ポイント差にしておくことで相手のプレッシャーは大きくなるので、相手がいつ取りこぼしてもいいように、まずは自分たちが準備しておく必要があります。大一番なので集中力や運動量というのはお互いに自然と出ると思います。勝負事なので何が起こるか分かりませんが、目の前のプレーを一つひとつという意識で、やれることを最大限にやって、最後にみんなで笑っている姿を想像しています。

──最後にファン・サポーターへメッセージをお願いします。
WEリーグ元年において、すごく大事な試合の一つになると思います。自分たちは優勝を諦めていませんし、この試合に勝ちたいという気持ちを前面に出して勝ち点を積み上げたいです。応援よろしくお願いします!